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九州グランド・ツーリング5:五木・五家荘、南阿蘇 [drive/touring]

GT5日目の朝は、鹿児島県薩摩川内市、入来温泉郷の宿で迎えました。

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6時に起きて、離れの部屋から風呂ヘと浴衣姿で向かいます。
快晴無風の朝は放射冷却でめちゃくちゃ冷え込んでおり、ボクスターの幌や窓は夜露で真っ白になっていました。
朝風呂で一緒になった地元のおじさんと会話。
同窓会のため久しぶりに埼玉から帰ってきたのだそうですが、ここの温泉が一番だと誇らしげに言います。
汗をかくほど温まってから和定食の朝飯をいただいて、チェック・アウト。
出発前にボクスターの幌を拭いていると、一部が凍っていることに気がつきました。

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R328からR267に入った辺りで、乾いたトップを下ろします。
空はカラッと晴れ渡り、秋というよりは冬の風情で、寒いのですが大変いい気持ちです。
前走のトラックを避けるべく広域農道/川薩グリーンロードを走り、R267へ戻ってから国道を外れて曽木の滝に立ち寄ってみました。
ここは初めて訪れたのですが、朝日を浴びて轟轟と流れる様は迫力満点。
なかなか素晴らしい滝だと思いました。
紅葉の名所でもあるようなのですが、沿道のモミジは赤茶色に萎れてしまっています。
ここまでの旅程で見たモミジはどれも同じような状態で、やはり今夏の猛暑が影響しているのではないかと思わされました。

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伊佐の町に入り、エネオスで給油です。
宿でもらった2,000円の旅行支援クーポンを使い切り、残りはクレジット・カードで満タンにしました。
スタンドのおねいさんにOKをもらい、ホースを借ります。
薄汚れたボクスターに大量の水をぶっかけて、2日前の朝からボディを覆っていた桜島の火山灰を洗い流しました。
灰と言っても細かい砂粒のようなものなので、ヘタに乾拭きなどはせず、水が使えるようになるまで洗わずにいたのです。
スッキリしたところでリスタート、R267は交通量が激減し快走状態で県境を突破。
3日間走った鹿児島県から、旅は熊本県にシフトしました。

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人吉の街を抜け、本日の目的路のひとつであるR445で北上を開始します。
九州の山深さを比較的手軽に味わえるルートとして、8年ぶりに走ろうと決めていたのです。
先行車が多かったため途中から深い谷の対岸へ渡ると案の定、もはやノー・カー&ノー・バディ。
バカでっかい山々を眺めながら、断崖のワインディング・ランが続きます。
ものすげぇところを走っているのは間違いないのですが、路面は良く幅員も十分なのです。
路肩の広い駐車帯にボクスターを停め、雄大な景色を睥睨しつつ、さつま町のファミリーマートでサーモ・ボトルに詰めておいたホット・コーヒーをひとくち。
いやはや、最高ですねぇ。
深い谷の対岸では、アメリカンなバイクの集団が爆音を立てながらゆっくりと国道を走っていきました。

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R445に戻り、バイクで賑わう道の駅をスルーして、五木村の中心部で飯処を探します。
国道から離れた住宅地にある「食堂ゆき」は普通の民家にしか見えず、非常に見つけにくい店構え。
小さな看板以外は暖簾すらも出しておらず、恐る恐る入口の戸を開けて「お店、やってますか?」と確認するレベルです。
独り座敷に上がり込み、肉うどんとホルモンの定食を発注。
甘めのダシに柔らかいうどん、ホロホロに炊かれた牛肉と、九州のうどんのイメージ通りの旨さです。
味噌仕立てのホルモンもクッタクタになるまで煮込まれており、キャベツとのコンビネーションも抜群でした。
ごちそうさまでした!

