起床→朝風呂→ハーフ・バイキングの朝飯。
会場の立派なコーヒー・マシンから注がれたのは残念ながらバリバリのインスタントだったので、部屋に戻ってドリップ・バッグで淹れ直した。
青森/秋田の県境に位置する十和田湖周辺は今朝もまた、弱い雨が降り続いている。
が、東北各地の予報を確認してみると、日本海側の秋田や山形はあまり雨が降らず、概ね曇りの予報となっている。
今は雨でも、走っているうちに幌を開けられるようになるだろう。
そう信じてチェック・アウト、ボクスターに荷物を積み込み、イグニッションをオンにした。
メジャーなR103を避け、十和田湖を背にR454のワインディングを駆け上がる。
静かな森の中の屈曲路は、雰囲気もなかなかだ。
見返峠を越えて山中を下り、K128へと右折する。
初めて走るこの道は高原と森のフラットな快走路で、たいへん気持ちがいい。
R104を左折、県境の来満峠を越えて秋田から再び青森に入り、誰もいない霧の峠道を駆け下っていく。
その先、青森県と岩手県にまたがる葛巻田子大規模林道は、今回のGTにおける目的路のひとつ。
「ツーリングマップル」上でのリコメンドもなく、色もついていないいわゆる「白い道」なのだが、マップ上の線形が大いに気になっていたのだ。
果たしてその実態は、ミドル&ショート・コーナーの続く完全2車線のワインディング・ロード。
路面も良く走り応えは抜群だが、やはり低気圧の爪痕で泥や枝葉が散乱しており、おまけに濃霧で景色も見えやしない(涙)。
いずれ、天気の良い日に必ずまた走りに来よう。
浄法寺の町中にあるエネオスでガソリンを満タンにし、R6から分かれてK30で田代平高原を走る。
霧雨が舞ってはいるものの、幌はほぼ乾いたのでトップを下ろす。
気温18度の爽快な風を受け、ますます気持ち良くボクスターを走らせた。
K227で森の中を下り、岩手広域農道を快走する。
緩いカーブと直線とで水田地帯や小さな丘を次々と越えて走り続け、R282との交点に達した。
K45から遠望する岩手山は、雲の中。
同様に八幡平の山頂も雲に覆われているのだが、お構いなしにK23/八幡平アスピーテラインで登山を開始した。
景色は望めないが路面はほぼドライ、クルマもバイクもほとんど走っておらず、ショート・コーナーとスノー・シェルターの登坂路を2速ハイペースで駆け上がる。
いやもう、最高である。
上りつめた尾根道はやはり霧に沈んでいたため、晴れていれば絶景を眺める県境・見返峠の駐車場にも寄らず、そのまま秋田県側のダウンヒルへと突入した。
途中、蒸ノ湯温泉「ふけの湯」に立ち寄る。
音を立てる噴気帯を歩いて浸かった白濁の露天風呂は開放感抜群、12年前の記憶と変わらずワイルド感満点である。
嗚呼、極楽だ・・・。
のんびりと入浴しているうちに2組3人のおにいさんがやってきて、楽しい温泉談義と相成る。
いずれも関東からの旅人で、私と同じく、ワクチンを2度接種してからクルマでやって来たのだそうだ。
「2発目の後はどうでした?」
「いやー、腕は痛いわ熱は出るわで参りましたよ」
などと副反応ネタで盛り上がるあたり、ニュー・ノーマルを実感する。
風呂から上がって走り出すと再び雨が降り始め、残念ながら屋根を閉じることとなる。
R341は、アスピーテライン分岐から田沢湖方面へと続く、大好きな山間の快走路。
ハードなワインディングをクリアし、連続するスノー・シェッドにフラット・シックスを轟かせながら、豪快に駆け下っていった。
田沢湖にも寄らずに走り続けているうちに雨は上がり、R46のパーキングで乾いた幌を下ろす。
