■Day1
数日前にエンジン・オイルとフィルターとを交換し、一週間分の着替えを積んだボクスターで、埼玉の自宅を出発。
関越自動車道/嵐山PAでポルシェ・911カレラの
MTさん、ポルシェ・ケイマンのKさんと合流、この先のルートを確認する。
グランド・ツーリングの初日は、クルマ仲間と3人/3台で長野県の蓼科高原まで走るのだ。
交通量は多いが渋滞も無く碓氷軽井沢ICでアウト、軽井沢までの登坂車線つきワインディング/K43を快走。
曇り空で気温は7℃と寒いのだが、お構いなしにボクスターの屋根を開ける。
トリッキーなコーナーに手こずりながらR146の全快ヒルクライムを楽しみ、鬼押ハイウェー→K59と快調に走り続けた。
草津のセブンイレブンで朝食を摂り、冬期通行止が解除されたR292/志賀草津道路へと上がってゆく。
気温は4度まで下がるが空はすっかり晴れ渡り、景色も拡がって実に気持ちがいい。
交通量はそれなりにあったが、前が空くとたちまちカッ飛んでゆくケイマンとカレラを追って楽しく走った。
信州中野まで出てからK358で南下し、今度は菅平高原を目指してR406を駆け上がる。
これがまた登坂車線つきの快走路で、3台はぐんぐんと標高を稼いでいった。
昼飯は、菅平の「食事処つかだ」で蕎麦を喰う。
カーナビで検索したら近くにあったので暖簾をくぐっただけであり、正直、空腹を満たせればそれで良いと思っていた。
ところが喰ってビックリ、やや不揃いの冷たい手打ち蕎麦は、ゴツッとした田舎蕎麦のインパクトがありとても旨い。
天ぷらなどはメニューに無いが、シンプルに旨い蕎麦を喰うことができて大いに満足した。
長野-群馬県境の鳥居峠までは、R406と並行する林間のK182をセレクト。
以前に一度だけB3で楽しく走ったことがあるのだが、仲間と走るとその楽しさは3倍増だ。
ケイマン&カレラの猛チャージを受け続けながら、4月下旬に替えたばかりのタイヤが減っていくのを実感した(涙)。
K94で湯の丸高原を越えて上田へと下り、K45で白樺林の高原を駆けてゆく。
空は快晴、オープン・エア・ドライビングは素晴らしく爽快だ。
蓼科牧場のソフトクリームは、濃厚な牛乳の味がした。
白樺湖からスズラン峠を越えて茅野で食材の買い出しを済ませ、蓼科高原の山荘にチェック・イン。
温泉で汗を流した後はテラスで七輪を焚き、肉や野菜を焼いては喰った。
暖房の入った暖かな部屋でクルマ談義に花が咲き、高原の夜はゆっくりと更けてゆく。
いやはや、グランド・ツーリングは最高のスタートとなった。
■Day2
朝6時、MTさん&Kさんに別れを告げて蓼科高原を下りる。
諏訪ICから中央自動車道に乗り、快速クルージングが始まった。
世間はまだゴールデン・ウィークだが交通量は僅少、空は清々しく晴れ渡り、屋根を開けてマイペースで走り続ける。
休憩のため名神高速道路の草津SAに入り本線に目をやると、白いBMW Z4が目の前を横切るではないか。
もしかして・・・と慌ててボクスターに飛び乗り全開加速で追跡補足したら、やはり
ShimaさんのALPINAロードスターだった。
今日は、同じように中国地方へツーリングに行くと言うShimaさんと中国自動車道/西宮名塩SAで正午に待ち合わせをしているのだが、それにしても2時間以上前に80km近く手前で遭遇するとはビックリ仰天。
ツーリングの神様はいるのだ・・・と、本気でそう思った(笑)。
ところがShimaさん、京滋バイパスから名神に入らず、まったく方向の違う京都縦貫自動車道へと爆走していくではないか。
二つ目の大原野ICで降りたShimaさんに聞いてみたところ、案の定、思いっきりミスコースしたようだ。
死ぬほど大笑いしながら、やっぱりツーリングの神様はいるのだと確信した(←そこでか?)。
せっかくなので近くの山道を走ろうとツーリングマップルを開き、K733へと向かう。
しかしこれが後悔炸裂の超極狭急坂悪路で、もう二度と走るもんかと強く心に誓ったのであった(涙)。
K46で茨木まで出、再び高速へ。
西宮名塩SAでは、近くに住む
