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みちのくグランド・ツーリング【Day3】 [drive/touring]

セットしたアラームより早く5時に目が醒めた、秋田県・滑多羅[なめたら]温泉の朝。
早寝早起きはツーリングのお約束であると同時に、老齢化の証左でもある(汗)。

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朝風呂でサッパリしてから食堂へ。
焼鮭やハムエッグ、納豆、海苔などのオーソドックスな朝食だが、やはり白米が旨くてお櫃をカラにすることとなる。
是非また来てください、と言ってくれた館主にこちらも礼を申し述べ、出発した。
建屋も料理も豪勢なワケではないが、駐車場も部屋も広く、静かでリーズナブル。
このエリアのツーリングの宿として、最適な1軒だと思った。

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中国地方に上陸した台風9号はやがて日本海へ抜け、温帯低気圧になってから発達して北日本に接近するという。
台風から格下げとなった温帯低気圧のくせに、なんでまた発達してこっちへ来るんだかわからないが、いずれにせよ肚が立つ。
故に東北地方は今日の午後から雨が降り始め、明後日にかけて風雨が強まり大荒れになるのだそうだ。
そんなわけで、明日走ろうと思っていた青森県/津軽半島の龍泊ラインを今日のうちに、雨が降る前に走破することに決定。
湿気の強い曇り空の下、オープンのボクスターは静かなカントリー・ロードのK4をマイペースで北上する。
その先、能代山本広域農道→K64→K63とストレート主体の快走路を文字通り快走し、日本海に沿うR101に出た。

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津軽西海岸の空は分厚い雲に覆われ、日本海の色調はどこまでも精彩を欠いている。
しかしながらJR五能線と絡みつつ北へと延びる大間越街道は流れもよく、前が詰まれば安全かつ迅速にブッコ抜き、ハイ・アベレージを保つことができる。
こと走りにおいては、実に気分がいいのだ。
そのまま快調に走り続け、鰺ヶ沢の先で広域農道/メロンロードへと左折、津軽半島最北部へと走る。
いよいよ細かい雨が落ちてきて、やがて無視できないレベルの降雨となったため、仕方なく幌を上げた。
強まる風を意識しながらR339を走り、道の駅「こどまり」で本日初の小休止。
風は強く、雨は弱いながらも止む気配はない。
が、ここで屋根を開けなければ、今日はもう開けることはできないだろう。
肚を括ってルーフを開け、龍泊ラインへと攻め入った。

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車室内が濡れないようにアクセルを開け、海岸線のルーズなワインディングから一気に高度を稼ぐヘアピンを駆け上がる。
連続するコーナーはタイトで勾配も厳しいが、ボクスターは意に介さず、2速固定のまま龍に立ち向かう。
何度走っても素晴らしい、極めてエキサイティングな道である。
2.7リッターのボクスターは、265ps/280Nm。
シリーズ中もっとも出力は低いのだが、このようなワインディングを走らせる度に、自分にはピッタリだとつくづく思う。
私のスキルではこれ以上のパワーがあっても使い切れないし、エンジンをレッド・ライン近くまで回すことすらできないであろう。
前車のBMW ALPINA B3 3.3は、中速域の豊潤なトルクを使ってスムーズに走らせるのが素晴らしく気持ちのいいクルマであった。
そんな私もボクスターにスイッチし、「エンジンを回して走らせることの楽しさ」を改めて知ってしまったようだ。
ICE[内燃機関]の終焉が見えてきた今、我ながら逆行にも程があると思う(笑)。

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ピークの眺瞰台に達したところで幌を上げ、ボクスターはレイン・モードに入る。
低気圧に伴う雨雲との競争は、なんとかハナ差で逃げ切った格好だ。
しかしながら雨と共に風も強まり、停車中の車体が揺れるほどになってきたため、撤収 。
嵐の中のような尾根を走り、龍飛崎には寄らずに沿岸部まで下りて、R339→R280と風雨のシーサイド・ルートをひた走った。
腹が減ってきたので道の駅「たいらだて」に立ち寄り、レストランでホタテ塩ラーメンを喰う。
正直、あまり期待はしていなかったのだが、これが予想を上回る旨さ。
最後の一滴までスープを飲み干し、大満足で店を出て、雲に抗う平舘海峡越しの下北半島を眺めてからR280に復帰した。
時間は少し早いが、今日はもう宿へと向かおう。
K12で半島内陸部に入り、津軽中里へと走る。
止まない雨の中、広大な無人の水田に建つ巨大な風力発電機が、風を受け唸りを上げていた。

