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ファルケン・アゼニス FK510 [about my Boxster]

2019年9月、ボクスターにファルケン・アゼニス FK510を履かせました。
以降、16,000km強を走らせて、リア・タイヤが交換の時を迎えています。

9ヵ月前、初めてFK510を履いて乗り出した瞬間、「しまった!」と思いました。
それまで12万kmで26本を履かせていたピレリ・P Zeroと比べると、NVHのレベルがハッキリと低かったため、間違ってコンフォート系のタイヤを選んでしまったのではないか、と思ったのです(汗)。
確かにP Zeroと比べれば乗り心地は良さそうだと想像してはいたものの、その予想を超える礼儀正しさには当初、少々面食らったほど。
路面とのアタリがソフトになり、街中やハイウェイでのライド・フィールはとてもなめらかに感じます。
私が求めているのはコンフォート・タイヤではありませんが、こと快適性能に限って言えば、FK510はP Zeroよりも上であると思います。

P Zeroの運動性能は本当に素晴らしく、私には過剰とも思えるレベルにあります。
一方、ジェントルな第一印象だったFK510も、走らせるとP Zeroに比肩するパフォーマンスを見せてくれます。
高速道路を突っ走り、カントリー・ロードを駆け抜け、全力でワインディングに挑んでもビクともしないのです。
私にはいずれのタイヤもその限界を見ることはできませんので、あくまで推測ですが、もっと上の領域になれば、最終的にはP Zeroのスポーツ性能がFK510を上回ることになるでしょう。
しかしながら少なくとも私の限りにおいては、加減速旋回、ドライ/ウェット、いずれのシーンであってもFK510の運動性能に不足を感じたことはなく、その走りっぷりには大満足です。
そもそもボクスターのシャシー性能が極めて高いため、多少のタイヤ性能差などは吸収してしまうのかもしれませんが、いずれにせよ、P Zeroからの履き替えを理由にドライビングを緩める必要はまったく無いのです。
ただ、ステアリング・レスポンスは少々マイルドになりました。
もちろんダルな印象はなく、操舵に対しスッとナチュラルに応えてくるようなイメージですが、個人的にはもう少しビビッドに反応するP Zeroのほうが好みかもしれません。

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それともうひとつ、トレッドウェアについて。
ボクスターのリアに履かせた265サイズのFK510は、16,000kmを走らせた時点で、センター部分のスリップ・サインがすっかり露出していました。
もうちょっと履いていてもいいかなーとも思いましたが、梅雨時でもあることから、冒頭で述べた通り交換することとしたのです。
減っても性能の低下があまり感じられず、最後まで気持ちよく使い切れるのも、P Zeroと同様FK510のいいところだと思います。
しかし耐摩耗性能もP Zeroと同等ってのは、ちょっと残念。
P ZeroのUTQG-TREDWEAR値は「220」ですが、私の場合、リアの平均交換サイクルは15,000km弱です。
日本国内で販売されているFK510にUTQGの表記は無いものの、海外サイトを見る限りTREDWEAR値は「300」となっているので、リアでも20,000kmぐらいは使えるんじゃないか、と勝手に思っていたのです(笑)。
なお、フロントは現在6分山という感じでしょうか、これまたP Zeroと同じくライフは20,000kmのレベルとなりそうです。

余談ですが、このタイヤは空気がぜんぜん抜けません。
装着後に300km走ったところで空気圧を基準値にセットしてから今まで、0.1bar単位で表示されるTPMS[タイヤ空気圧モニタリング・システム]の値が基準値からほとんど変わらないのです。
材質によるものなのか、工作精度が高いのか、理由はよくわかりませんが、これほど空気が減らないタイヤは初めてです。
大したもんだと思います。

