クルマ仲間のsuite-spiralさんの企画で、只見から奥会津をドライブしてきました。
群馬県、関越自動車道下り線、駒寄PA、朝6時半。
suite-spiralさんの997型ポルシェ・911カレラSカブリオレ、M郎さんのALPINA B3 GT3、ShimaさんのALPINAロードスター、および私のポルシェ・ボクスターが揃いました。
夜半からの雨は、今も時折強く降り続いています。
予報は当初よりも悪く、雨はしばらく降るとのことですが、そんなもんはお構いなし(笑)。
「そのうち晴れるでしょ」「むしろ空いてていいじゃん」ぐらいのいいかげんなポジティブ・イメージを以って、4人はそれぞれのクルマに乗り込みました。
80km/hだった関越道の規制は赤城ICの先から50km/hとなり、めちゃくちゃな量の雨が容赦なく幌を叩きます。
おまけに濃霧も出てきて視程はガクンと落ち、仲間のテール・ライトだけを頼りにガマンのドライブを続けました。
雨はやがて弱まりましたが、残念ながら関越トンネルを抜けて新潟県に入っても降り続いており、ワイパーを止めることができません。
それでもどこかで晴れるだろうとの希望を抱きつつ、塩沢石打SAでsuite-spiralさんから今一度のルート・ガイダンスを受け、約30km先の小出ICへと向かいました。
小出の街を出たR252は、高度を上げて山の中に入っていきます。
まだ朝も早いのですが交通量は皆無とは言えず、県境までの屈曲路をファミリー・カーのペースで走らされることになりました。
六十里越のトンネルを抜けて福島県に入るとようやく前が空き始め、911、B3 GT3、ロードスター、ボクスターのオーダーで本来の走りを取り戻します。
とは言っても雨は止んでおらず、連続するスノー・シェッド内もハードなウェット・コンディション。
すり減っていたタイヤを交換しておいて良かった・・・と胸を撫で下ろしながら、アクセル・ワークに注意しつつ3台のテールを追いました。
温泉地の共同浴場は、地元の人たちのために、朝から営業していることが少なくありません。
ここ金山町の「大塩温泉共同浴場」もまた朝7時30分からオープンしているとのことで、我々も雨宿りを兼ねて朝湯をいただくことにしました。
5年ほど前にリニューアルしたという建屋はピカピカで、「ぬる~いからゆ~っくりと入ってくださいね」と言う受付のおばちゃんに300円を払って入湯。
赤茶色の温泉は成分がとても濃いようで、浴槽の周囲には早くも堆積物が層を成しています。
静かにたゆたう只見川に面した露天風呂は大変気持ちよく、クルマの話をしながら小一時間ほども湯に浸かっておりました。
ぬるい温泉での長風呂が大好きなM郎さん曰く、「今日のドライブはもうこれで終了です~」(笑)
雨は上がりつつあります。
R252からK352へと右折、集落が点在する田舎道を経て山の中に突入し、1.5車線レベルの松坂峠を越えて走りました。
他にクルマはまったく走っておらず、続くK153へと快走が続きます。
R289を東に走り、本日一番のスペシャル・ステージであるR401へと左折しました。
9年前に一緒に走って以来、suite-spiralさんお気に入りのこの道は、見通しの良いストレートにジャンピング・バンプが仕込まれていたり、生い茂る夏草がブラインド・コーナーを更に狭めていたり、1速ギア+ステアリング・フルロックでようやくクリアできる急坂屈曲セクションが現れたりと、とにかくトラップの多い難関路。
なぜかこの区間のみルート隊長からパイロットを仰せつかり、皆さんの邪魔にならぬようボクスターを必死に走らせましたが、いやホント、心臓に良くありませんよ(汗)。
R401は、昭和村でR400に合流。
昼飯を喰うべく村内の「やまか食堂」に向かったのですが、その駐車場にE46ベースのALPINA B3Sが駐まっているではありませんか。
カッチョいい!と思った次の瞬間、その陰から一人のオッサンがフラフラと姿を現したのです。
すわ、変質者か?・・・と思いましたが(2)、良く見りゃ郡山在住のクルマ仲間であるリョウスケさん。
あまりの偶然にビックリ仰天したところで、実はsuite-spiralさんがコッソリ呼んでいたとの種明かしを聞き、一同大爆笑となりました。
食堂は従業員の方の腰痛により臨時休業だったため、5台はR400を引き返し、会津鉄道/会津田島駅前の「蕎麦 柏屋」へ。
広々としたキレイな店内で、冷たい蕎麦やソースカツ丼などをおいしくいただきました。
満腹で店を出ると、頭上には青空が拡がっています!
