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初夏のショート・ツーリング【2/2】 [drive/touring]

新潟県、瀬波温泉、朝5時半。

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寝ぐせ全開のまま宿を出て、すぐ近くの大きな観光ホテル「大観荘せなみの湯」の露天風呂にゆっくりと浸かります。
ここは私が宿泊した旅館と姉妹関係にあるとのことで、朝食も同館の立派な食事処で旨いバイキングをいただきました。
岩船産コシヒカリや村上牛、刺身、郷土料理などなど、朝っぱらから喰い過ぎです(汗)。
身支度を整えてチェック・アウト。
空は薄曇りで夕べは小雨が降ったようですが、幌はすっかり乾いていました。
トランクに荷物を放り込み、蟲痕だらけの窓を拭き上げ、トップを下してスタートです!

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温泉街を後にし、コスモ石油・岩船SSでガソリンを満タンにしてから、R290→K273と昨日走った道を戻っていきます。
幹線のR113を東へ走り、山形県に入るや否や、K15へとエスケイプ。
交通量はゼロ、川沿いのキレイな2車線区間から峠越えのハードな1.5車線路へと、ハンドリングを大いに楽しみながらボクスターを走らせていきました。
K8に入ると道は再び2車線レベルとなり、ギアを上げて大石沢を遡上。
峠を越えて飯豊町に入り、ストレート&ルーズ・コーナーのK378を快走し、そのままの勢いで飯豊檜枝岐大規模林道に突入します。
この道は冬期はもちろん、災害で通行止めになることも少なくないのですが、この日は文句なし!
すっかり晴れた初夏の空の下、路上に散らばる落石を躱しながらアクセルを開け、カーン!と高まるMA122型水平対向6気筒エンジンのサウンドに酔い痴れながら、県境のトンネルへと昇りつめていきました。

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福島県に入ると、大規模林道は低中速コーナーの連続するセクションとなります。
シフト・ダウンによるエンジン・ブレーキを多用しながら谷間を駆け下り、一ノ戸川に沿って涼しげなクルージングを堪能しました。
K385からR459を経て、山都でK16へとスイッチします。
のんびりと気持ちよく走って、県営荻野漕艇場のパーキングでひとやすみ。
目の前の阿賀川はほぼ静止しているように感じられ、その水面を練習中のダブル・スカルが静かに滑っていきました。

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K16はやがて川を離れ、正面に南会津の山々を望む田畑の中を往くようになります。
その山の中へと進むR400は、1.5車線レベルのテクニカルな屈曲路。
杉峠を越え、深い森を下り切ると、道は只見川に従う爽快な2車線路となりました。
橋を渡り、K59からK153へと無人の山間路を南下していくボクスターは、連なるスノー・シェッドを突破して、県道の終着から入間方不動沢林道へと入っていきます。
木漏れ日の眩しいこの舗装林道を辿るのは、3年ぶり2回目のことです。
大辺峠に吹き渡る風は実に涼しく爽やかで、ひとつ大きく深呼吸をしてから、屈曲の山峡路を下っていきました。

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山を出たところでちょうど昼時となったため、今年の春にも立ち寄った「やまか食堂」で昼飯です。
前回はソースカツ丼の大盛りを、今回は普通盛りを発注しましたが、分厚いカツの量は変わらずボリューム満点。
喰い過ぎた朝食がまだ残っているはずの腹へと叩き込んだ結果、またもや苦しいほど満腹となりました(汗)。
なお、食事が供されるのを待っている間、先客の方から「wataさんですよね?」と声をかけていただいています。
店の駐車場に駐まっていた987型ポルシェ・ボクスターのオーナー・ドライバーさんで、以前に大黒PAでお話しさせてもらった方だったのです。
いやもうビックリ仰天、こんなところでお会いするなんて奇遇にもほどがありますが、お互いに走りまくっていると、こういうこともあるんですね。
どうもありがとうございました!

