常磐自動車道を土浦北ICでアウト。
R125からまだ交通量のほとんどないK199へと右折、県道や広域農道で構成された通称フルーツラインで北上を開始しました。
明け行く空は快晴、ここ数日間で関東地方も春めいては来ているものの、茨城県中部の気温は氷点近くまで下がっており、手袋をはめてのオープン・ドライブです。
畑の中のストレートを4速⇔5速で快適にクルージングしたら、2速まで落として道祖神峠にアタック。
二輪車通行禁止の屈曲路はキャッツ・アイやゼブラ・ペイントで防備されていますが、そんな制約のギリギリを突いて走らせるのもまた楽しいものです。
無人の峠の向こうには、笠間の街に朝日が当たり始めていました。
R50を挟んで、広域農道/ビーフラインで北上を続けます。
この道も相変わらずの快走路で、日中であればバイクやクルマをそこそこ見かけるものの、この時間はまだ静かなものです。
誰もいないカントリー・ロード、冷たい風を切ってマイペースで走らせるボクスターの気持ち良さったらありません。
久しぶりに走りましたが、やっぱりいい道だなぁと改めて思いました。
終着のR118を経て更なる長大な広域農道であるグリーンふるさとラインに入りますが、久慈川を渡った先でK62へと左折。
東へと向かっていた針路を北に切り替えました。
続くK322を北へ走るにつれて沿道の民家は減り、道は狭くなり、左右の山が迫ってくるようになります。
これらの県道、および今日の目的路のひとつとしている舗装林道/奥久慈パノラマラインは、初めて走る道。
名前に反してパノラミックな景色はほとんど望めませんが、センターラインのない1.5車線レベルのクネクネ路に想定以上のアップダウンが加わり、実にテクニカルです。
ところどころで枝葉が散乱しているものの舗装状態は良好で、2速固定でのワインディング・ドライブを楽しむことができました。
茨城の県北エリアは何度となく走りに来ていますが、まだまだ未走の楽しい道があるんですねぇ。
この日は北側の5kmほどが土砂崩れにより昨年6月から通行止めとなったままだったので、全通を見計らってまた走りに来ようと思っています。
このまま進めば大好きな八溝山に行けるのですが、今日はなるべく初めての道を走るべく、K196へと右折します。
明るい山間を少しずつ上っていく県道はとても気持ちよく、茨城県最北部の集落を抜けて山に入ると、福島との県境を示す標識が建っていました。
「県境には良い道が多い」との格言の通り(←格言か?)、この道も実にいい雰囲気です。
福島県側を駆け下り、K230からR118に復帰して、道の駅「はなわ」で以降のルートを検討しました。
K75を北に向かい、これまた初めて走る石川広域農道へ。
ツーリングマップル上の線形からイメージした通り、この道も「The・広域農道」と言った趣で、低い山を切り拓いて2車線のアスファルトがひたすら伸びています。
これが30km以上も続くってんだからたまんねぇよなぁ、とほくそ笑みを催しながら走っていると、いつの間にか雲に覆われた空から雪が降り始めたではありませんか。
現地の天気予報は晴れなのですぐに止むだろう・・・との希望的観測に反して雪はどんどん強くなり、沿道の木々はみるみる真っ白になっていきます。
路面は今のところ大丈夫ですが、それも時間の問題のように思われました。
これはアカン、マジでヤバい(汗)。
とにかく山を下りようと、行程を7割ほど残して広域農道を脱し、幌を上げてK14を南下。
辿り着いた道の駅「ふるどの」でスマートフォンを開き「Windy」をチェックすると、雪雲が北西から福島県南部まで拡がってきていることがわかりました。
もはや逡巡の余地もなく、北上を断念(涙)。
まだ9時過ぎではありますが、降り続ける雪から一刻も早く逃れるべく、南へと向かうことにしました。
阿武隈高地の南部を縫うR349は、第一級のB級国道。