空には晴れ間も見え始め、八幡平では14度だった気温も27度まで上がって暑いほどだ。
まったく、気温の上下が激しいGTである。
角館の手前で国道を離れ、これまた初めて走る目的路、広域農道/みずほの里ロードに突入。
この道は40kmに及んで田園地帯を貫く期待以上のロング&カントリー・ロードで、グランド・ツーリング感が炸裂する素晴らしい快走路なのだ。
無人の山中を行く大規模林道とは異なり、沿道には民家も点在し交差する道路もあるため、緑の風景の中をのんびりと走らせた。
横手からR107に入り、道の駅「さんない」でりんごソフトクリームを舐める。
ここまでに何か喰おうと思っていたのだが喰いそびれてしまい、結果、これが本日の昼飯となった(涙)。
一山越えて栗駒方面へと向かうべく、K40をどんどん走ってゆく。
が、その山越え区間が全面通行止めになっている旨の道路標識をかなり走ってから発見し、失意のUターン。
横手まで引き返し、広域農道/雄平フルーツラインを南下してR342に出た。
久しぶりに走るこのローカル国道が、私は大好きだ。
広大な水田地帯を東に走り、岩手県境へと向かうR397を分けるT字路からは、南に向かって山間の里山を快走。
その先には、2速メインで栗駒山へと駆け上がる極上のワインディングが待っているのだ。
雨ばかりのGTではあるが、このルートをドライ&オープンで走れたのは大いなる悦びである。
尾根に出て霧の中を走り、旧有料道路のK282を経てR398を南下。
これまた最高の山岳ワインディングで、ボクスターとの一体感を強く感じながらステアリングを切り続けた。
花山峠を越えて宮城県に入り、路肩の駐車場にボクスターを駐める。
今日の宿は、ここから山道を歩いた先にあるのだ。
デイ・バッグを背負い、案内の看板に従って、ホントにこの先に宿があるのか?的な深い森に分け入ってゆく。
道はほぼ登山道に等しいレベルで、マジで熊が出て来るんじゃないかと不安になりながら独り歩いた。
川を渡り森を抜け、10分ほどで湯浜温泉「三浦旅館」に到着、元気な宿犬の出迎えを受けた。
あぁ、よかった(汗)。
ここは、ランプの宿。
業務用に一部自家発電をしてはいるものの、部屋にはコンセントもなく、照明はランプひとつだけだ。
更に、ケータイの電波はまったく入らない。
恐山の宿坊は館内のみが圏外で、外に出れば通信はできたのだが、ここは宿だけでなく、付近のR398も数kmに渡り全キャリア完全エリア外という徹底ぶりなのである。
浴衣に着替えて山道を歩き、渓流に面した野趣全開の露天風呂に浸かる。
微かな硫黄の匂いが漂う小さな湯船は適温で、実に素晴らしい。
内風呂ももちろん掛け流しで気持ちよく、しかも外気温は17度前後と低いので、湯上がりでも汗がサッと引くのである。
夕食は近隣で採れるという山菜やキノコが中心で、たいへん旨い。
米は今や珍しいササニシキを、沢の水で炊いているのだそうだ。
今宵の客は、私独り。
ゆっくりと飯を喰いながら、若旦那にいろいろと話を聞く。
宿の由来や歴史、冬期休業中の雪下ろし、岩手県内陸地震と東日本大震災。
この地で湯を守り続けることの大変さが、少しだけ解ったような気がした。
部屋に戻ると、若旦那がランプに火を灯してくれた。
電気の照明に慣れた目には、とても暗い。
とても地図などが読めるレベルの照度ではなく、記事を書くのも一苦労だが、実にイイ感じである。
今夜はかなり冷え込むだろう、と若旦那。
とても8月中旬のこととは思えないのだが、もう一度内湯に入って身体を暖め、毛布を掛けた布団に入る。
再び降りだした雨の音を聴きながら、眠りに就いた。