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R401でまたもや山の中に突入すると、俄かにかき曇った空から雨が落ちてきました。
速度を上げれば濡れないレベルの雨量だったため、タイトなワインディングをアクセル・オンで走り続け、新鳥居峠を越えていきます。
その先で雨が強まったので仕方なく幌を閉じますが、下界に出るとその雨はパッタリと止み、再びオープンで走ることができるようになりました。
R352を南下していくボクスターは、道の駅「尾瀬檜枝岐」にピット・イン。
敷地内の「山人家[やもーどや]」でソフトクリームを舐め倒していると、遠くからゴロゴロと雷の音が聞こえてきます。
雨雲レーダーをチェックしたところ、この先の山中で小一時間ほど俄雨が降るとの由。
ということで、近くの日帰り温泉施設「燧の湯」で雨宿りと洒落込みます。
予報の通り、露天風呂へ浸かっているうちに降り出した雨はしばらくすると止み、リスタートしたボクスターの幌はすぐに乾いて開けることができました。
雨上がりのワインディングを駆け上がる、風呂上がりのオープンカー。
雨雲レーダー、最高です(笑)。

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R352、奥只見ルート
おそらく日本で最も冬期閉鎖期間の長い国道で、この日はようやく福島県から新潟県までの通行が可能となった直後のことでした。
尾瀬への往復客も一段落した時間帯、深い山の中にはほとんど誰もおらず、連続するタイトなコーナーへ無心になってタイヤを切りつけていきます。
只見川の流域に出、県境の橋を渡り、奥只見湖岸に沿う曲がりくねった道を攻略し続けるボクスター。
途中にはいくつもの「洗い越し」が現れ、秘境感が炸裂します。
沿道には雪渓が残る景色もあり、相変わらず素晴らしい道だなぁと感じ入りながら走っていきました。
が・・・。

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土砂や水が流出している路面を慎重に進んでいくと、前方に急ごしらえのバリケードが登場。
どうやら路肩の雪渓が融けて崩れ、大量の岩や木と共に路上へと流れ出したようなのです。
いや、マジでシャレになりません(汗)。
それでも通行止めとはなっておらず、実際にクルマが通過した形跡もあるのですが、泥濘に水の流れる箇所の段差はかなり深く荒れており、ボクスターでは通れないだろうと思われたのです。
50kmも引き返して別ルートを行くしかないのか・・・と諦めたところで後方からアウディ・A6アバントがやってきて、当該箇所を難なく通過していくではありませんか。
いやもうそれならイチかバチか行ったれや!と肚を決め、ボクスターで徐行進入。
アンダー・フロアを少々擦ったりしたものの、何とか無事に突破することができました。
あぁ、よかった(涙)。

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奥只見湖の西端、銀山平からはK50/奥只見シルバーラインで下界へと戻ります。
R352はこの先、枝折峠から駒の湯温泉三叉路までの屈曲区間が未だに冬期閉鎖となっているのです。
思えば昨年の11月4日からの通行止めですから、実に8ヶ月もの間、クローズとなっているんですねぇ。
やっぱり凄いと思いますよ、奥只見ルート(汗)。
一方、かつては有料道路だった奥只見シルバーラインは、20km近いトンネルで麓まで下りる、これまたある意味凄い道です。
水が滴りまくる長大なトンネルは路面も荒れており、なかなかの緊張感。
外界との気温差はマイナス10℃のレベルに達し、トンネルを出た途端にすべてのウィンドウが真っ白に曇るのには、月の家円鏡師匠もビックリです(←?)。
下界の天候は極めて不安定で、土砂降りに見舞われたと思ったらパッと止む。
ローソン・湯之谷吉田店でコーヒー&アイス・ブレイク中、雷鳴が轟いたので慌ててボクスターに乗り込み、豪雨のエネオス・小出インターSSで最後の給油をしてから関越自動車道/小出ICへ。
その雨もすぐに上がり、途中のPAでトップを下ろして自宅へと向かいました。


本日の走行距離は、564km。
走行時間は8時間58分、平均速度は66km/h。
平均燃費は、10.1km/lでした。

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ということで、初夏のショート・ツーリングを存分に楽しんできました。
これまでにも何度か1泊2日のライトなクルマ旅をしていますが、その中でも今回は最高のルーティングだったのではないか・・・と、密かに自画を自賛しているところです(笑)。
ちなみにR352/奥只見ルートの枝折峠-駒の湯温泉三叉路間は、6月30日になってようやく開通したとのこと。
今シーズンもあと4ヶ月しか走れませんから、この手の道がお好きな方は、どうぞお早めに!

