新東名高速道路/長泉沼津ICでトップを下ろし、伊豆縦貫自動車道→伊豆中央道と走って長岡ICからK130で駿河湾に出ました。
セブン-イレブンでホットドッグ&コーヒーの朝食を摂ってから、K17で複雑な海岸線をトレースしていきます。
路面はほぼドライ、雪の名残りか風は冷たく暖房と手袋は欠かせませんが、とてもいい気分です。
やがて家並みが途切れクルマもいなくなると、スポーツプラス・スイッチを入れてギアを2速に下げました。
タイプ981のラインナップで最も非力な2.7Lのエンジンを積むボクスターですが、私にとっては本当にこれで十分。
タイトなコーナーの出口が見える寸前からアクセルを踏み込めば、MA122型水平対向6気筒エンジンは次の減速ポイントまでの間にレッド・ラインへと一気に叩き上がり、エキサイティングな加速と共に素晴らしいライブ・サウンドを聴かせてくれます。
実速はともかく、「使い切っている感」が楽しいんですね。
ま、実際は使い切れるほどのドライビング・スキルを持ち合わせてはいないのですが(笑)、そう感じさせてくれるのが、ボクスターの魅力のひとつなのだと思います。
そんなことを考えつつ戸田[へだ]の街まで走り切り、御浜岬でひとやすみ。
駿河湾の向こう、腰に雲を纏うその姿を見せてくれていた富士山は、しばらくすると白いカーテンの向こうに消えていきました。
テクニカルなK17は、土肥[とい]まで続いています。
この区間もクルマはほとんど走っておらず、アップダウンのワインディングをマイペースで走り切ることができました。
上りタイト・ターンのピークで意図的にアクセルを入れると、後輪に履かせた265サイズの
ファルケン・アゼニスFK510はその幅1本分ほど外側にスライドします。
PSM[ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム]が間髪を入れずにトルクをコントロールしてくれますが、それ以前にFK510は滑り出しがわかりやすく穏やかなので、不安感はありません。
もちろん、そんな余計なことをしなければFK510はグリップを損ねることもなく、よりダイレクトなハンドリングを求めてPASM[ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム]をスポーツ・シャシーにセットしても、荒れた路面で跳ねてトラクションを喪うようなこともないのです。
私のドライビングの限りにおいて、ボクスターはまったくのニュートラル・ステアであり、かつ発生したパワー&トルクはほぼすべてトラクションに転化できていると感じています。
永らく履いていた純正指定のピレリ・P Zeroと同様、FK510でもその印象に変わりはありません。
Nマークつきのポルシェ様認証タイヤではなく、最終的なグリップ性能もP Zeroには劣るかもしれませんが、それでもドライビングの楽しさがスポイルされないのは、FK510の基本性能が高いことに加え、ボクスターの持つハンドリング性能やトラクション性能が極めて優れているからなのだと思っています。
中伊豆方面からのクルマが流入するため、いつもはリエゾンと割り切っているR136も、今日は妙に空いています。
すんなりと到着した松崎でいったん海沿いから離れ、K121で蛇石峠を目指すことにしました。
最後の集落を過ぎると道は急坂・屈曲・狭隘の三冠状態となり、切通しの峠を越えるとその程度は更に激しくなります。
1年ぶりの蛇石峠は、道を覆う木々が大きく伐採されて明るくなっていましたが、伊豆半島屈指のタフでトリッキーなワインディングであることに変わりはなく、五十肩が痛みを訴えるほどステアリングを大きく切り続けました。
峠の向こう側、南伊豆エリアでは気温が一気に上がり、春の陽射しが降り注いでいます。
