快晴の東北自動車道を、栃木県/矢板ICでアウト。
K30を北上、街のENEOSでボクスターにハイオク・ガソリンを満たしてからK56に入り、セブン-イレブンで調達した握り飯を二つ、パーキングで頬張りました。
気温は20℃弱、空はどこまでも青く晴れわたり、そよぐ風は実に爽やかです。
大いに気分を良くしてリスタート、森の中のワインディングへと突入しました。
ドライブ・モードを「スポーツ」に、PASMを「スポーツ・シャシー」にセット、2速⇔3速パワー・オンで八方ヶ原へと続く道を駆け上がっていきます。
ハイカーのクルマで満車となっている山頂方面へは向かわず、そのままダウンヒル。
完全なるマイペースで無人の大規模林道を走り抜け、日塩もみじラインを経てR400に出ました。
いやもう、初っ端っから最高です(笑)。
複数台の後についてR121を北上してゆくと、福島県に入る頃から冷たい風が吹き始め、分厚い雲が空を凄い速さで流れるようになりました。
時折ワイパーで拭うまでもないような細かい雨、それは自宅から開けっ放しの幌を閉めるほどの降り方ではありませんが、快晴の栃木県側との違いっぷりにビックリです。
会津田島からR400へ右折すればクルマはすべていなくなり、再び走り放題の始まり。
改良区間は登坂車線つきの豪華なバイパス路となっていますが、途中でボクスターを停めて休憩しても聴こえるのは風の音だけで、そのギャップに独り思わず笑ってしまいました。
とは言え未改良のタイトなワインディングもタップリと残されており、ボクスターのコーナリング・アビリティを存分に堪能することができます。
続くR401では、深い山の中で右へ左へとステアリングを繰って荒れたアスファルトを蹴散らしながら、6年前に同じ道を走ったことを思い出していました。
仲間と共に気がふれたかのように走り続けた(汗)
あのツーリングは、今も心に深く刻まれています。
屈曲路の森を抜け出し、会津若松まで来たところで、朝飯に喰った二個のおにぎりを完膚無きまでに消化しきっていることに気づきました。
と言うことで食事処を検索、開店直後の「
とん亭」でソースカツ丼を喰らいます。
せっかくなのでちょっと高い、二種の豚肉を使った「会津こだわり丼」をオーダーし、飯粒残さずおいしくいただきました。
会津若松にはソースカツ丼を出す店がたくさんあるらしく、そのことを示すのぼりを立てた店をあちこちで見ることができます。
昨年のゴールデン・ウィークに喰った「
白孔雀食堂」のそれもとても旨かったですし、いずれまた、他の店にも行ってみたいと思います。
街を出て東へ、急坂&屈曲路のK374を走ります。
ハーフ・ウェットなタイト・コーナーを次々とクリアしていくボクスター、こういう道を走らせると、そのトラクション性能の高さをまざまざと実感することができます。
背あぶり高原をパスしてワインディングを駆け下り、R294を経由して猪苗代湖の南岸に出ました。
誰もいない湖畔には冷たく湿った風が吹き荒び、湖面には白い波が立っています。
空は鈍色の重い雲に覆われており、対岸に見えるはずの雄峰・会津磐梯山はその雲の中にすっかり身を隠しています。
この天候に裏磐梯方面のドライブをすっぱりと諦め、青空を求めて会津エリアを脱することにしました。
K9から右折して舗装林道に入り、明るい山裾をトレースして7年ぶりに立った
御霊櫃峠[ごれいびつとうげ]は、予想通り天気の境目となっています。
峠の東側は晴れ間が見えており、林道を下るに連れて木漏れ日のコントラストが徐々に強くなってきました。
下界には初夏の陽光が降り注ぎ、眩しさに目を細めつつ田園地帯を快走します。
福島市を迂回するためいったん南に下り、須賀川の街を抜けてK138で南へ、K42で東へ走りました。
この二つの県道は、それぞれ福島空港へのバイパス路および有料のあぶくま高原道路と並行するローカル・ロード。
従って交通量は殆ど無く、実に気持ち良く走り続けることができます。
K285を経由し、R349を南下。
この道はR399と共に大好きな阿武隈高地縦断路で、こんなに走って大丈夫なのか?と思わず自問してしまうこと請け合いです(汗)。
