夜明け前の東京アクアラインは風が強く、館山自動車道を南に走ると気温もぐんぐん下がり始めます。
君津SICから一般道に出るタイミングで幌を下ろすと、マイナス2℃の冷気がキャビンに流れ込み、一気に眼が醒めました(汗)。
暖房とシート・ヒーターを強め、ボクスターと同じく10年目に入ったロシア製の革手袋を装着し、K163から鹿野山1号林道を2速で駆け上がっていきます。
アスファルトは乾いていたものの、斜面には昨日降ったと思われる雪がうっすらと残っていたため、無理をせずのんびりドライビング。
サーモ・ボトルに詰めてきたコーヒーを飲もうとK93で九十九谷展望広場に立ち寄ってみたところ、この寒い朝っぱらにもかかわらず、たくさんのクルマやバイクが駐まっていてビックリしました。
ちょうど日の出の時刻となり、昇る太陽にカメラを向けたりスマホで自撮りをする人もいましたが、ここもいつの間にか映えスポットのようになってしまったのでしょうか・・・。
コーヒーに手をつけることも無く、撤収です(涙)。
稜線上のK93を西に戻り、ダウンヒル。
外気温は依然として氷点を割ったままですが、放射冷却を免れた森の中のワインディングは問題なく走ることができました。
R465を経てK88に入り、半島中央部を南下していきます。
2車線の静かなカントリー・ロードは戸面原ダム湖畔から狭くなり、小さな切通しの峠を越えて下る屈曲路のドライブが楽しめます。
K34との短い重用区間から更に南下を続け、かつては難所と呼ばれた(?)改良済のしいたけ村コーナーをクリアして南房総市へ。
再び2車線となったK88は日陰の水たまりが凍っていたりするものの、平久里までの山間路は例によって交通量も皆無で、マイペース・ドライビングを大いに楽しむことができました。
道の駅「三芳村 鄙の里」に日の当たるベンチ&テーブルを見つけ、持参したパウンド・ケーキとホット・コーヒーでブレイク。
ここは最近リニューアルされたようで、駐車場やトイレもキレイに造り直されていました。
R128に出る手前、右手に2月16日オープン予定の巨大な道の駅が新設されていたので、開業後はこの道も混むことになりそうです(汗)。
JR内房線の踏切を渡り、前後にクルマがいなくなったところでアクセル・オン!
3速から4速へとシフト・アップ、ルーズなコーナーで次々と丘陵を越えていくこの道は、何度走っても楽しいですねぇ。
ただし交通量はゼロではなく、更に落石が転がっている箇所もあるため、その点は頭に入れておく必要があると思います。
最後の安房白浜トンネルを抜けると、白浜の町の向こうに太平洋が見えてきました。
いつものように名倉海水浴場にボクスターを駐めましたが、内房で吹き荒れていた風もなく、青空に輝く太陽が実に気持ちいい。
氷点下だった気温は10℃近くにまで上がっており、穏やかな波の音を聴いているうちに、今日はもう走らなくていいんじゃないか・・・とさえ思えるようになりました(笑)。
いや~、最高ですねぇ。
特に行く当てもなく海岸線をのんびりと北上していくのですが、徐々にクルマが増えチンタラ走行を強いられるようになってくると、やっぱりつまんない(笑)。
で、和田町付近から再び内陸に入り、K186を北に走りました。
この道も良く走るのですが、トリッキーなコーナーや明るいストレートなどで構成され、短いながらもドライビングを存分に堪能できるのです。
調子に乗って走っているうちにすっかり腹ペコとなり、昼飯処をサーチします。
房総半島には旨いラーメン屋や蕎麦屋、ブイシーな食堂なども多いのですが、今日はトンカツを喰って帰ることに決定!
K89→K88→K258と西へ快走して岩井の町まで出、R127をタラタラと南下して館山の市街地へと向かいました。
その名もズバリ、「とんかつや」。
この店のおもしろいところは、ロース/ヒレともに複数の銘柄豚から選べるようになっていること。
値段もそれぞれ違いますが、今回は初訪店ということもあり、地元・千葉県産の林SPFのロースカツ定食を発注しました。
そんなメニュー構成や、カウンターの中でカツを揚げるご主人の所作、サポートするホールのおばちゃんたちの様子を眺めているうちに、これは旨いトンカツが喰えそうだとの予感が脳内を支配。
果たして、供されたロースカツの旨さは驚くべきものでした。
まずはひと切れ、ソースではなく卓上のヒマラヤ岩塩をまぶしてから喰ってみると、コクのある肉汁と甘い脂とが口いっぱいに拡散します。
ザクザクとした食感が楽しい粗挽きのパン粉ではなく、恐らくは肉の旨味を閉じ込めることを第一義として用いられている薄衣はピタッと密着しており、なるほどその使命を完全に果たしているのだなと思えました。
もちろん、ソースと辛子で喰うスタイルも抜群で、気がつけば白飯が先になくなってしまいましたが、ホールのおばちゃんがすかさずお代わりを勧めてくれます。
手切りと思われる(故にあまり細かくはない)キャベツも追加で持ってきてくれるなど、ホスピタリティも言うことなし。
最後のひと切れを口に入れ、溶けてなくなるまで噛み続けてから、大満足で席を立ちました。
私は食通でもトンカツ・マニアでもありませんが、ここまで旨いトンカツを喰ったのは初めてです。
会計の際にその旨を伝え礼を申し述べると、ご主人もホールの皆さんも大変喜んでくれました。
とても楽しい房総半島ですが、午後の早い時間帯からアクアラインが渋滞するのが玉に瑕。
モタモタせずに、気持ちよく走って帰りましょう。
海沿いはチンタラ走行必至なので、往路と同じK88を北上。
昼過ぎですが交通量は相変わらず少なく、風を切って爽快なドライブが続きます。
途中でK184へとスイッチ、森と里山の1.5車線路を進み、佐久間ダム湖の脇を通ってK34へ。
完全2車線化が完了したもみじロードとも呼ばれるK182はライダーの皆さんに人気のようで、2速⇔3速でターン&ダッシュを楽しんでいると、何台ものバイクが対向車線を南へ走っていく姿が見られました。
R465からR127に出、エネオスでハイオクを満タンにしてから、K256で新舞子海水浴場に立ち寄ります。
東京湾越しの富士山を眺めつつ残りのコーヒーを飲み干して、渋滞前のアクアラインで東京方面へと向かいました。
本日の走行距離は、328km。
走行時間は5時間43分、平均速度は59km/h。
平均燃費は、10.9km/lでした。
四季を通じて楽しく走ることのできる房総半島ですが、特に北関東エリアなどの山岳部が軒並み雪に覆われるこの時期、その存在感はグッと増してきます。
冷たい風を浴びながらワインディングを走って海を眺め、旨いモノを喰って帰るというライトなドライブではあるものの、コレが楽しいんですよねぇ。
近いうちにまた、走りに行くことになるはずです!