mtmさんと超久しぶりに再開することができた。
今回のGTにあたり、Shimaさんが声をかけてくれていたのだ。
暫しの談義の後、再会を誓ってガッチリと固い握手を交わす。
何年経ってもクルマ仲間っていいもんだなぁと思いつつ、ハード・チューンのALPINA B3を次のJCTで見送って、再びShimaさんとの二人旅となった。
晴天の中国道はガラガラで、オープン・トップのロードスター2台が風を切って走り続ける。
いやもう、最高である。
岡山県の津山ICでアウト、ここから怒濤の広域農道ドライビングが始まった。
美作やまなみ街道→吉備高原北部広域農道→奥吉備街道。
交通量は殆ど無く、4速中心にひたすら素晴らしいファスト・ランが続く。
トランシーバからは、「これはアカンでしょ」との嬉しそうな声が聞こえてきた。
K50→K78→K33→K157、どれも交通量ゼロの快速カントリー・ロード。
広島県に入って中国道と並走するK23も立派な道路だが、他に誰も走っていないのだ。
走り放題にも程がある、とつくづく思った。
夕刻まで走りまくって庄原から中国道を経由し、三次の街へ。
「三次グランドホテル」にチェック・イン、少し歩いて「たむ商店」でお好み焼きを喰らう。
もちろん広島風なのだが、ソバがカリカリに焼き上げてあり、ほかの具材やソースとマッチして実に旨い。
旧交を温め、素晴らしい道を走り、旨いもんを喰う。
実にいい一日だったなぁ・・・と、二人とも大満足のうちにホテルへと戻った。
■Day3
曇り空の三次市街を朝7時に出発。
夕べ雨が降ったらしく、ALPINAロードスターもボクスターも幌をかけたままのスタートとなった。
私はGTの計画を何ひとつ決めていないのだが、今日も一日、Shimaさんと共に走ることとしたのだ。
中国道沿いのK64は、いきなりの快走路。
パラつく雨の中、白いロードスターのテールを追って走った。
K321を経由して北広島で給油、R433に入ると交通量はゼロとなり、雨も止んだためトップを下ろしてアクセル・オン!
K40→R186→K307→R191と快走しまくり、島根県に入ってK307の旧道で緑豊かな匹見峡をトレースする。
我々の他にはまったく誰もおらず、美しい新緑の渓谷を気持ちよく走った。
その先はR488で西へ、この道がまた30km以上ノンストップで走り放題ときたもんだちくしょうめ。
K14で山口県に入り、R315沿いの道の駅「うり坊の里katamata」で小休止。
こんなに走っていいのか?と、あまりの走りっぷりに二人して笑いが止まらない。
K13→K11→K10と結んで萩の街中をウロウロし、道の駅「萩しーまーと」で昼飯にちょっとゼイタクな魚の定食を喰った。
朝の雨がウソのように晴れ上がった午後、更に西へと向かうが国道もバイパスも使わず、K64でタイトなワインディングをひた走る白と青のロードスター。
長門市を越え、K66で断崖の元乃隅稲成神社へ立ち寄った。
紺碧の日本海に向けて123基の鳥居が立ち並んでいる風景は、感動的に素晴らしい。
今回、Shimaさんに連れて来てもらうまでその存在すら知らなかった私は、こんなところがあるのかと仰天した。
激狭屈曲急坂路のK66をトレースし、R191に復帰。
快走を続けて到着したのが西の果て、角島大橋だ。
青い空を映した海の上を渡る橋の姿は、何度見ても素晴らしい。
初めて来たというShimaさんも大満足の模様、クルマ好きの諸兄にも、是非一度訪れていただきたいと思う。
R435で内陸へと快調に走るオッサン・ロードスターズは、山の中にひっそりと建つ一の俣温泉「温泉荘」に到着。
昨晩、三次のお好み焼き屋でShimaさんから聞き、私も追加で予約させてもらったのだ。
提携ホテルの露天風呂に浸かり、二日間の走りを振り返りながら、名物「瓦そば」などの旨い晩飯をいただく。
宿の内湯も超ヌルヌルのアルカリ性温泉で、日焼けした腕がヒリヒリと心地良い。
質素で旧いが、リーズナブルでとてもいい旅の宿だ。
嗚呼、今日もまた素晴らしいドライビング・デイだった。
(つづく)