今日は夕刻までに小樽のフェリー・ターミナルへ行く必要があるため、あまり遠くへは行かず、近場を軽く走るにとどめようと思います。
で、まずはD66/ニセコパノラマラインを独走。
ヘアピン・カーブをやっつけながら稼ぐ標高と反比例して気温は下がり、突入した雲の中は視界が悪いものの、涼しくてとてもいい気持ちです。
峠を越えると天候は一変、雲から抜け出して下りのワインディングを大いに楽しみました。
ダイナミックですねぇ。
岩内の街を抜け、R229/雷電国道で積丹半島の沿岸部を行きます。
神恵内を過ぎると交通量はゼロ・レベルとなり、低い雲に押さえられた日本海を左手に快走は続きました。
このルートは多くの長大なトンネルを通過するのですが、それだけ地形が険しいということなのでしょう。
実際、半島を周遊する国道の全線が開通したのは平成も8年になってからのことです。
そんな最果て感が素晴らしい国道を一旦離れ、D913で半島の北端に立ち寄りました。
駐車場から岬へと続く歩行者用の狭いトンネルは、自撮り棒に夢中で周りを見ずにぶつかってくるインバウンドの皆さんに要注意。
岬の展望所からは眼下にキレイな青い海が望めますが、クマの出没により島武意海岸までの遊歩道は閉鎖されていました。
クルマが増えてきたR229を余市まで走り、R5で札幌方面へと向かいます。
フェリーへの乗船時刻まではまだ時間があるものの、これからガッツリと走りに行けるほどではないので、1ヶ月前の出張の際に喰えなかったスープカレーを喰いに行くことにしたのです。
ちなみにボクスターでの北海道GTは今回で5回目にもなるのに、札幌市内に行くのは初めてです(笑)。
巨大なパーキング・ビルにボクスターを放り込み、てくてく歩いて「Rojiura Curry SAMURAI.」へ。
満席となるギリギリ最後に滑り込み、チキンと野菜のスープカレーを辛口で発注します。
これがもう予想以上に旨くて大満足、GT最後の昼飯にも相応しく、来て良かったと改めて思いました。
買い物などを済ませ、札幌西ICから札樽自動車道に乗る手前の信号で、新潟ナンバーの青いカワサキ・ニンジャに並びます。
声を掛けると案の定、昨晩の宿で一緒だった新潟のおじさんライダーで、彼もまた同じフェリーで帰るのだそうです。
小樽ICでアウト、最寄りの出光でガソリンを満タンにし、フェリー・ターミナルから新日本海フェリー「あざれあ」に乗船。
出港後に露天風呂へ入ると、3日前に屈斜路湖畔の激アツ露天風呂で出会った2人のおにいさんがいるではありませんか!
露天で待ってれば会えると思ってましたよ、と笑う彼らがこの船に乗ることは知っていたのですが、それでも実際に再会できると嬉しいものですね。
旅の話に花が咲いているうちに、彼らも羅臼で「新潟のニンジャおじさん」と同宿していたことが判明。
ビックリ仰天、大笑いです!
風に吹かれながら今回のクルマ旅を振り返り、改めて帰りたくねぇなーと思うものの、強制送還中の船上では手も足も出ませんね(笑)。
そんなオッサンを慰めるかの如く、日常へと戻る穏やかな夜の海を、十日余りの月が静かに照らしていました。
本日の走行距離は、240km。
走行時間は4時間21分、平均燃費は13.2km/lでした。
明日は定刻の9時15分に新潟港へ入港後、東京まで直帰する予定です。
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あとがき
2年ぶりの北海道グランド・ツーリング。
船中泊も含めた全行程は、10泊11日。
走行距離は3,465km、走行時間は56時間33分、平均速度は63km/h、平均燃費は13.0km/lでした。
なお上記はボクスターの走行データであり、実際にはあと80kmほど、礼文島におけるホンダ・タクトでのライディングが加わります。
九州と四国とを併せたよりもまだデカい北海道は、何度走ってもやっぱりデカいと思います。
たかだか道内9日間程度の旅程では、とても周り切ることはできないんですよね。
今回は1日を礼文島に充てたこともあって、従前よりも更に道北や道東に寄せたルーティングとしています。
渡島半島を中心とした道南エリアも見どころが多いのですが、「走らせること」を主たる目的とするツーリングにおいては、ブッ飛んだレベルの走り放題を堪能できる道東・道北よりもプライオリティは下がっちゃうんですよねぇ。
もしも2週間レベルの北海道GTが可能であれば、道南も含めた全道でのクルマ旅を楽しみたいと思っています。
フェリーを除く8泊はすべて2食つきで、料金は6,000円台から最高でも9,800円。
いわゆる旅人宿が4軒、予約サイトに登録していない宿が6軒、エアコンのない宿も6軒でした(笑)。
自身の北海道GTにおいて、旅人宿はもはや最優先の宿泊先候補となっています。
比較的安価だから・・・というのはむしろ副次的な理由で、やはり一番の魅力は、宿泊者同士のコミュニケーションが楽しめるということですね。
イビキをかくのでドミトリーではなく個室を選びますが(汗)、食事の際やアイドリング・タイムなどに他の旅人と気軽に話ができるのは、とても有意義なことだと感じています。
走っているときは、ずっと独りですからね。
そして今回のGTは、想定外の暑さにやられっぱなしの旅となりました・・・。
アホ暑い東京から逃げ出そうと夏休みを取り、よりによって道内各地が記録的な猛暑に見舞われた時期に行ってるのですから、世話がありませんね(笑)。
ちなみに2015年の同じ時期に北海道を走った際は基本的に長袖を着ており、知床では暖房を入れシート・ヒーターを焚いています。
今回も長袖のシャツやパーカーなどを積んでいたのですが、結局一度も袖を通すことはなく、毎日Tシャツ1枚で汗をかいておりました(涙)。
それでも東京に比べればマシだったとは思うものの、次回はやはり涼しい北海道に期待したいところです。
そして今回も、ボクスターはよく走ってくれました。
ロング・ツーリングに出るからといって事前に特別な整備をしたわけでもなく、いつもと同じコンディションで北海道を走り回り、しれっと帰ってきただけです(笑)。
そもそもワインディングが少ないことに加え、ゴー&ストップやチンタラ走行を強いられる市街地もほとんど走っていないので、長旅であってもクルマへの負荷はむしろ少ないかもしれませんね。
いずれにせよ、たくさんの荷物を積み込んで、幌を下ろして旅先の空気をダイレクトに感じ、抜群の信頼感を背景に望むままのペースで自由に走らせることのできるボクスターは、やっぱり最高の旅グルマだと思います。
事故らず・壊さず・捕まらず、無事に楽しく走り通した北海道。
今回も、記憶に残る素晴らしいロード・トリップとなりました。
ダラダラと書き綴った旅日記におつきあいいただいた皆さん、どうもありがとうございました!
いや~、また行きたい!(笑)