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小さな町の中にある「福助旅館」に到着すると、元気なおかみさんが迎えてくれた。
ベッドの置かれた部屋は広く、直ちに浴衣へと着替え、ドリップ・バッグのコーヒーを淹れてソファーで大いに寛ぎまくる。
風呂上がりの晩飯は家庭料理の趣で、ビール片手にどれも残さず腹一杯喰わせてもらった。
雨は夜半に止んだが、窓の外では強風が吹き荒れている。
低気圧は発達しながらよりによって青森へと近づいており、地元のTVでは厳重な警戒を呼び掛けている。
明日は下北半島へ向かうのだが、マジで大丈夫なのだろうか・・・。


本日の走行距離は、327km。
走行時間は6時間42分、平均速度は50km/h。
平均燃費は、11.2km/lであった。

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Dion

Part3も1コメゲット。(笑)←暇すぎじゃなくてたまたまです。(2回目のワクチンでダウンしています。)
雲行き怪しい秋田から青森の行程ですが海沿いのドライブはそれだけでも気分がアップしますよね。
龍泊ライン、凄い。ヘアピンカーブの連続、これは堪りません。
ホタテラーメン、磯の風味が漂ってきますよ。


by Dion (2021-08-22 14:12) 

wata

Dionさん、こんにちは。

私もこのGTに合わせてワクチン接種を受けたのですが、2発目の翌日は発熱でブチ倒れておりました(汗)。
R101の津軽西海岸ルートは交通量ゼロではないものの、日本海を観ながらひた走る、なかなか旅情ある道なんです。
そのまま津軽半島を北上し、龍泊ラインのワインディングを駆け上がってそのピークに立つと、達成感がもの凄いんですよ。
走ってるだけで、何も達成してませんけどね(笑)。

by wata (2021-08-22 17:35) 

ていしあ

こんばんは。
福助旅館、いい感じの家庭料理ですね。てか、部屋のイメージが「福助旅館」という名前とのギャップが大きくてビックリしました。

青森のホタテは流石に美味しくて、反対側、下北半島にある道の駅横浜のほたてラーメンは次回是非ともご賞味ください。低気圧から逃れられるか、続きが気になります。
by ていしあ (2021-08-22 19:21) 

niwa

wataさん、こんにちは

雨の竜泊ラインも雰囲気がありますね!
そういえば、以前も雨の竜泊をオープンで快走されていたと記憶しております。
ギリギリまでルーフクローズを選択しないところに気合を感じます(謎)

また、wataさんの選ばれるお宿はいつも良さそうな所だなぁと感じるのですが、
GTにおけるお宿探しで何か意識されている事はございますか…?
by niwa (2021-08-22 19:30) 

ラビー

またしても雨の龍泊ライン、残念でした。
次回こそっ(また行く理由ですよね・笑
福助旅館、何度も写真を上下してみてしまいました。
旅館名とお部屋のイメージと視覚情報が(笑
天気予報を見ながら、青森、荒れ模様だけど、
wataさんなら、いいルート見つけて走るよねっと、話してましたよ~(笑
>[内燃機関]の終焉が見えてきた今、我ながら逆行にも程があると思う
うちのドライバー氏も逆行して、運転楽しんでます(笑
by ラビー (2021-08-22 20:57) 

wata

ていしあさん、こんにちは。

この宿は旅館というよりは民宿な感じで、部屋も客室というよりは一般家庭の2階にあるような感じでした(笑)。
津軽半島は五所川原以北に宿が少ないのですが、ここはリーズナブルで居心地のいいドラ宿でしたよ。
ちなみに私、翌日の昼飯時に道の駅「よこはま」へ立ち寄っています。
この日「たいらだて」で喰っていなければ、よこはまでホタテラーメンを選んでいた可能性が大です。
「同じ穴のグランド・ツアラー」であるていしあさんの読みの鋭さに、改めてビビりましたよ(汗)。

by wata (2021-08-22 21:57) 

wata

niwaさん、こんにちは。

龍泊ラインは何度か走りましたが、雨と同時に強風に見舞われることが多く、いつも龍に襲われているような気になります(汗)。
仰る通り、3年前も今回と同じで、風雨の中を無理矢理オープンで走り続けました。
一応、「これがオープン乗りの矜恃なのだ」ということにしておいてください(笑)。
https://wind-and-light-bxtr.blog.ss-blog.jp/2018-09-30
個人的に、ドラ宿は「街中よりは郊外、ホテルよりは旅館、できれば温泉&2食つきで1万円以内」を基準に探しています。
必ずしもその通りにはいきませんが、以降もなかなか個性的な宿に泊まれましたよ(笑)。

