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ザ・グランド・ツーリング[2]山口県/一の俣温泉発 [drive/touring]

■Day4

山口県西部の山奥、一の俣温泉の朝は快晴に恵まれた。

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超ヌルヌル温泉に浸かり、朝飯を喰って「温泉荘」をチェック・アウト。
海沿いの国道まで出たところで、秋吉台方面へと向かうShimaさんとお別れだ。
互いの無事を祈り、ALPINAロードスターは左へ、ボクスターは右へ。
これからは、独り旅だ。

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まずは昨日も走った角島大橋へ再び立ち寄り、幌を下ろしたボクスターをのんびりと走らせる。
まだクルマも少なく、朝の光に周辺の海は青く輝いていた。
この橋は、何度渡っても気分がいい。
いずれまた、必ず走りに来よう。

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沿岸のR191で順光に煌く海を眺めながら南下し、九州へ渡るべく下関へと向かう。
初めて通った関門トンネルは排気ガスが充満しており、たまらずボクスターの屋根を閉めた。
門司港でひとやすみしつつ、ツーリングマップルを開いて今日のこれからを考える。
で、天気もいいのでいちばん西へ行き、夕日を見ようと思い立った。

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まずは北九州都市高速で春日ICから馬場山ICまで走り、K21で福岡方面へ。
腹も減ってきたところで、若宮の街に「来来軒」というマンガに出てきそうな名前の店を発見。
今回のGTでは積極的に九州のラーメンを喰う方針としていることもあり、早速店に入ってみた。
トンコツ全開のいわゆる博多ラーメンを想像していたのだが、出てきたラーメンの透き通ったスープにビックリ。
何だか良くわからないものの、あっさりしていながらコクがあってとても旨い。
会計時に聞いてみて二度ビックリ、これもトンコツラーメンなのだそうだ。

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粕屋から福岡高速で市街地をパス、そのまま福岡前原道路→R202で淡々と西へ走る。
相変わらず夏のような青空だが、見上げると太陽はしっかりと暈[かさ]を被っており、この晴天も長くは続かないことを告げていた。
バイパス路にも飽きたので、唐津の海岸に出てひとやすみ。
穏やかな海の風景は、眺めているだけで実に気分がいいものだ。
ここからはK33や国見山麓広域農道で南下、幹線道路を外せばやはり交通量ゼロで、ワインディングを走り放題となる。

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伊万里を過ぎて、K5で再び山の中へ。
街を見下ろす県道から北松広域農道を西へ快走し、平戸大橋を渡った。
平戸島では、R383→K60→K19と島の北部をぐるっと回る。
2速から5速までを使い、誰もいないワインディングをノン・ストップで走りまくった。
生月島に渡りサンセットウェイを走るが、空はいつの間にか一面の雲で落日は見られそうもない。
おまけにサンセットウェイは一部が災害のため通行止めとなっており、全区間のシーサイド・ドライブを楽しむことはできなかった。
しゃーない、いつかまた来りゃいいさ。

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北端の大バエ断崖に立ち寄ってから平戸島まで戻り、川内峠を走る。
ここも何度か訪れているが、とても気持ちのいいところだ。
誰もいない夕刻の草原に、ただ風が吹いていた。
すっかり日の暮れたR204を松浦まで走り、「じゃらんnet」で先程予約した「ホテル櫻梅閣」にチェック・イン 。
街で買ってきた「ほっともっと」の唐揚げ弁当をビールと共に平らげ、風呂に入って床に就く。
日暈が教えてくれた通り、九州地方の天気は下り坂。
行き先も何も決めていないが、どうしようか。
・・・ま、明日考えよう。


■Day5

朝、雨音で目が醒めた。
起き抜けに天気予報をチェックすると、雨は昼過ぎまで降り続くとの由。
どうせ行き先も決まっていないので、慌てて雨の中へ出ていくこともなかろう。
飯をゆっくりと喰ってから、8時に出発した。

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幌を閉じたままのボクスターで松浦からK144などを走り、田平の教会へ行ってみる。
雨の丘に建つ煉瓦造りの聖堂は実に威風があり、その中はステンドグラスが優しい光を放っていた。
旅の無事を祈り、教会を後にした。

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K18を南に下り、看板に誘われて長串山へ上がってみる。
雨は殆ど止み、北九十九島がぼんやりと見えてきた。
走っているうちに雲間から青空も覗き始め、佐世保の手前で待望のルーフ・オープン!
K149で南九十九島を見下ろす展海峰まで走り、今日これからのルートを考えて、宿を予約した。