R400を昭和村方面に戻り、長いトンネルを抜けた先でK346へと右折します。
初めて走るこの県道は、ほぼ2車線のアスファルトが緩く曲がりつつ野山を越えてゆく、素晴らしいカントリー・ロード。
自身のドライビングだけでなく、仲間の走りを目と耳と肌とで存分に堪能できるというのは、本当に幸せなことなんだな・・・と、改めて実感することができました。
終着からはK131へとスイッチ、旧街道のワインディングにタイヤを切りつけながら、小さな峠をクリアしてなお走り続けます。
戻ってきた観光客で賑わう大内宿の前を通り過ぎ、大内ダムに至る山坂道を一気に駆け上がっていきました。
今朝の大雨は何だったんだろう・・・と、思わず小首を傾げたくなるような、スカッと爽やかダムの上。
ドアを開けてボクスターから降りた瞬間、達成感というか到達感というか、或いは解放感というか、そんな気持ちでいっぱいになりました。
湖面からは涼しい風が吹き渡り、灼けたタイヤの匂いを初夏の空へと運び去ってくれます。
E46ベースのALPINA B3ばかりを3台(いずれもアルピナ・ブルーの4ドア・リムジン)、恐らく日本一乗り継いでいるであろうリョウスケさんは、クワイフ・ATBヘリカルLSDを効かせて「5年ぶりにタイヤ鳴らして走った~」と、たいへんご満悦のご様子です(笑)。
他のメンバーもそれぞれ思い思いに寛ぎ、語り、笑い、全員が十分にチャージしてからK131を戻っていきました。
紫色の997カブリオレに乗るルート隊長は、幹線のR121を避けて阿賀川を挟んだ対岸のK347を行くよう、先頭の白いALPINAロードスターにトランシーバで指示。
この道は途中から曲がりまくりの狭隘路となり、各メンバーともに難儀しながら走っているにもかかわらず、「細井狭男」の異名を持つShimaさんはブッチギリで先に行ってしまいました(汗)。
「ENEOS/下郷サービス・ステーション」でハイオク・ガソリンを満タンにしてからR121を北上するのですが、俄かに暗くなった空からいきなり強い雨が落ちてきたため、無念のルーフ・クローズ。
すぐに小降りとなったR118を東へと快走し、沿道のパーキングで5台最後の小休止となりました。
改良が進みほぼ2車線となったK37で羽鳥湖畔から真名子峠を越え、連続するヘアピン・コーナーをやっつけて麓へと下ります。
東北自動車道/白河ICで北に向かうリョウスケさんへ大きく手を振って、4台は大量のトラフィックに埋没しながら宇都宮ICへと向かいました。
今日の〆は宇都宮餃子だ!と意気高く叫ぶルート隊長のアテンドで、宇都宮市郊外の「高橋餃子」に到着します。
17時30分の開店と同時に4人は店内へとなだれ込み、1人前6個の餃子を5種10枚発注!
焼き加減も絶妙な餃子はどれもこれも抜群に旨く、各自ノンアルコール・ビールやコーラを片手に次々と平らげていきました。
嗚呼、もはや思い遺すことはありません(笑)。
屋根を開け、鹿沼ICから再び乗った東北道は予想外に空いており、快適なペースを保ったまま、それぞれの帰路に就いたのでした。
本日の走行距離は、714km。
走行時間は10時間04分、平均速度は72km/h。
平均燃費は11.9km/lでした。
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いやー、走った走った!
仲間と走った700kmレベルのデイ・ドライブは、距離だけでなく内容もギッチリと詰まった素晴らしい記憶となりました。
前週のドライブと同様、今回も新潟県から山を越えて福島県へと攻め入ったのですが、関越道/小出ICから先はまったくの別ルート。
それぞれに違った楽しさがありますので、走り好きの皆さんには、「いずれか」ではなく「いずれも」是非走っていただきたいと思っている次第です。
ルーティングだけでなく、温泉・食事処を含め完璧なドライブをセットしてくれたsuite-spiralさん、そしてM郎さん、Shimaさん、サプライズ・ゲストのリョウスケさん、どうもありがとうございました。
次回また一緒に走れる日を、楽しみにしています!