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GW中国地方ツーリング:3 [drive/touring]

島根県最西部、益田市郊外の朝6時、雨は上がっていた。
もう、それだけで嬉しい(笑)。
ここまで西進を続けていたロード・トリップは、今日から東へと転じることとなる。

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朝風呂に入ってから出発。
空はまだ雲に覆われており、ボクスターの幌はびしょ濡れだが、走っていればすぐに乾くだろう。
最寄りのローソンでコーヒーを仕入れてサーモ・ボトルに移し替えていると、作業着姿のおじさんが話しかけてくれる。
「すげぇクルマやなぁ!こんなん益田に1台もない、島根に1台もない!わはははははははははは」
・・・いや、そんなことないと思いますけど(汗)。
おじさんの軽トラを見送りR191で街を出ると、右手にレトロな自販機コーナーを発見。
ガキの頃にどこかのドライブインで見たことがあるなぁと懐かしさを覚えつつ、うどん自販機に300円を投入し、出来上がりまでのカウントダウン・タイマーを見つめる。
アツアツの肉うどんは柚子の切れ端も入っていてなかなか旨く、ちょうどいい朝飯となった。

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大満足でリスタート、そのうちに幌も乾き、ボクスターを本来のスタイルへとトランスフォームさせる。
R191は、広々とした2車線の豪快な山間路。
途中には2速で回る山越えのワインディングもあり、実に楽しい道である。
県境でひとやすみ、広島県に入って程なく国道を離れ、大朝鹿野大規模林道へ。
新緑の中を独り走り、そのまま町道川小田吉見坂線へと直進すると、沿道では田植えが始まっていた。
R186を経てK40へ左折すると、これが望外に素晴らしい道である。
交通量はゼロではないのだが、田園地から小さな峠を越えていくカントリー・ロードがめちゃくちゃ気持ちいいのだ。

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R433に入る頃から空は徐々に晴れ始め、水田と緑のコントラストが素晴らしい。
畦道にボクスターを乗り入れて休憩していると、国道沿いの民家からおじさんの呼ぶ声がする。
ごめんなさい、すぐ移動します!と大声で詫びたのだが、どうやらそういうことではないらしい。
何だろうと思ってその民家まで歩いていくと、
「クルマは置いとっていいよ。しかし田んぼばっか見ててもつまらんじゃろ。目の保養になるけメダカ見ていけメダカ。ほれ、目の保養じゃろ。こっちには鯉もおるけ。目の保養だ目の保養」
そう言っておじさんは飼っているメダカや鯉を見せてくれたあと、私を置いておばちゃんと軽トラでぶいーんと出かけてしまったのだ。
なんだかよくわからないが、どうもありがとうございました(汗)。

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地元車両も行き交うR433は、R261との交点を過ぎると急に誰もいなくなり、2車線快走路からいきなり狭くなる。
それ自体はもう慣れっこであり、静かな川沿いの雰囲気がむしろ好ましいのだが、その先、2トン車以上通行不能な更なる山峡区間への入口で、迂回ルートと思しき道が右へと分かれている。
R433の極悪狭路は別区間で一度懲りているので、ボクスターを停めて逡巡していると、1台のトラックが迂回方向へと走り、運ちゃんが手招きしてくれたのだ。
果たしてその迂回路は緩やかな山道で、K6を経てR433の2車線区間へと復帰することができたのである。

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快走の高北広域農道からK322を経て、K112へ。
昨日に続く江の川トレースだが対岸の快適2車線路/R375と違ってめちゃめちゃ狭く、軽自動車との離合にもかなり難儀することになる(涙)。
この辺りも川に沿ってJR三江線が走っていたらしく、よく見ると駅舎のようなものが残っている。
駅前(?)にボクスターを停めてボロボロの階段を上がると、そこは長谷[ながたに]という駅の跡であった。
立入禁止となっているホームの下にある待合室だと思われるが、貼り紙によれば三江線は2018年の3月に廃線となったらしい。
振り向けば緑の山に挟まれて江の川が緩やかに流れ、その左岸には県道と、役目を終えた鉄路が東へと延びている。
少し哀しいが心休まる、旅の風景であった。

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腹が減ったので、昼飯を喰うべく三次の街に乗り込む。
こんな住宅街にあるんか?というレベルの住宅街にあるお好み焼き屋の「九ちゃん」は、地元の皆さんで大盛況。
お好み焼きは400円からあり、大奮発していちばん高い肉玉天いか&そば入りのスペシャルを発注しても、800円である。
目の前の鉄板で女将さんが焼いてくれたお好み焼きに、カープソースや青のりをかけていただく。
それはもう文句なしに旨いのだが、どうにもヘラで上手く喰うことができず、ボロボロとこぼしたり、ヘラの角を舌に刺したり、散々である。
隣席の方々がキレイに食べているのをチラ見&真似しながら頑張ったものの、もはやこれまでと観念し、女将さんに箸をくださいと懇願した。
「地元の人じゃないの?」→はい、東京のほうから来たので・・・「あー、そりゃ無理じゃ!」
女将さんも臨席の皆さんも、大笑いである(汗)。

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初夏のような陽射しにTシャツ姿でボクスターに乗り込みリスタート、近くのエネオスでハイオクを満タンにしてから三次の街を出る。
K39から北東方向へ入ったK186→K62→K458、これがもう素晴らしい。
カントリー・ロードのお手本のような線形と景色で、山間を抜け出し青空に新緑と水田が輝く川沿いのクルージングを存分に楽しんだ。
R432を北上、K58を東へ進んで比和町の三河内地区に立ち寄る。
水の張られた棚田を見下ろす西向きの緩斜面に設えられたウッド・デッキに、シンプルで洒落たデザインのチェアが5脚。
おぉっ、と思わず声が出てしまう、素晴らしいレスト・スポットである。
到着時にすんごいカメラ&三脚で真剣に写真を撮られていた方は、水田に映る一本の樹をひたすら狙っているとのこと。
その方が帰られると周囲には誰もいなくなり、残っていたサーモ・ボトルのコーヒーと共に、孤独と風景とを大いに楽しんだ。
しばらくしてやってきたご夫婦は、ドライブ旅行の途中に見つけて立ち寄ったのだそうである。
記念撮影にも快く応じていただいてから、席を譲ってその場を後にした。