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佐世保道路で市街地をバイパスし、R202を南下。
西彼杵半島に入り、海沿いのR206からK12で半島を南西に横断する。
この道は完全2車線のルーズな峠越えで、3速⇔4速でボクスターのビートを感じながら、めちゃめちゃ気持ちよく走った。
空は朝方の雨が何かの間違いだったんじゃないかぐらいの快晴となり、陽光煌めく海を右手に見下ろしながら走り続けるR202も実に素晴らしい。
腹が減ったので道の駅「夕陽が丘そとめ」に立ち寄り、おにぎり弁当を買う。
質素ではあるが、青空の下、風に吹かれながら外で喰う弁当は実に旨い。

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このままR202を走ると長崎市街に出てしまうため、K115で暗い森を抜けて再び大村湾沿いのR206へ。
混雑する時津町を出、交通量激減の1.5車線路、入り組んだ海沿いのR207を2速メインでタイトに走る。
R57で諫早を抜け、R251から雲仙北麓の広域農道/雲仙グリーンロードへと向かう。
しかしこの道はほぼ幹線道路状態でクルマも多く、思わず「こんなの広域農道じゃない!」と罵った(←いえ、広域農道ですよ)。
そこで更に標高を稼ぎ、R389で4速メインの豪快なヒルクライムを開始。
大いに溜飲を下げた。
初めて走る雲仙の仁田峠循環道路は、1.5車線の一方通行ワインディング。
すなわち文字通りの走り放題なワケで、2速で回されたボクスターのエンジンは快音を発し続けることとなった。
普賢岳の威容が迫るパーキングからは、海に臨む島原の街を一望することもできる。
素晴らしい道だ、と心から思った。

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雲仙温泉を抜けた先から始まるR389でのダウンヒルは、実に変化に富んでいる。
明るい高原から暗い森の中へ、ルーズ&タイトなコーナー群を緊張感を維持したまま駆け下り、K30で夕陽に輝く天草灘を正面に据えながらR251に出た 。
小浜温泉の国民宿舎「望洋荘」は、素泊まり税込み2,931円の格安プラン。
ところが部屋は12畳もあってビックリ、土曜日とは言えオフ・シーズンの旅はやはり最高だ。
晩飯に近くの食堂「入潮」で喰った小浜ちゃんぽんは、海鮮の風味が素晴らしく、とても旨い。
風情のある共同浴場「おたっしゃん湯」でたっぷりと温泉に浸かりながら、楽しかった今日の走りを反芻するのであった。


■Day6

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雲仙小浜温泉の国民宿舎を朝5時半に出発し、天草灘に沿うR251を南下して口之津港に到着。
6時30分発、1便の島鉄フェリーに乗る。
30分ほどの短距離航路だが、フェリーに乗るといつも妙にワクワクするのはなぜだろう(笑)。
涼しい風を浴びながら、デッキに出てずっと海を眺めていた。

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鬼池港に着岸、天草下島に上陸。
R324を南下、天草上島へ渡り迷わずに広域農道/天草オレンジロードへと向かった。
以前も一度走っているが、完全2車線のスカイラインはクルマもいなけりゃ信号もない。
4速5速で快走しまくり、下山した。
天草パールラインと呼ばれる幹線道路をチンタラと北上し、宇土半島へ。
三角西港は明治期の建物が残り、小規模ながらレトロでいい雰囲気を醸し出していた。

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松橋でR57からR218へとスイッチ、西へ向かうが日曜日ということもあってか流れが悪い。
流れが悪いと眠くなり安全が脅かされるので脇道にエスケイプ、木陰が涼しい神社の下で休憩を取らせていただいた。
その先は国道へは戻らず並行するK153を走るが、これがまた来るんじゃなかった系の激狭山道。
路面に注意しながら走り抜け、通潤橋のパーキングに辿り着いた。
初めて訪れた通潤橋は普通に歩いて渡ることができるのだが、その高さはかなりのもので、上から見ても下から見ても迫力は満点だ。
ちなみに名物の放水は3時間後とのこと、残念ながら今回は見るのを諦めた。

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R218を東に快走し、R265に入ったところで鄙びたラーメン屋を発見。
方針に従い熊本ラーメンを食べようと立ち寄るが初めは店内に誰もおらず、休みかと思った。
ここはフランチャイズとおぼしき「味千ラーメン・蘇陽店」で、店のおばちゃんと他愛もない話をしながらラーメンを喰う。
チャーシューを仕込んでいなかったとのことで厚切りのハムが乗っていたのはご愛嬌、香ばしい熊本ラーメンをスープの一滴まで十分に味わった。

