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北海道グランド・ツーリング:Day5 [drive/touring]

北海道北部、美深町仁宇布の朝。
日の出直後の5時に目が覚めて、宿の周辺を散歩しました。

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朝霧に包まれた牧場はたいへん涼しく静かで、羊が草を食[は]んでいるのみ。
隣の蕎麦畑にもミルク色の霧が立ち込めていましたが、日が昇るに連れて徐々に青空が拡がってきました。
男前のシェフが作る朝飯がまた、素晴らしい!
キレイに盛り付けられたサラダやピクルス、羊のチョリソーとベーコン。
焼き立てふわっふわのスフレ・チーズ・オムレツwithトマト・ソース。
テラスに出て、空と山の風景を眺めながら食後のコーヒーを嗜んでいるうちに、ここに住みたくなってしまいました(笑)。

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後ろ髪を引かれつつ、チェック・アウト。
仁宇布の小中学校へと歩く生徒たちとすれ違い、北海道ではもう新学期が始まっていることを認識します。
登下校の時間帯に市街地を走るときなどは、従前以上に気をつけなければなりませんね。
今日は道東方面へのドライブですが、まずは内陸部を南に向かいます。
無人の原生林を駆け抜けてD49で美深峠を、続くD60で幌内越峠をクリアしていきますが、いずれも低いギアを要しない緩斜面で、峠感はありません。
休憩していてもクルマやバイクの往来は皆無で、むしろクマに遭う確率の方が高いんじゃないかと思わされました(汗)。
D60は路面が大きくうねっている箇所があり、スロー・ダウンを余儀なくされる場面もありますが、南下していくうちにそれも解消。
宿のおねいさんに勧められたしもかわ珊瑠湖は、鏡のような水面[みなも]に立ち枯れの白樺林と夏の雲とを静かに映していました。

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下川の町を過ぎ、D101で南下していきます。
D61を岩尾内湖方面へ左折、初走行の上紋峠へ向かおうとすると「3.8km先地点通行止」の電光掲示板に出くわしました。
まいったな・・・と思いつつ地図をチェックしてみると、ぐるっと30kmほど迂回すれば8kmほど先でD61に出られるルートを発見。
ちなみに私は12年前、北海道で通行止めの迂回に120kmほど走ったことがあるため、30kmなど屁でもないのです(笑)。
ということで一度D61を反対方向に走り、朝日町を経由してD101へと市道でトラバースします。
岩尾内湖まで戻って無事にD61へと復帰、しめしめ、まんまと通行止め区間の先に出てやっ・・・あれ?(汗)

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遠くの山並みへと続く、無人のストレート。
その脇に、無情にも「全面通行止:滝の上方面 通行不可」の看板が立っているではあーりませんか。
つまり、先ほどの電光掲示板が示していた通行止め地点とは別に、もう一か所、通行止めになっている所があったんですね・・・。
13.5km先ってことはちょうど上紋峠の辺りで、周辺には迂回路もありません。
仕方なくD61を諦めて、別ルートで旅を続けるべくD101を引き返していきました。
ちなみに現場ではまったく気づかなかったのですが、恐らくは誤植なのでしょう、看板には13.5km先ではなく「13.5m先」と表記されていました。
後刻、アップロードした画像を見たShimaさんからその点をツッコまれ、格好のネタを逸してしまったことに更なるショックを受けた次第です(涙)。

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愛別町まで南下してR39に出、上川のエネオスセブン-イレブンでハイオク・ガソリンとアイス・コーヒーをチャージ。
外気温は30度を超え、晴天の夏空からギンギンの太陽が照りつけて北海道とは思えない暑さですが、これでも東京よりは遥かにマシなんですよねぇ。
さて、ここからは一度走ってみたいと思っていたR333をトレースしていきます。
その理由は、同嗜好の走り好きの方であれば地図を見ただけでお解りでしょう、無料の自動車専用道路である旭川紋別自動車道/R450が延々と並行しているからです。
併せて、上川から西へはこの旭紋道に加えて幹線国道のR39があるため、善良な一般市民の皆さんがR333を択ぶ理由など無く、走り放題に違いないと踏んだのです。
実際に走ってみるとその予想は的中・・・どころか、もうヤバいぐらいのドライビング・ヘブンなのでした(汗)。