本日の走行距離は、409km。
走行時間は6時間18分、平均速度は66km/h。
平均燃費は、9.5km/lであった。
青森/秋田の県境に位置する十和田湖周辺は今朝もまた、弱い雨が降り続いている。
が、東北各地の予報を確認してみると、日本海側の秋田や山形はあまり雨が降らず、概ね曇りの予報となっている。
今は雨でも、走っているうちに幌を開けられるようになるだろう。
そう信じてチェック・アウト、ボクスターに荷物を積み込み、イグニッションをオンにした。
メジャーなR103を避け、十和田湖を背にR454のワインディングを駆け上がる。
静かな森の中の屈曲路は、雰囲気もなかなかだ。
見返峠を越えて山中を下り、K128へと右折する。
初めて走るこの道は高原と森のフラットな快走路で、たいへん気持ちがいい。
R104を左折、県境の来満峠を越えて秋田から再び青森に入り、誰もいない霧の峠道を駆け下っていく。
その先、青森県と岩手県にまたがる葛巻田子大規模林道は、今回のGTにおける目的路のひとつ。
「ツーリングマップル」上でのリコメンドもなく、色もついていないいわゆる「白い道」なのだが、マップ上の線形が大いに気になっていたのだ。
果たしてその実態は、ミドル&ショート・コーナーの続く完全2車線のワインディング・ロード。
路面も良く走り応えは抜群だが、やはり低気圧の爪痕で泥や枝葉が散乱しており、おまけに濃霧で景色も見えやしない(涙)。
いずれ、天気の良い日に必ずまた走りに来よう。
浄法寺の町中にあるエネオスでガソリンを満タンにし、R6から分かれてK30で田代平高原を走る。
霧雨が舞ってはいるものの、幌はほぼ乾いたのでトップを下ろす。
気温18度の爽快な風を受け、ますます気持ち良くボクスターを走らせた。
K227で森の中を下り、岩手広域農道を快走する。
緩いカーブと直線とで水田地帯や小さな丘を次々と越えて走り続け、R282との交点に達した。
K45から遠望する岩手山は、雲の中。
同様に八幡平の山頂も雲に覆われているのだが、お構いなしにK23/八幡平アスピーテラインで登山を開始した。
景色は望めないが路面はほぼドライ、クルマもバイクもほとんど走っておらず、ショート・コーナーとスノー・シェルターの登坂路を2速ハイペースで駆け上がる。
いやもう、最高である。
上りつめた尾根道はやはり霧に沈んでいたため、晴れていれば絶景を眺める県境・見返峠の駐車場にも寄らず、そのまま秋田県側のダウンヒルへと突入した。
途中、蒸ノ湯温泉「ふけの湯」に立ち寄る。
音を立てる噴気帯を歩いて浸かった白濁の露天風呂は開放感抜群、12年前の記憶と変わらずワイルド感満点である。
嗚呼、極楽だ・・・。
のんびりと入浴しているうちに2組3人のおにいさんがやってきて、楽しい温泉談義と相成る。
いずれも関東からの旅人で、私と同じく、ワクチンを2度接種してからクルマでやって来たのだそうだ。
「2発目の後はどうでした?」
「いやー、腕は痛いわ熱は出るわで参りましたよ」
などと副反応ネタで盛り上がるあたり、ニュー・ノーマルを実感する。
風呂から上がって走り出すと再び雨が降り始め、残念ながら屋根を閉じることとなる。
R341は、アスピーテライン分岐から田沢湖方面へと続く、大好きな山間の快走路。
ハードなワインディングをクリアし、連続するスノー・シェッドにフラット・シックスを轟かせながら、豪快に駆け下っていった。
田沢湖にも寄らずに走り続けているうちに雨は上がり、R46のパーキングで乾いた幌を下ろす。
空には晴れ間も見え始め、八幡平では14度だった気温も27度まで上がって暑いほどだ。