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R265で高森峠を越え、阿蘇山の巨大カルデラ内部へと入ってゆく。
R325を経由してK111で草千里ヶ浜まで駆け上がると、中岳は白い噴煙を上げていたが、幸い直接の降灰に見舞われることはなかった 。
一度山を下り、K339ミルクロードで外輪山上を快走する。
途中、何もない場所に路上駐車のクルマや人が溢れかえっており驚いたが、そこはいわゆる「ラピュタの道」への分岐だった。
数年前は誰もいなかった道なのに、今や大盛況である。
阿蘇観光のハイライトである大観峰も、さすがに日曜日とあってか大混雑。
駐車場にすら近寄れないため、手前で小休止してからK12に戻る。
周辺の道路をフラフラと走りながら北上し、大分県境を越えて筋湯温泉に到着した。

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「旅館 名山」は前回の九州GTで泊まった温泉宿。
リーズナブルで風呂も食事も良かったため、昨夜のうちに二食つきで予約して再訪することとしたのだ。
貸し切り露天風呂で袋の皺を十分に伸ばし、馬刺など山の幸満載の旨い晩飯を前回と同じ部屋で喰う。
今回も大変満足したのだが、名産と言われる肉厚のシイタケだけは、やはりどうしても喰うことができなかったのであった(涙)。

(つづく)



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コメント 8

じゅーじ

こんばんは。

いつもながら美しい写真ありがとうございます。
今回のGT、私の地元(北九州)も走られていたんですね
そして実家がある長崎方面へ

見たことある風景がたくさんで面白くもあり、懐かしくもありでした^^
さて、次はどんな所が見れるのか?
楽しみにしております。

by じゅーじ (2015-06-02 01:44) 

makoto

このブログを立ち上げられたときにコメント(操作ミスで同じ内容を2回。すみません)させて頂いた者です。
次の車を何にしようか相当迷いましたが、風景とマッチするBoxsterのサファイアブルーの美しさに心酔(?)し、ついに同色のケイマンを昨日オーダー致しました。46型と90型のALPINA b3sを乗り継いで11年ですが、ポルシェがどんな刺激を与えてくれるのか今からワクワクしています。関西方面に来られることがありましたら、あつかましいですが、できましたらツーショットをお願いしたいですね(ご一緒の走行は私の力量から言いまして無理です。笑)。
これからも美しくて心和ませる写真をお願いいたします。
by makoto (2015-06-02 10:16) 

S.T

綺麗な景色+鮮やかなボクスターの写真、ごちそうさまでした。特に角島大橋と綺麗な海の色とボクスターのバランスが刺さり過ぎました!
by S.T (2015-06-02 19:19) 

wata

じゅーじさん、こんにちは。

こちらこそ、ご覧いただきありがとうございます。
北九州から長崎方面は駆け足となりましたが、美しい海の風景と沿岸の爽快なドライブがとても印象的でした。
もう少し時間をかけて、複雑に入り組んだ海岸線を丹念に巡ってみるのも楽しそうですよね!

by wata (2015-06-02 21:52) 

wata

makotoさん、こんにちは。

そうですか、ケイマンをオーダーされましたか!
はい、機会があれば是非ツーショット写真を撮らせてください。
サファイア・ブルーはかなり派手なように感じられるものの、仰るとおり、意外と風景にもマッチするいい色だと思っています。
周囲に溶け込むことはないのですが、妙に浮く感じでもないんですよね。
ケイマンの納車、私も楽しみにしていますよ!

by wata (2015-06-02 21:59) 

wata

S.Tさん、こんにちは。

角島大橋は、ホントに画になるところだと思います。
特に晴天だと海もエメラルド色に輝いて、実に素晴らしいですよ。
私の写真などでは、その素晴らしさを1%も再現できません。
S.Tさん始め、クルマ好きの皆さんに是非一度行ってもらいたい場所のひとつです(笑)。

by wata (2015-06-02 22:07) 

銀蔵iD

そとめ、時津町 地元だあ~ 私、実家は時津町の隣町です(笑)
昭和60年代 原付やバイクで走ってたところをwataさんが走ってる~
R207なんか原付で意味もなく走ってました。懐かしいなあ(^^♪
R202も景色が良くて大好きな道でした。
実家にいたころは、車もってなかったので長崎の道はあまり走ったことがありません(T_T)今の車でサンセットウェイや仁田峠を走ってみたいなあ。
by 銀蔵iD (2015-06-02 23:49) 

wata

銀蔵iDさん、こんにちは。

なるほど、この辺りは銀蔵さんの地元でもあるんですね。
走りも景色も両方楽しめる道ばかりで、私も大いに走らせてもらいました。
よそ者の私が地元の銀蔵さんに言うのもヘンな話ですが、次回は是非ともクルマで帰省していただき、改めて走りまくってください。
あのiDing S3なら、仁田峠循環道路は無敵だと思いますよ(震)。
by wata (2015-06-03 18:36) 

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