集合は関越自動車道/嵐山PAとしたのですが、朝7時の時点でもう暑い!
とてもゆっくり話などしておれず、かつ満車レベルの混雑っぷりでもあったため、70kmほど先の赤城高原SAで再集合としました。
ここは標高が500m近くあるとのことで、日陰に入れば涼しさをも感じるレベルです。
今回一緒に走るのは、もう20年来のつきあいになるクルマ仲間のMTさんとKさん。
MTさんの991型ポルシェ・911カレラは3.4リッターNA、LHD&7MTにPASMスポーツ・シャシーを組み込んだ、「走り」にフォーカスした極めて魅力的な仕様です。
彼は150万円もするオプションのPCCB[ポルシェ・セラミックコンポジットブレーキ]を3万kmで使い切り、カレラS用のスチール・ブレーキ・システムに全換装した挙句、「バネ下重量の増加でスタビリティが向上し、むしろ速くなった」という、そんな人です(←どんな人だ?)。
一方のKさんは、常に複数台を所有しながらもいいクルマがあるとすぐに買ってしまう困った人ですが(笑)、そんな彼が乗ってきたのは、紅いプジョー・308。
130ps・300Nmのアウトプットを持つ1.5リッター・ターボ・ディーゼル「BlueHDi」を、アイシンAW社製の8速ATで制御する1台なのですが、どうやらKさんは、911やボクスターと奥只見のタフなワインディングを走ることを前提に、このクルマを持ち込んできたようなフシがあるのです(汗)。
晴天、ガラガラの関越道を北上し、関越トンネルを抜けて新潟県に入ります。
先頭の私、最初はバック・ミラーの308をケアしながら走っていたのですが、そんな気遣いは無用とばかりにDRL[デイタイム・ランニング・ライト]を怒らせて迫りくる308の姿に、その考えを改めました(汗)。
マイペースを保ったまま小出ICまで走り切り、R352で深い緑の山へと向かい、枝折峠への峠道に入ったところでトップを下ろします。
湿気が強く、ちっとも涼しくないけれど、やっぱりオープンで走らないとね(笑)。
クルマやバイクなど、対向車はゼロではありませんので、夏草に狭められたブラインド・コーナーの先に最大限の注意を払いつつ、峠を越えていきました。
奥只見湖岸まで下ったところで減った小腹を満たすべく、いったん国道を離れます。
対岸の山中に穿たれたK50/奥只見シルバーラインの長いトンネル内は気温14℃(!)、30℃近い外気温との差で霧が出るほどの寒さです。
8kmほど走ってダム脇の大駐車場に出、レストハウス「奥只見ターミナル」で岩魚の塩焼きを喰いました。
ここの岩魚は大ぶりで、塩加減も焼き加減も良く、本当に旨い。
5年前にも同じメンバーで同じように喰っていますが、次回もまた、喰うと思います(笑)。
長いトンネルを国道まで引き返し、視界ゼロにまで曇ったウィンドウをデフロスターで元に戻してから、ドライビングを再開します。
対向車に気をつけつつ、人造湖の複雑な湖岸をそのままトレースするR352を2速メインでひたすら走り続けました。
今も多数残る洗い越しに加え、ところどころアスファルトが大きくうねっている箇所もありますが、MTさんは地上高標準比マイナス20mm&フロント・リップ・スポイラー装備の911を苦もなくクリアさせ、瞬時にボクスターの直後のポジションに復帰します。
308を駆るKさんは当然ながらそんな路面をものともしないだけでなく、ボクスターはもちろん、おそらくは911をも上回るターボ・ディーゼルのローエンド・トルクを存分に使って、このワインディング・ランを大いに楽しんでいる模様です。
湖岸を離れ、福島県境を越え、小休止を経てからオーダーを入れ替えてリスタート。
大きくロールしながらも抜群の安定感でタイト・コーナーを抜けていく308は、その脚もまた素晴らしいのです。
特に今回のような低速域のワインディング・ステージでは、ドライバーのスピリットがあれば、308は911やボクスターに伍するペースで走ることができるんですね。
5年前の夏、自らステアリングを握って308の走りに感銘を受けたことを思い出しながら、ライオンの爪痕を模したというグラフィックのテール・ランプを追いかけて走りました。
檜枝岐村のガソリン・スタンドで、当初の想定を上回る勢いで減ってしまった燃料を補充してから、ドライバーの胃袋も満たすことにします。
6月に訪れた際はすべての店舗が休業していた村内の食堂も通常営業に戻っており、今回ようやく檜枝岐村名物の裁ち蕎麦[たちそば]をいただくことができました。
「裁ちそば まる家」で出された蕎麦はたいへん瑞々しく、返しよりも出汁のやや勝るツユと相まって、予想以上の旨さです。
つなぎを使わないため、生地を折り畳むとボロボロになってしまうことから、布を裁つように生地を重ねて切るという裁ち蕎麦ですが、十割故にボソボソしているのかなと思いきや、そんなことはまったくありません。
喉越しと食べ応えとが高く両立した、とても旨い蕎麦だと思いました。
できれば新蕎麦の時期に、もう一度食べに来たいですね。
東北自動車道で帰宅すると言うKさんの308がR352を右折するのを見送って、MTさんと私はR401を北に走ります。
が、バスを含む車列のケツをチンタラ走らされるのも辛いので、伊南川を挟んで並行するK351へとエスケイプ。
完全2車線のバイパス国道とは異なり、広狭半ばする昔の街道ですが、信号も無く交通量も僅少で、大いに気分よく走ることができました。
いわゆる「対岸の法則」の好事例として、ご参考にしていただければ幸いです(笑)。
只見の街からR252に入り、田子倉ダム脇の駐車場で冷たいボトル・コーヒーを一気飲みしてから、六十里越の山岳ドライブに臨みました。
連続するスノー・シェッドの先、新潟県境のトンネルを抜ければ、幾多のヘアピン・コーナーが重なるハードなダウンヒルが待っています。
幸いなことに先行車はほとんど見当たらず、後続の911から温かくも厳しいプッシュを頂戴しながら(汗)、600m以上の標高差を一気に駆け下っていきました。
こういう道を走らせると、ボクスターのキャパシティがいかに大きいかが良くわかるんですよね。
何とか集中力を切らさずに下界まで楽しく走り切り、出発地だった小出ICの脇を通過して(笑)、本日の宿へと向かいました。
市街地に程近い、六日町温泉「坂戸城」にチェック・イン。
建屋は少々旧いですが、従業員の方々の対応もとても良く、佳き昭和の温泉旅館といった趣です。
今回はゼイタクにも一人一室としましたので、それぞれの部屋に荷物を放り出し、何はともあれ大浴場へGo!
