北海道グランド・ツーリング[4]道東の鶴 [drive/touring]
網走の朝、予報は晴れだが実際は曇り。
現実はそうそう甘くない。
2,000円の宿を出て、今日は知床方面へと走る。
メインのR244を避け、南側を並行する広域農道を選ぶ。
風は今日も秋のように冷たいが、オープン・トップのボクスターで誰もいない景色の中を気持ちよく走った。
腹が減ったので一旦沿岸部まで出、セイコーマートのホット・コーヒーと驚くほど旨いチョコレート・パイで朝飯とする。
すぐ近くにあるJR釧網本線/北浜駅は、二十歳の夏に私が初めてオホーツク海を見た場所だ。
あれからもう三十年も経っているとは俄には信じがたいが、これもまた現実なのだ。
斜網広域農道に戻り、再び東を目指す。
この付近は広大な耕作地で、2車線の道が文字通り縦横に張り巡らされている。
故にどこを走ってもスーパー・ストレートだが、調子こいてカッ飛ばしているといきなりダートになったりするので要注意(←経験者)。
斜里からはR334で知床半島に入る。
オホーツクの風は冷たく、涼しいを通り越して寒いほどだ。
雨が降っているわけではないので屋根を閉める理由はないが、まだお盆の時期だというのに暖房を入れシート・ヒーターを焚いた。
いやはや、ビックリだ。
今回は知床五湖散策でもしようかと思っていたのだが、天気がイマイチなのと観光バスも多く見られたため、パス。
残念ながら知床横断道路もその景色が雲や霧に隠されていたので、頭を切り替えて走りに徹することとする。
ところが濃霧の知床峠を越えて少し下ると、一気に霧が晴れ羅臼岳がその巨大な姿を雲の上に出してくれたではないか。
北海道は峠の前後で天気が激変することが少なくないが、それにしても極端である。
さらに下ると、空は再び雲に覆われたのであった。
羅臼に出る手前で、露天風呂「熊の湯」に立ち寄る。
前回訪れたのは札幌で暮らしていた頃だから、もう10年以上も前のことだ。
やや濁った湯はかなり熱目なのだが、外気温が低いこともあり、慣れてしまえば実に気持ちがいい。
地元のおじさんから、この風呂は有志の愛好会が大切に維持管理していることや、マナーの悪い客に困らされた話などを聞く。
我々観光客がこうして露天風呂に入れるのも、地元の方の尽力があってこそなのだ。
いい話を聞かせてくれたおじさんに礼を申し述べ、熊の湯を後にした。
ツーリングマップルを開き、このまま海沿いに根室方面まで南下することを全会一致(=独り)で決定。
R335もR244も交通量はほぼゼロで、左手に霞む国後島を眺めながらマイペース走行が続く。
基本的に6速へ入れっぱなしのクルージングであるためか、本日の燃費は14km/lに達していた。
ひたすら走り続けるうちに昼時となったため、鶴が遊ぶ畑作地帯を突っ切ってR44沿いのカフェ・レストランに入る。
牧場直営を謳う洒落た造りの「ファームデザインズ・浜中町本店」は、ほぼ満席。
バター・ソース仕立てのポーク・ソテーは、なるほど旨かった。
厚床[あっとこ]からD1127で初田牛[はったうし]駅まで走ると、その先には北太平洋シーサイドラインが待っている。
極めてダイナミックな海沿いのカントリー&ワインディング・ロードで、前回走って大いに気に入った上での再走である。
これがもう、やっぱり走り放題。
個人的には、北海道で一二を争う屈指のドライビング&シーニック・ルートだと思っている。
水平線霞む太平洋を眺め、果てしない釧路湿原を見下ろし、間に短くR44を挟みながら、D142/D123で釧路まで130kmのロング・ハイスピード・ドライブが続いた。
この道もまた、皆さんに是非走ってもらいたいルートのひとつである。
今日の宿は、昼食時に「じゃらんnet」で探した鶴居村の温泉旅館。
湿原を抜けてD53で北上し、「グリーンパークつるい」にチェック・インした。
まずは茶色いモール系温泉の露天風呂でゆっくりと温まり、中ジョッキ片手に晩飯だ。
夏休み期間の独り泊で8,000円以下、二食つきの安価なビジネス・プランだが部屋も食事も十二分である。
ほろ酔い状態でいつものようにBluetoothキーボードをスマートフォンに繋ぎ、今日の走りをOneNoteにしたためた。
さて、寝る前にもうひとっ風呂浴びてくることにしよう。
(つづく)
現実はそうそう甘くない。
2,000円の宿を出て、今日は知床方面へと走る。
メインのR244を避け、南側を並行する広域農道を選ぶ。
風は今日も秋のように冷たいが、オープン・トップのボクスターで誰もいない景色の中を気持ちよく走った。
腹が減ったので一旦沿岸部まで出、セイコーマートのホット・コーヒーと驚くほど旨いチョコレート・パイで朝飯とする。
すぐ近くにあるJR釧網本線/北浜駅は、二十歳の夏に私が初めてオホーツク海を見た場所だ。
あれからもう三十年も経っているとは俄には信じがたいが、これもまた現実なのだ。
斜網広域農道に戻り、再び東を目指す。
この付近は広大な耕作地で、2車線の道が文字通り縦横に張り巡らされている。
故にどこを走ってもスーパー・ストレートだが、調子こいてカッ飛ばしているといきなりダートになったりするので要注意(←経験者)。
斜里からはR334で知床半島に入る。
オホーツクの風は冷たく、涼しいを通り越して寒いほどだ。
