夜明け前の東名高速道路を西へと走り、沼津ICから伊豆縦貫自動車道を経由しK130で内浦湾に出ます。
予報通りの晴天に感謝しつつボクスターのトップを下ろし、海の向こうで朝日に輝く富士山を右手に眺めながら、海岸線の
K17をのんびりと走らせました。
大瀬崎への分岐を過ぎると前走車はいなくなり、標高を上げた県道は広狭混在のタフなワインディングとなります。
外気温は5℃程度と冷え込んでおり、路面は落葉混じりのハーフ・ウェット状態ですが、私ごときが少々ラフに走らせたぐらいでは、ボクスターは破綻する気配すら感じさせません。
相変わらず素晴らしいよな・・・と10年目のボクスターに舌を巻きつつ、冷たい風を切って次のコーナーへと飛び込んでいきました。
出逢い岬のパーキングで小休止してから、眼下に見えていた戸田[へだ]の御浜岬へと下り、富士山の見える防波堤に腰掛けます。
持参したパウンド・ケーキとセブン-イレブンで仕入れてきたホット・コーヒーとで、ささやかなモーニング・ブレイク。
こういうので、いいんです(笑)。
引き続き、K17を南下。
相変わらずトラフィックは皆無に近く、土肥[とい]へと続く緩急混交のコーナー群を2速メインで大いに楽しむことができました。
関東近郊で唯一のシーサイド・ワインディングを走り終えたら、
R136で山へと上がります。
温暖な伊豆半島でも昨日は山沿いで雪が降ったらしく、電光掲示板にはチェーンが必要との表示もありましたが、アスファルトは概ねドライでまったく問題なし。
ですが、K411で
船原峠まで上がると路面に雪が残っており、大いにビビりながら稜線上を南に進むことになります(汗)。
日の当たっている箇所は何とかなるものの、日陰になるとほとんど雪道状態。
気合と根性で
西天城高原まで行こうかとも思いましたが、そもそも気合も根性も持ち合わせてはいないので(涙)、
若奈峠のトンネルを出たところで撤退を決断しました。
ま、午後になれば走れるようになるでしょう(←ホントか?)。
来た道を土肥まで引き返し、車列の一員となってR136で海沿いを行きます。
道すがら、温泉にでも入ろうと考えて、
沢田公園の露天風呂に立ち寄りました。
管理所で600円を支払い、断崖の天辺に設えられた小さな温泉に浸かります。
うぃ~、最高~。
熱めの湯から出、全裸のまま仁王立ちで眼下の海を睥睨[へいげい]していると、堂ヶ島を出た遊覧船のお客さんが手を振ってくれました。
こちとら、丸出しですけどね(汗)。
風呂から上がってリスタート、松崎からK121へと別れ、目指すは屈指のドライビング・ロードである
蛇石峠です。
以前よりは整備が進んでいるものの、相も変わらず実にハードかつテクニカルで、本当におもしろい。
前車の
ALPINA B3でも今のボクスターでも、この道を走らせる度にクルマの良さを再確認することができます。
伊豆スカイラインや西伊豆スカイラインもいいですが、スポーティなクルマのオーナーであれば、一度は走っていただきたいと強く思います。
クルマとの一体感を強く感じられるはずですよ。
で、屈曲の蛇石峠を抜けた先に、その店はありました。
県道から外れた静かな脇道に佇む古民家は、インド家庭料理を謳う「
南豆亭」。
今回初めて訪れたのですが、マジでこんなところにこんな店があるのか的なロケーションにビックリです。
こじんまりとした雰囲気のいい店内で発注したのはバターチキンとキーマのカレー2種盛りで、ライスも日本米とインド米とを半々にしてもらい、更にはスパイス・エッグをトッピング。
・・・いやもう、店に到着した時点で確信していたのですが、メチャ旨です!
