春のツーリング[2] [drive/touring]
6時前に朝風呂へ入り、スイッチ・オン。
昨日は2時半起きで700km近く走り22時には爆睡、今朝の寝起きは呆人状態全開ではあったが、熱めの湯に浸かっているうちにすっかり目が覚めた。
着替えを済ませ本館「川湯みどりや」へと歩き、例によって朝食バイキングを鱈腹喰う。
荷物をまとめてチェック・アウト、ボクスターの屋根を開け放って2日目がスタートした。
気温は5度と少々肌寒く、グローブを嵌めてステアリングを握っていたが、広く緩やかなカーブが続くR311のドライブは実に爽快である。
中辺路[なかへち]からはK198で北上、タイトなコーナーにP Zeroを食らいつかせて、梅の咲く峠のトンネルを越えていった。
曇り空の下、龍神の集落を過ぎると沿道から人家はなくなり、徐々に高度が上がり始める。
このツーリングの目的路のひとつである高野龍神スカイラインを走るのは実に6年ぶりのことであり、ボクスターでは初ドライブだ。
2速メインでパワー・バンドをキープしながら、山腹に貼りついた急勾配のワインディングをぐんぐんと駆け上っていく。
現時点のスカイラインは「昼間チェーン携行、夜間通行止め」 とアナウンスされてはいるが、路肩に雪の固まりが散見されるものの路面は完全なドライ、かつトラフィックはほぼ皆無。
ヒルクライムを存分に楽しんで、標高1300mに届く護摩壇山[ごまさん]のパーキングに到着した。
空は雲に覆われてはいたが風は無く、冷たく澄みきった山の空気が実に気持ちがいい。
ここから先は、1000mクラスの尾根上を北に走る。
木々の間から下界を眺めつつのドライビングは実に爽快で、改めてこの道は素晴らしいと感じ入る。
やがて道はタイト・コーナーの連続するダウンヒルとなり、一部に荒れた舗装やゼブラ・ペイントが現出するのだが、ボクスターはそんなもんをモノともせずに危なげなく下っていく。
終着の高野山まで、最高の山岳ドライブを堪能することができた。
昨年の12月には雪が降り始めてそそくさと逃げ出した高野山だが、今日はボクスターを駐めてゆっくり歩いてみることにする。
シーズンの狭間でもあるためか、金剛峯寺には思ったほど人はおらず、実に静かで厳かな雰囲気である。
信心深くも無いくせに、寺社仏閣に足を止めて立ち寄るようになったのは、何年ぐらい前からのことだろう。
やはり歳を取ったからなのかな・・・と思いつつ、石段に腰掛けて境内をボーッと眺めていると、存外に若い人の姿が目につく。
そうか、寺や神社に来るのはオッサンばかりじゃないんだ!と立ち上がりかけたものの、自身がオッサンである事実に変わりは無いことにハタと気がつき、再び腰を下ろすのであった(涙)。
いつの間にか晴れてくれた空の下、R480で下山すると外気温は一気に20度まで跳ねあがり、信号待ちでパーカーを脱いで長袖シャツ1枚になる。
紀ノ川を渡って続くR480はかつての「酷道」から一転、長大なトンネルで和歌山/大阪の府県境を越える完全なメイン・ルートとなっていた。
しかし私はバイパスを離れ、まだ生きていた旧道をぐいぐいと上り、7年前と同様、静かな鍋谷峠を抜けて森の中の狭い屈曲路を下っていく。
風情があって気持ちの良いこの峠道を、是非とも残しておいてほしいと本気で思った。
ローソンの駐車場でアイス・コーヒーをすすりつつツーリングマップルを開き、今日はここから日本海を見に行くことに決め、「じゃらんnet」で宿を検索&予約。
ガソリンを満タンにしてから岸和田和泉ICへとアクセス、市街地をパスすべくカーナビの指示に従って、ややこしい大阪の高速道路網を走り続けた。
100km程先、京都縦貫自動車道/八木東ICでアウト。
ここから初めて走ったR477がまた狭く暗い山道で、いかにも「京都の裏」といった感じでいっぺんで好きになった。
およそドライブ・ルートとして択ばれるとは思えないタフな国道ではあるが、機会があればもう一度走ってみたいと思わせてくれる道であった。
京北からは、R162一本で日本海を目指す。
しかしながら時刻は14時を過ぎ、朝飯にガッツリ喰ったバイキングもすっかり消化してお腹がグー。
ということで、スーパーの軒先で営業していた軽トラでたこ焼きを買い、アツアツをハフハフ言いながら頬張った。
R162は、バイクでごった返す道の駅「美山ふれあい広場」を過ぎると交通量がグッと減る。
杉木立の中を走り抜け、京都/福井の府県境にあるトンネルを抜ければ、その先にダイナミックなロング・ダウンヒルが待っているのだ。
下りきってからもしばらくは田園風景の中をハイペースで走り続け、小浜の街に出る。
内外海半島に立ち寄り、静かな日本海の景色を楽しんでから、R27で宿に向かった。
二食つきで予約したのは、若狭高浜の「城山荘」。
