SSブログ

みちのくグランド・ツーリング:1 [drive/touring]

昨年に引き続き、今年の夏も東北へとクルマ旅に出ました。
よろしければ、おつきあいください!

------

首都圏から各地へと向かう高速道路は、どこもかしこも大渋滞の予測となっている。
そんなもんに巻き込まれるワケにはいかないので、ETC深夜割引の適用をも狙い、午前3時に家を出た。
流れの良い関越自動車道を北上、新潟県/小出ICでアウト。
途中で雨に打たれた幌もすっかり乾いたので、屋根を開けてオープン形態で走り出す。

P1240323.jpg
G0015750 (2).JPG
P1240326.jpg
P1240327.jpg
曇り空のR352は、枝折峠までの山坂道が昨冬からずっと通行止のままとなっている。
例年、7月には開通するはずなのに、今期は改修工事が続いているようだ。
なので、並行するK50/奥只見シルバーラインを択んで山奥へと向かう。
この道はその行程の殆どがトンネルなのだが、暗く長く、荒れた路面は湧水で常にびちゃびちゃだ。
しかも外気温差でところどころ濃霧が発生しており、極めて異様な雰囲気である。
類似する道を私は他に知らず、普通の屈曲路である枝折峠ルートよりも非日常感は遥かに上であると思う。
銀山平で外に出ると、フロント・ウィンドウの外側が真っ白に曇って視界ゼロ。
ワイパーでもウォッシャーでも太刀打ちできないため、近くのパーキングに退避した。
眼前の奥只見湖は深い緑の水を静かに湛え、小舟が浮かんでいる様子もあるが人の気配は皆無に近い。

P1190673.jpg
P1190661.jpg
P1240340.jpg
DJI_0009 (2).JPG
P1240343.jpg
P1190675.jpg
ウィンドウの曇りが取れたところで、大好きなR352でのドライブを開始する。
深山の人造湖をトレースする屈曲の1.5車線が延々と続き、2速メインのボクスターがコーナーを次々とクリアしていく。
改修が進んでいるのであろう、だいぶ減ったとはいえ、貴重な洗い越しも楽しめる。
気温は20℃台、極めて不快な午前3時の東京より10℃近くも低く、素晴らしく気持ちがいい。
湖面に映る空は曇に覆われてはいるが雨にはならず、進むにつれて晴れ間も見えてきた。
クルマとはたまに遭遇するものの、そういえばバイクを1台も見かけない。
シルバーラインは二輪車通行止だからなのであろう、ライダーの皆さんがちょっと気の毒に思えた。
福島県に入ると、道は樹海を行くワインディングとなる。
雨上がりの森の匂いに包まれて、ボクスターはテンション高く走り続ける。
尾瀬へと向かうK1との交点を過ぎると対向車の姿が目につき始めるが、幅員も広くなっているので問題はない。
森を出て、桧枝岐村を通り抜けて北上し、そのままR401へと繋ぐ。
広い駐車帯にボクスターを駐め、奥只見を走り切った達成感に浸りつつ、手前のヤマザキYショップで仕入れた地元の絶品・南郷トマトジュースとサンドイッチで朝食だ。
旅は始まったばかりなのに、もう大満足なのである。

P1240347.jpg
DJI_0828 (2).JPG
DJI_0839 (2).JPG
DJI_0836 (2).JPG
界で2車線路を捨て、R401の未改良区間へと右折する。
新鳥居峠を越え、ミラーこするんじゃないかぐらいのリアル1車線区間をクリアして山を下り、R400を経て喰丸峠をトンネルで抜けた。
空はバリバリの晴天、気温は28℃ほどにまで上がっており、日向ではかなり暑い。
汗もかいてきたので温泉にでも浸かろうと、山間&川沿いの鄙びたK32を北上し、西山温泉「山村公園 せいざん荘」に立ち寄った。
硫黄の香りに湯の華が漂う湯は適温で、露天風呂もたいへん気持ちがいい。
飛び交うアブを叩き殺し、晴れやかな気持ちで湯に浸かっていた。
風呂の次は、昼飯だ。
R252経由で柳津の街に立ち寄り、「すゞや食堂」でソースカツ丼を発注。
ソースのかかったカツの下に薄い卵焼きが敷いてあるのは、この店だけでなく柳津ソースカツ丼の特徴なのだそうだ。

P1190677.jpg
P1240351.jpg
P1240353.jpg
P1240363.jpg
P1240360.jpg
R49沿道のコスモ石油で、ボクスターにハイオク・ガソリンを満タン給油。
そのまま東に走り、数日前まで豪雨のため通行止となっていたK64/磐梯山ゴールドラインで裏磐梯へと上がっていく。
急峻な坂道とコーナーを退治しながら上るに連れて、気温も少しずつ下がってきた。
R459からK2に入った先、レンゲ沼の畔でひとやすみ。
下界のセブン-イレブンで仕入れてきたホット・コーヒーと、家から持参した焼き菓子とで、おやつタイムと洒落込んだ。
風の通る日陰のベンチは、最高である。
桧原湖に沿ってK2を北上、その先の西吾妻スカイバレーで外輪山を上っていく。
アキアカネが舞うピークの白布峠は標高1,400m、湿度が高く思ったほど涼しくはないが風が気持ちいい。
ちなみにこの道も数日前に通行止が解除されたばかりだが、喜多方と米沢を結ぶ幹線のR121/大峠道路は土砂災害で未通のままだ。
その影響で県境越えのクルマが流れてきているのだろう、交通量は少なくはなく、ボクスターもチンタラ走行を余儀なくされるのであった。