気持ちいい南風を受けながらカントリー・ロードを走り続け、K16で青い海の輝く伊豆半島最南部をぐるっと周りました。
前日、都内ではソメイヨシノの開花宣言が発表されましたが、温暖な伊豆にあっても、咲いている桜はまだほとんどありません。
名物の河津桜が散り果てた下賀茂温泉には、次の白い桜が少しずつ咲き始めていました。
引き続きクルマの少ないR136を楽しみながら松崎まで戻り、昼飯です。
大人気でいつも混んでいる地魚料理の「
さくら」も今日は空いてるだろと思い開店15分後に訪れましたが、既に満席状態。
しかし1名ということもあり、待合室のような小部屋に通されて、「あじまご茶定食」にありつくことができました。
ニンニク醤油で喰うザク切りのアジのタタキが旨いのはもちろんですが、一人にひとつずつ供される釜炊きのごはんも嬉しいんですねぇ。
タマネギの天ぷらなどもあってボリュームも満点、最後はタタキを載せたごはんにアツアツのダシをかけ回してもらい、大満足のうちに完食となりました。
ちなみに
5年ぶりにこの店を訪れたのは、前日にBlogへ「『さくら』に行ってきました」との
コメントを頂戴していたのがキッカケです。
そのコメントへの返信を書いているうちに私も行きたくなってしまい、本日の西伊豆ドライブに至った次第です(笑)。
ただ、一人ずつのごはんを炊く手間に加え、開店直後の混雑もあって、入店から退店までに要した時間は1時間半。
ここで時間を食ってしまったことが、帰路に大きく影響することになります(汗)。
膨れた腹をさすりながらボクスターに乗り込み、K15で下田方面へ。
婆娑羅[ばさら]峠を快調に越え、山を下りた辺りで右に入り1車線の山道を進んでいくと、温泉「昭吉の湯」への入口に到着します。
見上げるようなすんごい斜度の荒々しいコンクリート舗装路が山の上へと続いていますが、こんな道はボクスターでは絶対に上がれないと判断(汗)。
そこで近くの看板に記されていた番号へ電話をかけると、風呂の管理人と思しき男性がトヨタ・ファンカーゴで上から迎えに来てくれました。
いわゆる「パーク&ライド」ってスタイルですが(笑)、道の途中には鬼のような急上昇ヘアピンなどもあり、ボクスターを置いてきてマジで良かったと胸を撫で下ろします。
700円を支払って入った適温の露天風呂は、無色透明ながらヌルヌルの浴感。
大谷石のような重厚な石で組まれた浴槽や、立派な梁と柱で建てられた屋根など、とてもこんな山奥にある温泉とは思えません。
連なる山と青空に浮かぶ白い雲を眺めつつ大いに寛ぎ、風呂から上がったら風に吹かれて暫しのクール・ダウン。
膝を傷めないように気をつけながら、激坂を歩いてボクスターの待つ下界へと戻りました。
いやはや、凄い温泉があるもんですねぇ。
そろそろ戻る方向で走るのですが、
静岡県の道路通行規制情報をチェックしてみると、西伊豆スカイライン周辺は昨日からのチェーン規制が継続中。
午後には解除になるだろうとの目論見は打ち砕かれ(涙)、仕方なくR136を戻ることになります。
ところが沼津ICから東名でサッサと帰ろうと思いきや、
JARTICの道路交通情報によると大井松田IC付近で衝突事故が発生、渋滞が御殿場ICを過ぎて延びているではあーりませんか。
そこで箱根越えルートに変更、R1を箱根峠まで駆け上がったものの、その先の箱根新道が入口から渋滞→引き返して箱根ターンパイクへ→小田原料金所が渋滞→我慢して小田原厚木道路へ→厚木西ICから東名本線の大和トンネルまで渋滞・・・。
COVID-19の影響でクルマは少ないだろうとタカを括り、昼飯に1時間半もかかったのに温泉でノンビリしていた結果、こうなりました(涙)。
でも、楽しかったからいいんですけどね!
本日の走行距離は、511km。
走行時間は9時間39分、平均速度は55km/h。
平均燃費は、10.2km/lでした。