DSC_1041.jpg
とりあえずリアを使い切った今、私はファルケン・アゼニス FK510をとてもいいタイヤだと思っています。
ずっと履いてきたピレリ・P Zeroとの比較しかできませんが、自分の走り方においてはスポーツ性能やトレッドウェアは同等で、コンフォート性能は明確にプラス。
コストについても、4本で2万円ほど安く上げることができるのです。
そんなワケで、ボクスターには引き続きFK510を履かせることにしました。
今回はリアのみの交換でもあり迷いは無かったのですが、仮に4輪が交換時期を迎えていたとしても、やはりFK510を選んでいると思います。
作業については前回同様、横浜のタイヤ交換専門店「カーカージャパン」に発注し、訪店の上で装着してもらいました。
ちなみに同店は交換だけでなくタイヤの販売にも注力しているようで、特にダンロップ&ファルケンには強いとのこと。
私もWebマーケットやネット・オークションを彷徨うこともなく、同店へオーダーすることにより、ワン・ストップかつ最速&最安値のレベルでFK510を履かせてもらったと思っています。

ポルシェ社が承認するいわゆる「Nタイヤ」を除くと、ボクスターの純正タイヤ・サイズである235/40R19と265/40R19とが揃うタイヤはほとんどありません。
この組み合わせは実質的にボクスター&ケイマンの専用サイズであり、汎用性は極めて低いはずです。
しかしながら、住友ゴム工業は恐らくそのことを承知の上で、ファルケン・ブランドのトップであるFK510に敢えてこのサイズを設定してくれているのだと思います。
そういう心意気は大好きですので(笑)、これからもFK510を履き続けようと思っています。

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Dion

タイヤに釘が刺さっていた事件の後なので、非常に参考になります。
これまでに交換されたタイヤの本数に驚き‼️
長距離ツーリング、路面のコンディションも様々ですので
大切なことですね。
こちらのお店、wataさんのブログを拝見して訪れる方が増えそうですね。私もそのうち伺うかもしれません。
「wataさんのブログを見ました」割引なんてあったら素敵です。(笑)
by Dion (2020-06-16 22:54) 

ぽてと

手前味噌ではありますが、自分以外にこのタイヤのハードレビューを聞けて非常に嬉しかったです。私の場合、当初予算の都合でこのタイヤを選んだのですが、wataさん同様全く不満は感じませんでした。何度か溶けるまで熱を入れたためにゴムが硬化し、ブロックの角も削れてしまったのでまだ溝が残っている状態で新しいタイヤに交換したんですけど、完全に使い切られたwataさんの写真を見ると、少し心残りです^^;

余談に次ぐ余談で、このタイヤはファルケンブランドを借りたダンロップの旗艦モデルであり戦略的モデルであることはご存知かと思いますが、今私はダンロップブランドを借りたグッドイヤーを履いてます(笑)
まだ交換して間もないのですが、むしろFK510の高いポテンシャルを再確認させられる始末で、静粛性に至ってはむしろ上なんじゃないかと。他と大きく違うのは、やはりタイヤ形状から来るハンドリングの反応でしょうね。同調するわけではないですが、私ももう少しクイックに反応するほうが好みは好みです。この辺はしっかり荷重を掛けて面を潰す意識が必要かもしれませんが、きっと快適性との天秤なんだと思います。

ちなみにタイヤの持ちですが、フロントヘビーのFRでは2.5万キロ以上走っても駆動輪のスリップサインは出ませんでしたので、1.6万キロでそこまで減るのは掛かりの良いボクスターだからかも知れませんね。美味しい内に使い切っておられて、むしろ羨ましい限りです。
by ぽてと (2020-06-17 04:50) 

つくばの松

相変わらず綺麗に使いきりますね~笑

タイヤはブランドイメージ代がかなり含まれていますよね。私も某氏の影響もあり過去5セット前後アジアンタイヤを履きましたが、ライフ以外には満足のいくものでした。(今は価格3倍のミシュランPSですが性能はアジアンの2割プラスですが、ライフが5割プラスなので・・)。
客観性のあるサイト(https://www.clg-sv.com/hikaku/cate/sport/)では↑タイヤは他社フラッグシップタイヤの中でも評価されています。某氏が感じているように某イタリアのブランドタイヤよりホントに実力が上なのでは・・?