2日間の走行距離は、1,232km。
走行時間は18時間41分、平均速度は68km/h。
平均燃費は、10.1km/lでした。

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ケンタロ

二日目のツーリングお疲れ様です('∀')
奥只見湖ルート、国道352号線の道幅はかなり狭そうな印象を持っていまして、ボクスターの全幅は約1800mmでしたか、離合する時、大丈夫そうですか?('ω')
全線開通すると観光客で結構混雑しそうですね(;´・ω・)
ソースカツ丼、美味しそうで写真を見ただけでお腹がいっぱいになりそうです(゚∀゚)

by ケンタロ (2021-07-07 22:14) 

wata

ケンタロさん、こんにちは。

引き続き読んでいただき、ありがとうございます!
R352は冬期閉鎖の長い秘境系の道路で、センター・ラインもほとんどありませんが、離合に難儀するほど狭くはありません。
対向車が来ても減速するだけで大丈夫ですから、どうぞご安心ください(笑)。
シーズン中は小出から枝折峠や奥只見湖までの観光客は目にしますが、混雑するというほどではないと思いますよ。
ソースカツ丼は、実際に腹一杯になりますので、おなかを減らして行きましょう(笑)。

by wata (2021-07-07 22:53) 

junki

wataさんこんばんは。
以前「南会津~阿武隈ツーリング」の記事にてコメントさせて頂きましたが、私も春先に南郷から国道401号の「新鳥居峠」の看板の所で写真撮っていました。
奥只見方面、シルバーラインを通過する際もオープン走行なのでしょうか?水が落ちて来たり路面から舞い上がった水で大変かと思うのですが。。。洗い越し通過も含め、私は奥只見へ行くと道中で洗車して帰りますね。。。
by junki (2021-07-08 01:35) 

niwa

wataさんこんにちは。

知らない道が沢山あり、旅情(走情?)がかき立てられます!
まだ梅雨全開ですがうずうずしてまいりました。
今後東北ツーリングに行く際は参考にさせていただきます!

それにしても、青空の下、BOXER-6を奏でて快走するのは大変気持ち良さそうですね!wataさんのブログを拝見してオープンカーにとっても興味が出てきました。
by niwa (2021-07-08 12:23) 

wata

junkiさん、こんにちは。

R401、いいですよね。
「南会津-阿武隈ツーリング」の時点では冬期閉鎖中だったのですが、今回は久しぶりに走って、その楽しさを再認識しました。
新鳥居峠と並び、東側の博士峠もなかなかタフでおもしろいので、また走りに行こうと思います。
奥只見シルバーラインはいつも水浸しですけど、私はお構いなしに開けっ放しで走りますよ。
確かに汚れまくりましたし、その後も小出付近で豪雨に見舞われましたが、気にせずそのまんま帰りました(笑)。

by wata (2021-07-08 20:09) 

wata

niwaさん、こんにちは。

私もおかげさまで北海道から九州まで何度かツーリングに出ていますが、それでもまだまだ未走の道がたくさんあります。
知らない道を走るのって、ワクワクするんですよねぇ(笑)。
今回は走破歴のある道ばかりでしたけど、めちゃめちゃ楽しいルートなので、niwaさんも是非走ってみてください。
オープンカーはこのボクスターが初めてですが、屋根を開けて走るその気持ちよさは、もはや何物にも代えがたいレベルだと思ってます。
このBlogを読んで下さっている方の中にも、オープンカーに乗り始めた方が何人もいらっしゃるようです。
niwaさんも、ご検討いただけると幸いです(笑)。

by wata (2021-07-08 20:09) 

ラビー

2日間の贅沢ツーリング、お疲れさまでした。
今回も迫力のアドベンチャーパートありましたねっ(笑

緑がきれいですね~。
奥只見、行きたいです。
紅葉と大雨しか行ったことがない・・・晴れてる緑を見たいっ。
早く梅雨明けしないかなぁ。
お出掛けできず、車はピッカピカのままです(くぅ~
by ラビー (2021-07-08 20:56) 

ていしあ

こんばんは。

自画自賛でなく、考えられる最高のルートでしょう!

瀬波温泉から「曲がって帰る」とおっしゃっていたので、これは間違いなく飯豊檜枝岐大規模林道でしょと思っていたら、ドンピシャでした(笑。しかし、その後R352で家路につかれたのにはびっくり仰天でした。私ならあれだけ走ったあとなら、R252だったと思います。

