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GT2020-5:大規模にも、程がある。 [drive/touring]

岩手県花巻市、台温泉。
今朝もまたルーティンの如く、朝風呂に浸かって目を醒まします。

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夕食と同様、お膳で部屋に運ばれた朝飯は予想通り旨いのですが、さすがは東北というべきか、おかず群の塩味が強く感じられます。
というわけで、2杯にとどめようとしていたごはんを3杯半も喰うハメになったのでした(笑)。
夕べの雨でボクスターは濡れたままですが、頭上には青空が拡がっています。
今日一日かけて山の中を走る岩手県は晴れの予報だとは言え、「ところにより雨、山間部は雪」との付記が大いに気になるところです。
ま、とりあえず行けるところまで行ってみましょう。

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混雑する花巻の街を出てK224を東に走り、K43を北に快走します。
交差するR396を右に行けば遠野に出るのですが、ここはひとつ早池峰[はやちね]の山懐を走ってやろうと考えて、引き続きK43を選びました。
紅葉も鮮やかな道の駅「はやちね」でトイレ休憩、気温は5度まで下がっており、雨は降っていないものの空はいつの間にか一面のドン曇りで、かなり冷え込んできました。
行く先、東の山々は頂が雲に隠れて白く煙っており、雪がガンガン降っているのは明らかです。
どうしようか・・・と一瞬考えましたが、ま、なんとかなるだろとK25を東に進みました。
快走2車線路は最後の集落で終了、落ち葉に覆われたガチの1車線路を辿ります。
川沿いだから平坦だろとタカを括っていたものの、進むに連れて標高も上がり始め、路肩には雪が現れるようになりました。
この状況で乾いていた幌を下ろしつつ(笑)、不安いっぱいでそれでもなお進んでいくと、いつの間にか周囲の樹々も真っ白になり、とうとう路面も雪に覆われてしまったのです。

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まだ轍の部分はアスファルトが出ているものの、これ以上進むのは極めてアホで危険な行為であることぐらい、私でも解ります。
狭隘区間はまだ半分以上残っていますが、ここまで来れたのだから、もう十分でしょう。
明治45年(1912年)、日本初の南極探検において南緯80度5分にまで到達した白瀬 矗[しらせ のぶ]中尉の労苦に思いを馳せつつ、狭い道を必死に切り返してUターン。
降りだした雨に再び幌を上げ、R396との交点まで20kmほど引き返したのでした(涙)。

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前走車を抜くのも憚られるほどの雨に遠野行きのR396を棄て、K160へと左折。
誰もいない2車線のカントリー・ロードは馬越峠を越えるワインディングとなり、弱まってきた雨は麓に下りると止んでくれていました。
早池峰山麓の横断を断念し、遠野市街を大きく迂回して、ようやくここから岩手県東部の北上が始まるのです。
R340では雨はほぼ止んでおり、ソフト・トップを乾かすためにもアクセルを踏み込んで走ります。
2年前の夏に工事中だった立丸峠を貫くバイパス・トンネルが完成しており、旧道となった峠道は危惧していた通り封鎖されていました。
トンネルを抜けた先で幌が乾いているのを確認し、再びのルーフ・オープン!
雪も雨も、もうたくさんだ!(涙)

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陸中川井でR106へと左折、交通量が一気に増えるのですが、この区間は想定済みのリエゾンなので苦にもなりません。
川内でそんな国道を離れ、本日のメイン・イベントである基幹林道八戸川内線、人呼んで「大規模にも程がある大規模林道」のドライブを開始しました。
この道は、国道や県道などを挟みながら100kmに渡って北上山地の峠を次々と越えていく、日本を代表する名道のひとつです。
今日は未通や未舗装の区間を除き、その終点から始点まで、ボクスターを存分に走らせまくるのです。
青く澄んだ空の下、轟々と山が啼くほどの強風に舞う落ち葉を突き破って、2速⇔3速ギアでぐんぐん上っていきます。
心配していた積雪や凍結もなく、最高のドライビング・コンディションと言っても過言ではありません。
大きな左ヘアピン・コーナーを抜けて峠を越え、紅葉の山間を一気に駈け下ります。
K171を短く挟み、次のセクションに突入。
幾多のコーナーをクリアして峠のトンネルを突破し、川沿いの快走路を走り抜けました。
R455/R340を経てK202に至る区間は1.5車線の山越えルートで、大規模感はあまりありません。
もしかすると大規模林道ではないのかもしれませんが、それでも楽しいので結果オーライなのです(笑)。

