寝ぐせ全開のまま宿を出て、すぐ近くの大きな観光ホテル「大観荘せなみの湯」の露天風呂にゆっくりと浸かります。
ここは私が宿泊した旅館と姉妹関係にあるとのことで、朝食も同館の立派な食事処で旨いバイキングをいただきました。
岩船産コシヒカリや村上牛、刺身、郷土料理などなど、朝っぱらから喰い過ぎです(汗)。
身支度を整えてチェック・アウト。
空は薄曇りで夕べは小雨が降ったようですが、幌はすっかり乾いていました。
トランクに荷物を放り込み、蟲痕だらけの窓を拭き上げ、トップを下してスタートです!
温泉街を後にし、コスモ石油・岩船SSでガソリンを満タンにしてから、R290→K273と昨日走った道を戻っていきます。
幹線のR113を東へ走り、山形県に入るや否や、K15へとエスケイプ。
交通量はゼロ、川沿いのキレイな2車線区間から峠越えのハードな1.5車線路へと、ハンドリングを大いに楽しみながらボクスターを走らせていきました。
K8に入ると道は再び2車線レベルとなり、ギアを上げて大石沢を遡上。
峠を越えて飯豊町に入り、ストレート&ルーズ・コーナーのK378を快走し、そのままの勢いで飯豊檜枝岐大規模林道に突入します。
この道は冬期はもちろん、災害で通行止めになることも少なくないのですが、この日は文句なし!
すっかり晴れた初夏の空の下、路上に散らばる落石を躱しながらアクセルを開け、カーン!と高まるMA122型水平対向6気筒エンジンのサウンドに酔い痴れながら、県境のトンネルへと昇りつめていきました。
福島県に入ると、大規模林道は低中速コーナーの連続するセクションとなります。
シフト・ダウンによるエンジン・ブレーキを多用しながら谷間を駆け下り、一ノ戸川に沿って涼しげなクルージングを堪能しました。
K385からR459を経て、山都でK16へとスイッチします。
のんびりと気持ちよく走って、県営荻野漕艇場のパーキングでひとやすみ。
目の前の阿賀川はほぼ静止しているように感じられ、その水面を練習中のダブル・スカルが静かに滑っていきました。
K16はやがて川を離れ、正面に南会津の山々を望む田畑の中を往くようになります。
その山の中へと進むR400は、1.5車線レベルのテクニカルな屈曲路。
杉峠を越え、深い森を下り切ると、道は只見川に従う爽快な2車線路となりました。
橋を渡り、K59からK153へと無人の山間路を南下していくボクスターは、連なるスノー・シェッドを突破して、県道の終着から入間方不動沢林道へと入っていきます。
木漏れ日の眩しいこの舗装林道を辿るのは、3年ぶり2回目のことです。
大辺峠に吹き渡る風は実に涼しく爽やかで、ひとつ大きく深呼吸をしてから、屈曲の山峡路を下っていきました。
山を出たところでちょうど昼時となったため、今年の春にも立ち寄った「やまか食堂」で昼飯です。
前回はソースカツ丼の大盛りを、今回は普通盛りを発注しましたが、分厚いカツの量は変わらずボリューム満点。
喰い過ぎた朝食がまだ残っているはずの腹へと叩き込んだ結果、またもや苦しいほど満腹となりました(汗)。
なお、食事が供されるのを待っている間、先客の方から「wataさんですよね?」と声をかけていただいています。
店の駐車場に駐まっていた987型ポルシェ・ボクスターのオーナー・ドライバーさんで、以前に大黒PAでお話しさせてもらった方だったのです。
いやもうビックリ仰天、こんなところでお会いするなんて奇遇にもほどがありますが、お互いに走りまくっていると、こういうこともあるんですね。
どうもありがとうございました!
