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紀伊半島ツーリング:3 [drive/touring]

和歌山県南部の山間、川湯温泉の朝。

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6時に起床、夜明け前の露天風呂に浸かる。
空は雲一つない晴天、 外気温は氷点下まで下がっており、縮み切った袋が一気に弛緩した。
取り過ぎに注意しつつバイキングの朝食を喰ってから、フロントに断りを入れ、ホースを借りて泥だらけのボクスターをザッと水洗いする。
一通りキレイにはなったが、尋常ではない水の冷たさに手の感覚がおかしくなったため(涙)、もう一度風呂に入って元に戻した。

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チェック・アウトを済ませて走り出す。
今日も行き先は決めていないが、まずはR311との重用区間を離れ、R169で北上を開始した。
このエリアは山深く、和歌山・奈良・三重の3県が複雑に入り組んでおり、飛び地も点在するほどの混沌っぷりである。
それだけに狭隘路ばかりだったR169ではあるが、改良が進み長大な橋とトンネルが地形を無視してまっすぐ伸びており、高いギアで楽に走れるようになった。
旧道も一部は残されているが、交通の気配は感じられない。
そんな打ち棄てられた橋梁のひとつにボクスターを停め、迫りくる大きな山々と恐ろしく深い峡谷の風景に暫し魅入っていた。

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R169は未改良の区間も一部残っており、1.5車線レベルのワインディングでボクスターのハンドリングとアジリティを大いに楽しんで走らせる。
空は引き続きの快晴で、瀞峡に近いパーキングから見下ろせば、岩場を流れる清流が暖かな冬の太陽に輝いていた。
その先、ゆったりと広くなった北山川に架かる大好きな上瀞橋に立ち寄る。
1tの重量制限があるものの、クルマで渡ることができる吊り橋で、軽トラやバイクの往来もあった。
ボクスターを置き歩いて渡り、橋の中央、和歌山と三重の県境に立ち、空と山と川の景色を大いに堪能する。
実に気持ちが良い。

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ちょうど昼時となったため、橋の入口にあるテーブル&ベンチでコーヒーを飲みながら、フルーツや焼き菓子を頬張る。
今回のツーリングには、ポルシェのディーラーからノベルティとして頂いた小さな保温ボトルを持参している。
容量は250cc程度ではあるが、ドリップ・バッグでコーヒーを淹れて持ち歩くのに丁度いいサイズなのである。
今朝ほど宿で淹れたコーヒーも適温近くを保っており、青空の下で飲むとまた格別であった。
それにしても、昨日の雪がウソのような暖かさである。
気温は10℃を大きく超えて風もなく、ダウン・ジャンバーを脱ぎ捨てて、長袖のTシャツだけで十分なのだ。

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七色ダムからは三重県に入り、K34を南下する。
初めて走るこの道は、峠のトンネルまでが森の中の1.5車線屈曲セクション、その先は川沿いのロング・コーナーで構成されており、例によってトラフィックはゼロ。
アクセル&ステアリング・ワークでボクスターをリズミカルに走らせながら、こんなに楽しい道があったのか、と舌を巻くのであった。
K156からリアル1車線の舗装林道に入り、熊野国総鎮守の大馬神社に詣でる。
昼なお暗い杉木立の参道を歩き、旅の無事を拝殿に祈った。
林道から戻ったK156は、地図上ではクネクネと細くのた打ち、R42へと通じている。
確かにその通りではあるのだが、実際はとんでもない急坂&狭隘の山道なのだ。
すんごいところを走ってる感に震えながら、慎重に進んで無事に国道まで出ることができた。

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R309、およびその先のR169との重用区間は、3速⇔4速で走る超絶の快走路。
交通量は僅少、川の流れそのままの線形が実に気持ちよく、三重-奈良県境を突破してボクスターは走り続ける。
下北山村の集落を抜け、上り坂のワインディングを駆け上がったところで、池原ダムに立ち寄った。
堰堤上を走れるダムはいくつもあるが、ここは2車線幅以上の広さがあり、かつ誰もいない。
これまでにも何度か訪れている、大好きな場所のひとつである。
堰き止めている莫大な量の水はエメラルド・グリーンに輝き、その一方でダム下を覗けば、バンガロー村で家族連れやグループがキャンプを楽しんでいる。
そのギャップが、ものすごいのだ。

気がつけば時刻は15時半、そろそろ今日のゴールを決めねばならない。
いつものように「じゃらんnet」で宿を探し予約を完了、R169に戻って北上を再開する。
一本道の山間国道、前方にはレジャー帰りと思われるクルマが何台も連なっているが、ストレスを感じないペースで走り続けてくれたのはありがたい。
そのまま吉野エリアの市街地に入り、宿のある大淀町に到着した。

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松月館」は、古い小さな旅館である。
2間14畳のだだっ広い部屋に荷物を追いて、晩飯を喰いに外へ出た。
すぐ近くのお好み焼き屋「」でカウンターに座り、女将さんにモダン焼を焼いてもらう。
生ビールと共に平らげて、いい気分で宿に戻った。
今日はあちこちに立ち寄り道草を喰いまくったため、わずか170kmしか走っていない。
それでも不足感はまったく無く、暖かな冬の陽射しを浴びながら、変化に富んだドライブと素晴らしい風景を楽しみまくることができた。
この3日間で紀伊半島内をずいぶん走り回ったが、それでも「走りたい道」はまだまだたくさんある。
いずれ日を改めて、再び地図を塗りつぶしにやって来よう。


本日の走行距離は、173km。
走行時間は3時間51分、平均速度は46km/h。
平均燃費は、9.7km/lであった。

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ラビー

わ~池原ダムだ~。
昨年春、和歌山に行くことになった時、
「ここで知った」このダムは行きたいっ!っと思っていた場所で、
実際に行って、わ~ここはすばらしーっと、大騒ぎした思い出の場所(笑
1から、ワクワクしながら読んでいます。
うんうん、狭隘道路、多かったよね~楽しかったね~また行きたいね~っと、オットと楽しんでいます。
続きが楽しみです。
by ラビー (2022-02-21 21:39) 

wata

ラビーさん、こんにちは。

ツーリング/ドライブ・スポットとして必ずしもメジャーではない池原ダムですが、ここはイイですよねぇ。
Blogのトップ写真に使うレベルで共感していただき、ありがとうございます(笑)。
今回は初めての道をいくつか走り、紀伊・熊野の山深さを改めて体感・・・いや、痛感しました(汗)。
紀伊半島の走行記は今回で終わりですが、もう少々おつきあいください!

by wata (2022-02-22 08:24) 

mtm

池原ダム、しっかりドローン飛ばして走ってますやん!
和歌山も楽しい道がたくさんあってよかです(笑)

by mtm (2022-02-22 18:29) 

wata

mtmさん、こんにちは。

和歌山県、東京からはちょっと遠いのですが、ホントに楽しい道がいっぱいあるんですよね。
軽~く日帰りで走りに行ける、関西人のmtmさんが羨ましいです(笑)。
ダム上はR425で、尾鷲までクネクネの山道が続いているようなので、通行止めじゃない日に行ってみようと思っています!

by wata (2022-02-22 18:57) 

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