読んでいるだけでお腹いっぱいになりました。また次を期待していますよ。



by ていしあ (2021-07-08 21:07) 

wata

ラビーさん、こんにちは。

はい、たった1泊にもかかわらず、新潟-山形-福島のカントリー&ワインディング・ロードを駆け巡る、仰る通りの贅沢なツーリングとなりました。
奥只見の土砂崩れはマジで引き返すレベルで、改めてすんごい道なんだなぁと思い知らされた次第です。
日常から隔絶された山の中をひた走るR352、紅葉もキレイですが、見渡す限りの緑も素晴らしいですよ!
梅雨が明けたら、早めに行ってくださいね。
油断していると、またすぐに冬期閉鎖になっちゃいますよ(笑)。

by wata (2021-07-08 23:00) 

wata

ていしあさん、こんにちは。

復路についてもご賛同をいただき、誠にありがとうございます!
飯豊檜枝岐大規模林道は、開通の報を聞いたら、走らないわけにはいきませんよね。
今思えば、140km走った先の檜枝岐村にある同じ道路の南端も走ればよかったなぁ・・・と、少々反省しております(笑)。
R352は全通ではなかったものの、ハイライトの奥只見湖岸セクションが開通したとのことで、問答無用で走りに行きました。
と言うか、待ちに待っていた奥只見ルートの開通を知ったことが、今回のツーリングを企画&敢行するキッカケとなったのです。
崩落に見舞われましたけどね(涙)。

by wata (2021-07-08 23:01) 

yuba

あぁぁ!K378走ったのかぁ!いいなぁ、幻のオリジナルルート(笑)。これは踏まないといけない道。全然踏めてない所が多すぎるんだよなぁ・・・。限りあるドライブチャンスでどこまで走破できるか、羨ましい限りでござる。
by yuba (2021-07-08 23:53) 

wata

Yubaさん、こんにちは。

グーグルマップでは、山形県道378号線は福島県境までと表記されていますが、実際は途中から飯豊檜枝岐大規模林道となり、福島県道385号線の交点まで続きます。
前回一緒に走った時はまだ冬期閉鎖中で、当初のルートから外したんですよね。
https://wind-and-light-bxtr.blog.ss-blog.jp/2021-05-29
今年はようやく6月7日に開通しましたので、勝手に独りでリベンジさせていただきました(笑)。
この道もあと4ヶ月しか走れませんから、どうぞお早めに!

by wata (2021-07-09 00:35) 

マンタロウ

こんにちは!! wataさん

いやぁ~往路のコース設定!! さっそく参考にさせていただきます。
さらには帰路の新潟・山形・福島、っで新潟へのループ!!
今回も大好きなルートエリアで、うんうん♪そぉーそぉーと楽しく拝読いたしました♪
しかも、会津三島から昭和村へのルート選択が、K32ではなく入間方不動沢線での大辺峠越えとは渋い!! 渋すぎますぞ♪!!

今回もボクスターでよくぞこうしたルートをっ!!と、あっぱれ感服いたしました♪ こりゃあ行くべ!!
ありがとうございました!!
by マンタロウ (2021-07-09 19:44) 

wata

マンタロウさん、こんにちは。

往路・復路とも、常人が選ばないルートであろうと思ってはいましたが、マンタロウさんから力強いご賛同のお言葉をいただき、その意をますます強くしました(笑)。
「県境に良い道あり」との格言通り、山形→福島→新潟の県境越えは、いずれも冬期閉鎖が明けて間もない山岳路で、実に楽しく走ることができたと思っています。
狭く険しい入間方不動沢林道よりも、東側を並行する福島県道32号線のほうが、圧倒的に快走できるんですよね。
確かに渋すぎましたので、次回は32号を行こうと思います(笑)。


by wata (2021-07-09 22:57) 

ラビー

奥只見の見渡す限りの緑を堪能してきました(ご報告
バリケードの場所は、きれいになっていましたよ。
それっぽい工事中の場所を通過して、もしかしてここ?っと思うレベル。
シルバーラインのトンネルを抜けたら、ガラスが曇って、おぉ~これか~(もありました・笑
あまりにきれいで、停めて~写真撮って~深呼吸して~っと、
なかなか先に進めませんでした(笑
行けてよかったです。


by ラビー (2021-07-25 21:57) 

wata

ラビーさん、こんにちは。

自分で言うのもなんですが、わざわざ奥只見へ走りに行くとはマニアックですよねぇ(笑)。
崩落箇所も治っていて何よりですし、私が走った頃よりも緑は濃くなっていると思います。
しかし、秘境のR352を走り切ってようやく魚沼まで出たのに、食後はR252/六十里越で会津方面へと戻るとは、やはり常人とは思えません。
私も同じルートを走りますよっ!・・・と軽々しく言える行程ではないと思います(汗)。

by wata (2021-07-26 22:33) 

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