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紀伊半島ショート・ツーリング:1 [drive/touring]

ずっと晴れていた早朝の新東名高速道路や伊勢湾岸自動車道から一転、東名阪自動車道は雲に覆われ、伊勢自動車道に入るとすんごい土砂降りに見舞われます。
前が見えないほどの豪雨に、安濃SAへの退避を余儀なくされました。
いやもう、堪忍してください(涙)。

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降り始めと同じように雨は唐突に止み、勢和多気ICを出て昭和シェルから出光へと変わっていたいつものガソリン・スタンドに立ち寄る頃には、青空さえもが覗くようになります。
しかしながら空気はベタベタと湿り気を帯びており、不安定な夏の天気を改めて実感させられました。
R368を経てR166/和歌山街道を西へ、三重-奈良県境を目指して走ります。
点在する集落を結ぶこの道は交通量僅少、広い2車線で走りやすく、4速中心にクルージングを続けるうちに幌もすっかり乾いてくれました。
ということで、待望のルーフ・オープン!
待ち構えていたかのように掌や首筋へ湿気がまとわりついてくるものの、そんなもんは開放感&爽快感と較べりゃ屁でもありませんね(笑)。
県境の山を上っていくうちに再び小雨が降ったりもしますが、一度開けた屋根をそう簡単に閉めるわけにはいきません。
雨が吹き込まぬよう、仕方なくアクセルを開けて県境のトンネルへと上って行き、そのままの勢いで奈良県側の連続するコーナー群を駆け下っていくうちに、再び青空が拡がってきます。
R166を離れK16へと左折、釣り人が竿を振る高見川に沿って、穏やかな東吉野の里をのんびりと抜けていきました。

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交通量の多いR169を嫌い、吉野川を挟んだK39を択びます。
国道対岸の県道はいい道が多いのですが(「対岸の法則」)、狭いこの道は完全なる生活道路。
地元のクルマに道を譲り&譲られながら、ゆっくりと進み続けました。
下市からはR309へと左折、ここまでの西進から紀伊半島南下へと大きく舵を切ります。
初めて走るこの道で山へと入っていくのですが、予想に反して交通量が多く、思ったように走れません。
そこで、直進のトンネルを避けて峠越えの旧道に入ると案の定、誰もいないワインディング・ロードが遺されていました。
蝉の啼く広橋峠の路肩にボクスターを停めて辺りを見回すと、峠の上に木造校舎のような建物が見えます。
廃校なのかな、それにしてはキレイに保存されているなぁと思いつつ窓から覗き込んだりしていると、中から「こんにちは」と声を掛けられて心底ビックリしました(汗)。
クレバーな感じの女性に案内してもらいながら話を伺ったところ、ここは下市町立広橋小学校の廃校跡で、敷地内の旧教員住宅を改装しゲストハウスとして運営しているとの由。
建屋だけでなくロケーションも含め、心安らぐとてもいい感じの場所だと思いました。

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R309の現道に復帰し、山間の2車線路を快走。
ストレートや緩やかなカーブがメインで、先行車も安全かつ迅速にパスすることができます。
天川村に入り、その名も美しい天ノ川に沿ったK53をドライブ。
沿道はキャンプ場だらけで、いずれも多くのお客さんで賑わっていました。
R168を超えると、K53は楽しいワインディングとなり、ギアを下げアクセルを踏み込んで走ります。
幾多のタイト・コーナーをクリアし、森の中から稜線に飛び出したところが、素晴らしい景観の高野辻
どうやら雲海の景勝地として知られている場所のようですが、涼しい風に吹かれながら、青空の下にどこまでも続く緑の山々を睥睨するのもまた最高です。
背後はすぐ和歌山県、「県境付近に良い道あり」との持論がまたもや実証されたことを、独りほくそ笑むのでありました(笑)。
2車線のK733を野迫川[のせがわ]の村役場まで駆け下り、R371へ向かう道の途中にポツンと建つ「いなか食堂 別所」で昼飯です。
腹ペコを満たすべくガッツリ系の焼肉定食を発注、あっという間に平らげて、午後のドライブをスタートさせました。