元は国民宿舎であったのだろう、建屋は旧いが私にとっては十分で、若狭富士を眺めながら入れる風呂は最高である。
夕食に出された地元魚介類のソテーは、バルサミコ酢とオリーブ・オイルの香りが素晴らしく、二食つき8,000円の宿で出されるレベルの料理を遥かに超える旨さであった。
再び風呂に浸かりながら、明日のルートを思案する。
天気予報はどこもかしこも雨とのことで、逃げ道が見当たらないのだ。
さて、どうしよう。
つづく。
昨日は2時半起きで700km近く走り22時には爆睡、今朝の寝起きは呆人状態全開ではあったが、熱めの湯に浸かっているうちにすっかり目が覚めた。
着替えを済ませ本館「川湯みどりや」へと歩き、例によって朝食バイキングを鱈腹喰う。
荷物をまとめてチェック・アウト、ボクスターの屋根を開け放って2日目がスタートした。
気温は5度と少々肌寒く、グローブを嵌めてステアリングを握っていたが、広く緩やかなカーブが続くR311のドライブは実に爽快である。
中辺路[なかへち]からはK198で北上、タイトなコーナーにP Zeroを食らいつかせて、梅の咲く峠のトンネルを越えていった。
曇り空の下、龍神の集落を過ぎると沿道から人家はなくなり、徐々に高度が上がり始める。
このツーリングの目的路のひとつである高野龍神スカイラインを走るのは実に6年ぶりのことであり、ボクスターでは初ドライブだ。
2速メインでパワー・バンドをキープしながら、山腹に貼りついた急勾配のワインディングをぐんぐんと駆け上っていく。
現時点のスカイラインは「昼間チェーン携行、夜間通行止め」 とアナウンスされてはいるが、路肩に雪の固まりが散見されるものの路面は完全なドライ、かつトラフィックはほぼ皆無。
ヒルクライムを存分に楽しんで、標高1300mに届く護摩壇山[ごまさん]のパーキングに到着した。
空は雲に覆われてはいたが風は無く、冷たく澄みきった山の空気が実に気持ちがいい。
ここから先は、1000mクラスの尾根上を北に走る。
木々の間から下界を眺めつつのドライビングは実に爽快で、改めてこの道は素晴らしいと感じ入る。
やがて道はタイト・コーナーの連続するダウンヒルとなり、一部に荒れた舗装やゼブラ・ペイントが現出するのだが、ボクスターはそんなもんをモノともせずに危なげなく下っていく。
終着の高野山まで、最高の山岳ドライブを堪能することができた。
昨年の12月には雪が降り始めてそそくさと逃げ出した高野山だが、今日はボクスターを駐めてゆっくり歩いてみることにする。
シーズンの狭間でもあるためか、金剛峯寺には思ったほど人はおらず、実に静かで厳かな雰囲気である。
信心深くも無いくせに、寺社仏閣に足を止めて立ち寄るようになったのは、何年ぐらい前からのことだろう。
やはり歳を取ったからなのかな・・・と思いつつ、石段に腰掛けて境内をボーッと眺めていると、存外に若い人の姿が目につく。
そうか、寺や神社に来るのはオッサンばかりじゃないんだ!と立ち上がりかけたものの、自身がオッサンである事実に変わりは無いことにハタと気がつき、再び腰を下ろすのであった(涙)。
いつの間にか晴れてくれた空の下、R480で下山すると外気温は一気に20度まで跳ねあがり、信号待ちでパーカーを脱いで長袖シャツ1枚になる。
紀ノ川を渡って続くR480はかつての「酷道」から一転、長大なトンネルで和歌山/大阪の府県境を越える完全なメイン・ルートとなっていた。
しかし私はバイパスを離れ、まだ生きていた旧道をぐいぐいと上り、7年前と同様、静かな鍋谷峠を抜けて森の中の狭い屈曲路を下っていく。
風情があって気持ちの良いこの峠道を、是非とも残しておいてほしいと本気で思った。
ローソンの駐車場でアイス・コーヒーをすすりつつツーリングマップルを開き、今日はここから日本海を見に行くことに決め、「じゃらんnet」で宿を検索&予約。
ガソリンを満タンにしてから岸和田和泉ICへとアクセス、市街地をパスすべくカーナビの指示に従って、ややこしい大阪の高速道路網を走り続けた。
100km程先、京都縦貫自動車道/八木東ICでアウト。
ここから初めて走ったR477がまた狭く暗い山道で、いかにも「京都の裏」といった感じでいっぺんで好きになった。
およそドライブ・ルートとして択ばれるとは思えないタフな国道ではあるが、機会があればもう一度走ってみたいと思わせてくれる道であった。
京北からは、R162一本で日本海を目指す。
しかしながら時刻は14時を過ぎ、朝飯にガッツリ喰ったバイキングもすっかり消化してお腹がグー。
ということで、スーパーの軒先で営業していた軽トラでたこ焼きを買い、アツアツをハフハフ言いながら頬張った。
R162は、バイクでごった返す道の駅「美山ふれあい広場」を過ぎると交通量がグッと減る。