特段辛くはないのにしっかりとスパイシー、マニアックではなくフレンドリーな味わいで、お年寄りや子連れのファミリー客もおいしそうに食べていました。
オーナーと思しき女性に訊けば、2年ほど前に川崎からこの地にやってきて、店を開いたとのこと。
店舗も駐車場も大きくはない、地元の方が通うような静かな店ではありますが、いずれまた必ず蛇石峠とセットで訪れようと思います。
楽しいドライブは続きます。
南下を続けるボクスターはK16を快走し、
あいあい岬に到着。
多くのお客さんで賑わう「
SOUTH POINT CAFE&GIFT」でミルク感たっぷりのソフトクリームを調達し、風の岬で海を眺めながらいただきました。
この先、下田方面は混雑必至のためUターン、マーガレットラインとも呼ばれる
R136を北上します。
幸いなことに交通量は少なく、フラット・シックスを唄わせながらマイペースで走ることができました。
松崎からそのままR136を走りつつ、カーナビでVICSをチェックしますが、西天城高原から西伊豆スカイラインにかけてのルートにはチェーン規制のマークがついたままです。
午前の撤退劇が脳裏を過[よぎ]りましたが、それでもやはり稜線からの誘惑には抗うことができず、例によってダメなら引き返せばいいやと独り笑いながら、宇久須からのヒルクライムにチャレンジしました。
K410はところどころ濡れてはいますが、概ねドライ・コンディションでまったく問題ありません。
2速&スポーツ・モードで駆け上がり、
コーク・スクリューでのイン・リフトにパワーを喰われたりしながらも、大満足のドライビングで西天城高原に達することができました。
いやいや、このままスカイラインも走れるんじゃないでしょうか。
先客、ご夫婦でドライブに来ていた981型ボクスタースパイダーのオーナーさんも同意見、それならばと先発して仁科峠へ向かいましたが、いやマジで雪無いじゃん!
午前中に走破を断念して引き返した若菜峠付近もほぼドライで、遠くに富士山をチラ見しつつ、本来のスカイライン・ドライブを楽しむことができました。
その一方で、沿道の樹々はあちこちで霧氷に彩られているという、驚きの光景が続いています。
冬期も含めてこのルートは何度も走っていますが、こんなの見たことがありません。
一か八か山へ上がってみて、本当に良かったと思いました。
・・・とかなんとか伊豆を楽しんでいるうちに、東名高速道路は大渋滞。
ま、連休かつ唯一の晴天日ですから、当たり前田のクラッカーですね(←古い)。
ということで本日は帰宅を断念、伊豆長岡に宿を取って明日の朝に帰ることにしました。
ツイン・ルームが6,300円、「
ホテルサンバレー アネックス」は昭和感が炸裂ですが、旅の宿としては十分なファシリティ。
無料のシャトル・バスで本館まで送ってもらい、めちゃくちゃ広い
温泉大浴場で大いに袋を伸ばしました。
晩飯は近くのとんかつ屋「
ニュー雅生」で喰いましたが、これがまた旨くてビックリ。
甘めのソースをたっぷりつけていただくサクッと柔らかなロースカツはもちろん、オマール海老のクリームコロッケがまた抜群なのです。
「注ぐのに失敗しちゃったけど、サービスね」と言って生ビールを0.5杯分余計に持ってきてくれた店のおねいさんと楽しく話しながら、今日は泊まりにして良かったとつくづく思うのでした。
翌朝は6時半に起床。
本館の温泉へ行こうと支度をしながらTVを見ていると、御殿場付近は雪が降ってると言うではあーりませんか!(汗)
今のところ東名/新東名はいずれも規制されていないようですが、これからどうなるかわかりません。
ということで速やかにチェック・アウト、冷たい雨の中を沼津方面に向かいました。
御殿場JCTで新東名から東名に合流する頃にはガチで雪が降りしきっていたものの、足柄SAを過ぎる頃には霙から雨へと戻ったため、とりあえず一安心。
いや~、ビビりました(笑)。
2日間の走行距離は、519km。
走行時間は8時間48分、平均速度は61km/h。
平均燃費は、10.8km/lでした。
冬でも存分に走れる伊豆半島。
今回はちょいと雪に阻まれたりもしましたが、それでもボクスターを楽しく走らせることができました。
満開の河津桜にも劣らない、素晴らしい霧氷の景色を観ることができたのもラッキーです。
更に温泉に浸かって旨いもんを喰って、もはや言うことはありません(笑)。
伊豆半島には気になる未訪のドラ飯処がまだいくつかありますので、そのうちに行ってみようと思っています。
次回も楽しみです!