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R371、高野龍神スカイライン。
高野側&龍神側のヒルクライム&ダウンヒルと、その間の奈良-和歌山県境の稜線を行く快走路とで構成された、屈指のドライビング・ロードです。
野迫川からの合流点は高野山から7-8kmほど上ってきた辺りで、龍神まではまだまだ40kmほどの楽しい道が残されているのです。
陽射しは強いものの空気は涼しく、オープン・ドライブには最高のコンディション。
不必要に低めのギアでエンジンを回しながら、風を切るボクスターを存分に楽しみました。
走り放題走らせて、標高1,280mにある道の駅「ごまさんスカイタワー」にピット・イン。
雄大な山岳風景を眺めながら、どんどん溶ける、黒ゴマとバニラのミックス・ソフトクリームを舐め倒すのでした。

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ここからは、一気呵成のダウンヒル。
勾配も曲率もキツ目のコーナーが続き、熱を帯びたフロント・ブレーキがキーキーと音を立て始めますが、そんなもんはお構いなしです(笑)。
龍神温泉まで下りてきたところで小休止を兼ね、杉木立に護られた皆瀬神社に参詣。
ここまでの無事を感謝し、この先の無事を念入りに祈ります(理由は後述)。
通りかかったおばちゃんがボクスターのナンバー・プレートを見て、「遠くからご苦労さんです、わざわざ来て下すってありがとうございます」と、頭を下げてくれました。
いやとんでもない、こちらこそこんな素晴らしいところに来させてもらって、本当にありがとうございます!

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龍神温泉の先を左に曲がり、恐る恐るR425へと入っていきます。
三重県の尾鷲から和歌山県の御坊まで、紀伊半島を横断するこの道は「日本三大酷道」のひとつと呼ばれているらしく、重用区間などを除けば私もあまり走ったことがありません。
一度だけ、2006年の5月に前車ALPINA B3で奈良県の下北山から十津川までの40kmを走ったのですが、めちゃめちゃな山道で心底疲れた覚えがあります。
別区間とは言え、それでも今回16年ぶりにR425を走ることにしたのは、ここ龍神から宿のある十津川まで1本で行けるからです。
しかし実際に走ってみたら、想像以上のドイヒーっぷりに驚かされることになりました(汗)。
崖と谷とに挟まれた昼なお暗い山道は、ほぼリアル1車線。
対向車は少ないものの、出会えば必ず双方が路肩ギリギリまで寄せないと離合はできません。
路面は荒れ、落石が散らばり、ガードレールは貴重品扱いです(笑)。
とにかく、いつまで経ってもペースを上げられないのがキツいんですよねぇ。
途中で休憩できるような場所もなく、県境の牛廻越までの15kmで早くもヘトヘトになりました。
気合を入れてリスタート、十津川までの残り30km近くを走ります。
奈良県側は集落が点在し、道路状況は和歌山県側に比べれば多少はマシですが、やはり「酷道」であることに変わりはありません。
それでも、開けた場所で垣間見える人跡未踏な山々の景色は素晴らしく、頑張って走ろうという気にさせてくれます。
皆瀬神社のご加護もあったのでしょう、無事に十津川へ到着することができました。
私はR425の全線を走破したわけではありませんが、今回走った区間、特に龍神から奈良県境までの15kmは、最凶レベルではないかと思われます。
ドライブ好きな方には是非一度走っていただきたく、強くお勧めする次第です。
ちなみに私は、謹んでご遠慮申し上げます(伏)。

