空は快晴、ボクスターはいつものようにルーフを開けたまま、気持ちよく走り続けています。
上信越自動車道を分ける藤岡JCTを過ぎると、交通量は一気に減少。
私は特に飛ばすわけでもなく3車線のうち中央をメインに走り、低速の前走車が現れると追越車線に出て安全にブッコ抜き、また中央車線に戻るという、ごく当たり前のハイウェイ・クルージングを続けていました。
と、高崎IC付近で8時方向の上空にヘリコプターが飛んでいるのを確認。
関越道と並行、つまりボクスターと併走する形で、雲一つない青空を驀進しています。
どこへ行くのか知らないけどヘリも気持ちよさそうだな、オープンカーじゃなかったら屋根に遮られて気がつかなかっただろうな・・・などと考えながらヘリに大きく手を振って、そのまま走り続けました。
ところが、前橋ICを過ぎてもヘリの相対位置はまったく変わっておらず、速度も進路もボクスターに合わせて飛び続けている模様。
おもしろいなぁと思いつつもう一度手を振ったのですが、これはひょっとして、ヘリの女性パイロットが私を見初めてランデブー飛行を続けているのではないだろうか、そうだ、そうに違いない、と言うことは、どこかのICで下りて広い場所で待っていればヘリコプターも降りてきて、ドアを開けヘッドセットとサングラスを外しながら出てきた峰不二子バリのすんごい美人の操縦士が「ヘリはコ-パイロットに任せるから貴方の助手席に乗せて下さらない?」と言いつつピッチピチなパイロット・スーツの胸元にきらめくチャックに手をかけて嗚呼ッ!(発射)
・・・いや、警察のヘリじゃねぇのか?(汗)
少し前、TVのニュース番組で、静岡県警察が新東名高速道路の上空にヘリを飛ばして違反車両を取り締まっている、との報道がありました。
いわゆる「あおり運転」を撲滅すべく、ヘリが違反を発見すると連絡を受けた地上のパトカーが急行してとっ捕まえるというもので、実際に何台かが検挙されている模様です。
そんなことを思い出し、まさかと思いつつ自身の走りを振り返ってみましたが、あおり運転を疑われるような疾しいことは一切しておりません。
いや、そもそも今日の関越道はガラガラで、意味もなく低速で追越車線を走り続ける車両通行帯違反のアホグルマさえいないのです。
なので、たとえ警察のヘリだとしても私がマークされる理由はありませんし、ましてや捕まる謂れ[いわれ]などまったく無いのですが、どうにもイヤな予感がしてならないんですねぇ。
そこで念のため、渋川伊香保ICの先で登坂車線に入り、前のクルマと同じ制限速度80km以下のスピードで緩い左コーナーを走りながらバック・ミラーをチェックしていると、
おっと、おいでなすった!(汗)
フロント・グリル内部に二つの小さな警光灯を明滅させながら、猛烈な勢いで白いトヨタ・クラウン・アスリートが登場。
走行車線、ボクスターの5時方向にピタリとつけてしばらく併走してから、反転警光灯を回しサイレンを鳴らしつつこちらの前に出て、後に続くようハンド・マイクで呼びかけてきました。
憐みと蔑みの眼差しで抜いてゆく他のクルマに軽く手を挙げながら覆面パトカーの指示通り走り続け、赤城PAに連れ込まれた52歳。
さてどうしてくれようか・・・と考えましたが、自分には検挙される理由がなく、かつ相手も今のところルールに則って正々堂々と(?)捕まえに来ているので、まずは「全面的に協力する」との方針で臨むこととしました。
覆面パトカーの助手席から出てきたのは、お笑い芸人のぐっさんこと山口智充をややスリムにしたような、爽やかな印象の警察官。
こちらもボクスターを降りて免許証を差し出し、互いに自己紹介を済ませます。
ドライバー役の警察官は腕を組んで少し離れたところに立っており、上空ではローター音を轟かせてヘリコプターがゆっくりと旋回していました。
ぐっさん「お忙しいところ恐れ入ります!なぜ停められたか、おわかりになりますか?」
wata「(ヘリを指さして)あれですよね?」
ぐっさん「(やや喰い気味に)そう!そうなんですよ!あれは警察のヘリでして、違反車両を見つけると地上のパトカーに連絡するようになってるんです」
wata「じゃ、私は何の違反で捕まったんですか?」
ぐっさん「(少々悔しそうに)いや、それは結論から言いまして、今回は現認することができなかったんです」
wata「あ、やっぱり(と言いつつヘリに手を振る)」
ぐっさん「ヘリからは『かなりのスピードで走っている』との連絡を受けました。このクルマは目立ちますからね。結論から言いまして今回は指導ということになりますが、くれぐれも速度を出しすぎないよう注意してくださいね」
wata「はい、わかりました」
「現認」という言葉は一般大衆に通じないんだよなーとか、目立たないクルマだったら捕まえなかったのかなーなどと訝りつつも、想定通り検挙はされなかったのでまずは一安心。