広狭混在する交通量ゼロのワインディングが続くのですが、徐々に拡張&改良工事が進んでいるらしく、今回もピッカピカの2車線区間が増えていてちょっと驚きました。
楽しく走らせているうちに雪は止み、K27へと左折したところで乾いた幌を下ろします。
この先は茨城県に入り、人里離れた山越えルートになるのですが、路肩に雪はあれど心配していた積雪も凍結もありません。
折り重なる幾多のカーブをクリアして峠に立てば、聞こえてくるのは冬の名残の風の声。
独りぼっちですねぇ(笑)。
俗世間から隔絶されたかのような孤独感を大いに楽しみながら、ボクスターを走らせていきました。
総延長68kmの広域農道はいくつかの区間に分かれていますが、この最北部からR461との交点に至るまでの約20km、以前は萩ロードと呼ばれていたセクションがぶっちぎりで面白いんです。
ショート/ミドル/ロングと多彩なコーナーを次々とクリアしながら、大きな山をひとつまたひとつと越えていく。
ハードなバンプやアンジュレーションに注意する必要はあるものの、交通量は皆無に等しく、2速⇔3速メインのドライビングを心ゆくまで楽しめるのです。
いやもう、最高です(笑)。
R461を挟んで南側は徐々にクルマが増えてマイペース走行は叶いませんが、地元の方々の便利な移動経路のようなので仕方ありませんね。
もはやリエゾンと割り切って車列に加わり、K33で昼飯処を探しに常陸太田方面へと向かいました。
物産センター「こめ工房」。
JA常陸が運営する農産物直売所なのですが、食堂が併設されていたのでここで飯を喰うことにしました。
茨城の名物で大好きなけんちん蕎麦に惹かれつつも、安くて腹がいっぱいになりそうなロースカツ定食を発注します。
コレが710円だとは思えないほどのボリュームとクオリティで、さすがJAだわと感心させられました。
厚みのあるカツは揚げ具合バッチリで、柔らかくジューシィ。
ソースだけでなく、大根おろしもデフォルトでセットされているのがまた高得点です。
更に、こめ工房を名乗るだけあってごはんも旨いんですねぇ。
私が着座した時点で店内は満席となり、退店時には10名ほどの列ができていましたから、地元で人気の店なのだと思います。
ごちそうさまでした!
時刻は13時過ぎ、そろそろ都心方面へ向かおうと思うのですが、最寄りのICから高速へ乗るにはまだ早い。
地図を眺めてみると、久慈川・那珂川を渡ってK61が笠間まで伸びているので走ってみましたが、いわゆる普通の準幹線道路といった感じでおもしろくも何ともありません(笑)。
較べるまでもなく、このK61の北側をほぼ並行して走るビーフラインは本当に楽しい道なんだな~と改めて思ったのでした。
笠間からは往路と同じくフルーツラインを走り続け、土浦北IC手前のエネオスでハイオク満タン。
まだ空いている常磐道で、都心方面に向かいました。
その先、首都高速6号線を走っていると、後方からオレンジ色の992型ポルシェ・911カレラがすんごい勢いで迫ってきて、ボクスターの右後方にピタリ。
ありゃりゃ、マークされちゃいましたよ(笑)。
私が前に出てそのまま2台でペースを上げて走ったり、先に行ってもらった911がマクラーレンと小競り合いするのを後方から眺めたり、しばらく一緒に楽しく走らせてもらいました。
自宅最寄りのランプ手前で並んでみると、外国人のおにいちゃんが笑いながら手を振ってくれていたので、こちらもサムアップ&スマイルで応えます。
あんまり飛ばすなよ、兄弟(笑)。
本日の走行距離は、536km。
走行時間は8時間32分、平均速度は64km/h。
平均燃費は、10.3km/lでした。
いやー、おもしろかった!
予想外・・・というより予報外の降雪で、福島県内を北上する目論見は敢えなく潰[つい]えてしまいましたが、初めての道も大好きな道も存分に走ることができました。
茨城から福島にかけてのエリアは何度か走ってはいるものの、まだまだ掘り進める余地が大いにありそうです。
雪の心配がなくなったら、また走りに行きますよ!