汗まみれの身体をゴシゴシと洗い、掛け流しの温泉にのんびりと浸かります。
併設の半露天風呂は茶室のような設えで、素っ裸で畳の上に寝っ転がってやろうかと思いましたが、迷惑なのでやめました(汗)。
晩飯は予約していなかったので、1Fの食事処で生ビール片手に日本海の刺身や越後もち豚のトンカツなどをつつきながら、今日の走りを振り返ります。
六十里越のダウンヒルは2速⇔3速のシフトを多用するため、911の追撃から逃れるべく、オート・ブリッピングが発動するスポーツ・プラス・モードにセットしていた私。
その旨をMTさんに話したところ、「スポーツ・プラスはアカン。せっかくマニュアル車に乗ってるんだから、ヒール&トゥは自分でやらにゃ。スポーツ・プラスはアカンよ!」とのご指導を賜ることとなりました。
いやはや、仰る通りですねぇ。
わかりました、明日はスポーツ・プラスを使わないで走ります!
・・・って、ホントか?(汗)
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NP状態で浴衣を引っかけて大浴場に向かい、朝風呂で目を醒ましました。
朝飯を平らげ、部屋でコーヒーを飲んだらチェック・アウト。
曇り空ですが気温はやはり高く、出発の準備をしているだけで汗が滲んできます。
不安定な天気で、雷雨の予報もあることから、今日はあまり深追いはせずに関東方面へと走ることにしました。
・・・とは言えもちろん、すぐに高速道路に乗るようなマネはいたしません(笑)。
六日町の商店街を抜けてK560に入り、急坂のワインディングを一気に駆け上がって魚沼丘陵のてっぺんに出ます。
その稜線上をトレースする魚沼スカイラインは大好きな道のひとつで、一部に荒れたアスファルトやOリング処理されたコンクリート舗装があるものの、天空や下界の景色を眺めながらのんびり走るのに最適なのです。
この日は空気が霞んでいたため景色も視程もイマイチでしたが、それでも連続するコーナーを気持ちよく流すことができました。
スカイラインの南端からR353で石打まで下り、ここからはR17で上越国境を越えていきます。
登坂車線つきの整備された幹線道路にもクルマは少なく、高度を上げた先の苗場スキー場付近では気温24℃と超快適!
三国トンネルを抜けて群馬県に入り、連続するコーナーを次々とクリアしながら楽しく駆け下っていきました。
R17は猿ヶ京温泉付近から徐々に流れが悪くなるものの、その先でK53へ右折しちゃうので大丈夫。
メジャーなルートではありませんが、未整備の狭路と改良済みの2車線路とが交互に展開する、とてもいい道なんです。
ちなみにこの付近ではMTさんに先鋒をお願いしていましたが、タイトなワインディング・セクションであっという間に離されてしまったので、私は止むを得ず、止むを得ずスポーツ・プラスのスイッチを入れてしまいました(汗)。
中之条からはR353を経由し、K28/通称「裏榛名」でヒルクライム。
山頂では強い雨に見舞われ、仕方なく幌を上げましたが、幸いなことにしばらく走ると止んでくれました。
K33の下りで観光客の皆さんと共に拷問のようなチンタラ走行を堪能し(涙)、昼前にK15沿道の「はちみつうどん 山一屋」に到着です。
訪れたのは9年ぶり、いわゆる水沢うどんの店が立ち並ぶエリアからはちょっと離れていますが、ここのうどんもツルッツルで旨いんです。
さらに嬉しいことに盛りが良く、舞茸天の盛り合わせなどを一緒に頼むと、並盛でもギリギリ喰いきれるかどうかのボリューム感。
大盛を発注するのであれば、それなりの覚悟が必要です(笑)。
喰い過ぎのオッサン二人は膨らんだ腹をさすりつつ、よっこいしょ、とそれぞれのクルマに乗り込んで、駒寄スマートICへ。
まだ空いている関越道を快調に走り、外気温計が40℃を指す(!)サウナのような灼熱の三芳PAで解散となりました。
二日間の走行距離は、759km。
走行時間は11時間34分、平均速度は67km/h。
平均燃費は10.2km/lでした。
MTさん、Kさん、どうもありがとうございました。
おかげさまでタイヤもエンジン・オイルも減ってしまいましたが(涙)、とても楽しい週末となりました。
また行きましょう!