このPCの運営会社は、年末のオンライン・イベントとして顧客からポルシェにまつわるストーリーを募集しており、何故か私の駄文も採用していただきました。
後日、大変嬉しいことに、プレゼントのシャンパンと採用されたストーリーが掲載された立派な冊子とが送られてきたので、そのお礼を申し述べつつ、営業担当の方と雑談を繰り広げます。
そんな中で、「真冬の間は718ボクスターの商談がほとんど無い」との話を聞きました。
オープンカーである718ボクスターには商談にもシーズンがあるようで、春や秋には引き合いが明確に増えるとのこと。
その傾向を踏まえ、実際にこのPCでは、冬期はオープン・モデルの在庫を絞っているのだそうです。
そう言われてみれば、ショウ・ルームには最新のタイカンや718ケイマンGTS4.0、クーペの911、マカン/カイエン/パナメーラは並んでいるものの、718ボクスターや911カレラ・カブリオレ等の姿がありません。
夏服と同じように、冬に並べておいても売れないってことのようですね(笑)。
また、私がボクスター1台しかクルマを所有していないことや、真冬でもお構いなしに屋根を開けたままで山の中を走りまわっていること、結果、走行距離が16万kmを超えていることなどは、営業さんにとってなかなかのビックリネタだった模様。
話を伺っていると、「複数台のうちの1台として所有し、季節のいい時を選んで屋根を開けるものの、あまり長距離は走らない」というのが、このPCにおけるオープン・モデルのオーナー像のようです。
718ボクスターや911カレラ・カブリオレを検討していても、パフォーマンスや実用性などの観点から、最終的には屋根付きモデルを選ぶ人も少なくないのだそうですが、うーん、そういうもんですかねぇ。
私が思い切ってボクスターを買ったのは2014年、4月にオーダーし、9月に納車となっています。
それまではスポーツ・セダンばかりで、オープンカーに乗ることなどは考えもせず、乗るんだったらジジィになってからで十分じゃわい・・・ぐらいにしか思っていませんでした。
ところがどっこい、今やボクスターを選んだことは大正解だと考えており、もはや屋根の開かないクルマを買うことはないだろうとさえ思っているのです(笑)。
しかし、何がそんなにいいのか?
ボクスターのいいところはたくさんありますが、今回は走りやスタイリングを抜きにして、「オープンカーのいいところ」について、改めて考えてみようと思います。
◆とにかく気持ちがいい
これはもう言わずもがなであり、オープンカーの存在理由そのものでもあると考えます。
正直、このパラグラフ以降はオマケみたいなもんです(笑)。
屋根のあるクルマと比較して、ボディ剛性や重量、コスト面などで明らかに不利なのは解っちゃいるのですが、それを補って余りある気持ちよさが、オープンカーにはあるのです。
風、光、音、外気温、匂い、いずれも度を超えると辛くなるものの(汗)、これらをダイレクトに感じながらクルマを走らせる気持ちよさったらありません。
この感覚は何に似ているのだろう・・・と考えたところ、露天風呂やスキーなどが頭に浮かびましたが、自身の体験でいちばん近いのは、ガキの頃に友達の原チャリを借りて田舎道をノーヘルで爆走した、あの気持ちよさだと思っています(←ごめんなさい)。
ちなみに自分にとってスピードは、ドライビングの楽しさを構成する重要なファクターではあるものの、すべてではありません。
ボクスターに乗り始めてからはその想いがますます強くなっており、「屋根が開くのであれば、スピードは二の次でいいや」ぐらいのところまで来ているのです(笑)。
◆他車や歩行者とのコミュニケーションが取りやすい
これは「車室内が丸見えである」こととのトレード・オフにもなりますが、オープンカーは周囲のクルマや歩行者と意思疎通を取りやすいと思います。
外光が当たるためでしょう、オープンカーのドライバーはその表情まで車外からよく見えるようで、歩行者に前を横断してもらう際などは、ジェスチャーだけでなく作り笑顔(汗)まで見られていることがわかります。
