入浴開始時刻に合わせ、5時半に起床。
昨夜痛打した左足がズキズキと痛むが、旅を妨げる程のものではなさそうだ。
足を滑らせないよう慎重に風呂へ入り、朝飯を喰ってチェック・アウト。
肌寒い曇り空の下、R316に出て長門湯本温泉を後にした。
K31からK239のワインディングを経て、北側から秋吉台にアプローチする。
無数の石灰岩が顔を出すカルスト台地には冷たく湿った風が吹き、雨が混じったかと思ったら雲間から太陽が顔を出す。
そんなK242/カルストロードをボクスターは気持ちよく、何度も走った。
パーキングで声をかけてくれたのは、下関から来たというシニア・ライダー。
ご自身もE85型BMW Z4を手直ししながら、永く乗られているとのことだ。
良い旅を、と互いに声をかけて別れた。
天候はまだ不安定なようだが、途中の時雨にも負けずにオープンを貫いて走る。
しかし交通量が増えてきたためK267へとエスケイプ、2車線の快走路はK65へと続き、その先の広域農道は文字通りの走り放題であった。
R491を南に走ると、豪快な2車線路は途中から急激に狭くなり、ガチの1車線路で深い山を探るようになる。
川棚越から分かれたK260は途中から道幅が広くなり、風力発電機を眺めつつ海へと駆け下った。
R191/長門ブルーラインで海沿いを北にクルージング。
風はやや強く、白波の立つ響灘を左手にのんびりと走ってK275を左折し、K276で久しぶりに角島大橋を渡る。
曇り空を映す海の色は鮮やかとは言い難いものの、それでもキレイな海の上を走るのは実に気持ちがいい。
休日には渋滞するほどの人気となったようだが、それも無理はないな・・・と改めて思った。
針路を東に変えたR191をトレースし、K66を左折。
すっかり晴れた空の下、静かな油谷湾に沿って走り、山中の農免農道を快走して本州最西北端の川尻岬に達する。
強い風の中、ボクスターを停めて少し歩くと、群青の海が岬の岩肌に白く砕け散っていた。
来た道を引き返し、途中からリアル1車線のK356で山から海へと下っていく。
大浜の海水浴場から望む日本海は、午後の陽光を浴びて文字通りのコバルト・ブルーに輝いていた。
引き続きK66で断崖探訪を続け、元乃隅神社に到着。
クルマ仲間のShimaさんに連れてきてもらったのはもう6年も前のことだが、ここも観光地化が進んだらしく、当時は無かったゲートつきの大駐車場ができていてビックリだ。
COVID-19対策のため、海に向かって立ち並ぶ鳥居の参道は閉鎖されていたが、その先の岩場に荒波が打ちつける様は実に迫力があった。
飯も喰わずに走り続け、もう14時を大きく回っている。
よくある「朝食で満腹⇒昼飯を喰いそこなう」パターンだが、周辺に喰いもの屋も無さそうなので、夕食まで我慢することにした(涙)。
「じゃらんネット」で今宵の宿を萩市に取り、ドライブを続ける。
千畳敷で空と海の風景を眺めてから一気呵成のダウンヒル、K66からR191に復帰するも、すぐに三隅からK64へと突入する。
山陰本線と絡む断崖の屈曲路は狭いながらも実に楽しく痛快で、やはり6年前にShimaさんと走り倒したことを思い出した。
しかし三見から先は極端に狭くなり、路面も悪く慎重に走らざるを得なくなる。
落石もそこここに転がっており、こんなところでバーストしたらシャレにならない。
いくつか越える踏切もガタガタで、腹を打って動けなくなったところに列車がやってきたら死んじゃうな、と思わせられるレベルである。
来るんじゃなかったと後悔しながら走り続け、ようやくR191に戻る道を見つけて心底安堵した。
17時、萩市の海沿いに建つ「リゾートホテル美萩」にチェック・イン。
水道を借りてボクスターを軽く洗い、屋根付きのパーキングに駐めさせてもらった。
朝食つき6,600円のプラン、例によっていちばん安い和室の6畳間だが、十分に寛げる。
晩飯は久しぶりに洋食を喰おうと考え、徒歩5分のレストラン「サンマルコ」でビーフドリアを発注。
熱々でとても旨く、ビールとの相性も抜群であった。
宿に戻り、露天風呂でリラックスしたら、部屋で独り作戦会議。
明日は天気も安定し、春本番の陽気になるという。
さ~て、どの道を走り回ってやろうかちくしょうめ。
本日の走行距離は、253km。
走行時間は5時間17分、平均速度は49km/h。
平均燃費は、10.3km/lであった。