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K735で再び山の中へと戻り、すんごい急坂を1速で上った先が本日の宿、十津川温泉郷/上湯温泉「神湯荘」。
そもそも今回のショート・ツーリングは、奈良県が全国を対象とした観光キャンペーンを実施していることを知り、この宿を5,000円引の料金で予約したところから始まったのです。
フロントにて「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」でワクチンの3回接種を提示してチェック・イン、汗まみれのパンツやシャツをエアコン全開の部屋に脱ぎ捨てて、4つある貸切露天風呂のひとつへGO!
蝉の声をBGMに、山深い青空を眺めながら浸かる温めの湯は最高で、来て良かったなぁとしみじみ思いました。
アブがブンブンと飛び回っていたので、2-3匹ほど叩っ殺しましたけどね(汗)。
晩飯は猪のしゃぶしゃぶや鮎の塩焼きなど、山の幸がてんこ盛りでどれも旨い。
ビール片手に喰い尽くし、露天風呂をハシゴして、爆睡の床に就いたのでした。


つづく。

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Nakagawa

こんにちは。
ほぼ全国の酷道を走り切っている私です。
R425、最初バイクでその後クルマで走り切ってますけど、一度走り切っておけば二度行く必要はないので、是非一度走り切っておきましょう(^^;
私ですか?
もう二度とクルマで行くことはないと思いますけど。
特にポルシェでは(爆)
by Nakagawa (2022-08-09 11:22) 

wata

Nakagawaさん、こんにちは。

全国の酷道を走り切っているとは、筋金入りの酷道ハンターですねぇ!
私は酷道を好んで走っているワケではなく、今回も龍神から十津川への最短ルートとして選んだだけなのですが、いやはや、なかなかのドイヒーっぷりでございました。
この手の道もキライじゃないとは言え、40kmを超える長さには少々ウンザリしましたよ(笑)。
大きく4区間に分かれるR425のうち、過去に下北山-十津川区間は走っていますので、残すところ2区間となりました。
次回は尾鷲-下北山区間を走りましょうかね(←走るんかい)。

by wata (2022-08-09 18:25) 

ラビー

走破狙ってるんですね(え?
ごまさんスカイタワーは、明るいうちにつけなかったので、
次回の宿題になっております(笑
R425って、すっごい道なんだって~っとオットに言うと、
龍神温泉入った後で、すごいとこ通ったじゃん、あそこだよと言われたものの、和歌山旅中、そんな道ばっかだったじゃん、わかんないよっと、答えたのも無理はないかと・・・(ははは、道番号なんて覚えられないし・笑
続きが楽しみです~。
by ラビー (2022-08-09 20:07) 

wata

ラビーさん、こんにちは。

狙ってませんって(笑)。
ごまさんスカイタワーを含む高野龍神スカイラインは景色がいいので、是非とも明るいうちに走ってみてください。
というか、あの山道を暗くなってからでも走ってるのが凄いです(汗)。
R425、やっぱりラビーさんちも走っていたんですね。
しかしドライバーさんはともかく、助手席のラビーさんは酷道も険道もへっちゃらなんですねぇ。
ある意味、最強のナビゲーターだと思いますよ!(笑)

by wata (2022-08-09 21:09) 

amataro

wataさん こんにちは

「転落死亡事故多発」って。。。 酷道を超えてサバイバルの域に入ってますね。
いつかの岐阜ー富山区間、楢峠越えのR471も走破しなければなりませんね(震)

読みも漢字も違うのですが、奈良県 天川村、京都に住む叔父が調べていたことがありました。 結局何も分からなかったらしいのですが、とても良さそうなところですねー。 いつか行くべき場所として記憶おきたいと思います。

R425は通ってはいけない道としてこちらも記録しておきます。。。

by amataro (2022-08-10 09:08) 

wata

amataroさん、こんにちは。

R425はこの看板が名物?となっているようですが、それにしても直球にも程がある表現ですよねぇ(笑)。
なお、誤解があるようなので申し上げますが、私は酷道マニアではありませんので、「楢峠越えのR471も走破しなければ」なんてことは全く考えてもいないのです(汗)。
天川村は天ノ川に沿って走っただけですが、とてもいい空気に満ちた秘境感漂う山村でした。
ここにamataroさんの由来があれば、本当に素晴らしいことですよね。
幅広&車高短のM4であれば、R425を始めとする紀伊半島の酷道・険道をより激しく堪能できるハズですので、是非一度お出かけください(震)。

by wata (2022-08-10 17:25) 

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