集合は自宅から150km、常磐自動車道/日立中央PAに朝5時半(汗)。
必死に早起きした甲斐があってか梅雨時期の空はド快晴、屋根を開け、昇る朝日を眺めつつガラガラの常磐道を北上しました。
一緒に走るのはこれが2回目ですが、JUNさんのクルマは前回のポルシェ・ケイマンGT4から同・911カレラに代わっています。
1987(昭和62)年式で3.2Lの空冷式水平対向6気筒エンジンを積み、5速マニュアル・トランスミッションでリアを駆動。
ABS以外の電子式車両制御装置やパワー・ステアリングなどを持たず、エアコンではなくクーラーを積んでいるという、令和の目で見ればなかなかスパルタンな1台です。
JUNさん以外にも新しいモデルから旧い空冷の911に乗り換えたという人を何人か知っていますが、それだけ空冷モデルには魅力があるのでしょうね。
価格の高騰もあり、今やクラシカルなコレクターズ・カーのイメージが強い空冷のポルシェ・911カレラ。
しかしJUNさんは、現代のクルマと何ら変わりなくガンガン走らせることができる、と言い切ります。
・・・本当でしょうか(→本当でした・汗)。
今日のドライブは、ルートから何からJUNさんにお任せです。
まずはスマートICでK36に出、広域農道/グリーンふるさとラインを北上。
時間が早いせいか、クルマもバイクもほとんど見当たらず、緑の中をたいへん気持ちよく走ることができました。
前を行くJUNさんは非常にいいペースで911を走らせており、追随する私はその走りとサウンドを存分に堪能させてもらっています。
何よりも素晴らしいのが、排気音よりもエンジン音が際立って聴こえてくること。
「トンネル・ブリッピング」のサービスもしてもらいましたが(笑)、他のクルマとは明らかに違う、空冷ならではのドライなメカニカル・サウンドはシビれますねぇ。
それを特等席で聴かせてもらうことができ、ありがたい限りです。
クリア・ラップの広域農道からいったん離れ、小山ダムの駐車場でひとやすみ。
梅雨の時期とは思えない爽やかな青空の下、JUNさんがその場で作ってくれたハム&チーズたっぷりのホット・サンドがベラボウに旨い!
時刻はまだ7時半、ドライブも始まったばかりですが、もうすっかり満足してしまいました(笑)。
ごちそうさまでした!
グリーンふるさとラインの終着からK153、K27へとスイッチ。
花園渓谷の入口、キャンプ場の跡地で息を整えてから、茨城県最北部へと走り込んでいきます。
深い森の中、屈曲の急坂路をグイグイと駆け上がっていく911の走りは、とても36年前のクルマとは思えません。
その27年後に作られたボクスターでも、油断しているとすぐに引き離されてしまうのです(汗)。
峠を越えてダウンヒル、小さな集落を抜けて県境を越え、2台は福島県に入りました。
R349を南に向かうと見せかけて、JUNさんはK111へと左折します。
この道はずいぶん以前に走ったことがあり、あまりのガタガタっぷりに閉口したものですが、当時に比べれば路面はかなり良くなっていました。
とは言え狭隘な山道であることに変わりはなく、それは再度の県境越えで戻った茨城県側で顕著です。
が、そんなことにはお構いなしのJUNさんはハイペースで走り続け、更にリアル1車線の大荷田林道へと右折。
ホイールが歪むんじゃないかぐらいの凶悪な段差に徐行を強いられるボクスターを後目[しりめ]に、そのテールが見えなくなるほど先に行ってしまいました。
いやもう、カンベンしてください(汗)。
久々に現れたセンター・ラインに安堵しながらK22を東に走り、アプローチを駆け上がって「プラトーさとみ」の駐車場で休憩。
標高780mの高原には、涼しい風がそよいでいました。
K22まで戻り、広域農道/アップルラインを経てR461に入ったのですが、この快適2車線路をそのまま南下していくかと思いきや、911は民家への入口のような角を右折。
どこ行くのよ・・・と訝しみつつ狭い山道を登っているうちに、この道が10年以上前にホンダ・フィットで走った武生[たきゅう]林道であることを思い出しました。
その当時は工事や災害通行止めで引き返しているのですが、今や尾根筋の先にはキレイなアスファルトが敷かれ、真新しいガードレールに護られています。
しかしながら幅員は1.5車線クラス、文字通りのクネクネ道が延々と続く、ハードな屈曲ルートなのです。
ひたすら曲がり続け、ようやくR461に出たと思ったら、前を行く911はそのままノン・ストップで奥久慈パノラマラインに突入。
そのネーミングからは想像できない、ガチの舗装林道であることは武生林道と同レベルなのですが、それに加えて路面は荒れており、倒木や落石も見受けられるのです。
もう正直、曲がり過ぎで頭がクラクラするものの、後続の私よりも遥かにリスクの高いパイロット役を担い、かつパワー・アシストのないステアリングを切り続けているJUNさんは、そのペースを緩める気配がありません。
43歳と57歳、14歳の年齢差以上の違いをひしひしと感じながら、命を削って911のテールを追うのでした(涙)。
2本の林道を走り切り、ヘロヘロの状態で日帰り温泉施設「やまがたすこやかランド 三太の湯」にピット・イン。
熱いシャワーで全身を洗い、露天風呂に浸かって暫し放心しているうちに、少しずつ人間らしさが戻ってきます。
ここに温泉があって本当に良かったと、心から思いました(涙)。
元気になった途端、急に腹が減ってきます。
昼飯処もJUNさんが予約してくれており、K249→K29と走って「やきや しんたく」に到着しました。
里山の豪壮な茅葺きの古民家は、移築などではなく120年前からこの地に建っているとのことで、雰囲気抜群です。
店名の通り囲炉裏焼きがメインのようですが、今回はランチタイム・メニューの蕎麦をいただきました。
蕎麦は盛りも良く、カラッと揚がった天ぷらともども実に旨い!
大満足で店を後にし、帰路に就くべく常磐道/水戸北スマートICへと向かいました。
本日の走行距離は、520km。
走行時間は7時間30分、平均速度は71km/h。
平均燃費は、11.0km/lでした。
いやー、キツかったけど楽しかった!(笑)
JUNさんがドライブする911の走りは本当に素晴らしく、良い個体を選び徹底したメンテナンスを施せば、今でも第一級のスポーツカーとしてガンガン走れるということがよくわかりました。
が、それはやはり、オーナー・ドライバーのスキルとスピリットがあっての話。
そのことを改めて強く思わされた、初夏の一日となりました。
JUNさん、どうもありがとうございました。
いずれまた、一緒に走りましょう!