杉木立の中を走り抜け、京都/福井の府県境にあるトンネルを抜ければ、その先にダイナミックなロング・ダウンヒルが待っているのだ。
下りきってからもしばらくは田園風景の中をハイペースで走り続け、小浜の街に出る。
内外海半島に立ち寄り、静かな日本海の景色を楽しんでから、R27で宿に向かった。
二食つきで予約したのは、若狭高浜の「城山荘」。
元は国民宿舎であったのだろう、建屋は旧いが私にとっては十分で、若狭富士を眺めながら入れる風呂は最高である。
夕食に出された地元魚介類のソテーは、バルサミコ酢とオリーブ・オイルの香りが素晴らしく、二食つき8,000円の宿で出されるレベルの料理を遥かに超える旨さであった。
再び風呂に浸かりながら、明日のルートを思案する。
天気予報はどこもかしこも雨とのことで、逃げ道が見当たらないのだ。
さて、どうしよう。
つづく。
2018-03-23 21:24
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コメント(8)
いつもながら自分がドライブしてきたような気にさせてもらえる記事をありがとうございます。しかし、このday2のツーリングマップをみて腰を抜かしそうになりました。1日で熊野から高浜の日本海まで抜けるって…。昔の修行僧のようにwataさん尋常じゃないタフさですね。それにしても魚介類のソテー美味しそう。
by Kui (2018-03-23 23:43)
Kuiさん、こんにちは。
こちらこそ、励みになるコメントをいただきありがとうございます!
この日の行程は420kmでしたが、そのうち100kmは、市街地のチンタラ走行を嫌って空いている高速道路を走っています。
残り300km超の一般道も、その殆どすべてが超絶楽しい走り放題マイペース走行でしたので、修行僧のように辛い思いをした距離は1mもないんですよ(笑)。
それにしても、シーフード・ソテーは旨かったです。
バイキングやたこ焼きで十分満足できる私には、勿体無いほどのレベルでした(汗)。
by wata (2018-03-24 18:07)
P ZEROはいい感じにグリップしますよね!
ただ減る前にひび割れてきて、ライフが短いのが悲しい・・・
来月パイロットスポーツ4Sに交換しようと発注しました!
by まこっちゃ (2018-03-25 13:37)
まこっちゃさん、こんにちは。
私はP Zeroのパフォーマンスで十分なのですが、友人によればパイロットスポーツ4sは本当に素晴らしいタイヤなのだそうです。
しかし、まこっちゃさんのP Zeroが減る前にひび割れるのは、ピレリ社も想定していないようなハードな走りをするからではないのでしょうか(汗)。
by wata (2018-03-25 18:55)
wataさん こんにちは。
紀伊半島から日本海側までなんて、行動力凄すぎです。(泣)
本日赤城山k251の通行止めの解除の一報を受け調査に行ってきました。山頂付近はまだ1.5車線レベルの除雪剤まみれでしたが
ほぼドライコンディションでk62も含め問題ない感じです。
先日、wataさんがお世話になったカーカージャパンにてタイヤ交換を実施致しました。お店の方の話では自分の住んでいる方面からのお客は初めてと驚かれていました。(笑)
by ガソリンはハイオク (2018-03-25 20:20)
ガソリンはハイオクさん、こんにちは。
今回のツーリングは、せっかく紀伊半島を走っているのに太平洋を一度も見ずに日本海へ出たことに気がつきました(汗)。
ま、これが行き当たりばったり旅のいいところだと思ってます。
春分の日の雪も融けて、赤城山もいよいよ解禁ですね。
新しいタイヤで、春のドライブを存分に楽しんでくださいね!
by wata (2018-03-25 21:04)
こんにちは。
また紀伊半島に来られたのですね、と思いきや、
その足で日本海に抜けてしまうとは、すごい行動力ですね。
しかもできたばかりのトンネルをパスして、鍋谷峠越えとは素晴らしい。
いつかご一緒させてください。
by ys (2018-03-31 16:08)
ysさん、こんにちは。
房総半島も伊豆半島も好きですが、紀伊半島はやっぱりいいんですよねぇ。
全域走り放題、道だけでなく海も山も温泉も最高ですので、年内に再訪するんじゃないかと思っています。
鍋谷峠は、立派なバイパス・トンネルができていてビックリしました。
しかし常人の皆さんがトンネルを選ぶおかげで旧道はクルマ・ゼロ、おかげで鍋谷峠の素晴らしい山坂道を堪能することができましたよ(笑)。
願わくば、この旧道をそのまま残しておいてほしいもんですね。
by wata (2018-03-31 16:27)