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R39から別れた途端にクルマやバイクはいなくなり、並行する旭紋道の高架やJR石北本線の鉄路が時折見えるだけで、幅員の広い2車線路のみがどこまでも続いています。
R273との重用区間を離れるとR333は曲率と標高とを徐々に上げ始め、明るく広々とした北見峠を越えて更に東へ。
白樺林のワインディングを駆け下れば、以降は広大な畑作地帯を貫く長大なストレートが待っています。
上川を出て丸瀬布の街に入るまで約60kmの間、ほぼ100%のレベルで独走状態でした。
無料高速のおかげで走り放題となった国道は、岩手県のR107vs釜石自動車道や、徳島県のR55vs日和佐道路、道内にもR274vs道東自動車道などがあり、いずれも実に楽しいのですが、R333はクラスが違います(震)。
D61通行止めからのリルートは、怪我の功名にも程があるハイパー・ドライブとなったのでした。

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遠軽でちょうど昼飯時となり、R242脇のラーメン屋「えびそば金行」に入ります。
券売機にメニューはいくつかありましたが、ここはやはり看板の海老味噌拉麺をセレクト。
海老と胡麻の風味がとても素晴らしく、ツルツル食感の中細麺を一気に喰い果たしてしまいました。
残るスープに取り掛かっていると、店のおねいさんが他のテーブルへ「『アエダマ』お待ちどうさまで~す」と何やら運んできている模様。
「アエダマ」って何だ?→そうか、「和え玉」か!→発注!!
丸々1人前の麺量にタレを絡ませ卵黄を載せた和え玉は、よく混ぜて釜玉状態で喰っても旨く、海老味噌のスープでつけ麺にしてもまた旨い。
最後は元丼にすべてブチ込んで完食、大満足の旨を告げるとおねいさんも喜んでくれました。
しかしながら、実質2杯も喰ったので腹パンパンです(汗)。

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D244R239に出て、サロマ湖沿岸を東に走ります。
湿度が高く、霧で湖面が見えなかったものの、しばらく走ると晴れて再び暑くなってきました。
D442を経て能取湖に沿って走り、D76で6年ぶり能取岬へと向かいます。
ド快晴、吹く風が足りないと思えるほどの暑さでしたが、何もない緑の岬にはいつも何か心安らぐものがありますね。
網走の市街地を抜けて女満別へと向かった理由は2つ。
ひとつは、これまたShimaさんが「こりゃうまい」と現地から送ってきた写真に感化され、道の駅「メルヘンの丘 めまんべつ」でカマンベールチーズ・ソフトクリームを喰うためです。
確かに濃厚で旨いのですが、真夏のような太陽にあっという間に溶け出したので、落とさないように必死で舐め倒しました(汗)。
もうひとつの理由は、近くにコイン洗車場があったため。
今日これまでの行程で、全国バッタ愛護協会(←そんなんあるのか?)からの提訴を免れないほど大量のバッタを退治してしまったので、高圧スプレーでその屍[しかばね]を洗い流すのです。
3日前にも同じ理由で洗車しましたが、バッタ問題はこの時期の北海道ツーリングのお約束なんですよね・・・。

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いい時間になってきたので、50kmほど東の清里町にある宿までのドライブを開始します。
ルートはいろいろと考えられるのですが、今回はカーナビに任せてみたところ、D246で小清水へと向かうイイ感じの行程を提案してきたので、採用!
いくつかの右左折を繰り返す、北海道には珍しい複雑な道道ですが、連続するルーズなコーナーや丘を越えるアップ&ダウン、防風林をブチ抜くストレートなど、広大な耕作地を行く素晴らしいカントリー・ロードでした。
小清水からD944を経由して清里町に入ったところで、いったんルートを離脱。
ストレートのD857をドン突きまで走って振り返ると、彼方のオホーツク海まで遥かな直線路が続いていました。
駐車場や展望台が整備され、すっかり観光地となって混雑する斜里町の「天に続く道」と違って、誰もおらず、何もありません。
聴こえてくるのは、隣の畑を驀進する大型トラクターの唸りだけです(笑)。

