寝坊を悔やみつつカーテンを開けると空は快晴、気温は10℃近くまで上がっています。
いつもの週末なら首都圏の高速道路は既に渋滞し、ドライブを諦めて二度寝を決め込むところですが、
JARTICのサイトで確認してみると今日は案の定、全路線とも順調に流れている模様。
とは言え出発が遅れたのは事実ですから、あまり遠くへは行かずに奥多摩あたりを軽く走ろうと考えつつ、イグニッションと同時にボクスターの幌を下ろしました。
気持ち悪いほどガラガラの中央自動車道を気持ち良く走って上野原ICで降り、開店前のドラッグ・ストアに並ぶ人々の列に驚きながら、街を出てK33を北上します。
山の中をしばらく走り、広い路肩のパーキングに立ち寄って、手前のセブン-イレブンで仕入れた握り飯を二つ、頬張りました。
ものすごくいい天気で風もなく、通るクルマも疎ら。
騒がしい世間とは対照的に、極めて平和な風景です。
K18へと左折すると、道は点在する集落を結ぶ本格的な山坂路となります。
奥多摩へのアプローチはいくつかありますが、私は交通量が最も少ないこのルートが大好きなんです。
広狭が混在し適度に曲がり続ける谷間の道を走り抜け、鶴峠へと向かう九十九折りの上りヘアピンでは、PSM[ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム]のインジケータが明滅するところまで走らせました。
久しぶりにPSMのサポートを受けましたが、作動時のトルク・コントロールはほんの僅かで、文字通り必要最低限と言えるレベルです。
やはりPSMは、安全を確保しつつも、ドライビング・プレジャーを極力阻害しない方針でセッティングがされているのだと改めて思いました。
また、初装着から15,000kmを超えたタイヤ「
ファルケン・アゼニスFK510」は、リア・トレッドの中央部からだいぶ減ってきたものの、まだまだパフォーマンスの低下は感じられません。
そもそも2.7リッター・エンジンを積むベース・モデルのボクスターは、完全なるシャシー・ファスター。
それをヘナチョコ・ドライバーがのんびりと走らせているだけですから、タイヤのグリップを心配する必要など無いのです(笑)。
R139で小菅村の中心部を抜け、すぐまたK18に入ります。
杉木立の中、フラット・シックスが奏でるポルタメントを2速ギアでコントロールしながら、山腹の登山道をジグザグに駆け上っていく楽しさはまた格別です。
峠を越え、眼下に拡がる景色を眺めつつ急坂のワインディングを下っていると、そんなボクスターのエンジン音に重なって、背後から一段低いサウンドが急速に迫ってきました。
E89型、BMW・Z4です。
すぐさま脇に寄ってウィンカーを出すと、短いクラクションを鳴らしてくれたZ4は、風のようにボクスターをパスしていきました。
その走りはとても素晴らしく、私などが到底及ぶところではありません。
いずれにせよ、自粛ムード漂う週末にこんな山道へクルマを走らせに来ているのは私だけじゃないことが判り、なんだかとても嬉しくなった次第です。
Z4が右折したT字路を左に曲がり、R411で柳沢峠を目指します。
時刻は10時前、普段の週末であれば少なからず前走車がいて、彼らのペースで延々と走らされることになる時間帯です。
が、今日はその姿も殆ど無く、雲海の上に霞む富士山を望む峠まで、ほぼ自身の裁量だけでボクスターを走らせることができました。
転回して奥多摩湖方面へと戻るR411もまた、マイペース走行が継続。
この道は何度となくドライブしているのですが、これほど気持ちよく走り続けられた記憶はちょっとありません。
そんな状況は、続くK206/奥多摩周遊道路でも同様でした。
チャリンコやバイクには何度か道を譲ってもらったものの、檜原都民の森ゲートに至るまで、ボクスターの前にクルマは1台も現れなかったのです。
奥多摩周遊道路でクリア・ラップを取るなんて・・・嗚呼ッ、こんなの初めてッ!(←?)
まだ昼前ですが、オッサンは既に「走ったった感」に満たされています。
ボクスターの燃費も8km/l台まで落ちていたこともあり、今日の走りはここまでとして、とりあえず温泉に浸かることにしました。
「
檜原温泉センター 数馬の湯」は、設備の整った公共日帰り温泉施設。
涼しい風が吹く露天風呂にゆっくりと浸かることができましたが、翌日から2週間、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため休館となるのだそうです。
帰り際に、大変だけど頑張ってね、とフロントのおにいさんに声をかけました。
でっかいジャンバーをトランクに放り込み、K33で爽快極まりない湯上りオープン・ドライブを楽しむこと暫し。
街に出て、「
五日市ほうとう 佐五兵衛」で昼飯です。
猪豚肉やタップリの野菜が味噌仕立てでグツグツと煮込まれた鉄鍋からやや細めのほうとうを引きずり出してズルズルッと一気にすするとあちちちちちっ!(涙)
・・・二口目からは小皿に移し、フーフーしながらおいしくいただきました。
店を出ても、熱々のほうとう効果と春の陽射しとで汗ばむほどの暑さです。
脱いだジャンバーをそのままに、屋根を開けたボクスターにシャツ1枚で乗り込んで、空いている高速道路で都心方面に向かいました。
本日の走行距離は、263km。
走行時間は4時間24分、平均速度は62km/h。
平均燃費は帰りの高速道路で回復したものの10km/lには届かず、9.3km/lとなりました(涙)。
好天の日曜日にもかかわらず、この日は交通量がとても少なかったように思います。
やはりCOVID-19の影響で、善良な市民の皆さんは外出を自粛していたのでしょうかねぇ。
私自身は、空気の澱んだ街や家に留まっているよりも、大空の下で誰もいない山の中を楽しく走り回っているほうがずっと健康的なのではないかと考え、実行に移した次第です(笑)。