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ここからは、しばらく大規模林道を離れて走ります。
東へと向かう川沿いのK202は、小さな集落を結ぶ明るく静かな1.5車線路。
工事箇所も多く、地元のクルマも走るため、ここはのんびりと行きましょう。
続くK7は2車線の素晴らしいワインディングなのですが、中でトリッキーなコーナーが待ち構える峠のスノー・シェルターには注意が必要です。
その先のパーキングにボクスターを停め、常備している針金とLEDライトを使って、サイド・インテーク・ファンに引っ掛かっている枯葉を摘出しました。
落ち葉だらけの山道を走ると、エンジン付近からシャカシャカと音がするようになるのは、コレが原因なのです。
フロント左右の冷却口にも落ち葉がタップリと詰まっており、手を突っ込んで掻き出します。
結局、この日は同じ作業を三度もやる破目になったのですが、この時期の風物詩みたいなもんですし、ベスト・シーズンのドライビングの代償としては極めて安いもんですから、まぁ良しとしましょう(笑)。

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西に向かうK29は、北上山地を横断する峠道です。
快走2車線路は最後の集落を過ぎると森の中の1.5車線となり、再び雲に覆われた空を見上げながらタイトなコーナーをクリアしていきました。
平庭峠から先のR281は、葉の落ちた白樺林の中を行く気持ちの良い道。
その先の広いダウンヒルを豪快に駈け下ったところで、道の駅「白樺の里やまがた」に立ち寄りました。
売店で買い求めた豆腐の味噌田楽は、炭火で焼かれた味噌が香ばしく、実に旨い。
時刻は14時過ぎ、別の売店で買ったおやき(関東では今川焼/大判焼)と合わせて、これを本日の昼食としました。

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K5を経て、いよいよ大規模林道の最終区間に入ります。
引き続きクルマは殆ど見当たらず、本当にこんなに走っていいのだろうか・・・と思いながらアクセルを開け、堆積する落ち葉に気をつけながらステアリングを切り続けました。
岩手県最北部、K20との交点で、大規模林道は終了。
文字通り大規模にも程がある、そしてボクスターの走りに惚れ直した、素晴らしきダイナミック・ドライビングでした。
時刻は15時を回り、みちのくの晩秋は早くも暮れようとしています。
60km先の宿までの行程をカーナビに探させたのですが、幹線国道中心のルートだったので即却下。
エネオスで給油を済ませ、R340/R395からK33に入り、岩手/青森県境を越えてなお走ります。
山間を行くこの道は変化に富んで予想以上に面白く、R4を挟んで次に走ったK168と併せ、カーナビに圧勝したぞと独りほくそ笑みを催すのでした(笑)。

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十和田市郊外、R102沿いの「ホテル ポニー温泉」にチェック・イン。
キュートなネーミングの日帰り温泉施設に併設された旅館なのですが、広くて静かで実に快適なのです。
浴衣姿で向かった温泉はビックリするほどのヌルヌル浴感で、それは洗った体にボディソープがまだ残っているんじゃないかとマジで勘違いしたほどのレベルでした。
腹ペコで迎えた晩飯のテーブルには、十和田名物のバラ焼きや馬刺が並んでいます。
バラ肉と玉葱を甘辛いタレで焼くバラ焼きは、ビールはもちろんご飯にも合いまくることは、敢えて言うまでもありません。
膨れた腹をさすりつつ、大満足で部屋に戻りました。
腹がこなれてきたら、もう一度あのヌルヌル温泉に浸かってから寝ることにしましょう。


本日の走行距離は、397km。
走行時間は6時間42分、平均速度は61km/h。
平均燃費は、10.2km/lでした。

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ガソリンはハイオク

wataさんこんにちは
北東北は初冬を迎えてますね。
大規模林道は偽りなしの大規模なドライビングコースですね
自分は来年以降の楽しみにしときますが、オープンエアで走ったら昇天確実ですね(笑)
by ガソリンはハイオク (2020-11-18 20:10) 

wata

ガソリンはハイオクさん、こんにちは。

この日はこの時期にしては結構な寒波がやってきたようで、例えば八甲田や十和田湖周辺などは積雪通行止めになったようです。
私もビビりながら北へと向かいましたが、幸いなことにUターンは一度で済みました(笑)。
大規模林道は本当に大規模ですので、是非とも走りに行ってくださいね!

by wata (2020-11-18 22:16) 

yasu

wataさん、こんにちは

大規模林道は過去3回ほど訪れています。
景色は望めませんが、それ故善良なみなさんはほぼ走らないようで走り放題でした。
ブログを拝見し、また走りに赴きたくなりました。
ありがとうございました。
by yasu (2020-11-18 23:31) 

