イマドキのクルマらしく、ボクスターはスペア・タイヤを積んでいません。
ポルシェ社によれば、「パンクの際は装備されているシーリング剤をタイヤにブチ込み、エア・コンプレッサーで空気を入れて80km/h以下で最寄の工場まで行け」ということになっています。
サイド・ウォールの裂傷やバーストなどの際はどうしようもありませんが、クギ穴レベルのパンクであれば、応急処置としてはそれで十分なのでしょう。
しかしこれまでに自分や仲間のクルマで何度か使った経験から、個人的にシーリング剤によるパンク修理はイマイチだと思っています。
シーリング剤をうまく注入できなかったり、注入できてもクギ穴をキッチリ塞ぎきれないこともありました。
また、自宅や市街地から離れたところばかりを走っている私にとっては、修理後も引き続き走れるかどうかが極めて重要です。
前述の通り、シーリング剤での修理後は速度も距離も大きく制限されますし、そもそもタイヤの中に大量の液剤が入っている状態で走り続けようとは思えないんですよねぇ・・・。
と言うことで、ボクスターのタイヤがパンクした際は、シーリング剤ではなく市販のプラグ式修理キットで対応することとしました。
ジャッキ・アップしてタイヤを外す必要があるとは言え、小さなラバー・プラグで穴を塞ぐだけですから作業はカンタン。
2年前の夏にALPINA B3で一度やったことがありますが、修理後に高速道路やワインディングをいつものように走らせても、修理箇所から空気が漏れたりするようなことは一切ありませんでした。
結局そのタイヤは別の箇所をキャッツ・アイにやられてバーストしてしまったものの、そうでなければ摩耗限界まで使えただろうと思っています。
エーモン社製の修理キットはまだラバー・プラグが余っていますので、コレをボクスターに積んでおけばOK!
・・・じゃないんです(汗)。
ボクスターには、タイヤの脱着などに必要なモノが何一つ装備されていないのです。
まず、ジャッキがありません。
ホイール・ボルト用のレンチもありません。
ガイド・ボルトもなければ、刺さったクギなどを抜くプライヤーすらありません。
無い無いづくしです(涙)。
仕方がないので、揃えることにしました。
981型ボクスターのそれは楕円形の穴となっており、PET(ポルシェのパーツ・カタログ)に記載されている車載ジャッキのイラストとは全然違っていることも、混乱に拍車をかける一因となっています(汗)。
で、986型ボクスターが標準搭載しているパンタグラフ・ジャッキが、楕円の凸形ポイントを持つことが判明。
わざわざ新品を買うまでもあるまいと考えてネット・オークションに網を張っていたところ、数週間後に出品され、適価で落札することができました。
さすがはポルシェ純正品、大部分がアルミ製で作られているらしく、持ってみるとその軽さにビックリです。
また、スムーズなホイール脱着とブレーキ・システムの保護のために絶対必要なガイド・ボルトは、マウンテイル社の2本セットをアマゾンにて購入。
サイズはM14×P1.5で、ポルシェ各車に適合するとのことです。
ホイール・ボルト用の十字レンチとクギ抜き用のプライヤーは手持ちのモノを積みましたが、それにしてもボクスターの車載工具は少なすぎてビックリ。
筆箱のようなケースに収められているのは、プラス/マイナス差し替え式のドライバーとスパナが一本、後はヘッド・ライト脱着用のSSTだけなのです。
いやはや、これじゃ何もできませんよねぇ・・・。
ともあれ、これで一安心。
バースト等の場合は積載車の世話になるしかありませんが、通常のパンクであれば、その場で修理してドライブ/ツーリングを続けることができるようになりました。
もちろん、パンクしないのが一番ですけどね(笑)。