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斜里岳を望む丘の上に建つ、「ロッジ風景画」。
2年前にも世話になっている、とても居心地の良いハンド・ビルドの旅人宿です。
5日分のシャツやパンツなどを洗濯機に叩き込み、シャワーを浴びてから外に出ると、ちょうど太陽が沈むところでした。
晩飯はチキンソテーやカスベの煮付け、行者ニンニクの冷奴など、品数豊富でどれも旨い。
家族連れやカップルはそれぞれのテーブルで、私はチャリダーのおにいさんと同卓です。
40歳だという彼は東京から函館まで新幹線にチャリを積んでやってきて、道内を走り回っているとのこと。
信じがたいほど真っ黒に日焼けしまくっており、信じがたいほどたくさんの白飯を喰いまくっていました(笑)。
食後に外へ出ると、2年前と同じように素晴らしい星空が拡がっています。
他のお客さんも次々にやってきて、皆で空を見上げました。
天の川や流れ星を見たのは、本当に久しぶりのことだと思います。
皆さんが部屋に戻ってからもしばらくの間、涼しい風に吹かれながら独り夜空を眺めておりました。


本日の走行距離は、440km。
走行時間は6時間25分、平均燃費は13.6km/lでした。
旅は道北から道東へとシフトし、今日もボクスターは走りまくりました。
東京-京都間に匹敵するような距離でも、一般道のみで無理なく楽しく走れてしまうので、距離感がおかしくなりそうです(笑)。

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Sho-z

素晴らしいロケーションの宿ですね。
夕食・朝食も美味しそうですし、思わず住みたくなる気持ちが伝わってきましたよ。

D61の上紋峠あたりは結構楽しく走った記憶があるのですが、迂回までしたのに通行止めで残念・・・と思いきや、R333という手がありましたか!
ツーリングマップルでは旭川紋別自動車道の“濃い色の線”に掻き消されたように見え、全く目に入っていませんでした。(汗)
次回はハイパー・ドライブを体感しに行きたいと思います。

なお、全国バッタ愛護協会からの訴状はまだ届いておりません・・・(震)
by Sho-z (2023-09-09 23:12) 

wata

Sho-zさん、こんにちは。

今回のGT宿もリーズナブル&フレンドリーなソロ向けの旅人宿が多いのですが、この美深の宿は奥様と泊まられてもいいんじゃないかと思います。
実際、私以外のお客さんは2組とも幸せそうなご夫婦でしたからね(涙)。
初走行のR333は、あったまパーになるレベルの道でした。
めちゃくちゃ楽しいだけでなく、並行する旭川紋別自動車道よりもむしろ早く目的地に着けるんじゃないかと思いますよ(←想像です。念のため)。
ちなみに私が退治したバッタの数は、Sho-zさんの1割にも満たないはずです(笑)。

by wata (2023-09-10 14:56) 

toro2000

いつも楽しく感服しながら拝見しております。
詳細なルート情報もありがとうございます!
D857のいっぽん道が静かなままだと知って安心しました。
そして通行止の看板の写真、私も「m」とは気付きませんでした(涙)
指摘されたお仲間のShimaさんは道を間違えるというエピソードから
こっそり親近感を抱いていたのですが(スミマセン)、
今回の鋭いツッコミで尊敬の念が強くなりました。
これからもブログ楽しみにしております!
by toro2000 (2023-09-13 17:09) 

wata

toro2000さん、こんにちは。

おー、あのいっぽん道をご存知でしたか!
ここは映えスポットに成り下がる前の「天に続く道」のように静かでしたので、toroさんも安心してお越しください。
ちなみにShimaさんは今も驚くほど道を間違えるのですが、その一方でこの手のネタを見つけることには長けています。
いい宿や店などを探し出してくれることも多いので、道間違いは大目に見ている次第です(笑)。

by wata (2023-09-13 19:44) 

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