夜明け前の関越自動車道に雨はまだ落ちていませんが、予報にも関わらずたくさんのクルマが走っていてちょっとビックリ。
そんな状況下で大人しく6速での定速走行を続けていると、市街地走行時と同様、やはり乗り心地の良さが際立ちます。
藤岡JCTから上信越自動車道に入れば、交通量は激減。
アクセルを開け、それまでゼア(Their)ペースを強いられていたボクスターをマイペースで走らせます。
で、コレがもう「おぉ~!」っと声が出ちゃう程の素晴らしさ。
速度を上げるに従ってその乗り味はますます滑らかになり、ロード・ホールディングやスタビリティも抜群です。
ダンパー交換直前でも不満は無かったのですが、流石に新しい脚は一枚上手で、同じ速度域でもスピード感は明らかに低くなりました。
これはハードウェアの刷新と併せ、
サンライズブルバードでサスペンション・アライメントをセットし直してもらったことも大きいのでしょう。
なお高速道路においては、(マイペースで走るレベルであれば)PASM[ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム]のシャシー・モードはノーマルで十分です。
コーナーに入っても体感的なロールは極めて少なく、それでいて硬さは微塵も感じられません。
アフター・マーケット製品とは言え、やはりダンプトロニックはPASMにバッチリ適合しているのだな・・・と得心した次第です。
下仁田ICでアウト、R254沿いのセブン-イレブンでコーヒーを飲みつつ気象情報をチェック。
南関東では既に雨が降り始めているものの、群馬県は冷たい曇天ながら案の定、降水の心配は無さそうです。
ことここに及び、今日は妙義/榛名/赤城の「上毛三山」を行脚することに決定しました。
まずは連続するコーナー群とキャッツ・アイに護られたK196で妙義山を駆け上がり、広大な妙義公園駐車場でひとやすみ。
松井田までのツイスティなダウンヒルを楽しんだら、K33で再び山の中へ突入します。
この道はマイナーながらアスファルトの改修も徐々に進んでおり、地蔵峠を越えるワインディング・ドライブを大いに堪能しました。
倉渕のJA-SSでガソリンを満たしてから、お次は大好きな榛名西麓広域農道。
落ち葉が散乱していたり、いつものクリッピング・ポイントにいつものように砂が溜まったりしていましたが(汗)、2速⇔3速で楽しく走ることができました。
その先はK28/通称「裏榛名」、登坂車線つきの中高速コーナーで豪快なヒルクライム。
標高に比例して外気温はぐんぐんと下がり、山頂の榛名湖では氷点下1℃をマークしていました。
確かに寒いのですが、そのおかげで山坂道には誰も走っていないのだと思われます(笑)。
タイト・コーナーでのボクスターは、ロール・スピードが明らかに遅くなっています。
ピッチングについても同様で、加速時/制動時のノーズ・リフト/ダイブはほとんど看取されなくなりました。
そのためか、四輪の接地感が大きく向上したような印象があり、例えば妙義山への上りヘアピンで必要以上にパワーをかけても、インリフトを喰らうようなことはありません。
更にPASMをスポーツ・シャシーにセットすると、感覚的にはもはやゼロ・ロール&ゼロ・ピッチ。
その代償として、荒れた路面からのキックバックを甘受することとなりますが、ダンパー交換直前に感じられた僅かなラグは解消されており、文字通りダイレクト感に満ちたハンドリングを楽しむことができるようになりました。
K33で榛名山を下り、関越道を越えてR353から赤城西麓広域農道を北へ。
沼田まで走って、R120/上州沼田とんかつ街道沿いの「
とんかつ金重」で昼飯です。
ここは
今年の春に初めて訪れており、分厚いロースかつに舌鼓を打ちまくった店。
年を取ると、脂身の少ないヒレかつ系にしようと思ったりもするのですが、旨い豚肉はその脂身がまた旨いんですよねぇ。
そんなワケでやむを得ず「奥利根もち豚ロースかつ定食」をオーダー、分厚いのに柔らかい肉と甘みのある脂身を、心ゆくまで味わったのでした(笑)。
上毛三山行脚、最終ステージは赤城山。
冬期通行止めに入っていないことを確認し、北麓のK251で山頂を目指します。
ここまでのドライブで燃費は8km/l台にまで落ち込んでいましたが、お構いなしにアクセル・オン。
ライダーに人気のこの道も、路肩に雪が残るほどの寒さだからでしょう、さすがに誰も走っていませんでした。
山頂、静かな湖畔にボーッと佇んでいると、氷のような冷たい風が吹いてきて、身も袋も一気に収縮。
こりゃ堪らんとリスタート、大好きな羊腸路のK16が災害通行止めとなっていたため、南麓のK4をのんびり下っていきました。
広域農道/からっ風街道を経てK16で再び山に入り、滝沢温泉に到着。
赤城山中腹に佇む「
滝沢館」の露天風呂は川沿いに設えられており、ちょいと温めで実にイイ感じです。
袋が弛緩しまくるままに任せ、30分近い長風呂を楽しませていただきました。
浴後はR353で桐生まで出、栃木県境を越えてK218-K219-K284とローカル県道を初走行。
足利ICから北関東自動車道に乗り、雨の上がった都心方面へと東北自動車道を走りました。
ちなみにK284の馬打峠は、その名から想起するイメージ通りの屈曲狭隘山坂道。
もちろん、キライじゃありませんよ(笑)。
本日の走行距離は、496km。
走行時間は8時間21分、平均速度は61km/h。
平均燃費は、9.8km/lでした。
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ということで、組み替えたダンパーのランニング・インを主目的に、上毛三山を走ってきました。
1日で妙義山/榛名山/赤城山の三山を走ったのは恐らく初めてですが、雨/雪の予報や寒波が幸いしたのでしょう、ほぼすべての山坂道で前走車のいないマイペース・ドライビングを楽しむことができました。
そのおかげで、ビルシュタイン・B6ダンプトロニックのキャラクターを、自分なりに理解することができたと思っています。
今回のドライブでは、ハイウェイやカントリー&ワインディング・ロードを問わず、その乗り味の向上に唸りっぱなしでした。
しかしそれは劣化した純正ダンパーと脳内で較べているからであり、その「新品効果」を超えてこれまでと明確に違うと感じるところはありませんでした。
メカニズムの面でも、このB6はビルシュタインお得意の単筒型ではなく、純正ダンパーと同様の複筒型。
そもそも純正品のサプライヤーはビルシュタインですし、ポルシェ社と共にPASMを開発し調律しているのも同社です。
結果、4本のダンパーの減衰力をリアルタイムで制御し、操縦性能と快適性能とを高いレベルで両立させた素晴らしい乗り味は、どちらも変わらないと感じました。
従って私は、B6ダンプトロニックはポルシェ純正PASMダンパーと実質的に同じだと思っています。
・・・ま、実際のところはどうだかわかりませんけどね(笑)。
いずれにせよ交換して良かったと思っていますし、これでまた、ボクスターを走らせるのが一層楽しくなりました!