しかしこんな機会は滅多にありませんし、特に先を急ぐ必要もなかったので、ぐっさんにいろいろと訊いてみました。
「結論から言いまして」を3回ほど交えながらぐっさんが説明してくれた話の要旨は、以下の通りです。
■昨年6月の東名高速道路での悪質なあおり事件を機に、群馬県でもヘリによるパトロールを始めた。
■ヘリからの連絡を待つパトカーは、関越道下り線の駒寄PA(注:前橋ICと渋川伊香保ICの間)で待機している。
■あおり運転(注:車間距離保持義務違反や急ブレーキ禁止違反、安全運転義務違反などと思われる)や車両通行帯違反は、ヘリによる目視とビデオ撮影でその行為を現認できるため、パトカーで直ちに検挙する。
■速度違反についてはヘリが速度を測ることはできず、検挙にはパトカーでの追尾・速度測定による現認が必要となる。
ふむふむ、なるほど・・・。
ヘリコプターからの現認や撮影したビデオに証拠能力があるのかどうかは大いに疑問ですが、ぐっさんの説明が本当であれば、もしも私があおり運転をしたり、追越車線をチンタラ走り続けていたら、ヘリの指示で駒寄PAからパトカーが全開でカッ飛んできて、問答無用で検挙されていたってことなんですね。
ひょっとすると、青いボクスターがあおり運転をするだろうと思ってヘリで追跡したのに、その期待に反しておとなしく運転し続けていたため、仕方なく「速度違反容疑」に切り替えて覆面パトを差し向けたのかもしれません。
いくらなんでも、見込み違いで20km以上もヘリコプターを飛ばした挙句、手ぶらで帰るワケにはいかないでしょうからねぇ(笑)。
ということで、今回はとても貴重な経験をさせていただきました。
正直、半年も前の本件を記事にしようかどうか迷ったのですが、僭越ながらほんの少しでも皆さんの安全運転に資することができればと考え、今更ながら恥を忍んで開陳させていただいた次第です。
ぐっさん、いろいろとお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。
私も今一度、セイフティ・ドライブを心がけていきたいと思
ぐっさん「このスポイラー、何km/hぐらいで出てくるんですか?」
wata「えーと、確かひゃく・・・あ、いやいやいや、スイッチで出し入れできるんですよ」
・・・うひぃ、くわばらくわばら(汗)。
上信越自動車道を分ける藤岡JCTを過ぎると、交通量は一気に減少。
私は特に飛ばすわけでもなく3車線のうち中央をメインに走り、低速の前走車が現れると追越車線に出て安全にブッコ抜き、また中央車線に戻るという、ごく当たり前のハイウェイ・クルージングを続けていました。
と、高崎IC付近で8時方向の上空にヘリコプターが飛んでいるのを確認。
関越道と並行、つまりボクスターと併走する形で、雲一つない青空を驀進しています。
どこへ行くのか知らないけどヘリも気持ちよさそうだな、オープンカーじゃなかったら屋根に遮られて気がつかなかっただろうな・・・などと考えながらヘリに大きく手を振って、そのまま走り続けました。
ところが、前橋ICを過ぎてもヘリの相対位置はまったく変わっておらず、速度も進路もボクスターに合わせて飛び続けている模様。
おもしろいなぁと思いつつもう一度手を振ったのですが、これはひょっとして、ヘリの女性パイロットが私を見初めてランデブー飛行を続けているのではないだろうか、そうだ、そうに違いない、と言うことは、どこかのICで下りて広い場所で待っていればヘリコプターも降りてきて、ドアを開けヘッドセットとサングラスを外しながら出てきた峰不二子バリのすんごい美人の操縦士が「ヘリはコ-パイロットに任せるから貴方の助手席に乗せて下さらない?」と言いつつピッチピチなパイロット・スーツの胸元にきらめくチャックに手をかけて嗚呼ッ!(発射)
・・・いや、警察のヘリじゃねぇのか?(汗)
少し前、TVのニュース番組で、静岡県警察が新東名高速道路の上空にヘリを飛ばして違反車両を取り締まっている、との報道がありました。
いわゆる「あおり運転」を撲滅すべく、ヘリが違反を発見すると連絡を受けた地上のパトカーが急行してとっ捕まえるというもので、実際に何台かが検挙されている模様です。
そんなことを思い出し、まさかと思いつつ自身の走りを振り返ってみましたが、あおり運転を疑われるような疾しいことは一切しておりません。
いや、そもそも今日の関越道はガラガラで、意味もなく低速で追越車線を走り続ける車両通行帯違反のアホグルマさえいないのです。
なので、たとえ警察のヘリだとしても私がマークされる理由はありませんし、ましてや捕まる謂れ[いわれ]などまったく無いのですが、どうにもイヤな予感がしてならないんですねぇ。