また狭い山道など、離合不可能箇所の前後で互いに止まってしまうと、クラクションやパッシングだけでは「来い」なのか「待て」なのか伝わらないことがあります。
そんなときでも、手を挙げてウィンドウの上から大きく手招きをすれば、対向車は百発百中で来てくれるのです。
クルマという箱の中から自分の意志を周囲に伝えることは、安全上もとても大切なことだと思います。
そのためのツールとして、どのクルマにもライトやウィンカー、クラクションなどが備わっていますが、ダイレクト・コミュニケーションが取りやすいオープンカーは、安全面でも一歩秀でているのではないか、と考えています。
◆乗り降りがラク
私のボクスターの全高は、1270mm。
一般的なセダンやコンパクト・カーの全高は1400mm~1500mm強、SUVやミニバンは1500~1900mm弱ですから、ボクスターはやっぱり低いんですねぇ。
そもそもスポーツカーってのは全高が低く、2ドア故にドアもデカいので、乗降性はよろしくありません。
更にボクスターのドアは妙に分厚いため、隣のクルマやガードレールなどに寄せて停めると、もうほんのちょっとしか開けられないのです。
ところが、屋根を開けてしまえば身を屈める必要がなくなるので、乗り降りは格段にラクになります。
なので、狭い場所に駐車した際は降りてから幌を閉め、乗る前に開けるようにしています。
また、多少頑張れば、車室内で立ち上がって席間を移動することもできます。
一度、混雑する安ホテルの駐車場でどうしても左にビッタリ寄せなければならなかったときには、この手を使って無事に助手席から脱出することができました(笑)。
◆車室内での作業がしやすい
乗降性の良さともリンクしますが、ボクスターにしてから、屋根を開けると室内の作業がめちゃめちゃ捗[はかど]ることに気がつきました。
例えば掃除の際、シートやトリムなどを拭き上げるのもラクチンですし、カーペットのゴミや砂などは、家庭用の掃除機を上から突っ込んでバンバン吸い取ることができます。
同様に電装系の作業についても、幌を下ろせば狭い車室内で天井に動きを封じられることがなくなり、かつ外光のおかげで作業箇所もよく見えるようになります。
直近では、フロント・ウィンドウの交換直後にドライブ・レコーダーをDIYで入れ替えたのですが、カメラの位置決めやケーブルの引き回し&配線作業も本当にラクだったと思っています。
◆自身を追尾するヘリコプターを発見できる
実際、オープンカーだからこそ、8時方向上空を飛ぶヘリコプターの存在に気づくことができたのだと思います。
詳細はこちらをご覧ください(汗)。
---------
現状、国内のメーカーはあまりオープンカーを揃えていません。
それでも、世界に誇れるマツダ・ロードスターを始め、レクサス・LCコンバーチブルやダイハツ/トヨタ・コペン、ホンダ・S660、更には光岡自動車・ヒミコもあります。
輸入車であれば、オープンカーのないメーカーは無いんじゃないかぐらいのラインアップっぷり。
現行モデルで思いつくだけでも、スマート、フィアット、アバルト、ミニ、アウディ、BMW、メルセデス、ポルシェ、ジャガー、シボレー、ロータス、モーガン、ケータハム、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、ロールスロイスなどなど(フランス車は無いんですね・・・)。
既に販売終了となった車種を含めれば、日本で買えるオープンカーはたくさんあり、試しに「カーセンサーnet」で中古車を検索してみたら、車両本体価格8万円から8,800万円まで(汗)、合計8,000台以上もありました。
想像よりもたくさんあって、ビックリです。
季節を肌で感じながら走らせることができるオープンカーは、春夏秋冬、四季のある日本にピッタリのクルマだと思います。
オープンカー歴わずか1台の私が言うのは大変恐縮ですが(汗)、クルマ好きなら是非一度、オープンカーに乗っていただきたいと思っています。
気持ちいいですよ、マジで(笑)。