山形県の鮭川村に立ち寄り、「トトロの木」を眺めようと最寄の駐車場にボクスターを駐めました。
クルマから降りてリモコン・キーで屋根を閉めましたが、まだ窓は開けたままです。
幌の上にカメラや財布を置き、開いた窓からサングラスなどを車内に放り込んで、歩く準備が完了しました。
で、リモコン・キーで窓を閉じたところ、車室内に垂れていたストラップがグイッと引っ張られてカメラが落下!
「ガンッ」
「嗚呼ッ!(叫)」
ストラップが窓の上端に挟まれたおかげで、引っ張られたカメラは地面に落ちることはなかったのですが、あろうことか弧を描いてボクスターのドア上部を直撃。
結果、二つのエクボができてしまったのです(涙)。
帰宅後に修復方法を考えましたが、とても素人の手に負えるようなものではないと判断、今回初めて、デントリペア業者に対応を委ねることにしました。
インターネットで探し出した「デントリペアワークス」は、千葉県柏市にある専門業者です。
予約した日時に訪れると早速、作業の概要を説明してくれました。
デントリペアとは、超簡単に言えば「凹みを裏側から押し出して元に戻す」という修理方法。
職人さんが専用の工具を用いて修復するというのですが、ボクスターのドアはアルミ製ですし、私としては正直、そんな超アナログな方法でキレイに治るんかいな・・・という少なからぬ疑念を抱えていたのも事実です。
しかも、ボクスターのドア内側には他のクルマではあまり見られない補強材(?)が入っているらしく、サイド・ウィンドウの隙間から工具を入れてもデントの裏側にアプローチすることはできないのだそうです。
最悪の場合、内張りやサイド・ウィンドウまで外すことになるようですが、ドアの構造を入念に調べてくれた結果、ドア・エンドに開けられたウェザー・ストリップを固定する小さな穴が内部まで貫通していることが判明したため、そこから工具を突っ込んで治すとのこと。
いや、理屈はわかりますし、ドアをバラさないで済むのはありがたいんですけど、細い棒のような工具の先を、見ることのできない数十cm先の患部裏に手探りでピタリと到達させ、それをグイグイと押し出して凹みを元に戻すなんて、どう考えてもできっこない・・・え?できたの?(汗)
作業完了の連絡を受けて店に戻り、ボクスターのドアを一瞥してみたものの、二つのデントがどこにあったのかマジでまったくわかりません。
ちょっと待てそんなわけないだろと思い、若嫁が掃除した後の障子の桟に執拗なまでに指を這わせる老姑の如く、徹底的にチェックしまくってみたのですが、それでも針の先ほどのキズすら見つけることができませんでした。
作業してくれたマイスター(と呼ばせていただきます)によれば、今回のデントは塗装面にキズが無かったため、ペイントの弾性を活かした慎重なリペアで、凹みも塗装も元に戻すことができたのだそうです。
それにしても、驚くべき仕上がりです。
文字通り100%完璧に治っているので、修復後の写真を撮っても意味がない、と気づいた次第です。
今回の料金は、19,440円でした。
自業自得にも程がある大マヌケな自損行為の代償、或いは勉強代としては高くつきましたが(涙)、この仕上がりには、費用以上の大きな満足感があります。
もちろん、パテ埋めや塗装をしたワケでは無いので、2年以上経った現在でも補修の痕跡はまったくありません。
「一流」というのは、こういう店やマイスターのことを言うんですね。
万が一、再び凹みを作ってしまったら、間違いなくデントリペアワークスを訪ねることになるでしょう。
・・・いや、もう二度とこんな目には遭いたくありませんけどね(笑)。