長野県、中央自動車道/
松本ICを出たのが午前6時前。
高速上で雨に降られたりもしましたが、
R158を西に走っていくうちに幌も乾いたので、速度を落としてルーフ・オープン!
都内よりは10℃近く低いであろう爽やかな風を浴びて、ボクスターは再び加速を始めました。
通行止めとなっている旧道での
安房峠越えを断念し、有料の安房トンネルで岐阜県に入ります。
平湯温泉から
R471で下っていくと雲は薄れ始め、ところどころ青空が覗くようになりました。
晴天、冷涼な空気、緑成す山々の風景、きれいな川沿いの2車線路、交通量ゼロ。
オープン・ドライビングを楽しむ条件がすべて揃っているのですから、走らせないわけにはいきません(笑)。
5速で流せる道なのに敢えて3速⇔4速を多用、サウンドやレスポンス、パワー感、そしてシフト操作そのものを大いに楽しむことができました。
左手を流れる高原川に面して建つ鳥居を発見、旅の無事を祈ろうと立ち寄りましたが、その名を「
夫婦岩神社」と言い、川原には陰陽系の巨大な岩が・・・。
交通安全よりは夫婦円満などにご利益がありそうですので、ニーズのある方は是非お立ち寄りください(笑)。
天気予報がイマイチだった当初は素直に
R41を北上して富山県に入ろうと思っていたのですが、実際は前述の通り「走らなきゃアホでしょ」的なコンディション。
そこで川沿いを離れて山の中へと舵を切り、「飛越高原天の夕顔の道」なるファンシーな別名でおなじみの(?)
高山大山大規模林道へ突入しました。
伸び放題の夏草が左右から迫るやや荒れた無人の2車線路は、インリフト気味に駆け上がるヘアピンや高原を貫くストレートなど、変化に富んでいて走り放題です。
こんなに走って本当にいいのかと、やや不安になるレベルなのです(笑)。
頭がパーになる前に小休止、息を整えてから、県境を目指して走りました。
山奥に穿たれた
飛越トンネルは、その名の通り飛騨と越中を結ぶ道。
抜け出して少し下ったところに料金所があり、2,000円を支払って
有峰林道に突入しました。
何度か走っているこの道は、人里離れたどえらい山ん中に造られたバカでかいダム湖をとりまく、有料の林道群。
4月1日から料金が値上げされたようですが、それでもここを走る非日常感は格別で、その価値はあるものと考えます。
富山県側の夏空は岐阜県側に増して青く高く、カラッと乾いた涼風が抜群の気持ち良さ。
木漏れ日に包まれた有峰湖沿いのワインディングを2速メインで走らせ、駐車帯でイグニッションを落とせば、聴こえてくるのはそよぐ風の音と鳥の囀りのみです。
ダムを越えて
展望所へと駆け上がり、深い山に囲まれた湖面を一望しながら、以降のルートを思案するのでした。
富山方面へと下る有峰林道は二手に分かれていますが、終着場所には殆ど差がありません。
これまで毎回、距離の短い
小見線ばかり走っていたので、今日は初めて
小口川線を行くことにしました。
断崖をトレースする2速の屈曲路にセンター・ラインはなく、路面は補修跡だらけで、とても有料道路だとは思えません(笑)。
一方の小見線は改良済のキレイな快走2車線路で、しかも距離は半分です。
従って、小口川線のほうが4倍近い時間がかかるものと思われますが、それはつまり、4倍楽しめるってことですよね(←違うんじゃねぇか?)。
タフなロング・ワインディングをこれでもかと曲がりまくって、出口の料金所に達しました。
いやー、下界はむちゃくちゃ暑い!(涙)
流杉スマートICから
小杉ICまで、北陸自動車道を使って市街地をパスします。
交通量の多い
K58→K57を臥薪嘗胆の思いで走り、
K29で郊外に出たところでシフト・ダウン&アクセル・オン!
能登半島の付け根付近を横断し、石川県境を越えて走るこの道は、実に素晴らしいカントリー&ワインディング・ロードです。
トラフィックはゼロに等しく、緑の低山や里山の風景をウィンドウに流しながら、マイペースで気持ちよく駆け抜けていく。
沿道には店も何もなく、ツーリングマップルでも「おすすめの道」などになってはいない普通の県道なのですが、代わりに私が大いにリコメンドさせていただきます(笑)。
小さな町に出たところでそろそろ昼飯を・・・と思い、「近くの食堂」をキーワードにGoogle検索。
ヒットした「
一心亭」は無人の小路で暖簾も掲げずに営業しており、気づかずに通り過ぎてしまいました(汗)。
外観からの推定通り、店内は昭和感全開の極めてブイシーな雰囲気です。
客は私だけ、着座して焼き飯と餃子を発注したのですが、これが予想以上の旨さでした。
独りで店を切り盛りしているおばちゃんは、数十年前に関東からここへ嫁いできたとのこと。
当時は多くの人で賑わう街だったものの、やはり過疎化を免れることはできず、今では空き家も多いのだそうです。
それでも店は続けていくつもりだと笑うおばちゃんの旨い料理を喰いに、いつかまたやってこようと思います。
ここからは、日本海を左手に能登半島の西岸を北上していきます。
志賀町でR249から
K36へと左折、志賀原発の脇を通過して再びR249に合流。
富来からは
K49を択び、のどかな1.5車線路を気持ちよく走っていきました。
またまたR249に戻り、一度内陸に入ってから浦上で
K38へと分かれ、山の中を抜けて飛び出したのが絶景の断崖路。
強烈な夏の太陽の下、遮るもののない午後の海を眺めながら、至福の沿岸ドライブが続きました。
海側から輪島方面へとへ向かう場合、殆どの人が
R249一本で行くものと思われます。
もちろんそれが最も理に適ってはいるのですが、そこを敢えて外して海沿いの県道を行くと、思いがけず素晴らしい景色に出会うことができるんですね。
交通量もゼロに等しく、文字通り大当たりのルーティングだったと思いました。
海の風景を眺めつつ、輪島からは他車のペースに従ってR249を走ります。
半島を横断するため内陸へと向かう国道を離れ、
K28で引き続き海沿いを走りました。
ここまで、ダイナミックな奥能登のシーサイド・ドライビングを十二分に堪能してから、
K279で山間のワインディングを南下。
時刻は16時過ぎ、調子に乗って能登半島の先端近くまで走ってきちゃいましたが、夕日を眺めようと思っている
千里浜まで、ここから100km以上あることに気がつきました(汗)。
誰もいない豪快な2車線の
広域農道から、
K57→K275→K26→K303と半島中央部を縦断する県道を結び、高規格道路の
K1/のと里山街道へと走り続けます。
しかしながら途中で突然の土砂降りに見舞われることとなり、夕日は諦めてそのまま投宿地の小松市方面へと向かいました。
北陸自動車道/
小松ICを出てすぐ近くのホテル、「
ルートイン グランディア小松エアポート」にチェック・イン。
雨も上がったのでブラブラと外へ出て、最も近い飲食店「
お好みハウスよねだ」でお好み焼きを焼いてもらい、枝豆&生ビールと共に晩飯としました。
大浴場で汗を流したら、ツーリングマップルを開いて明日のルートを算段します。
もう一泊することだけは決めていたものの、どこをどう走ってどこに泊まるかは、まったくの白紙。
富山、石川と来たので、福井のほうへ行ってみようかと考えたところで自身の電池が切れ、バタンキューとなりました(笑)。
本日の走行距離は、803km。
走行時間は11時間56分、平均速度は69km/h。
平均燃費は、10.1km/lでした。
つづく。