・・・某ってだれ?(爆)




by つくばの松 (2020-06-17 19:13) 

wata

Dionさん、こんにちは。

はい、今回の交換でボクスターに履かせたタイヤは合計38本となりました(汗)。
年数も距離もそれなりに経過していますから、仕方ありませんねぇ。
私は他人様[ひとさま]に何かを勧めることはあまりしませんが、Dionさんのボクスター、段差での突き上げが気になるようであれば、次のタイヤはFK510がいいかもしれません。
路面からのアタリは確実にマイルドになりますので、多少なりとも改善するはずだと思います。
ちなみに同店の店長さんによれば、私のBlogを見て来たという新規のお客さんが、今も月に何人かいらっしゃるとのこと。
いいんでしょうか・・・(汗)。

by wata (2020-06-17 21:53) 

wata

ぽてとさん、こんにちは。

ジャガー・XKR!
素晴らしいクルマにお乗りですねぇ!
サーキットを激走する400馬力のXKRと、田舎道をのんびり走るボクスターとでは、タイヤにかかる負荷も天と地ほど違うとは思いますが(汗)、そんなハードなドライビングでもFK510に「全く不満は感じませんでした」とのお話は、本当に心強い限りです。
FK510は、トレッド・パターンやショルダー形状などの見た目、および走行時のステアリング・レスポンスや快適性から、ちょっと乗っただけではそのスポーツ性がわかりにくいタイヤだと思います。
実際、デビュー直後に上梓されたメディアによるチョイ乗りレポートなどを見ても、「乗り心地の良いプレミアム・タイヤ」みたいな扱いになっちゃってますからねぇ。
解っちゃいねぇな、と思いますよ(笑)。
確かにバリバリの体育会系タイヤではありませんが、ロング・ツーリングでも疲れない快適性を併せ持った、文武両道の真面目なスポーツ・タイヤだと思っています。
なお、ボクスターの前後重量比は46:54なので、タイヤもリアから減っていくようです。
「フロント2回でリア3回」ぐらいのイメージなのですが、できれば前後均等に減ってもらいたいもんです(涙)。

by wata (2020-06-17 21:54) 

wata

つくばの松さん、こんにちは。

いやいや、ホントはもうちょっと使えるかなと思っていたんですけどねぇ。
外したタイヤを改めて見てみると、真ん中が凹むように摩耗していて笑えます(汗)。
松さんも乗られているALPINA B3は、純正サイズに適合するタイヤが前後とも豊富にあるので、走りや予算に応じて選び放題ですよね。
私もミシュラン・パイロットスポーツからモモ・アウトランM3まで、合計8銘柄77本のタイヤでB3を大いに楽しませていただきました。
その過程で得た知見のひとつが、仰る通り「タイヤはブランドイメージ代がかなり含まれています」ということです(笑)。
ただ、タイヤは履いてみなけりゃわからないですし、履かせるクルマもドライバーの走りも好みも千差万別ですから、他人様の評価をアテにするのは難しいですよね・・・。
メディアや評論家のチョイ乗り記事は前述のとおりですし、履いたこともないタイヤをスペックや能書きだけで評価できる超能力者のようなサイトもあるようですよ(震)。

by wata (2020-06-17 21:58) 

ガソリンはハイオク

wataさん こんにちは
自分もピレリ→MOMOアウトランM3
に履き替えましたが、最初こそ滑る様な感覚を覚えましたがその後は滑らかな当たりになり今後しばらくはリピート確定です
by ガソリンはハイオク (2020-06-18 00:51) 

wata

ガソリンはハイオクさん、こんにちは。

出ました、MOMO・OUTRUN M-3!
ミシュラン1本の予算で4本が揃ってしまうプライスに当初はビビりましたが、ちゃんとYレンジ・タイヤの乗り味があって、私もリピートしましたよ。
思えば、ALPINA B3に最後に履かせていたのがこのタイヤでした。
確かにグリップ力は低いですけど、滑っても穏やかで分かりやすくコントロールが容易なので、運転が上手になったような錯覚を存分に堪能させてもらいました(笑)。
適合サイズが無くボクスターには履かせられませんので、私の分まで存分に楽しんでくださいね!
https://alpina-b3.blog.ss-blog.jp/2014-01-13-1

by wata (2020-06-18 21:13) 

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