雨でもないのにウィンドウ・ウォッシャーを放っているのかな、でもさっきからずっと出っ放しってのもおかしいな・・・と思っていたのですが、左の車線に移ったその車をブッコ抜きざまに確認してようやく合点がいきました。
世界初の量産型燃料電池自動車、
トヨタ・ミライ。
排気ガスを全く出さず、排出するのは発電時に生成される水だけと聞いてはいましたが、ホントに水を撒きながら走ってるんですねぇ。
その素晴らしいテクノロジーに思いを馳せ、また実際に購入されたオーナー・ドライバーの方に尊敬の念を抱きつつ、走行車線ガラガラなんだからもっと早く譲ってくれよと思いました(笑)。
久しぶりに「走る時間」が取れた3月の週末。
今日は西伊豆エリアを独りマイペースで走ろうと沼津ICでアウト、伊豆縦貫道に入ったところでボクスターの幌を下ろ・・・さ、寒い!(震)
3℃を指すマルチ・ファンクション・ディスプレイの外気温計に驚きながらヒーターとシート・ヒーターを全開にし、手袋を嵌めてガルフ・カラーのマフラーを巻きました。
数日前には東京・靖国神社のソメイヨシノが開花したとの便りもあったというのに、この寒さはなんなんでしょうかねぇ。
とは言え、防寒セッティングを済ませさえすれば、ロードスターのオープン・コクピットは快適至極。
まだ静かな街を抜けてK130で沼津湾に出、セブン-イレブンでホット・コーヒーを買い求め、持参した小さなあんぱんを二つ、岸壁に腰かけ海を眺めながら頬張りました。
いや~、いい朝飯だ(笑)。
ドライビング・モードを「スポーツ」に、サスペンションをハード側にセットして、県道17号/沼津土肥線を走ります。
沿岸部から標高を上げるに連れて人家は消え、K17は広狭混在のワインディング・ロードとなります。
2速メイン、高回転域を使ってボクスターを走らせていると、これがもう本当に楽しいのです。
シャァァァァァァンッ!と高らかに歌い空に抜けるフラット・シックスのサウンドに酔い痴れながら、踏めるところまでアクセル・オン。
絶対的な制動力はもちろんのこと、そのリニアな「減速感」が気持ちいいブレーキングを堪能してから舵を入れれば、ボクスターはイメージしたラインの通りにそのコーナーを回ってくれます。
スリップ・サインが出ているフロント235サイズのピレリ・Pゼロはそのパフォーマンスが低下し始めているのでしょう、乾いたアスファルトでも想定以上の頻度でABSの介入を許します。
が、それとてボクスターの基本性能がカバーしてくれているためか、私ごときのペースではスタビリティ・マネジメント・システムの作動閾値に達することは無いのです。
これだけのセイフティ&スポーティネスに加えて、爽快なオープン・エア・ドライビングを楽しめるのですからたまりません。
クール・ダウンを兼ねて立ち寄った戸田[へだ]の御浜岬で、駿河湾を挟み春霞に聳える富士山を眺めながらつくづく思いました。
ボクスター、やっぱりいいクルマです。
K17は戸田から土肥[とい]までの区間も交通量僅少、短いストレートとタイトなコーナーとのコンビネーションを存分に楽しんでからR316で内陸に向かいます。
船原峠からスイッチし稜線上を南下するK411/西天城高原線は、文字通り交通量ゼロ。
冷たい風を切って走る4速⇔5速での快速クルージングが本当に気持ち良く、いい歳こいたオッサンはずっと笑顔のままでボクスターを走らせました。
宇久須[うぐす]の港を見下ろすいつものパーキングで休憩してから山を下りるのですが、今日はその宇久須への痛快ダウンヒル/K410ではなく、西伊豆町へと向かうK59をセレクトします。
県道59号線/伊東西伊豆線は全線を通じて未改良の区間が多く、この先も狭く荒れた山道が20km近く続きます。
それ故かクルマ仲間にもあまり人気がなく、「ハイパワー車に勝つためにK59へと誘い込め!」などとネタにも使われる始末です(笑)。
ですが私、個人的には嫌いじゃないのよむしろ好き。
