朝7時過ぎ、パンデミック前と変わらぬ交通量の東北自動車道。
Yubaさんの991型ポルシェ・911カレラS、Isseiさんのポルシェ・ボクスターGTS、私のボクスターの3台は集合場所の羽生PAを出発、小雨の中を淡々と北上し、日光宇都宮道路の終着/清滝ICで一般道に下ります。
土砂降り&濃霧のR120/第二いろは坂をたくさんのクルマと共にチンタラ上がっていくのは、なかなかの苦行ではありました(涙)。
ところが中禅寺湖に沿って進んでいくうちに雨は止み霧も晴れ、頭上には青空さえ見えるようになります。
湖畔のパーキングで小休止、このまま晴れてくれることを期待しつつ、急速に乾いたボクスターの幌を下ろしました。
戦場ヶ原を過ぎて右に曲がり、4月末に冬期通行止めが解かれた山王林道に突入しました。
ガチの舗装林道ではありますが、災害復旧工事と合わせて路面の改修も進んでいるらしく、従前よりはずいぶん走りやすくなった印象があります。
とは言え、後半の深山セクションには例によって落石や枝葉が散乱しており、初めて走ったというお二人にはなかなかのインパクトだった模様です(笑)。
K23に出てアクセル・オン、泥だらけの3台は川俣湖に架かる橋を渡ったところでひとやすみ。
走っていれば気にならないレベルの霧雨が、ボクスターのコクピットを静かに濡らしていました。
改良済のK23を東に走り、そのままR121に合流するかと思いきや、パイロットのYubaさんはK249へと左折。
土呂部の集落を抜け、ゴリゴリのワインディングで峠を越えて湯西川温泉へと下っていきます。
巨大な橋と長大なトンネルとで造られたバイパスで湯西川湖沿いを快走してから、R121で針路を北に取りました。
程なく昼飯時となったため、沿道に蕎麦の看板を掲げるいくつかの店の一軒「そばの宿 まるみの湯」に立ち寄ります。
鴨肉と茸のつけ汁に浸して喰う蕎麦は望外の旨さで、それは大盛りにすべきだったと軽く後悔するレベル。
この近辺、日光市の三依地区は「みよりそば街道」と呼ばれているようなので、いずれまた喰いに来ようと思います。
福島県を目指してリスタートするも、先頭のカレラSは県境の手前でR400へと右折し、那須塩原方面へ。
再び降り出した雨に2台のボクスターは幌を上げ、K30→K17と観光客の皆さんに交じってチンタラ走行を堪能しました(涙)。
マジで就寝間際まで追い込まれましたが、K290/那須甲子道路へ入れば交通量はゼロとなり、一気に目が醒めます。
降りしきる雨の中、マイペースを取り戻した3台は、テクニカルなワインディング・ランを大いに楽しみました。
が、雨水が流れているような路面になると、ボクスターの接地感がやや曖昧に感じられるようになります。
これはおそらく、昨年の秋に履かせたタイヤ、ファルケン・アゼニスFK510の摩耗が進んでいるためでしょう。
休憩時にチェックしたところ、フロントはスリップ・サインに達する寸前であり、リアに至っては4本のサインがすべて露出済。
更にそのトレッド中央付近では、排水を司るセンター・グルーブそのものが消失しつつあったのです(汗)。
福島県に入り、R289からK347を経てK131で大内宿を通過。
誰もいない大内ダム湖畔の四阿[あずまや]で、Yubaさんがコーヒーを淹れてくれました。
ガスコンロで湯を沸かす傍ら、深めにローストされたエチオピア産の豆をハンド・ミルでゴリゴリと挽いているうちに、早くも素晴らしい香りが漂い始めます。
しかしながら出来上がったコーヒーは少々薄く、Yubaバリスタによれば豆量と湯量とのバランスを誤ってしまったとのこと。
「明日、キッチリとリベンジさせてもらいます」と言う彼の眸[め]には、メラメラと燃える焙煎の炎が宿っていたのでした(震)。
時刻は16時過ぎ、そろそろ裏磐梯の宿へと向かいます。
ここからは私が先頭に立ち、Isseiさんからの「ケツが大きく滑った」とのトランシーバにビビりながら(汗)、雨の中を会津若松まで下っていきました。
宿への最終アプローチはかつての有料道路、K64/磐梯山ゴールドライン。
走り応えのあるヒルクライムなのですが、全面ウェット・コンディションで、ツルツル・タイヤのボクスターからは、「あまり飛ばすんじゃねぇよ」的なインフォメーションがシートやステアリングを通じてビシビシと伝わってきます。
ということで、途中のパーキングからは最後尾に回り、お二人には先に行ってもらいました(涙)。
曽原湖の奥にある「裏磐梯ペンション やまびこ」は、ログハウス風の立派な建屋。
今日の宿泊客は我々ともう一人だけだとのことで、和室+洋室のコネクティング・ルームを使わせてもらいました。
石造りの大きな風呂にとっぷりと浸かったら、お楽しみの晩飯です。
野菜のスープやサーモンのグラタン、ビーフシチューなどなど、いずれも素晴らしい味付けでボリュームも満点。
今回は食事にこだわって宿を選んだというYubaさん、さすがです(笑)。
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翌朝も、雨・・・。
しかしながら天気状況や雨雲レーダーをチェックしてみると、雨が降っているのはどうやらここ裏磐梯周辺だけのようです(汗)。
ということで早めに山を下り、東へとトラバースしてから南下する旨、Yuba隊長が判断。
