インナー・ドア・グリップはどんなクルマにも装備されていると思いますが、ボクスターのそれは、アームレストと一体化したデザインとなっています。
ここはドアを開閉する際に毎回握るところであり、そのためか、標準のトリムでもステアリング以外で唯一、レザーが貼られている箇所なのです。
恐らくは、手触りや耐久性などを考慮してわざわざ本革にしていると思われるのですが、使っているうちにベージュ色がだんだん黒ずんできて、その汚れを取るために拭いたり擦ったりしているうちに、いつの間にか表面がハゲてきてしまいました(涙)。
ステアリングに巻かれているレザーとは風合いが違いますので、耐久性のひっくいヤツなんでしょうね・・・。
走りには無関係ですし、他人様から見えるわけでもないのですが、あまりにみすぼらしいので対応することにしました。
まず考えたのが、グリップ部分を新品で購入し交換する方法。
多少カネはかかるでしょうが、成果に間違いはないハズなので、パーツ・カタログで品番を調べてみました。
が、グリップ部分だけの品番が出てくることはなく、インナー・ドア・パネルのハンドル・バーが最小のパーツとして供給されている模様(98155553300 4H0)。
プラッチックにレザーがちょこんと貼りついているだけのパーツだけど、天下のポルシェ様だから1万円ぐらいするかもな・・・なんて軽く考えながらパーツ販売サイトで検索してみたら、ヨーロッパのショップで600ユーロ!アメリカのショップでは1,000ドル!ひぃー!!
・・・いや、こんなもんに8万円とか10万円とか払えねぇって。
そもそもグリップ部分だけでいいのに、ハンドル・バーとセットになってるところが、また肚立つんですよねぇ(涙)。
ということで新品交換は諦めて、DIYで何とかすることにします。
真っ先に思い浮かんだのが、皮革製品を手軽に補修できるチューブ入りのカラー・ペイント、コロンブス社の「
アドカラー」。
以前乗っていた
BMW ALPINA B3のブラック・レザー・シートも、1本300円のアドカラーを塗り込んだだけで、サイド部分のスレやキズが殆ど目立たなくなりました。
その素晴らしい仕上がりを知っているので、今回も迷わずアドカラーで補修しようと「ライトベージュ」色を購入、周囲を養生してからグリップ部分に塗りこんでみたのですが・・・色が薄すぎて合わない(汗)。
仕方なく追加発注した「アイボリー」色を塗ってみると、今度は色が濃すぎます(汗2)。
2色の比率を微妙に変えつつ、調色しながら何度か塗ってみたのですが、色が足りないのか、どうしてもオリジナルのカラーと合わせることができません。
しかも何度塗ってもムラになり、キレイに仕上げることができないため、断念に至りました(涙)。
しばらくそのままボクスターに乗っていたものの、色がおかしいグリップを見るたびに胸が痛むオッサン・オーナー・ドライバー。
何とかならねぇかなぁと思いながらグリグリと引っ張ったりしているうちに、ハンドル・バーからグリップがポコッと外れました。
その裏を見るとパーツ・ナンバー(98155577100/77200)が刻印されていたため、グリップだけで発注できると思って再び調べてみましたが、やっぱりダメ・・・。
しかしグリップが外れたことで、カッティング・シートでカバーすることを思いつきます。
元のように戻すことはスッパリと諦め、言わば勝負を避けてまったく別のアプローチに逃げた格好です(笑)。
色合わせはアドカラーで懲りており、オリジナルの内装色と同じ色のカッティング・シートなど捜すだけムダだと考えて、色は黒、マット仕上げで耐候性&耐久性の高そうなシートを購入。
適当にカットして、ドライヤーを当てながらグリップの表面に貼り込んでいきました。
で、ボクスターに再装着してみると・・・「お、悪くないやん。むしろ、エエやん(←なぜ関西弁?)」
私のボクスターは、ルクソール・ベージュのモノカラー・インテリア。
とは言え、もともとセンター・コンソールやメーター、スイッチ類、ピラー廻りなどはブラック・アウトされており、黒とベージュの対比がシャキッとしていい感じだと思っています。
今回、ドア・グリップ部分がベージュからマット・ブラックになったことにより、ここにも新たなコントラストが生まれました。
ルックスはこちらのほうが好みですし、カッティング・シートのマテリアルは見た目的にも触感的にも安っぽさは感じられず、補修後1万㎞以上走らせた現在でもその品質に変化はありません。
恐らくオリジナルよりも耐久力は高いと思われますが、いずれにせよ、ダメになったら張り替えりゃいいんですしね(笑)。
以上、結果オーライ&自画自賛にも程がある、インナー・ドア・グリップのDIY補修。
「いや、これは本国スペシャル・オーダーの『ポルシェ・エクスクルーシブ』で一流の皮革職人が半年がかりで仕上げてくれたんだよ、値段は片側15万円ぐらいだったかな、いつものようにボクのパパが払ってくれたんだけどね、ところで今晩どう?」
・・・ということにしておいて、失敗に終わったアドカラー2本を含めてもトータル2,000円もかかっていないことは、内緒にしておきます(←言うてるやん)。