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紀伊半島ショート・ツーリング:2 [drive/touring]

奈良県/十津川村、上湯温泉の朝6時。

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窓の先に聳える山々には雲がかかり、宿の周辺にも弱い雨が落ちています。
晴れの予報だったのに・・・と気象情報をチェックすると、雨が降っているのはこの辺りだけで、他の近畿エリアなどはギンギンに晴れている模様です。
なんやねん、それ(涙)。
朝風呂に浸かってから腹いっぱい朝飯を喰い、強まる雨の中をチェック・アウト。
K735を挟んで上湯川沿いに大きな露天風呂があり、14年ぶりに入ろうと思ったのですが、雨脚が突然豪雨レベルにまで強まったため、断念せざるを得ませんでした。
しゃーない、いつかまたやってくればいいさ(笑)。

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本日は、昨日走った天下の酷道・R425の続きをここ十津川村から下北山村まで東に走り、その先を北上しようと考えていました。
が、シャレにならないほど強い雨が降り続く中で、携帯完全圏外のドイヒーな山道を独り30km以上も彷徨うなど、もはやドMや変態を通り越したキチゲー行為に他なりません(汗)。
なので、北へと移動する雨雲から逃げる意味でも、いったん南に下ってから大きく迂回することにしたのです。
谷底をたゆたう十津川を左手に2車線のR168を南下しているうち、大雨は目論見通り小雨へと変わっていきます。
県境の手前まで走ると雨はほとんど止みましたが、沿道に落ちる十二滝の水量は爆増しており、これまで見たことがないほどの迫力ある姿となっていました。

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再び和歌山県に入り、参拝客で賑わう熊野本宮大社を横目にR168をトレース。
R311で北上に転じ、降ったり止んだりの空の下、北山川に沿って三重/奈良/和歌山の3県が複雑に絡み合うR169を走ります。
この付近も何度か走っていますが、自然豊かな広狭混在路は本当に楽しいんですよね。
その先、国道を離れて山越えの不動トンネルで奈良県に戻り、K229を経て改良済のR425を北上。
初めて訪れた池神社は、杉木立の先に建ちとてもいい雰囲気です。
鳥居正面の明神池は静まり返っており、雨上がりの蒸し暑さもここだけは何故か涼しく感じられました。
屈曲路を下ってR169に復帰、大きな山の間を3速⇔4速で楽しく走らせながら、やっと乾いた幌を下ろします。
蒸し暑さは変わりませんが、やっぱり気持ちいいですねぇ。
そのまま北上を続けているうちに昼時となったため、目星をつけていた昼飯処へ向かうこととしました。

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吉野川を背に、K15の急坂を駆け上がっていくボクスター。
「一目千本」と謳われる桜で有名な吉野山のメイン・ストリートは、狭い道の左右に土産物屋や飲食店などが犇[ひし]めいており、人やクルマが少ない時期で助かったと思わされました。
その先をもう一段上がったところにあるのが、「うなぎ屋 太鼓判」。
質素を以って旨とするのが私のクルマ旅であり(涙)、価格の高騰も相俟って、本来は鰻などを口にすることは叶いません。
しかしながら今回は奈良県の観光キャンペーンで、宿泊割引に加えて3,000円分の県内利用クーポンを宿で受領しているのです。
真っ先に思いついたガソリン・スタンドでの利用はできないため、それなら普段喰えないようなものを喰おうと考えて、ここまでやってきた次第です。
蒸し上げ&焼き上げに待つこと暫し、う巻きや肝吸いが添えられた鰻重は、やはり旨いの一言。
本来はゆっくりと味わうべきところをあっという間に平らげて(汗)、大満足で店を後にします。
K15を引き返し、吉野神宮表鳥居の車止め前をお借りして、保温ボトルに詰めてきたコーヒーをひとくち。
実にイイ感じです。

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R169まで戻り、K28を快走中に燃料残量警告灯が点いたため、R166沿いのエネオスで給油。
K218経由でR369へとトラバースし、東へと快走を続けました。
曽爾村[そにむら]の辺りでひとやすみしようと国道を離れると、「みつえ高原牧場 2km→」の案内看板が立っています。
夏空の下、高原の牧場でソフトクリームに舌鼓を打つ様を思い浮かべながら連絡路へと右折したのですが、森の中を上る道はどんどん狭く悪くなり、あちこちに穿たれた穴ぼこを避けながらの徐行を余儀なくされる始末です。
いやもう堪忍してください・・・と思った先で視界が一気に開け、文字通りの高原牧場へと飛び出しました。
しかしここはどうやらガチの牧場のようで、ソフトクリームなどは売られている気配すらもありません(涙)。
それでも雄大な牧場の風景はたいへん心地よく、風が通るベンチに腰掛けて、家から持参していた焼き菓子を頬張りながら、コーヒーの残りを飲み干しました。