そこで念のため、渋川伊香保ICの先で登坂車線に入り、前のクルマと同じ制限速度80km以下のスピードで緩い左コーナーを走りながらバック・ミラーをチェックしていると、
おっと、おいでなすった!(汗)
フロント・グリル内部に二つの小さな警光灯を明滅させながら、猛烈な勢いで白いトヨタ・クラウン・アスリートが登場。
走行車線、ボクスターの5時方向にピタリとつけてしばらく併走してから、反転警光灯を回しサイレンを鳴らしつつこちらの前に出て、後に続くようハンド・マイクで呼びかけてきました。
憐みと蔑みの眼差しで抜いてゆく他のクルマに軽く手を挙げながら覆面パトカーの指示通り走り続け、赤城PAに連れ込まれた52歳。
さてどうしてくれようか・・・と考えましたが、自分には検挙される理由がなく、かつ相手も今のところルールに則って正々堂々と(?)捕まえに来ているので、まずは「全面的に協力する」との方針で臨むこととしました。
覆面パトカーの助手席から出てきたのは、お笑い芸人のぐっさんこと山口智充をややスリムにしたような、爽やかな印象の警察官。
こちらもボクスターを降りて免許証を差し出し、互いに自己紹介を済ませます。
ドライバー役の警察官は腕を組んで少し離れたところに立っており、上空ではローター音を轟かせてヘリコプターがゆっくりと旋回していました。
ぐっさん「お忙しいところ恐れ入ります!なぜ停められたか、おわかりになりますか?」
wata「(ヘリを指さして)あれですよね?」
ぐっさん「(やや喰い気味に)そう!そうなんですよ!あれは警察のヘリでして、違反車両を見つけると地上のパトカーに連絡するようになってるんです」
wata「じゃ、私は何の違反で捕まったんですか?」
ぐっさん「(少々悔しそうに)いや、それは結論から言いまして、今回は現認することができなかったんです」
wata「あ、やっぱり(と言いつつヘリに手を振る)」
ぐっさん「ヘリからは『かなりのスピードで走っている』との連絡を受けました。このクルマは目立ちますからね。結論から言いまして今回は指導ということになりますが、くれぐれも速度を出しすぎないよう注意してくださいね」
wata「はい、わかりました」
「現認」という言葉は一般大衆に通じないんだよなーとか、目立たないクルマだったら捕まえなかったのかなーなどと訝りつつも、想定通り検挙はされなかったのでまずは一安心。
しかしこんな機会は滅多にありませんし、特に先を急ぐ必要もなかったので、ぐっさんにいろいろと訊いてみました。
「結論から言いまして」を3回ほど交えながらぐっさんが説明してくれた話の要旨は、以下の通りです。
■昨年6月の東名高速道路での悪質なあおり事件を機に、群馬県でもヘリによるパトロールを始めた。
■ヘリからの連絡を待つパトカーは、関越道下り線の駒寄PA(注:前橋ICと渋川伊香保ICの間)で待機している。
■あおり運転(注:車間距離保持義務違反や急ブレーキ禁止違反、安全運転義務違反などと思われる)や車両通行帯違反は、ヘリによる目視とビデオ撮影でその行為を現認できるため、パトカーで直ちに検挙する。
■速度違反についてはヘリが速度を測ることはできず、検挙にはパトカーでの追尾・速度測定による現認が必要となる。
ふむふむ、なるほど・・・。
ヘリコプターからの現認や撮影したビデオに証拠能力があるのかどうかは大いに疑問ですが、ぐっさんの説明が本当であれば、もしも私があおり運転をしたり、追越車線をチンタラ走り続けていたら、ヘリの指示で駒寄PAからパトカーが全開でカッ飛んできて、問答無用で検挙されていたってことなんですね。
ひょっとすると、青いボクスターがあおり運転をするだろうと思ってヘリで追跡したのに、その期待に反しておとなしく運転し続けていたため、仕方なく「速度違反容疑」に切り替えて覆面パトを差し向けたのかもしれません。
いくらなんでも、見込み違いで20km以上もヘリコプターを飛ばした挙句、手ぶらで帰るワケにはいかないでしょうからねぇ(笑)。
ということで、今回はとても貴重な経験をさせていただきました。
正直、半年も前の本件を記事にしようかどうか迷ったのですが、僭越ながらほんの少しでも皆さんの安全運転に資することができればと考え、今更ながら恥を忍んで開陳させていただいた次第です。
ぐっさん、いろいろとお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。
私も今一度、セイフティ・ドライブを心がけていきたいと思
ぐっさん「このスポイラー、何km/hぐらいで出てくるんですか?」
wata「えーと、確かひゃく・・・あ、いやいやいや、スイッチで出し入れできるんですよ」
・・・うひぃ、くわばらくわばら(汗)。