おはようございます、と言ってマクラーレン・MP4-12Cのディヘドラル・ドアを跳ね上げて出てきたのは、
suite-spiralさん。
ALPINAやハルトゲ、アイディング、はたまたポルシェのスペシャル・モデルからRUFまで、見たこともないようなクルマを山坂道で遠慮なく走らせる仲間です。
しかし今回は心底ビックリ仰天、続いてやってきたALPINAロードスターのShimaさんも含め、3人はもはや開いた口が塞がりません。
そもそも本日は、何気ないメールのやりとりから始まったいつものようなデイ・ドライブ。
suite-spiralさんのアテンドで、奥多野エリアをメインに春の山道を駆け抜けよう!との企画なのですが・・・大丈夫か?おい(汗)。
市街地を抜け、R140を北上。
野太い排気音を放つMP4-12C、B3 GT3の2台のターボ・カーが前を行き、幌を開け放ったALPINAロードスターとボクスターが後に続きます。
空は素晴らしく晴れ渡っているものの気温は3℃まで下がっており、念のために持ってきたダウン・ジャケットを羽織ってのオープン・ドライブ。
武甲国境の山々は、粉砂糖のような新雪で覆われていました。
交通量は少なく、緩やかな曲率の山岳路をクルージング・ペースで上り切り、道の駅「
みとみ」で小休止。
改めてチェックするMP4-12Cは、ミドシップ・スーパースポーツ特有のキャビン・フォワードなシルエットやガラス越しに見える3.8リッターV8ツイン・ターボ・エンジン、アピアランス抜群のディヘドラル・ドア、巨大なエア・インテーク、極太のサイド・シル、タイト&ストイックなコクピット、望外に広い視界などなど、もう驚きの連続です。
1,000kmほど走らせたが、その走りは本当に素晴らしい・・・とはオーナー・ドライバーたるsuite-spiralさんの弁。
もちろんそれはその通りであろうとは思うのですが、しかしサーキットやハイウェイ、或いはMAZDAターンパイク箱根のようなロング・コーナーの続く広い路面の良い道ならともかく、我々が、とりわけsuite-spiralさんが自ら好き好んで択ぶようなクネクネのワインディングを、本当にもて余すことなく走らせられるのでしょうか?
⇒その心配は、杞憂にも程がありました(汗)。
雁坂トンネルを抜けた先は、タイトなコーナーの続くダウンヒル。
前にいたクルマが脇道へと逸れると、MP4-12Cは快音を発しつつ一気に加速し、コーナーへと飛び込んでいきました。
私はその姿を後方、スポーツプラス・モードで必死に食らいつくボクスターから見ていたのですが、敢えて言葉で表現するならば「ヒラリヒラリとコーナーを躱してゆく」ようなイメージで、その挙動は全幅1.9mを超える600psのスーパー・スポーツカーだとはとても思えないのです。
もちろんドライバーあっての走りですし、そもそもワインディング・フェチのsuite-spiralさんが山道を走れないクルマを択ぶハズも無いのですが、それにしても彼が走らせる987型ポルシェ・ボクスタースパイダーを彷彿とさせるMP4-12Cの曲がりっぷりには本当に驚きました。
R140は対向車は多いものの先行車は殆ど走っておらず、滝沢ダムを走るバイパス・ルートを含めてほぼクリア・ラップ。
K37の先、R299から右折して突入した山道も強めのアンジュレーションをモノともせずに走り切り、合角ダムを見下ろすパーキングで暫しブレイクとしました。
空は引き続き快晴、気温も上がって素晴らしいドライブ日和となっています。
んもー、最高!
山を下り、K71で土坂峠へと走る4台。
群馬県境へと上る森の中の屈曲路、M郎さんがドライブするB3 GT3のヘッド・ライトを背後に浴びながら、先頭のMP4-12Cに続くShimaさんのALPINAロードスターを、2速に入れっぱなしのボクスターで追っていきます。
後ろから前から、もうすんごい状態です(←ドMか?)。
相変わらず路面に砂が残る群馬県側を慎重に下り切り、R462→R299→K45と走って「
峠のうどん屋 藤屋」に到着しました。
2015年10月以来、1年半ぶりの野菜天ぷらうどんはやっぱり強烈なデカ盛りで、香り高いダシに浸かった武骨なうどんとハードなかき揚げとをバリバリと腹いっぱい喰らうのは、この上ない食の歓びです。
1月に独り訪問した際には、店頭に貼られていたままとなっていた年末のご挨拶文に休業の可能性も脳裏を過りましたが、その後私以上に藤屋を愛するsuite-spiralさんが営業再開を確認&実食、我々もめでたく再食の運びとなりました。
しかしShimaさん、他の3人の半分以下の時間でこの爆盛りうどんを完食するとは、いくらなんでも早過ぎです(汗)。
そしてM郎さん、朝っぱらから松屋で牛丼定食を喰ってきたのにこの爆盛りうどんを完食するとは、いくらなんでも喰い過ぎです(汗2)。
ギンギンに張った腹を慮り、Gフォースを慎重にコントロールしながらK45を北に向かいます。
道の駅「
オアシスなんもく」で野菜などを仕入れつつ、ツーリングマップルを頼りに4人とも走ったことのない山道を走って帰ることになりました。
パイロットを任された私、まずは下仁田の街に出る手前を右折し快走カントリー・ロードのK193を東へ。
小幡からはK46で再び南の山の方へと向かうものの、途中までの2車線路は途中から案の定、1車線レベルの山岳路へと変貌します。
いや、この手の道はキライじゃないのですが、対向車が来るとボクスターでも離合に手こずるほどですから、いわんやMP4-12Cをや。
ま、対向車のドライバーさんも、こんな険道でマクラーレンが出てきたらビックリしますわな(笑)。
トランシーバでコンタクトを続けながら4台はアドベンチャー・ドライブを続け、塩沢峠を経て奥多野エリアへと向かうK46と別れK177でダウンヒル。
ひたすら続く1-1.5車線の断崖路を無事に走り抜け、関越自動車道へ乗る前に藤岡の街で給油に立ち寄りました。
あんな酷い道を択んでしまい、先導役としてさすがに申し訳なかったなと思ってその旨をsuite-spiralさんに詫びようとしたら、彼曰く「いやー、あの道は『当たり』でしたね!おもしろかった~」
・・・失礼、この人は常人では無いってことを、すっかり忘れていました(汗)。
本日の走行距離は、423km。
走行時間は6時間52分、平均速度は63km/h。
平均燃費は10.3km/lでした。
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中央道/初狩PA、ビックリ仰天のマクラーレン・MP4-12C登場で始まった春のドライブは、山梨/埼玉/群馬県の山坂道を駆け回り、関越道/嵐山PAでの解散に至るまで、終始笑いっぱなしの一日となりました。
土坂峠にしろK46-K177の山岳険道にしろ、マクラーレンが走るのは道路開通以来初めてのことなんじゃないかと思われますが(笑)、そもそもALPINA車(しかも、かなりスペシャル&レアな2台)だって、こんなワケのわからない山道を嬉々として走っている個体はそう多くは無いはずです。
自分のクルマに遠慮することなく、物理的に走ることができない道でさえなければ、おもしろそうだと思ったどんな道へでも走りに行く。
そんなクルマ仲間と共に安全に楽しく走らせてもらい、私ゃ本当に幸せ者だと思いますよ!