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県境を越えて三重県に入り、R368を東進。
2車線の快走路が続くのですが、道の駅「美杉」を過ぎて暫く行くと道は1.5車線レベルとなり、津市から松坂市への市境を越えるや否や、大型車通行止めのリアル1車線路が牙を剥くのです。
ここから4-5kmの区間は暗い森の中を行くバリバリの酷道で、油断しているとミラーをぶつけるんじゃないかぐらいの狭隘区間が続くのですが、何よりも参ったのはその対面交通量。
そのほとんどが地元の方々だと思われたものの、下界へ出るまでに10回近くギリギリの離合を強いられることとなりました。
いやもう、これなら昨日走ったR425のほうがまだマシですよ(涙)。
普通の道に戻ったR368を安心しきって走り、R166からK58→K59と緑の田園風景を北上していきました。

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今回のツーリングは、十津川に1泊して翌日は帰るつもりでいました。
ですが、紀伊半島の山奥を出てそのまま退屈な夜の高速道路をひた走り、挙句に渋滞にでも嵌ろうもんなら目も当てられません。
ということで後泊の宿を取り、翌朝一番で帰ることにしたのです。
津市内、R23から通りをひとつ入ったところにある「ビジネス旅館 若草」は、昭和感炸裂のブイシーな宿。
しかしながら、新館の6畳間は清潔で造りもしっかりしており、大いに寛ぐことができました。
広い風呂で汗を流してから、晩飯を喰いに外へ出ます。
宿のすぐ近くに店を構えていた中華料理屋の「孫悟空」は、これまた輪をかけて激シブな佇まいで、外観を見ただけで旨さ確定です(笑)。
カウンターの中でおばちゃんがチャッチャと鍋を振ってくれたチャーハンは案の定、抜群の味わい。
お兄さんが焼いてくれた薄皮タイプの餃子もこれまた旨く、ビールと共に素晴らしい晩飯となりました。
おばちゃんといろいろ話をさせてもらいましたが、曰く、この地で店を開いてからもう50年も経つとのこと。
なるほど、旨いワケですね。
いい気分で宿へ戻り、もう一度風呂に入ってから激睡しました。
翌朝7時に喰わせてもらったドリンクつきのモーニング・セットは、トーストにゆで卵やソーセージ、サラダにスイカにメロンまでついて、味もボリュームも十分以上の内容です。
特段のキャンペーンなども無く、これで宿代が3,200円だというからビックリ仰天!
何かの間違いじゃないかと思ったほどなのですが、ちなみに素泊まり料金は3,100円・・・って、この朝飯が100円ですか?
いやはや、いったいどうなっているんでしょう?(汗)

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ということで、宿を出てから高速道路を順調に走り続け、昼前には自宅に到着。
実質2日間だけだったとは言え、夏のクルマ旅を存分に、かつ思いがけず超リーズナブルに楽しむことができました。
笑っちゃうほどドイヒーな道も多くありますが、それらも含めて、紀伊半島は本当におもしろいツーリング・フィールドだと思います。
いずれまた、懲りずにやってくることになるでしょう(笑)。
2泊2日のショート・ツーリング、走行距離は1,390km。
走行時間は20時間01分、平均速度は71km/h。
平均燃費は、11.0km/lでした。

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M郎

2枚目の写真にある川魚を観て、静岡の山の中でwataさんが食べたヤマメ丼を思い出しました(笑)。

一泊朝食付き広いお風呂もあって3200円とは、超リーズナブルで良さげな所ですね。
共同トイレは当たり前として、まさかエアコンありですか。
こういう風情のあるリーズナブルな旅館はだんだん減っていくんでしょうね。
by M郎 (2022-08-11 21:43) 

wata

M郎さん、こんにちは。

いやもう、ヤマメ丼は堪忍してください(涙)。
https://alpina-b3.c.blog.ss-blog.jp/_images/blog/_51d/alpina-b3/P1010306-318e8.jpg
おシャレな方々には無縁かもしれませんけど、いわゆるビジネス旅館は全国にあり、リーズナブルでいいんですよ。
近くには立派なビジネスホテルも多くありましたが、和室好きな私は迷わずこちらを選びました。
しかし、朝食つきで3,200円はズバ抜けて安いと思います。
いずれ機会があれば、また泊まろうと思います!

by wata (2022-08-12 21:26) 

Keiichi

Wataさん、こんにちは。

R368の一部はかなりの酷道ですよね…
私も三重で遊んだ帰り際に、真っ暗闇の中あの道を西進し、ヘトヘトになったことがあります…
ただ、峠の頂上付近でふと見上げた星空は中々に綺麗で、つい見とれてしまいました。
なので(?)、夜のR368もオススメさせて頂きます笑
by Keiichi (2022-08-13 22:12) 

wata

Keiichiさん、こんにちは。

はい、前後の快走2車線からは想像もつかないようなドイヒーっぷりですので、知らずに踏み込んでしまう人もいるのではないでしょうか。
他の酷道と違い、交通量が多いのには参りましたが、確かに夜であればライトのおかげで対向車の接近がよくわかりますよね。
星空もキレイということですので、オススメ通り、次回は夜のR368を
・・・走りませんから(汗)。

by wata (2022-08-14 22:10) 

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