三連休渋滞が始まる前に関東を脱出すべく、早朝の東北自動車道を北へ走るボクスター。
降り続いていた細かい雨は、宮城県に入ると止んでくれた。
長者原SAで嬉しい500円の朝定食、メンチカツを齧りつつ、生卵を溶いてご飯にかける。
食後にルートを検討、高速はもう飽きたので次の築館ICからは一般道に下り、ボクスターにその本領を発揮させることとした。
曇り空の下、ETCゲートで減速しつつルーフ・オープン。
最寄のガソリン・スタンドでハイオク満タン、意外に蒸し暑いので長袖シャツを脱ぎ捨て、宿のある秋田県北部を目指し北上を開始する。
R457からK42を経てK49を選べば、クルマは一切いなくなる。
軽いワインディングを抜け岩手県境を突破すると、以降はK37とK12との交点まで80km近く続くスーパー・カントリー・ロードだ。
見事なまでに実った一面稲田の風景をウィンドウに流し、スポーツ・モードのボクスターが走る、走る。
自身の走りすぎを諌めるべく小休止を挟んだりするものの、リスタートの後は更なるペースでまた走る。
ツーリング初日の朝イチにして、みちのくの素晴らしさを存分に堪能するのであった。
このルートは初めて走るのだが、K12の崩落通行止めを迂回するK234は、人の気配が全く感じられない峠越えの山道だ。
リスのような小動物が道を横切り、キツネが姿を見せる狭隘路を静かに進み、峰越峠を越えてゆく。
ゆっくりと下って無事にK1に出、北上を再開した。
昼時となり、何か喰おうとR46沿いの道の駅「雫石あねっこ」に立ち寄る。
が、あんまり腹も減っていないので、出店で豚まんを買って頬張った。
秋田県に入り、田沢湖へ寄ってからR341を北へ向かう。
この道も何度となく走っているが、大きな山の中を走り抜けるダイナミックで大好きな道だ。
宝仙湖沿いの高速ステージを過ぎると、スノー・シェッドに護られた道は、一気に標高を稼ぐべくターンを繰り返す。
空はいつの間にか雲が劣勢となり、たいへん気持ちがいいのだが、八幡平山頂は相変わらず雲に覆われているようなので今回はパス。
そのままR341→K191と快走を続けて下界に出る。
周囲の田んぼでは、一面の稲穂が風に揺れていた。
K22を西へ走り、K309で深い山の奥へ突入する。
愛称は「くまげらエコーライン」 、ツーリングマップルはリコメンドしていないが、一ヶ月ほど前にクルマ仲間のsuite-spiralさんが初走行でこの道を絶賛。
彼が言うのであれば「いい道」であることはもはや疑う余地はなく、それは言うなれば連帯保証人として押印してもらったようなものなので、今回のツーリングではこの道を初日の最終目的路とし、その沿道に宿を取ったのである。
事実、森の中のワインディングは走り応え満点。
前を行くクルマもすれ違うクルマも殆ど無く、2速メインで走るボクスターのハンドリングに改めて陶酔することができたのである。
今日の宿は、この道沿いに建つ「森吉山荘」。
元は国民宿舎だったようで、とんでもない山奥の割には建物も設備も立派である。
温めの露天風呂に浸かって長旅の汗を流し、腹ペコ状態で晩飯に突入。
きりたんぽ鍋とほぼ同じ材料で作る「だまこ鍋」や、鶏肉の味噌陶板焼など、どれも旨くてボリューム満点だ。
しかもこの宿、晩飯時にはビールや日本酒、焼酎からジュース、烏龍茶、ノンアルコール・ビールまで、ドリンクがすべて飲み放題なのだ。
他のお客さんは楽しそうにジャンジャカ飲んでいたが、私はオート・サーバーで作った生ビール一杯で十分。
もう一度風呂に入り、部屋へ戻って布団に倒れこんだ。
本日の走行距離は、769km。
走行時間は9時間03分、平均速度は87km/h。
平均燃費は、11.7km/lだった。
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てな感じで、秋の三連休に東北へツーリングに行ってきました。
例によって走ってるだけの記事で恐縮ですが、よろしければおつきあいください!