by wata (2021-08-22 21:57) 

wata

ラビーさん、こんにちは。

はい、龍泊ラインは今回も雨でした・・・が、翌日以降の天候を鑑みると、この日に走っておいて良かったとしみじみ思っています。
でもやっぱり、晴天の龍泊ラインの絶景っぷりはハンパではないので、懲りずにまた行く所存です。
その際はまたファンシーな(?)部屋に泊まるべく、福助旅館をチョイスするかもしれません(笑)。
しかし今回のGTは、これまでにないレベルで雨に降られました。
「温帯低気圧のち停滞前線」なんて、あんまりです(涙)。

by wata (2021-08-22 21:59) 

マンタロウ

おはようございます!! wataさん。

海岸線のルーズなワインディングから一気に高度を稼ぐヘアピンを駆け上がる・・・
2速固定のまま龍に立ち向かう・・・とぁ~!!いいですねぇ~♪
耳元で唸る風音、エキゾースト!! 眼前のうねる道に挑むボクスターの雄姿思い浮かびます。
ラーメンの次の曇天の画も、潮風に吹かれてくるようです!!
あーまたまた激しく旅情を掻き立てられております。
続報、楽しみにしておりますよ!!
ありがとうございました。
by マンタロウ (2021-08-23 06:51) 

wata

マンタロウさん、こんにちは。

例によってGTの記事はその日の夜に宿で書いており、それも風呂入って飯喰ってビール呑んだ後のことですから、ついつい情緒的で大袈裟な文章になってしまうことも少なくありません。
実際はゆっくりのんびり、スロー・イン&スロー・アウトで走っていますので、その分を割り引いて読んでいただけると助かります(汗)。
海、その向こうの下北半島を望む曇天の写真は、平舘付近で撮りました。
次回は同じ場所で、晴天の画を撮影する予定です(笑)。

by wata (2021-08-23 20:23) 

ガソリンはハイオク

wataさん こんにちは
実は自分も7月始めに北東北をメインとしたツーリングに行って参りました。
wataさんの過去のツーリング記をもとにR339 龍拍ラインを走りましたが龍の如くうねる道をオープンエアで堪能させて頂きました。下北半島は日程上行けなかったので続きのツーリング記楽しみにしています。
※私も6月にワクチンを摂取致しましたが
全く副反応なく周りから変人扱いでした。(泣)
by ガソリンはハイオク (2021-08-23 23:18) 

wata

ガソリンはハイオクさん、こんにちは。

おー、東北を走ってこられましたか!
ワインディングは全国各地にありますけど、龍泊ラインのドライブは本当に素晴らしい体験ですよねぇ。
行くのは遠くて大変ですが、わざわざ北のはずれまで行って走るからこそ、到達感・走破感がハンパないのだと思います。
下北半島も走りまくれる道がたくさんありますので、次回が楽しみですね!
で、ワクチン接種による副反応が出なかったとは羨ましい限りです。
私は38度の熱で、週末を棒に振りました(涙)。

by wata (2021-08-24 20:59) 

コロ衛門

はじめまして。
wataさんのボクスターに憧れて昨年末に
サファイアブルーの981ボクスターを
手に入れたコロ衛門と申します。
(内装はグレーですが)
竜泊ライン、ワタシも7月に走りましたが
ものすごく楽しい道ですね。
普段は長旅はあまりしないのですが
7月の旅を今更ですが、みんカラに綴って
おります。
ボクスター、本当に最高の旅車ですね!
wataさんのブログ、楽しみにしておりますので、よろしくお願いします。
by コロ衛門 (2021-08-26 08:39) 

wata

コロ衛門さん、はじめまして。

アクセス&コメントをいただき、どうもありがとうございます!
私は「みんカラ」会員ではないのでコメントはできないのですが(涙)、同じ色&近い仕様のボクスターでグランド・ツーリングを楽しまれている様子を拝見する限り、とても他人とは思えません(笑)。
ボクスターの魅力はいろいろとありますが、私もコロ衛門さんと同様、最高の旅グルマだと思っています。
他にも550バルケッタ・ピニンファリーナやS2000などの素晴らしいクルマをお持ちの中で、GT用途にボクスターを選んでいただき嬉しい限りです(笑)。
私も、みんカラの更新を楽しみにしています。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!

by wata (2021-08-26 19:54) 

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