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R432を南に戻り、K445を東に走る。
ツーリングマップルにもコメントやリコメンドは無いのだが、これがまた田園風景と山間を行く超絶快走路なのだ。
R183を挟んで神石高原へと南下するK26も、交通量はゼロに等しく走り放題。
沿道には人家もほとんどないため、完全に自身のペースで安全に走り続けることができるのだ。
いやはや広島県はすごい、G7サミットの開催地に選ばれただけのことはある(←無関係)。
K25との重用区間でようやく前方に現れた車列の最後尾を、空冷エンジンのポルシェ・911が走っている。
そのボディはガルフ・カラーにペイントされているようにも見え、ダック・テールにロール・ケージ、Rufタイプのサイド・ミラーなど、レーシィな雰囲気がバリバリである。
で、前が空くとめちゃくちゃ速い・・・。
最初は私のペースにつきあってくれていたようなのだが、そのうちストレートでもコーナーでもどんどん引き離されるようになり、素晴らしい空冷サウンドは遠く離れていく一方である(涙)。
その先の前走車のおかげでようやく追いつき、宿方面へと向かうK26への左折時に、敬意を込めてパッシング&バイバイ。
いや~、カッチョいい!

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2車線の快走路は小さな峠に達すると超絶リアル1車線となり、深く暗い森の中へと消えていく。
幅員縮小はよくあることだが、ここはそのギャップが大きすぎて、袋の縮む思いである。
離合箇所もなく、路面には枝葉や小石が散乱し、途中からは水が川のように流れ出しておりマジで洒落にならない。
死ぬかと思いつつ森を抜け出したところでカーナビの目的地を宿に設定すると、わざわざ遠回りしていたことが判明(汗)。
だいたい宿の方向に走ってりゃ看板でも出てくるから大丈夫だろう、とタカを括っていた結果がコレである。
これはイカン・・・と、沿道で目についた日吉神社に参拝、賽銭を投げ二礼二拍手一礼を以って、旅の無事をマジで祈った。
楽しかった本日のドライブも、これにて終了である。

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今日の宿は広島県東部、神石高原町にある「光信寺の湯 ゆっくら」。
周囲を森に囲まれた立派な大型の温泉施設で、日帰りだけでなく宿泊も可能なのである。
8畳間に服を脱ぎ捨てNP状態で作務衣に着替え、直ちに大浴場へと向かう。
GW期間中ながら混雑することもなく、ジェット・バスや露天風呂で袋の皺を大いに伸ばした。
温泉施設によくあるように、この宿にも食堂が併設されており、素泊まりでも任意の時間に好きなものを喰えるのがまた魅力である。
57歳のオッサンは陶板焼きの定食と生ビールで一旦は良しとしたのだが、やはり揚げたてアツアツのポテトフライの誘惑には抗うことができず、追加で発注することとなる。
本件は不可抗力故に70kg突破も止む無しとし、膨れた腹をさすりながら、明日以降の節食を心に軽く誓うのであった(←「固く誓う」じゃないのか?)。


晴天を取り戻した3日目は、主に広島県の北部を走り放題走りまくった。
ドライブだけでなく、美しい風景や旨い飯、地元の方々とのちょっとしたコミュニケーションなど、旅の楽しさに溢れた一日であった。
本日の走行距離は、283km。
走行時間は5時間18分、平均速度は55km/h。
平均燃費は、11.4km/lであった。

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YUMI27

wataさんこんにちは。
今回も良いところを沢山走られましたね。私もいつか通ってみたいなぁと思いました。川沿いの国道から県道・廃線の駅舎なども素敵で、とても興味深いです。
また、いつにも増して地元の方との交流も楽しまれたご様子。ex)メダカのおじさま…ガードの低さと個性には笑いが出ますが、素朴で癒されますね。
後ほど動画も拝見します。
by YUMI27 (2023-05-19 22:31) 

wata

YUMI27さん、こんにちは。

はい、関東からはちょっと遠いですが、それだけの価値はあるエリアだと思いますよ!
市街地を外せば国道でも県道でも走り放題ですし、心休まる風景もあちこちに見ることができました。
地元の方々とは・・・なんだかよくわかりませんが、たまにおもろいキャラクターのおじさんに声をかけてもらったりするんですよねぇ。
メダカを見たくなったら、YUMIさんもR433を走ってみてください(笑)。

by wata (2023-05-20 09:49) 

Shirowanta

うどんの自販機は全国的にもかなり珍しいのではないでしょうか。この日は路面も悪くないところを気持ちよく走ることができたようでよかったですね。宿も使い勝手がいいところみたいでとてもいい感じです。
by Shirowanta (2023-05-20 12:52) 

wata

Shirowantaさん、こんにちは。

うどんやハンバーガー、ホットサンドなどの自販機はほとんど目にしなくなりましたね。
最近は「レトロ自販機」として大事にメンテナンスされ、稼働しているところもいくつかあるようです。
日帰り温泉に併設された宿は全国にありますが、比較的安価で駐車場も風呂も広く、素泊まりでも館内で好きに飯が喰えるので、私もツーリングの際によく選んでいます。

by wata (2023-05-20 17:50) 

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