朝風呂→朝飯→チェック・アウト、最寄りの出光/裏磐梯SSで各車ハイオクを満タンにしてから、K70/磐梯吾妻レークラインに突入しました。
裏磐梯エリアでも屈指の大好きなドライビング・ロードなのですが、コンディションはハード・ウェット。
あっという間に見えなくなった2台を追いかけることもできず、度重なるPSM[ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム]のサポートを受けながら、ビビリまくりのトレースを続けるのでした(涙)。
R115沿い、道の駅「つちゆ」でのブレイクを経て、R459で二本松方面へと下っていくと、雨は徐々に止んできます。
混雑する市街地を町道や広域農道などで迂回し、一行はK40で南下を開始しました。
今日は主にこのK40をフォローしていくと事前にYubaさんから聞いてはいましたが、なるほど交通量の少ないカントリー・ロードで、実に気持ちよく走り続けることができます。
幌を下ろし、風を浴び、加速する911カレラSとボクスターGTSのテールを追って、ガス・ペダルを踏み込みました。
いったんK40を離れ、立派な橋が架かる人造湖の先で小休止。
今朝ほどまでのウェット・ドライブとは異なり、とにかく一緒に走れるようになって嬉しい限りです。
そう、道が乾いてりゃこっちのもんです(←調子に乗るなって)。
K40を軸としたドライブは続きます。
パイロットのYubaさんはトラフィックの多寡を見て臨機応変に道を変えてくれるため、ペースが落ちることはありません。
私も混雑を避けて積極的にリルートをかける方ですが、町道・村道レベルまで躊躇なく使うYubaさんは、明らかに一段上を行っていると思います(笑)。
昼飯はコンビニ飯でいいや、ということになり、ローソン棚倉堤稲田店で握り飯などを仕入れた一行は、K60で栃木県への越境を図ります。
比較的なだらかだった道は県境の峠を越えるとタイト&ナローとなり、桜樹の立ち並ぶ山中を3台は下っていきました。
コンビニのおにぎりもインスタントのスープも、ロケーションによって格段に旨くなることを改めて実感しました。
そして、Yubaさんがコーヒーを淹れてくれます。
メタル・フィルターにふんわりと盛られた挽きたての粉に、銅製のドリップ・ポットから湯が丁寧に注がれていく様を観ていると、何とも言えない多幸感に包まれるんですねぇ。
今回は豆量も湯量もバッチリとのことで、いただいたコーヒーは香り高くコク深く、そりゃもう旨いったらありません。
ごちそうさまでした!
道の駅「東山道伊王野茶屋」に立ち寄ってから、汚れ放題の3台は最後のスペシャル・ステージに向かいます。
福島・栃木・茨城の県境に聳える標高1,000m余の八溝山は、それぞれの県から山頂へとアプローチできるのですが、福島県からのK377は災害による長期通行止めの看板が立っていることを既に確認済。
そこで栃木県側から登頂すべくK28へと進入したものの、狭隘路の路面は酷く荒れており、とても我々のクルマで走れるような状態ではありませんでした。
残された最後の茨城ルートは、県境の向こう側。
K28を反対方向の大子方面に向かい、リアル1車線のハードな峠越えを経て、ようやく八溝山の登山口に辿り着きました。
二人に遅れをとらないよう、容赦なく続く羊腸のコーナーではボクスターのギアを1速まで落としてアクセルを入れました。
誰もいない夕刻の山頂展望所で登頂感を堪能したら、K248で下山を開始します。
これまた強烈なワインディングなのですが、この道は開通してからまだ7年と比較的新しいこともあって、路面はまずまず良好です。
前を行くIsseiさんのボクスターGTSからスポーツ・エグゾーストの破裂音と共に放たれる石礫[いしつぶて]をフロント・ウィンドウにバチバチと浴びながら(汗)、楽しく駆け下っていきました。
山を下り、日が沈むと、辺りは急速に暗くなっていきます。
腹を空かせてK28からR118を南に下っていくのですが、20時を過ぎると開いている店はほとんどありません。
そんな中、国道沿いで暖簾を掲げている「手打ちそば 泉里」を発見!
それぞれが蕎麦や天丼をペロリと平らげてから、蛙の合唱が響く店の前で解散となりました。
私はそのままR118を走り、水戸北スマートICから常磐自動車道へ。
渋滞に遭うことも無く、22時過ぎに無事帰着することができました。
2日間の走行距離は、923km。
走行時間は15時間27分、平均速度は61km/h。
平均燃費は、10.2km/lでした。
いやはや、よく走りました!
Yubaさんの企画に乗っかり、ついていっただけではありますが、キッツいワインディングからハイペースのカントリー・ロードまで、走りすぎだろっつーぐらい走らせてもらうことができました。
おかげさまでボクスターのタイヤも完膚無きまでに使い切ることができ、帰宅後直ちに新品交換の手配をさせていただいた次第です(笑)。
Yubaさん、Isseiさん、2日間どうもありがとうございました。
いつかまた、一緒に楽しく走りましょう!
【追記】
Yubaさんが、カッチョいいムービーを創ってくれました。
是非ともご覧ください!
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