途中、クール・ダウンのために
古殿八幡神社で小休止。
流鏑馬で有名な神社もこの日は私独り、大木に囲まれた涼しい境内に佇んでいると、空気感の違いをひしひしと感じることができます。
ここから宿まではR349経由でわずか40km弱ですが、安全祈願も済ませたのでもう少し走りましょう。
いわき市へと東に向かうK14はそこそこの交通量がありましたが、K134へと右折するや否や、ノー・カー、ノーバディ(笑)。
ギアを一段下げ、アクセルを開けて山間のカントリー・ロードを駆け抜けてゆきます。
K105からR289に入ると、一転して長大な橋とトンネルで山をブチ抜くバイパス・ルート。
が、それも長くは続かず再び好ましい田舎道となり、R349→K27→K111とマイペースで走り続けて本日の投宿地に着きました。
いやー、走った走った(笑)。
県道から狭い道をぐりぐりと上った先にある、湯岐[ゆじまた]温泉。
すっかり忘れていたのですが、
9年前に一度立ち寄っていたことを到着して初めて思い出しました(汗)。
「
山形屋旅館」の六畳間に荷を降ろし、浴衣に着替えて湯小屋へと向かいます。
ぬるりとした浴感が素晴らしい岩風呂にはおじいちゃんが二人、おばあちゃんが一人。
隣のおじいちゃんがこの温泉の由来を説明してくれるのですが、理解力に乏しい私には、方言炸裂なおじいちゃんの言葉が3割ぐらいしかわかりませんでした(涙)。
食事は部屋食で、豚肉の味噌漬けや山菜などのおかずで炊きたてツヤツヤのごはんを爆喰いです。
山奥の旅館なのに刺身が旨いのは、ご主人が毎日いわきや北茨城の港まで魚を直接買い付けに行っているからとのこと。
家族経営のリーズナブルな宿ですが、こういうところがイイんですよねぇ。
しかしながら、早起き+走りまくり+温泉+ビール+満腹で、51歳のオッサンはもう限界。
布団の上にひっくり返るや否や、爆睡の深淵へと真っ逆さまに墜ちてゆくのでした。
---
翌朝も快晴、しかし寒い!
誰もいない岩風呂に浸かればだんだん目も醒めて、縮み上がっていた袋もゆっくりと弛緩してきます。
朝飯は正統派のザ・和定食、ごはんをお代わりして腹をギンギンに満たしたらチェック・アウト。
ボクスターの幌を下ろし、湯岐温泉を後にしました。
今日は帰るだけですが、もちろん気持ち良く走って帰る所存です。
引き続き走るR349はやっぱり楽しくて、必要もないのにギアを下げてアクセルを多めに踏んでしまいます。
山を下りて南へしばらく走れば茨城県、その先のK22を左折して、関東有数の規模だという
里美カントリー牧場へ寄ってみました。
ここは山岳牧場のようで、イメージと異なり広大な牧草地が拡がるような景色には出会えませんでしたが、それでも山頂のレストハウス付近からは連なる緑の山々を一望することができました。
ちなみにレストハウスの前にいたおじさん曰く、「おー、ポルシェだ。カッコいいねぇ。でも、独りじゃ寂しいねぇ(笑)」
・・・大きなお世話です(涙)。
R349に復帰、ここからはナビも地図も見ず、いつものルートで南へと走ります。
広域農道/ビーフラインをメインに笠間まで、フルーツラインをメインに筑波山の麓まで。
走り慣れた道ではありますが、天気にも恵まれて本当に気持ち良く、文字通りの快走を続けることができました。
土浦北ICから常磐自動車道で家路に就く前に、田んぼの真ん中でひとやすみ。
風はまだ涼しいものの、直上でギラギラと輝く太陽に、夏の訪れを実感させられる昼下がりとなりました。
二日間の走行距離は、771km。
走行時間は12時間32分、平均速度は63km/h。
平均燃費は11.1km/lでした。
------
当初は日帰りで行こうと思っていたのですが、前日の夜に思い立って宿を探し、予約。
結果、余裕を持って走りまくることができ、かつ温泉で大いにリフレッシュさせていただきました。
デイ・ドライブも楽しいのですが、こういうスタイルのショート・ツーリングはまた格別なんですよね。
こんなことが毎週末できるワケではありませんけど(涙)、行けるときは躊躇なく行ってやろうと思います。