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2018年9月の初旬、勤務先で年に一度の健康診断を受けたときのことです。
各種の検査を一通り受けて最後に問診があるのですが、聴診器を当てた先生から「心雑音がある。すぐに専門医の診断を受けるように」と言われました。
心雑音の所見は前々回の健康診断から出ていたものの、これまでは経過観察レベル。
自覚症状もなく、そもそもがビンビンの健康体である私は気にも留めていなかったのですが、今回は念のため、会社近くの町医者へ行ってみました。
診断結果は、「僧帽弁閉鎖不全症」。
心臓にある4つの弁のうち、肺から戻ってくる動脈血を左心房から左心室へ送る流路に設えられた僧帽弁がキッチリと閉まらず、血液が逆流しているというのです。
重度になると命にかかわることもあるとは言え、この町医者の見立てでは「軽度。経過観察でOK、薬も不要」。
ホンマかいな・・・と思っていたのですが、その後しばらくすると動悸や息切れ、不整脈などの症状を、少しずつですが自覚するようになり始めます。
で、12月中旬から総合病院の循環器科へ通院。
精密検査を受けた結果、血液の逆流が進行していることがわかりました。
薬で症状を抑えることはできますが、物理的に弁がブッ壊れているため、治す方法は手術しか無いのだそうです。
そんなわけで、心臓外科手術を受けることに決めてしまいました(汗)。
総合病院で紹介状を書いてもらい、2019年1月下旬からは循環器内科&心臓血管外科の専門病院へ通院。
5月末に入院し、6月初旬に手術を行いました。
手術は成功、破損していた僧帽弁は置換の必要はなく形成術にて修復してもらい、使用した血液もすべて貯血していた自己血で賄うことができています。
術後の各種バイタル・データも順調に推移しているため2週間ほどで退院、1ヶ月弱の自宅療養&リハビリテーションを経て、7月の第3週から無事に復職することができました。
しかしながら肝心のクルマ生活についてはまだ復帰できておらず、6月以降、ボクスターに乗れない状況が続いているのです(涙)。
今回の手術は正中切開、つまり胸の真ん中にある胸骨を縦に割って心臓部にアクセスしています。
割った胸骨はワイヤーで縛られており、20cmほどの傷もキレイに縫合してもらっているのですが、胸骨が完全にくっつくまで3ヶ月程度かかるため、それまではクルマ等の運転をしてはならない、と言われているのです。
乗らずにいられるか!とばかりに禁を破ってみたものの、ボクスターに乗り込む動作からシート・ベルト装着、シフト操作、ステアリング・ワークに至るまで、何をするにもいちいち胸部が痛みます。
更に、タウン・スピードのレベルでも加減速旋回の度に痛みが走るため、近所を一回りしただけで脂汗をたらしながら撤収。
やはり医師の言う通り、胸骨が完治するまではクルマを運転しちゃいけないんですね・・・。
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本件が発覚してから、心のどこかに「いつかブッ倒れて、二度とボクスターに乗れなくなるんじゃないだろうか」との不安が芽生えるようになりました。
それならば走れるうちに走ろうと、昨年9月には
東北を、11月には
九州を、今年の3月は
紀伊半島、GWは
中四国をそれぞれ思い切り走っています。
その他の週末も仲間と、或いは独りであちこち走り回り、入院直前には長期の不動に備えて
バッテリーを交換。
締めくくりとして、手術の前々日に病院から外出許可をもらって
大黒PAへ赴き、お越しいただいた方々に事情をお話しすることができました。
やりたかったことをやってから手術に臨んだワケですが、結果として再びボクスターに乗れる目途が立ったことを、心から嬉しく思っています。
完治まで、大人しくしています(笑)。
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今般の入院手術に際し、大黒でお会いした皆さんやSNS等で本件を知った方々から、たくさんの励ましのお言葉をいただきました。
本当にありがとうございました。
また大変嬉しいことに、何人かのクルマ仲間は入院中にお見舞いに来てくれたりもしています。
ちなみにお見舞いの品はやはりクルマ関連の書籍が多く、『サーキットの狼Ⅱ モデナの剣(全25巻・汗)』『GT roman』などのコミック、『CAR GRAPHIC』『ニューモデルマガジンX』などの月刊誌から、リアリティ炸裂のムック本『
酷道をゆく』まで多種多様。
おかげさまで、クルマの無い入院生活を楽しく過ごすことができました。
が・・・。
コレどーすんのよ、Shimaちゃん(汗)。