誰もいない山の中をのんびりと下っていくその森林浴的な気持ち良さを、皆さんにも解ってほしいと思います(←そうか?)。
温暖と言われる西伊豆でもなお10℃を下回る寒さの中、「嗚呼・・・」と思わず声を上ずらせながらどっぷりと浸かる露天風呂。
松崎からK15→K115と山中に分け入ったところに湧く
大沢温泉、
10年以上前からもう何度となく訪れていますが、やっぱり最高ですねぇ。
ドバドバと溢れるクリアな熱めの湯に弛緩しまくった袋を冷たい外気で時折引き締めながら、ダラダラと長風呂を楽しみました。
リスタートして戻る川沿いの桜はまだ殆ど咲いてはいなかったものの、農閑期の水田には色とりどりの花が風に揺れています。
それらの花の名をひとつとして知らないオッサンも、温泉の熱さを冷ますためにボクスターを置いてそぞろ歩き。
キレイな花畑の中、上着も着ずに汗を拭きながら独りウロウロしている冴えない中年男の姿は、訪れていたカップルや家族連れの眼にどう映っていたのでしょうか(涙)。
すっかり腹も減ったので、少し早めの昼飯を喰おうと松崎港の「
民芸茶房」に向かいます。
と、店の前の駐車場に駐まっていた981型ポルシェ・ケイマンとE92ベースのALPINA B3のドライバーお二人が、何やら私の方をご覧になっているではあーりませんか。
「あの、wataさんですよね?」
「えっ!あ、はい、そうですけど、どうしてまた・・・」
「おー、やっぱり!」
「走ってりゃ、そのうち会うんじゃないかと思ってましたよ!」
「マジですか?・・・いやもう、カンベンしてください(汗)」
店のおねいさんに人数を訊かれ、「さ、三名です(汗)」と勝手に答えて無理矢理ご同席願ったお二方。
相変わらず旨い干物の定食を喰いながらお話を伺ったところ、お二人とも私のBlogをご覧いただいており、今日も私が以前に走ったルートを参考にして走ってこられたのだそうです。
シルバーのケイマンは2.7Lのマニュアル・トランスミッション仕様、黒いB3は何と世界限定99台のGT3!
以前のクルマ歴やツーリング歴などのお話からもお二方が相当のクルマ好き&走り好きであることは容易に窺い知ることができ、趣味を同じくする者として、とても楽しいひとときを過ごさせていただきました。
ホント、Blogを書いていて良かったと心から思います。
お声掛け&おつきあいいただき、どうもありがとうございました!
さ、渋滞が始まる前に帰りましょう。
お二人に手を振って松崎を後にし、海沿いのR136を北上して宇久須からK410で再び西天城高原へとヒルクライム。
この道も本当に面白く、上りも下りもドライビングの醍醐味を存分に味わえると思います。
先の見えないコーク・スクリュー・コーナーを前にラフなシフト・ダウンで1速に叩き込んでも、完璧なオート・ブリッピングでオッサン・ドライバーの拙い技量をカバーしてくれるよう、ドライブ・モードを「スポーツ・プラス」にセットして走りました。
そのまま稜線に飛び出したボクスターは、K411→K127/西伊豆スカイライン→K18で修善寺まで走り続け、K19を経由してK135で山の中へ。
初めて走る県道135号/田原野函南停車場線は地元車両も疎らなマイナー道路ですが、何もない荒涼とした風景から林の中に入る手前に咲く紅梅にホッとさせられます。
その先の韮山峠ICから伊豆スカイラインに入り、K20からMAZDAターンパイク箱根を下って小田原厚木道路で東名/厚木ICへと走りました。
本日の走行距離は、478km。
走行時間は6時間57分、平均速度は70km/h。
平均燃費は9.5km/lでした。
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いやー、楽しかった!
私にとってボクスターは、自身の「走り心」を刺激する要素をたくさん持っている素晴らしいクルマです。
今回、三週間ぶりにボクスターを思う存分走らせて、そのことを改めて強く認識することができました。
さ、次はどこへ走りに行きましょうかね!