次の週末もまた台風がやって来るとの由、もうカンベンしてくれよ~と嘆きつつ予報を見てみると、関東甲信越で唯一、新潟県だけには雨マークがありません。
ということで、早朝の関越自動車道を北上するボクスター。
関越トンネルを抜けて新潟県に入り、小出ICを出たところでソフト・トップを下ろしました。
今日は久々に奥只見エリアを走破し、あわよくば紅葉をも愛でてやろうとの魂胆です。
秘境と呼ばれる奥只見湖へのアプローチは、R352/枝折峠越えとK50/奥只見シルバーラインとのふたつがあります。
シルバーラインは、ほぼ全線が素掘り内壁のトンネルで構成されているメイン・ルート。
非常に印象的な道なのですが、当然ながら景色はまったく見えません。
一方の枝折峠越えは、10年ほど前まで二輪車通行禁止や時間帯一方通行規制が敷かれていたほどの山道です。
そのためか、手前には「危ないからシルバーラインを走りなさい」的な看板がいくつも見られました(笑)。
もちろん私は迷わずR352を選択、誰もいない森の中へと独り突入していきます。
タイト・コーナーで標高を稼いでいくうちに視界が拓け、大いなる山々の風景が眼前に現われました。
弱い朝日に照らされた山肌の樹々は赤や黄、オレンジに色づいており、平野部ではまだお目にかかれない紅葉の様を見せてくれます。
気温は10℃前後、今シーズン初めてMA-1ジャケットに袖を通し、シート・ヒーターのスイッチをON。
冷たい風を浴びながら、枝折峠へと続く屈曲路を2速メインで上っていきました。
登山客のクルマが駐車し放題の峠を越えてダウンヒルに入ると、植生の違いからか、紅葉はより深い色合いになります。
モミジやイチョウのようなパキッとした色は少ないのですが、それでも見渡す限りの山々が最後の秋色に染まっている風景は実に圧巻です。
羊腸の国道をゆっくりと下り、引き続き湖畔に沿って走ります。
巨大な人造湖である奥只見湖は、人里離れた山奥にあるためか、その湖岸道路であるR352は1-1.5車線の幅員。
橋も殆ど架けられておらず、複雑な湖岸線そのままに造られた実に楽しいロング・ワインディング・ロードです。
更にR352には、他の国道では殆ど見られない「洗い越し」が今も何ヶ所か残っています。
山から落ちてきた沢の水を、敢えて道路上を横切らせて湖へと流す仕組みで、導水管を設置したり橋を架けたりするよりも圧倒的にロー・コストです(笑)。
アドベンチャー気分満点、速度を落とせばまったく問題なく渡ることができますので、未体験の皆さんは是非一度走ってみて下さい。
ただ、洗い越しは導水管方式へと順次改められているようで、その数は徐々に減っているようです。
走るなら、今のうちですよ!
まだまだ続く国道は、湖畔を離れて山腹へと上っていきます。
曇り空ですが雨の気配はなく、オープン・ドライブの気持ち良さを存分に享受しながらボクスターを走らせました。
湖を後にして高原地帯を抜け、県境を越えて福島県に入ります。
こちらもやはり紅葉が盛りとなっており、落ち葉を蹴散らしながら緋色の森を遠慮なく駆け抜けて、檜枝岐村[ひのえまたむら]の中心部に入りました。
楽しかったR352のドライブは、これにて終了です。
おつかれさま、俺(笑)。
腹も減ったので、昼飯にします。
檜枝岐村には名物の蕎麦を喰わせる店もいくつかあるようですが、今回は安直に道の駅「
尾瀬檜枝岐」のレストランで、温かい鴨汁うどんをいただきました。
満腹になったところで、次は温泉です。
村内の公衆浴場「
燧[ひうち]の湯」は、源泉かけ流しの露天風呂付き。
深まる秋の景色の中、適温の湯に浸かり、袋の皺を存分に伸ばすことができました。
いや~、極楽です。
風呂から上がって天気予報をチェックしてみると、関東で降り出した雨がいよいよこちらへもやって来る模様。
当初は、さらに北上し只見湖から六十里越を爆走しようかとも思っていたのですが、それはまた次回の楽しみに取っておきましょう。
久しぶりの飯豊檜枝岐大規模林道はクルマもバイクも見当たらず、山間の2車線路を独り占めです。
が、路肩から流れ出した砂で四輪がスキッドしたりしますので、調子こいて走ると痛い目を見ることになります(汗)。
K350を経てR352に復帰、R121→R400と走っているうちに雨が降り始め、ルーフ・クローズ。
混雑を避けるべくK56へとエスケイプ、濡れ落ち葉に覆われた雨の山道を走り抜け、東北自動車道/矢板ICへと向かうK30に出ました。
沿道のホームセンター「
カインズ矢板店」の軒先で売っていたたこ焼きで小腹を満たし、撤収です。
本日の走行距離は、605km。
走行時間は8時間55分、平均速度は70km/h。
平均燃費は、11.3km/lでした。
奥只見を抜けるR352は景色も距離も曲がりっぷりも最高で、山岳ドライブの魅力に溢れた素晴らしいルートだと思います。
例年、11月上旬から翌年6月下旬までの間は雪で未通となるため、走れるのは1年のうち4ヶ月間程度しかありませんが、それがまた妙にドライブ心をくすぐるんですよねぇ(笑)。
同じく新潟⇔福島県境越えのルートである六十里越/R252と双璧を成すおもしろさですので、皆さんも是非一度走ってみてくださいね!