晴天の週末、房総半島を軽~くドライブしてきました。
早朝にも関わらず、東京湾アクアラインは渋滞一歩手前の状況。
そのトラフィックも木更津JCTで3分割され、館山自動車道でボクスターはマイペースを取り戻します。
放射冷却のためでしょう、君津PA付近は都内よりも圧倒的に冷え込んでおり、外気温は氷点を割るところまで下がっていました。
もちろん、気温の低さは幌を閉じておく理由にはならないので、躊躇なくルーフ・オープン。
ヒーター&シート・ヒーターの温度を上げ、くたびれた手袋を嵌め、スポーツ・モードのスイッチを入れて、スマートICから一般道に出ました。
霜の影響か、ところどころハーフ・ウェットな路面を慎重に走りましたが、暖かな森の中に入れば、安心してアクセルを開けることができるようになります。
朝陽の射す九十九谷展望広場には何台ものキャンピング・カーが駐まっていたため、就寝のお邪魔をしてはいけないと思い、早々に撤収。
K93で短いダウンヒルを楽しんでからR465を東に走り、もはやホーム・コースとなりつつあるK88で南下を開始しました。
広狭混在の山間路は交通量もゼロに等しく、実にいい気分での独走状態が続きます。
季節や天候を問わず必ず滑る、と恐れられていた「しいたけ村コーナー」もすっかり改修され、グリップを喪うことなく抜けていけるのですが、それはそれでちょっと寂しい気がするのは、無いものねだりの子守歌(『東京ららばい』by中原理恵)。
走っているうちに気温はぐんぐん上昇し、早くも10℃を超えてきました。
広域農道/安房グリーンラインは、房総半島隋一の快走路です。
以前に比べればクルマやバイクが増え、時には観光バスを見かけたりもするものの、この時期&この時間帯であれば大丈夫。
シフトを下げてガス・ペダルを踏み込めば、MA122型2.7リッター水平対向6気筒エンジンは一気呵成に叩き上がり、屋根のない空から艶のある素晴らしいサウンドを聴かせてくれます。
最後のトンネルを抜けた視線の先には、律儀に定規で引いたかのような水平線。
暖かく柔らかな風が吹く名倉海水浴場にボクスターを停め、輝く太平洋を眺めながら、しばし「走った感」に浸るのでありました。
なので、ここをゴールとして安房グリーンラインを戻るのですが、朝から飲まず喰わずで走りっ放しなもんですから、すっかり腹ペコとなっています。
と言うことで途中のパーキングに立ち寄り、スマートフォンで昼飯処をチェックしたりしていると、「おや?」
爆音と共にやってきた2台のホンダ・S2000、うち1台から降りてきたのは、クルマ仲間のSho-zさんでした。
今日はお友達と一緒に房総半島へ走りに来たとのことですが、以前も南伊豆のあいあい岬や信州のビーナスラインなどでもバッタリと遭っていますから、同じ穴の狢にも程がありますよね(笑)。
ハード・トップや無限のリア・ウィング、ブリヂストン・ポテンザRE71Rなどで武装したオレンジのS2000のオーナー・ドライバーさんも、なんと私のBlogをご覧いただいているとのこと。
いや~、ホントにありがたいことだと思います。
3台を囲んで楽しく話をしていると、「あれ?」
全世界限定99台のALPINA B3 GT3で現れたのは、やっぱりクルマ仲間のroot-tさん。
北関東の山々は雪でクローズだから房総へ走りに来た・・・というのはわかりますし、私も冬はよく房総を走るのですが、それにしてもビックリです。
ちなみに前車のALPINA B3時代にはroot-tさんのALPINAロードスターとの邂逅もハンパ無く、関越自動車道の本線上や筑波山のワインディング、果ては山深い奥利根の坤六峠で出くわすなど、それはもはや偶然ではなく運命[さだめ]のレベルです(汗)。
しかしまぁ、よくこんなところに4台も集まりましたねぇ。
まったく、大黒PAじゃないんだから(笑)。
南へ向かう皆さんとお別れし、ドライブを再開します。
朝の寒さはどこへやら、青い空からは春のような陽射しが降り注ぎ、菜の花畑の黄色が眩しいほどです。
広域農道の先は、K88にスイッチ。
往路と同じ道ではありますが、南行きと北行きとではアップ・ダウンもコーナーの表情も異なり、また新鮮に走ることができるんですよね。
引き続きクルマも少なく、実にいい感じです。
しいたけ村コーナーの改修路面をチェックしていると、1台の987型ポルシェ・ケイマンが、その曲率や高低差をものともせずに駆け抜けていきました。
恐らく同じクルマが快走している姿を安房グリーンラインで目撃していたこともあり、勝手なシンパシーを抱きつつK34/長狭街道からK182へ右折しようとすると、目の前にそのケイマンがいるではありませんか。
と思った次の瞬間、ケイマンは連なるコーナーの向こうへあっという間に消えてしまいました(汗)。
今日初めてスポーツプラス・モードにセットしたボクスターで後を追いましたが、もうまったく歯が立ちません。
その一方、ケイマンは前走車に追いついても無理に抜くようなことはせず、十分に見通しの良い直線まで待ってから、安全かつ一気にオーバー・テイク。
終着の交差点で分かれる際、そんなファスト&ジェントルなドライバーさんに敬意を込めて会釈をすると、彼も小さく手を上げて応えてくれました。
いや~、最高です!
空腹が限界に達したタイミングで、佐貫町にある目的の店に到着。
「フレッシュマート三平」はどう見ても普通の肉屋さんなのですが、店の脇にかかっている暖簾をくぐると7-8席の小さなカウンターがあり、食事ができるようになっているのです。
酒屋ならぬ、「肉屋の角打ち」って感じですね。
予想以上のディープな雰囲気にテンションが上がってしまい、店でいちばん高い2,000円のサーロインステーキをごはんセット付きで発注!
「食事代を節約する」との誓いを1ヶ月もしないうちに破ってしまいましたが(汗)、レモンの風味を効かせたボリューム満点のステーキは味わい深く柔らかく、これなら他のメニューも旨いに違いありません。
私と入れ替わりに、家族連れ4人組(常連だそうです)とライダー3人組とが立て続けにやってきたことも、その証左だと考えます。
また来ようと心に決め、店の名物だという大きな肉団子を晩飯用に買いつけて、大満足のうちに帰路に就きました。
本日の走行距離は、278km。
走行時間は4時間08分、平均速度は69km/h。
平均燃費は10.3km/lでした。
独りで軽~くドライブに行っただけなのに、思いがけずクルマ仲間と楽しく話すことができ、見知らぬドライバーさんの走りに感服し、肉屋のカウンターでステーキに舌鼓。
実走わずか4時間、300kmにも届きませんが、図らずもイベント盛りだくさんのショート・ドライブとなりました。
これだから、走るのはやめられないんですよねぇ(笑)。