令和元年、伍月朔日。
宿の朝飯はオーソドックスな和定食なのですが、炊きたてのご飯や味噌汁、付け合わせのキャベツまでが悉[ことごと]く旨い。
腹痛寸前までタップリ喰ってチェック・アウト、この朝食がついてGWの独り泊で4,200円とは、ありがたいにも程がありますね。
曇り空のR2を東に走り、尾道大橋を渡って4年ぶりに向島へ上陸。
クルマやバイクは少ないのですが、チャリンコの数がものすごくてビックリです。
夕べの雨に打たれていたボクスターの幌もすっかり乾き、海岸線のK377でオープン・ザ・ルーフ!
微かに潮の香りを含んだ風がたいへん心地よく、因島大橋を仰ぎ見ながらのんびりと走りました。
が、せっかくなのでまっすぐ行かずにもうひとつ、島を巡ってみることにしました。
向島ICからしまなみ海道に乗り、因島、生口島を越えて大三島に入ります。
愛媛県最北部となるこの島をぐるっと一周したのですが、IC付近を除けば交通量は殆どありません。
道も概ね2車線幅があり、瀬戸内海に浮かぶ大小の島々を眺めながら、実に爽快なマイペース・ドライビングを楽しむことができます。
いや、正直、ここまで気持ち良く走れるとは思ってもいませんでした。
しまなみ海道は6つの島を結んでおり、今日はそのうちの2つを走っただけですので、いずれ再訪し残りの4島も巡ろうと心に決めました。
時刻は13時を過ぎ、ようやく腹も減ってきたので、今治名物の焼豚玉子飯を喰うため市内に入ります。
いわゆる有名店の前を通ったものの、クルマや人が行列していたため、人気[ひとけ]の少ない港湾エリアへGo!
その名もイケてる「車屋食堂」は倉庫街の定食屋さんといった趣ですが、出された焼豚玉子飯は昇天級の旨さです。
量はさほど多くは無いものの、フチが香ばしく焼かれた薄切り焼豚と半生の目玉焼に甘辛いタレが絡んでもう最高。
ごちそうさまでした!
今日は天気が良ければ瓶ヶ森村道で石鎚山エリアを走ろうと思っていたのですが、山間部は間違いなく雲の中。
ということであっさりと予定を変更、R317で松山に向かい、混雑する中心部を迂回してR33からR379に入りました。
トラフィックはゼロに等しく、ボクスターは改良済みの山岳2車線路を豪快に駆け抜けていきます。
この道も恐らく初めてですが、素晴らしいの一言ですねぇ。
R380との交点を左に折れ、内子町の旧道に入った先に今宵の宿「大福旅館」はありました。
今回もまた、激シブな旧い旅館。
女将さんによれば旅館としての営業は70年ほどですが、建物はそれ以前のものをこの地に移設してきたのだそうです。
ホースを借りて鬼のように汚れていたボクスターを洗わせてもらい、ひとっ風呂浴びて寛いでいるところに夕食が運ばれてきました。
さすがは料亭旅館と銘打つだけあって、一品一品がどれもベラボウに旨い。
特に筍と鯛のあら煮は味付けが素晴らしく、新鮮な木の芽の香りがアクセントとなって、白飯喰い過ぎ警報が発令されたほどです。
気がつけば、10連休も半分が過ぎてしまいました。
残りの行程も悔いの無いよう、事故らず・壊さず・捕まらずの「三無い宣言」を厳守して走ろうと、満腹の腹をさすりながら固く誓うのでありました。
つづく。