P1240364.jpg
DJI_0861 (2).JPG
DJI_0880 (2).JPG
P1190691.jpg
DJI_0858 (2).JPG
山形県側を下りきり、今日の宿がある小野川温泉へと向かう。
近くで田んぼアートが公開されていたので、ちょっと立ち寄ってから宿に入った。
小野川保養センター」は、その名の通りのガチな湯治宿。
広い敷地に中庭を囲むような連棟造りで、恐らく以前は通常の旅館だったのであろう。
8畳の部屋で素泊まり3,500円+入湯税75円、極めてブイシーな佇まいではあるが、私にゃこれで十分である。
効きの悪い部屋のエアコンを全開にし、まずは貸切の家族風呂へ。
湯の華が舞い踊る掛け流しの温泉は、激アツでとても入れやしない(汗)。
ホースで水を入れながらゆっくりと肩まで浸かると、全身がビリビリと痺れるように熱いのだが、ものすごく気持ちがいい。
いやはや、素晴らしい温泉である。
しかしながら風呂から上がった瞬間に汗びっしょりとなり、部屋に戻って全裸でエアコンを浴び続けるのであった。

DJI_0870 (2).JPG
DJI_0874 (2).JPG
DJI_0879 (2).JPG
ようやく汗が引いたところで、飯を喰いに夕刻の温泉街へ出る。
ブラブラと歩いて「龍華食堂」に入り、半ラーメンとジャンボ餃子を発注した。
肉汁たっぷりの餃子は食べごたえ抜群、縮れ細麺のラーメンもダシの効いたシンプルな醤油味で、実に旨い。
普段はコッテリ系ばかり喰っているのだが、ラーメンはこれでいいのだとしみじみ思った。
缶ビールと共に平らげ、大満足のうちに宿へ戻ったところで再び温泉に入る。
大浴場は水の投入が禁じられているため、掛け湯をしまくって自身をドMモードに追い込んでから、気合を入れてアツアツの湯に沈む。
しばらくすると慣れるのだが、風呂から上がると再び汗ダクとなったのは言うまでもない。
エアコンを入れっ放しにし、中庭から響いてくるカエルの声を耳にしながら、眠りに就いた。
実に楽しいGT初日だった。


本日の走行距離は、508km。
走行時間は8時間14分、平均速度は63km/h。
平均燃費は、10.6km/lであった。

つづく。

nice!(5)  コメント(12) 
共通テーマ:自動車

nice! 5

コメント 12

R39

夏恒例のGT記、今夏も涼を求めて東北方面かな、とここ最近ずっと期待してお待ちしておりました!
そんな中、私も、一昨日、9月のツーリングに向け、カーカージャパンさんでこれまでのイーグルF1からファルケンFK510に履き替えて参りました!!wataさんのブログで拝読した通りのプロフェショナルな仕事ぶりで、タイヤの履き心地も大満足、ツーリングが楽しみです。
・・・そんなこんなしていると「wataさん先週来られましたよ」とのお話、「???」私は今回の初訪店の前に念のため6/16付のこのブログを再チェックしていたので「2か月前に来られたばかりじゃ・・!?」「それが・・・」というやりとりがしばし続き・・・
タフネスさに敬服いたします。。。そして今後の道中の無事を祈念いたしております!
by R39 (2022-08-23 12:35) 

wata

R39さん、こんにちは。

はい、何しろ毎日アホみたいに暑いので、今年もみちのくへと走りに行きました。
雨に降られた日もありましたが、「晴れているのに暑すぎて屋根を開けられない」なんて悲しい目には遭わずにすみましたよ(笑)。
R39さんも、タイヤを新調して準備万端ですね。
秋のツーリング、楽しんできてください。
私も、これ以上頻繁にタイヤ交換をしなくて済むよう、自重します(←ホントか?)。

by wata (2022-08-23 18:40) 

NOLI

そうなんですよねぇ、R352が今年はだめっぽくて・・・。正にこのシルバーを使った回避ルートでの走行を検討していたんですがちょっとまだタイミングが合わず行けてない(そしていけてないうちに冬季閉鎖は避けたい)。