R401でまたもや山の中に突入すると、俄かにかき曇った空から雨が落ちてきました。
速度を上げれば濡れないレベルの雨量だったため、タイトなワインディングをアクセル・オンで走り続け、新鳥居峠を越えていきます。
その先で雨が強まったので仕方なく幌を閉じますが、下界に出るとその雨はパッタリと止み、再びオープンで走ることができるようになりました。
R352を南下していくボクスターは、道の駅「尾瀬檜枝岐」にピット・イン。
敷地内の「山人家[やもーどや]」でソフトクリームを舐め倒していると、遠くからゴロゴロと雷の音が聞こえてきます。
雨雲レーダーをチェックしたところ、この先の山中で小一時間ほど俄雨が降るとの由。
ということで、近くの日帰り温泉施設「燧の湯」で雨宿りと洒落込みます。
予報の通り、露天風呂へ浸かっているうちに降り出した雨はしばらくすると止み、リスタートしたボクスターの幌はすぐに乾いて開けることができました。
雨上がりのワインディングを駆け上がる、風呂上がりのオープンカー。
雨雲レーダー、最高です(笑)。
R352、奥只見ルート。
おそらく日本で最も冬期閉鎖期間の長い国道で、この日はようやく福島県から新潟県までの通行が可能となった直後のことでした。
尾瀬への往復客も一段落した時間帯、深い山の中にはほとんど誰もおらず、連続するタイトなコーナーへ無心になってタイヤを切りつけていきます。
只見川の流域に出、県境の橋を渡り、奥只見湖岸に沿う曲がりくねった道を攻略し続けるボクスター。
途中にはいくつもの「洗い越し」が現れ、秘境感が炸裂します。
沿道には雪渓が残る景色もあり、相変わらず素晴らしい道だなぁと感じ入りながら走っていきました。
が・・・。
土砂や水が流出している路面を慎重に進んでいくと、前方に急ごしらえのバリケードが登場。
どうやら路肩の雪渓が融けて崩れ、大量の岩や木と共に路上へと流れ出したようなのです。
いや、マジでシャレになりません(汗)。
それでも通行止めとはなっておらず、実際にクルマが通過した形跡もあるのですが、泥濘に水の流れる箇所の段差はかなり深く荒れており、ボクスターでは通れないだろうと思われたのです。
50kmも引き返して別ルートを行くしかないのか・・・と諦めたところで後方からアウディ・A6アバントがやってきて、当該箇所を難なく通過していくではありませんか。
いやもうそれならイチかバチか行ったれや!と肚を決め、ボクスターで徐行進入。
アンダー・フロアを少々擦ったりしたものの、何とか無事に突破することができました。
あぁ、よかった(涙)。
奥只見湖の西端、銀山平からはK50/奥只見シルバーラインで下界へと戻ります。
R352はこの先、枝折峠から駒の湯温泉三叉路までの屈曲区間が未だに冬期閉鎖となっているのです。
思えば昨年の11月4日からの通行止めですから、実に8ヶ月もの間、クローズとなっているんですねぇ。
やっぱり凄いと思いますよ、奥只見ルート(汗)。
一方、かつては有料道路だった奥只見シルバーラインは、20km近いトンネルで麓まで下りる、これまたある意味凄い道です。
水が滴りまくる長大なトンネルは路面も荒れており、なかなかの緊張感。
外界との気温差はマイナス10℃のレベルに達し、トンネルを出た途端にすべてのウィンドウが真っ白に曇るのには、月の家円鏡師匠もビックリです(←?)。
下界の天候は極めて不安定で、土砂降りに見舞われたと思ったらパッと止む。
ローソン・湯之谷吉田店でコーヒー&アイス・ブレイク中、雷鳴が轟いたので慌ててボクスターに乗り込み、豪雨のエネオス・小出インターSSで最後の給油をしてから関越自動車道/小出ICへ。
その雨もすぐに上がり、途中のPAでトップを下ろして自宅へと向かいました。
本日の走行距離は、564km。
走行時間は8時間58分、平均速度は66km/h。
平均燃費は、10.1km/lでした。
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ということで、初夏のショート・ツーリングを存分に楽しんできました。
これまでにも何度か1泊2日のライトなクルマ旅をしていますが、その中でも今回は最高のルーティングだったのではないか・・・と、密かに自画を自賛しているところです(笑)。
ちなみにR352/奥只見ルートの枝折峠-駒の湯温泉三叉路間は、6月30日になってようやく開通したとのこと。
今シーズンもあと4ヶ月しか走れませんから、この手の道がお好きな方は、どうぞお早めに!
2日間の走行距離は、1,232km。
走行時間は18時間41分、平均速度は68km/h。
平均燃費は、10.1km/lでした。