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四国ツーリング4:山道を東へひた走る [drive/touring]

愛媛県大洲市内の猫宿
朝6時に仕掛けたアラームが鳴る5分前、勝手に目が覚める。

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宿の風呂は溫泉ではないが、小さいながらも24時間入れるというので、朝風呂と洒落込む。
部屋に戻ると宿猫がやってくるが、エサも何も無いことが判るとニャアとも言わずに出ていった。
食堂で供される和定食の朝食は十分な内容で、腹いっぱい喰わせてもらえるのがありがたい。
ご主人によれば、猫は現在8匹いるという。
ビジネス旅館を謳う通り、長期の工事関係者と思われる皆さんも泊まっているが、それよりも猫宿としてのインパクトが強い。
値段以上のいい宿であった。

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松山方面へと向かうクルマの列に加わり、R56を東進。
予報は晴天だが、この付近は地形のせいか霧に覆われていて薄暗い。
気温は3度まで冷え込んでおり、幌を下げると真冬のような空気に驚いた。
内子からR379に入ると交通量は激減、霧も晴れて青空に太陽が輝いている。
2車線の快走路を東へ走り、そのままR380にスイッチ。
道は山に入り、車線は消えてタイトなワインディングとなる。
2速でぐんぐん駆け上がり、真弓峠のトンネルを越えると道は再び広い2車線へと戻った。

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R33からK212へと繫ぎ、R494で更に東へ向かう。
この区間は初走行だが、予想に違[たが]わず無人の狭隘路がひたすら続く。
一部は拡幅済であるものの、イメージ通りの素晴らしい「四国の山道」なのだ。
昼なお暗い森の中を走り続け、境野隧道を抜けると高知県。
その先は下り急勾配の狭い道が続き、改めてすんごい所を走ってる感が炸裂する。
途中、少し広くなった場所に桜が咲いている。
青い空と緑の杉林とピンクの桜が、春色の素晴らしいコントラストを放っていた。

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山を出たところから、R439で更に東へ走る。
この辺りは「与作」随一の快走区間であり、ギアを上げて気持ちよく走った。
R194を北に向かい、脇の林道を進むと路肩に多くのクルマが駐まっている。
ボクスターを置いて急な階段を谷底へ降りていくと、にこ渕と呼ばれる瑠璃色の滝壺が現れた。
初めて来てみたのだが、神秘的で実に素晴らしい。
とはいえすっかり観光名所となっているらしく、多くの人が写真を撮りまくっていた。
ハイ・シーズンの休日ともなるとアクセス路の林道から渋滞するような、いわゆる「映えスポット」なのだという。
しかしながら滝壺から林道までの階段の上りは大変きつく、僧帽弁閉鎖不全症が再発するかと思った(涙)。

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R194はクルマも少なく、大きな山の間を豪快に走ることができる改良済の2車線路。
が、そのまま西条方面へは向かわず、K17へと右折しノーズを再び東に向けた。
吉野川に沿った県道は、センター・ラインの無い区間も少なくはないものの、緩やかなカーブが続く無人の超絶ドライビング・ロードだ。
ボクスターで走るのは初めてだが、素晴らしい道と山の風景に思わず声が出る。
走り放題とはこのことだ。
さんざん楽しんで、早明浦ダム湖の脇でブレイク。
昼時はとっくに過ぎており、沿道には店もなく、腹ペコだ。
ということで昨日に続き、コーヒーとカップ・ケーキでのランチである。

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R439に復帰、大豊からはR32を北へ向かう。
幹線国道ではあるが線形も景色も良く、前が空くと気持ちよく走ることができる。
気温はいつの間にか20度にまで達し、パーカー1枚でも暑いぐらいだ。
大歩危・小歩危を抜け、祖谷口からK32へと右折すると、道路状況は一変。
落石の散らばる超絶狭隘屈曲路はほとんど改良されておらず、テクニカル&スリリングなドライブが続く。
谷底まで200mの断崖に立つ小便小僧を過ぎると巨大なホテルが現れ、その先は路面が一気に良くなった。
K32を離れ、ボクスターを駐車場に置いて歩き、料金550円を払って祖谷のかずら橋を渡る。
相変わらず足元はスカスカで、実に恐ろしい。
今日は空いているからまだいいものの、混雑していると途中で立ち往生するおばちゃんがいたり、グラグラ揺れたりして阿鼻叫喚の世界となるのだ。
命がけで渡りきり、その先に落ちる滝を眺めてからパーキングへ戻った。

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ここから更に山奥へと進んだところに、本日の宿「民宿 お山荘」がある。
この辺りの民家と同様、急斜面を切り開いて建てられているのだが、実に広々として館内もキレイである。
角部屋の6畳間にで荷をほどき、離れの風呂で汗を流した。
入れ替わりで入ってきた外国人のお兄さんが、「あのポルシェはあなたのですか?」と英語で訊いてくる。
−イエス、イッツマイン。
−With your wife?
−ノーノー、イッツロンリートラベル。ノーワイフ、ノーガールフレンド。
−Really? Why?
−えーと、ビ、ビコーズ、マイラバーイズポルシェ!
−Oh, I see! Hahaha! 
−わは、わははははははははは!(涙)

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太陽が山の端に隠れると、急激に冷え込んでくる。
浴衣の上に綿入りの半纏を重ね、食堂へと赴いた。
例によって一番安いプランではあるものの、アメゴの塩焼きや刺身こんにゃく、鰻の蒲焼、山菜に祖谷蕎麦と、山の幸が勢揃い。
ビール片手に平らげて、大満足で部屋に引き上げた。
OneNoteに旅日記を認[したた]めつつ、今日も素晴らしい一日だったと振り返る。
明日は帰路に就かねばならないのだ。


本日の走行距離は、258km。
走行時間は5時間36分、平均速度は48km/h。
平均燃費は、11.4km/lであった。

つづく。

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コメント 2

とも2

wataさん、おはようございます。
初コメではありますが、いつも楽しく拝読しております。
旅日記の途中でありますが、先日、2年待ちでようやく我家にも718ボクスターがやってきましたのでご報告とご挨拶です。
シャークブルーの外装とケイマンホイールの組み合わせが被りますので、どこかですれ違うことをうっすらと期待しております ^⁠_⁠^
ちなみに、右ハンドルですから間違われることはないと思います。
四国編の後半も含めて記事を楽しみにしております。
by とも2 (2024-03-27 06:00) 

wata

とも2さん、はじめまして。

アクセス&コメントをいただき、どうもありがとうございます。
そして待ちに待った718ボクスターの納車、たいへん喜ばしいですね!
10年前、私のボクスターはオーダーから納車まで5ヶ月間を要しましたが、今は2年間もかかるとはビックリです。
欧州におけるサイバーセキュリティ対応問題やBEVへのモデルチェンジなどがありますから、718シリーズの購入は今がラストチャンスなのかもしれませんね。
仰るとおり、いずれどこかでお会いできると思っていますので、その日を楽しみにしています。
お互い安全第一で、ドライビングを楽しんでいきましょう!

by wata (2024-03-27 21:47) 

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