忠

こんにちは。

もう雪なんですね。Uターンする勇気は必要ですよね。8年程前、僕は雪道に迷い込んでしまい本気で死ぬかと思った経験がありました。栃木県は快晴でドライブ日和、浮かれて行った福島県の山間で突然に雪道に。峠の東側は何ともなかったのに、西側は白銀の世界・・・・引き返すには時すでに遅く雪道を上って行かなくてはなりません。仕方なくそのままハザードを点けて2速でちんたら数十キロのドライブに!涙)

by 忠 (2020-11-19 08:02) 

wata

yasuさん、こんにちは。

おぉ、やはりyasuさんも走られているんですね!
確かにこの道は、最南部を除いて景色があまり開けないんですよねぇ。
しかし、それが交通量僅少の一因であれば、むしろ歓迎です(笑)。
山の中をひたすら安全に走らせる、それだけを目的にすれば、日本屈指のドライビング・ロードだと思います。
・・・なんて書いているうちに、私もまた走りに行きたくなりましたよ!

by wata (2020-11-19 20:26) 

wata

忠さん、こんにちは。

最初から雪道だとわかってりゃわざわざ行きませんが、「途中から雪道」とか「今日から雪道」なんてことがあるんですよね。
私も4年ほど前、奥三河エリアで2車線の快走路を駆け上がり、5速で峠のトンネルを抜けた先がいきなりの雪道になっていたことがありました。
ABSやスタビリティ・コントロールなどの大活躍でボクスターを無事に止めることができ、ポルシェ社の技術に感謝した次第です(汗)。

by wata (2020-11-19 20:27) 

イエローサブマリン

wataさん、こんにちは。
「八戸川内大規模林道」本当に楽しそうですね!
以前このブログに書かれていた、「新・日本百名道」を3か月前に購入して、近場から攻めています。
東北出身なので帰省の折には是非行ってみたいと思います。

先日山梨のK510に出撃しましたが、戻ってきてエンジンをかけた際シャカシャカ音がして、一瞬「故障!」と不安になりました。
しばらくして収まったので安心していましたが、一昨日雁坂峠に行って戻ってきたらまた再発しました。
結構枯れ葉が舞っていたので、このブログを見てちょっと安心しました。こんどチェックしてみます。
by イエローサブマリン (2020-11-19 21:30) 

KG

こんばんは。
岩手県の大規模林道を楽しく走らせた様子が伝わってきます(笑)
自分もまた走りに行きたくなりました!

エンジン付近からのシャカシャカ音はこの時期ならではですね。

続きも楽しみにしています♪
by KG (2020-11-19 21:40) 

wata

イエローサブマリンさん、こんにちは。

はい、この大規模林道も「新・日本百名道」に載っていますよね。
掲載されている景色の良い写真は川内付近の最南部で、それ以外はずーっと山ん中をひたすら走るだけの道ですが、イエローサブマリンさんなら解ってくれると思っています(笑)。
それにしても、相変わらず山坂道を走られているようで何よりです。
シャカシャカ音はほぼ間違いなく枯葉の仕業ですので、ライトを当ててチェックしてみてくださいね!

by wata (2020-11-19 22:43) 

wata

KGさん、こんにちは。

個人的にこの大規模林道は、走り放題ロング&ワインディング・ロードの東の横綱だと思っています。
西の横綱は岡山県の広域農道群、通称「昇天街道(named by Shima)」だと思っており、東西いずれも断続的な区間を繋いで走るのが楽しいんですよねぇ(笑)。
サイド・インテークのシャカシャカ・チェックは欠かせませんが、落ち葉が入りこむってことは、そういう道を走りまくってることの証左ですから、むしろ勲章のようなものかもしれませんね(←そうか?)。


by wata (2020-11-19 23:02) 

ラビー

紅葉からの雪景色に、紅白じゃんっとこっそりうけてしまいましたが、登って行ったら雪って、え?ってなります。
カラマツべったりは、洗車してもなかなかきれいに落ちなくて、くっそ―(失礼)ってなりますけど、枯れ葉取り除きアイテム装備には驚きました(笑
狭い道でののっぴきならない理由でのUターンは、おっかないので、目をつぶってます(爆
ヌルヌル温泉大好きです(私は、トリートメント流し忘れたか?っとあせったことが・・・)
今シーズンは、毎週どこかに紅葉を見に行ってますが、さすがに東北は遠くて・・・続きが楽しみです(笑
by ラビー (2020-11-20 09:10) 

wata

ラビーさん、こんにちは。

この時期の東北を、しかも好き好んで山ん中を走るワケですから、落ち葉や雪は仕方ないですねぇ(笑)。
サイド・インテーク・ファンには最大で5枚ほどの落ち葉が引っかかっていましたが、それでも止まらずに勢いよく回っていました。
こういったことも想定して、ファンは強力に作られているのだろうと思います。
とは言え、LEDライトと針金はもはやボクスター&ケイマン乗りの必需品ですから、ポルシェ社は是非とも標準装備品にしていただきたいと思います(←そうか?)。
ちなみにここの温泉、ラビーさんもヌルヌル好きなら行ってみてください。
ヌルヌルですよ(笑)。

by wata (2020-11-20 12:34) 

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