- events
屋根を開け、散り始めた桜の姿をあちこちに見つけながら空いている都内の一般道/首都高を走り、PC青山に到着。
ショウルームには、先頃マイナー・チェンジされた911カレラが展示されていました。
外観は各部がリデザインされているものの大きく変わってはおらず、インテリアも新しいステアリング・ホイールや、スイッチが増えたカーナビ・・・いや、インフォテイメント周り以外はMC前と同じように見えます。
しかし既報の通り、最も変わったのは見た目ではなく3リッター・ターボ化による「走り」で、少し前に新型の911カレラを試乗したKさん曰く「おっそろしく速い(汗)」とのこと。
パワーで105ps、トルクに至っては170Nmも低いボクスターでさえそのパフォーマンスを使い切れていない私にとって、911はますます遠い存在となってしまったようです(笑)。
レザー・マウスパッドへのポルシェ・クレスト刻印体験。
実際にポルシェ車のインテリアに使用されているものと同じ素材・色のレザーで作られたマウスパッドに、エンボス・マシンを使ってポルシェのエンブレムを自分で型押しするイベントです。
最初は子供向けかな・・・と思っていたのですが、営業担当のIさんに勧められるままにやってみると、これが実におもしろい。
このエンボス・マシンは、Iさんがドイツ・ポルシェ社からわざわざ借り受けたという代物。
型押しされたエンブレムは細かいところまで再現されており、クオリティの高さに驚かされました。
サイズや素材が合えば何にでも型押しできそうだったので、Kさんはカード・ケースに、私は財布に刻印を施し大満足です(←いいのか?)。
マウスパッドもレザーの風合いが素晴らしく、内装色と同じルクソール・ベージュの一枚をありがたくいただいてきました。
と言っても、私のボクスターはインテリアにカネをかけておらず、ステアリング・ホイール以外にレザーは殆ど使われていないんですけどね(涙)。
今回のフェアで最も楽しみにしていたのが、モータージャーナリスト・五味康隆さんのトークショーです。
歯切れ良く明瞭な口調でポルシェ車の魅力や業界の動向など、クルマ好きの琴線に触れるいろいろな話を聴くことができました。
中でも特に印象に残ったのは、「遠からず、自然吸気エンジンは間違いなく消滅するだろう」との話です。
ターボやスーパーチャージャーによる過給技術、或いは電気モーターによるアシスト技術が飛躍的に進んでおり、現時点でも既にパワーやトルク、燃費および環境性能は自然吸気エンジンの勝ち目はない状況となっている。
今後の技術的ブレイク・スルーも考えにくいため、もうすぐNAエンジンはなくなってしまうだろう、これはもう間違いない。
しかしながら、自然吸気のスポーツ・エンジンにはスペックで表すことのできない官能的なフィーリングがある。
確かに低速域は弱いかもしれないが、エンジンを回すほどにパワーが湧きあがる楽しさがある。
だから、特にスポーツ・カテゴリーのNA車に乗っている人は、絶対に売っちゃダメです!(←そこか!)
トークショーの最後に質問コーナーが設けられていたので、挙手をして五味さんに訊いてみました。
「NAエンジンは消滅してしまうとのことですが、マニュアル・トランスミッションも同様に無くなってしまうのでしょうか?」
「いや、ヨーロッパでは今もMTが主流ですし、当面無くなることはないでしょう。ただし日本への輸入が続くかどうかは・・・ポルシェジャパンさん次第ですかね(笑)」
五味さんによれば、市販のスーパー・スポーツやハイ・パフォーマンス・カーが少し前のレーシング・カー並みの速度を出せるようになった現在、それらのメーカーが最も恐れているのが、シフト・ミスによる事故なのだそうです。
フェラーリやランボルギーニ、マクラーレン、メルセデスAMG、BMWアルピナなどは既に全車ATとなっており、ポルシェも現行911のトップ・レンジであるターボ系やGT3系にはMTの設定がありませんが、それは人間(MT)よりも機械(AT)のほうがシフト・スピードが速いから、との理由だけじゃないんですね。
また、「シフト・ミスの無い前提でセイフティ・マージンを削れるため、AT車用にはより速いエンジンを作ることができる」とのお話もあり、速さを突き詰めていくとAT車になるのは当然なんだと改めて思いました。
とは言え、GT3RSと同じエンジンを積むという新型のポルシェ・911RはMT専用車、アストンマーティンもV12ヴァンテージSにマニュアル・トランスミッションを設定するようですから、超高性能車だからと言って必ずしもクラッチ・ペダルを外してしまうわけでもなさそうです。
そう考えると、メーカーや車種によるとは言え、五味さんの仰る通りMT車が消滅してしまうことは当面無いだろうと思えてきました。
ああ、よかった(笑)。
最近あまり走っていないこともありますが、「屋根つきの白いの」と「屋根なしの青いの」とで空いている都内の道を流すのが妙に楽しく、不必要極まりないのにスポーツ・モードのスイッチをONにしてしまいました(笑)。
ファミリー・レストランで少し遅いランチを摂り、つい頼んでしまったパフェを頬張りながら、相も変わらずクルマ談義にうつつを抜かす49歳と50歳。
今日は走りに行ったワケではありませんが、フェアも予想以上に楽しく、とてもいいクルマの日となりました!