雨が降っているわけではないので屋根を閉める理由はないが、まだお盆の時期だというのに暖房を入れシート・ヒーターを焚いた。
いやはや、ビックリだ。
今回は知床五湖散策でもしようかと思っていたのだが、天気がイマイチなのと観光バスも多く見られたため、パス。
残念ながら知床横断道路もその景色が雲や霧に隠されていたので、頭を切り替えて走りに徹することとする。
ところが濃霧の知床峠を越えて少し下ると、一気に霧が晴れ羅臼岳がその巨大な姿を雲の上に出してくれたではないか。
北海道は峠の前後で天気が激変することが少なくないが、それにしても極端である。
さらに下ると、空は再び雲に覆われたのであった。
羅臼に出る手前で、露天風呂「熊の湯」に立ち寄る。
前回訪れたのは札幌で暮らしていた頃だから、もう10年以上も前のことだ。
やや濁った湯はかなり熱目なのだが、外気温が低いこともあり、慣れてしまえば実に気持ちがいい。
地元のおじさんから、この風呂は有志の愛好会が大切に維持管理していることや、マナーの悪い客に困らされた話などを聞く。
我々観光客がこうして露天風呂に入れるのも、地元の方の尽力があってこそなのだ。
いい話を聞かせてくれたおじさんに礼を申し述べ、熊の湯を後にした。
ツーリングマップルを開き、このまま海沿いに根室方面まで南下することを全会一致(=独り)で決定。
R335もR244も交通量はほぼゼロで、左手に霞む国後島を眺めながらマイペース走行が続く。
基本的に6速へ入れっぱなしのクルージングであるためか、本日の燃費は14km/lに達していた。
ひたすら走り続けるうちに昼時となったため、鶴が遊ぶ畑作地帯を突っ切ってR44沿いのカフェ・レストランに入る。
牧場直営を謳う洒落た造りの「ファームデザインズ・浜中町本店」は、ほぼ満席。
バター・ソース仕立てのポーク・ソテーは、なるほど旨かった。
厚床[あっとこ]からD1127で初田牛[はったうし]駅まで走ると、その先には北太平洋シーサイドラインが待っている。
極めてダイナミックな海沿いのカントリー&ワインディング・ロードで、前回走って大いに気に入った上での再走である。
これがもう、やっぱり走り放題。
個人的には、北海道で一二を争う屈指のドライビング&シーニック・ルートだと思っている。
水平線霞む太平洋を眺め、果てしない釧路湿原を見下ろし、間に短くR44を挟みながら、D142/D123で釧路まで130kmのロング・ハイスピード・ドライブが続いた。
この道もまた、皆さんに是非走ってもらいたいルートのひとつである。
今日の宿は、昼食時に「じゃらんnet」で探した鶴居村の温泉旅館。
湿原を抜けてD53で北上し、「グリーンパークつるい」にチェック・インした。
まずは茶色いモール系温泉の露天風呂でゆっくりと温まり、中ジョッキ片手に晩飯だ。
夏休み期間の独り泊で8,000円以下、二食つきの安価なビジネス・プランだが部屋も食事も十二分である。
ほろ酔い状態でいつものようにBluetoothキーボードをスマートフォンに繋ぎ、今日の走りをOneNoteにしたためた。
さて、寝る前にもうひとっ風呂浴びてくることにしよう。
(つづく)
2015-09-01 23:53
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コメント(6)
はじめまして!
コメントするのは初めてになりますが、以前から楽しくブログを拝見しております。
グランドツーリングの動画を20回以上視聴させて貰っており、勝手ですが、今回も総集編を密かに期待してます(笑)
いや~ボクスターはほんと惚れ惚れしますね~。
by Rod (2015-09-03 04:25)
このまま北方領土まで行っちゃいそうな勢い
汗・・・
by kertsu (2015-09-03 14:57)
Rodさん、はじめまして。
コメントをいただき、どうもありがとうございます!
それにしても、GTムービーを20回以上もご覧になっているとは仰天です。
・・・いや、大変申し訳ありません(←なぜ謝る?)。
ボクスターは本当に素晴らしいクルマだと言うことを、長旅に出て改めて思いました。
これからも乗り続けますので、よろしくお願いします!
by wata (2015-09-03 20:57)
kertsuさん、こんにちは。
はい、もしもソ連/ロシアに占拠されていなかったら、ボクスターをフェリーに積んで国後島や択捉島を走り回っていたと思います(笑)。
by wata (2015-09-03 21:02)
wataさんこんばんは~
熊の湯は自分も入りましたよ。熱いですね!
地元の漁師さんが漁を終えて入浴してました。
10年前位まで自分も札幌に居たので、同時期だったかもしれませんね。
北太平洋シーサイドラインは好きですよ!
by KG (2015-09-13 20:33)
KGさん、こんにちは。
クルマだけじゃなく、札幌にいた時期も同じなんですね(笑)。
熊の湯は私もかなり熱く感じたのですが、地元のおじさんによれば、それでも観光客向けに湯温を下げていたのだそうです。
「ぬるいよ~」って言ってました(笑)。
北太平洋シーサイドラインも、また走りに行きますよ!
by wata (2015-09-14 20:28)