奥只見からもう少し尾瀬の先のルートオプションがあると面白いんですが、尾瀬絡みは一般車通行禁止だったりイケズなエリアですよね(笑・自然保護は大切ですが)。ささっと山形まで登られた後の道程もめっちゃ楽しみにしてます。なかなか本格的な東北を日程的に走れないので、こればっかりは唇を噛み締めながら拝読することとしましょう(笑)。
by NOLI (2022-08-23 20:55) 

wata

NOLIさん、こんにちは。

今期のR352/枝折峠ルートは、7月中旬に冬期通行止めが解除となりましたが、その日から工事による通行止めが続き、現時点でも開通は未定のようです。
仰る通り、今期は開かないかもしれませんね。
冬期閉鎖までもうあと3ヶ月もありませんから、シルバーラインで是非行ってください。
尾瀬周辺は走れませんが、その先には走り放題の道が交差する南会津エリアや、或いは崩落通行止めが解除された六十里越ルートが、911の来訪を待っていますよ(笑)。

by wata (2022-08-23 22:24) 

UC

こんにちは。
私も8月に東北ツーリング(今回は短く3泊ですが)に出ており、初日は常磐道経由でR349を走り、裏磐梯のキャンプ場でキャンプ泊しました。スカイバレーから小野川温泉までは私もwataさんと同じルートを走っており(田んぼアートはスキップしてしまいましたが)、ここから始まるみちのくGTの旅程がどんなルーティングなのか、、、大変楽しみにしております。

ちなみに私は、南三陸方面に抜けて太平洋に出たのですが、同じく東北GT中のSuite-Spiralさんをお見かけし、”wataさんのブログに出てらっしゃる方ですか、、"とお声掛けさせて頂きましたが快くご対応下さいました(^^;
by UC (2022-08-25 12:35) 

shirowanta

シルバーライン→樹海ライン、やっぱり年1回は行っておきたいですよね。(自分は昨年桧枝岐側から初めて走破したのですが、面白かったので小出側からも行っちゃいましたww)昨年はコロナ禍で桧枝岐〜尾瀬の間もほとんどトラフィックなかったのですが、今年は観光バスとのすれ違いあるかもですね。続き楽しみにしています。道北ツーリング決定して船と宿押さえました。
by shirowanta (2022-08-25 17:44) 

wata

UCさん、こんにちは。

おー、UCさんも東北を走られていましたか!
ルート的には、結構なニアミスだったんですねぇ。
私は小野川温泉で汗ダクになっていましたが(汗)、裏磐梯でのキャンプであれば、涼しく快適だったのではないでしょうか。
キャンピングは、その自由度と楽しさから、クルマ旅に取り入れたいなぁと思うことが少なくありません。
ボクスターでもギアの積載に問題ないだろうということは、UCさんがケイマンで証明されていますからね。
不肖・私も高校時代にはテント泊で登山をやっていたこともあるのですが、今となってはテキパキと設営や撤収ができる自信もなく・・・。
やはり、安い温泉旅館を探して泊まります(笑)。

by wata (2022-08-25 20:22) 

wata

shirowantaさん、こんにちは。

「年に一度は奥只見」
・・・いや、常人には理解できないかもしれませんが、私は心から賛同させていただきますよ(笑)。
恐らく通行可能期間が日本で一番短く、夏から初秋までしか走れませんし、かつ走りも景色も最高なので、「みちのくGT」なのに新潟県からスタートした次第です。
ご推察の通り、檜枝岐から尾瀬に向かうバスともすれ違いましたので、行かれる際はご注意ください。
shirowantaさんも、道北を満喫してきてくださいね!

by wata (2022-08-25 20:39) 

Nakagawa

こんにちは。
夏休み前にエンジン交換が間に合ったので、(既にフェリーは予約済でした)慣らしがてら北海道でキャンプツーリングを楽しんできました。
GT4でも10日間キャンプツーリングできますので、ボクスターでも余裕だと思います。
ただ、北海道でのポルキャンは私以外見かけませんでした(^^;
そもそも北海道では、今夏事故を起こしてニュースになったレンタカーのボクスターと宗谷岬で見かけたケイマンとすれ違った911及びマカンかカイエンの4台しかポルシェを見ませんでしたが・・・・
美味しい物食べて温泉に浸かって夜は星の下で眠るのもいいですよ。
by Nakagawa (2022-09-01 18:40) 

wata

Nakagawaさん、こんにちは。

エンジン交換とは、また大変でしたねぇ。
とは言え、フラットな大地をどこまでもひた走ることのできる北海道は、エンジンの慣らしに最適なフィールドなのかもしれませんね。
この夏は北海道でも天候が不順だったと聞きますが、それでもキャンプ・ツーリングを楽しまれてきたとのことで何よりです。
前述の通り、私もキャンプに手を出してみたい欲求はあるものの、やっぱり踏み出せないんですよね・・・。
今はボクスターを走らせているだけで、十分満足しているのだと思います(笑)。

by wata (2022-09-01 20:15) 

shirowanta

枝折峠経由のルートがオープンしたと聞いて、先日自分も奥只見行ってきました。wataさんのおっしゃる通り洗い越しがかなり減っていました。それでも結構な数残ってるのが、むしろ嬉しい
by shirowanta (2022-10-06 17:29) 

wata

shirowantaさん

「年に一度は奥只見」、私はみんカラ非会員なのでコメントなどはできませんが、もちろん拝見しましたよ(笑)。
枝折峠の滝雲はTVでも紹介されていたので、交通量の増加が少々不安ですが、私もいずれまた行こうと思います!

by wata (2022-10-06 20:33) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。