まったく、気温の上下が激しいGTである。
角館の手前で国道を離れ、これまた初めて走る目的路、広域農道/みずほの里ロードに突入。
この道は40kmに及んで田園地帯を貫く期待以上のロング&カントリー・ロードで、グランド・ツーリング感が炸裂する素晴らしい快走路なのだ。
無人の山中を行く大規模林道とは異なり、沿道には民家も点在し交差する道路もあるため、緑の風景の中をのんびりと走らせた。
横手からR107に入り、道の駅「さんない」でりんごソフトクリームを舐める。
ここまでに何か喰おうと思っていたのだが喰いそびれてしまい、結果、これが本日の昼飯となった(涙)。
一山越えて栗駒方面へと向かうべく、K40をどんどん走ってゆく。
が、その山越え区間が全面通行止めになっている旨の道路標識をかなり走ってから発見し、失意のUターン。
横手まで引き返し、広域農道/雄平フルーツラインを南下してR342に出た。
久しぶりに走るこのローカル国道が、私は大好きだ。
広大な水田地帯を東に走り、岩手県境へと向かうR397を分けるT字路からは、南に向かって山間の里山を快走。
その先には、2速メインで栗駒山へと駆け上がる極上のワインディングが待っているのだ。
雨ばかりのGTではあるが、このルートをドライ&オープンで走れたのは大いなる悦びである。
尾根に出て霧の中を走り、旧有料道路のK282を経てR398を南下。
これまた最高の山岳ワインディングで、ボクスターとの一体感を強く感じながらステアリングを切り続けた。
花山峠を越えて宮城県に入り、路肩の駐車場にボクスターを駐める。
今日の宿は、ここから山道を歩いた先にあるのだ。
デイ・バッグを背負い、案内の看板に従って、ホントにこの先に宿があるのか?的な深い森に分け入ってゆく。
道はほぼ登山道に等しいレベルで、マジで熊が出て来るんじゃないかと不安になりながら独り歩いた。
川を渡り森を抜け、10分ほどで湯浜温泉「三浦旅館」に到着、元気な宿犬の出迎えを受けた。
あぁ、よかった(汗)。
ここは、ランプの宿。
業務用に一部自家発電をしてはいるものの、部屋にはコンセントもなく、照明はランプひとつだけだ。
更に、ケータイの電波はまったく入らない。
恐山の宿坊は館内のみが圏外で、外に出れば通信はできたのだが、ここは宿だけでなく、付近のR398も数kmに渡り全キャリア完全エリア外という徹底ぶりなのである。
浴衣に着替えて山道を歩き、渓流に面した野趣全開の露天風呂に浸かる。
微かな硫黄の匂いが漂う小さな湯船は適温で、実に素晴らしい。
内風呂ももちろん掛け流しで気持ちよく、しかも外気温は17度前後と低いので、湯上がりでも汗がサッと引くのである。
夕食は近隣で採れるという山菜やキノコが中心で、たいへん旨い。
米は今や珍しいササニシキを、沢の水で炊いているのだそうだ。
今宵の客は、私独り。
ゆっくりと飯を喰いながら、若旦那にいろいろと話を聞く。
宿の由来や歴史、冬期休業中の雪下ろし、岩手県内陸地震と東日本大震災。
この地で湯を守り続けることの大変さが、少しだけ解ったような気がした。
電気の照明に慣れた目には、とても暗い。
とても地図などが読めるレベルの照度ではなく、記事を書くのも一苦労だが、実にイイ感じである。
今夜はかなり冷え込むだろう、と若旦那。
とても8月中旬のこととは思えないのだが、もう一度内湯に入って身体を暖め、毛布を掛けた布団に入る。
再び降りだした雨の音を聴きながら、眠りに就いた。
本日の走行距離は、409km。
走行時間は6時間18分、平均速度は66km/h。
平均燃費は、9.5km/lであった。