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腹も満たされ、R445で北上を再開。
この先、平家落人伝説の残る五家荘[ごかのしょう]エリアに入るとクルマもバイクもいなくなり、青い空と緑の山との間に改良済の2車線路がどこまでも伸びています。
とは言え、調子こいて走ってると未改良のリアル1車線区間が登場。
慎重に通過すると再びバイパス・レベルの広い道になるなど、広狭混在にも程がある素晴らしいツーリング・ロードなのです。
が、標高1,100mの二本杉峠の先は、ひたすら急坂を下る1-1.5車線区間。
荒れた路面に気をつけながら強烈な屈曲路を下り、時には対向車との離合に難儀しながら下界を目指します。
このあたりのドイヒーな未改良っぷりは8年前と何ら変わりなく、なんだかちょっと安心しました(←安心するなって)。

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狭隘な山道を下りきったR445はR218との重用となり、しばらくは他車のペースで走る普通の山間路となります。
北西に向かうR445からK57へと右折、菊池人吉大規模林道で吉無田高原に出ると、阿蘇の外輪山が徐々にその威容を見せ始めました。
交通量の多いK28の現道を離れ、2速スポーツ・モードでアクセル・オン!
本日二つ目の目的路はこのK28旧道、俵山峠越えです。
タイトなコーナーのいくつかはキャッツ・アイに護られていることに注意が必要ですが、旧規格ながら2車線が確保された、草原の山を駆け上る最高のワインディング・ロードなのです。
過去に一度、ALPINA B3で走ったことがあるものの、ボクスターでは初めて。
途中からPASM[ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム]をハーダー・プロファイルにセットし、笑顔満面でコーナーをクリアしていきました。
切り通しの峠で外輪山を越えると、午後の日を浴びて聳える中央火口丘が眼前に現れます。
思わずボクスターを停めて眺め入りますが、いやはや、凄すぎる景観です。
七曲りを駆け下り、白銀色に輝くススキの草原を抜け、現道に復帰しました。

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改めて考えると驚異的なことに思えてきますが、カルデラの中には5万人もの人が住んでいるのだそうです。
なので生活や物流を担う幹線系の道路は交通量が多いものの、そんなK39から阿蘇南部広域農道に入ると、やっぱり走り放題となりました。
日本全国、広域農道は裏切らないですね。
しかも、快晴の空を背景にした厳つい根子岳の姿を間近に見ることができるなど、走りも景色も言う事無しなのです。
時刻は既に16時を過ぎているため、ここからは宿のある大分県竹田市を目指します。
日のあるうちに到着すべく、信頼のカーナビにルートを託しました。
1.5車線のK214から広域農道へとトラフィック・ゼロの道を北へと結び、K40を経て産山村からK131で東進し大分県入り。
この道がまた素晴らしいカントリー・ロードで、刻々と変わる里山風景の中をボクスターは突っ走ることになります。
うちのカーナビ(純正装備品、クラリオン製)は、時としてオーナーの嗜好を解っているような経路を書き出して驚かせてくれるのですが、今回も正にそうだったんですね。
痛快なるドライビング・ロードを走りきり、K30沿道の宿へ明るいうちに着くことができました。

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三船温泉の一軒宿、民宿「城山」は昔ながらの重厚な瓦屋根が印象的な構え。
コタツの置かれた部屋は広く、とても静かで快適です。
作務衣に着替えて向かった風呂の戸を開けてビックリ仰天、褐色の濁り湯が掛け流されている浴槽は、温泉成分の付着でゴッテゴテ。
ものすごい濃度の湯であろうことが、見ただけで解ります。
先客である近所のおじさんに声をかけて訊けば、月に一度はパイプを掃除しないとすぐに詰まってしまうとのこと。
で、浴槽にこびりついた堆積物をグラインダーで削り落とすのだそうです。
そうしないと浴槽がどんどん小さくなってしまうというのですから、恐れ入りました。

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晩飯は鶏鍋に地鶏のタタキ、天ぷらなどなど、どれもこれも旨くてボリュームも満点。
最安料金のビジネス・プランなのにこの量とクオリティなのですから、もう驚くほかありません。
ちなみに大分名産の椎茸も味噌焼きで供されたのですが、味噌ダレの多い箇所を中心に、何とか半分ほど喰うことができました。
部屋に戻ってサービスのドリップパック・コーヒーをいただきながら、今日の旅をOneNoteに記録します。
旅はもう、5日目を終えるのです。
あまりの早さに改めて驚きつつ、残る旅路も悔いの無いように走ろうと誓うのでした。


本日の走行距離は、281km。
走行時間は5時間31分、平均速度は52km/h。
平均燃費は、9.7km/lでした。

道も景色も温泉も素晴らしい九州の旅が続いています。
明日は、今日ほんのちょっと立ち寄っただけの阿蘇エリアを改めて走ろうと思います。

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