日本最北の温泉地、稚内温泉の朝は、予報通りの雨。
ホッケにハムエッグにしじみ汁、その他すべて味付けが素晴らしい。
結果的に、おかわり3杯となったのであった。
さて、一日中雨が降るという今日のプランを考える。
北海道の最北エリアには素晴らしい道がたくさんあるのだが、はるばるここまでやってきて雨の中を走るのは、極めてもったいない。
ましてや、ボクスターはオープンカーである。
そこで、今日は周辺をブラブラして稚内に泊まり、晴れの予報が出ている明日、改めてこのエリアを走ることに決定。
今回のGTでは天気を見てルートを作ろうと、宿をまったく予約せずに来ているので、このような「晴れ待ち」も可能なのだ。
のんびりと宿を出てD106/オロロンラインを南下するが、昨晩からかなり強く雨が降っているらしく、轍にも水が溜まっている。
今日はやはり、走るべき日では無さそうだ。
そこでゆっくり温泉にでも入ろうとD444を左折して内陸に入り、豊富の街を抜けてD84沿いの豊富温泉「ふれあいセンター」に立ち寄る。
2年前にも来たことがあるが、ここはとにかく強い石油臭に驚かされるばかりである。
皮膚の病を治すべく通っているのだと言う人もいる、本気の泉質なのである。
持ち込んだタオルは茶色く染まり、すっかり石油臭くなってしまったが、オッサンの肌はスルスルになった。
1時間ほど寛いで外に出ると、雨は止んでいた。
が、走り出すと再び降り始め、それもかなり強くなりボクスターの幌を叩く。
D121→R232と雨の中を南へひた走り、天塩から再びオロロンラインで北上。
その後、結局雨は一度も止むことなく、抜海の漁港や夕日が丘PAに立ち寄ったりしながら、稚内の市街地まで走った。
「ホテル美雪」にチェック・イン。
素泊まり6,460円の和室は8畳で、とても広い。
晩飯は近くのラーメン屋「広宣」で、稚内の名物だというチャーメンを喰う。
煎りつけた麺に、野菜や肉、海老などの入ったコッテリした餡がスープと共にタップリとかけられており、これが旨いのだ。
汗をかきつつ、アッツアツを平らげてから宿に戻り、明日の算段を練る。
今日走れなかった分、走りまくったるで。
本日の走行距離は、185km。
走行時間は3時間37分、燃費は12.9km/lであった。
-------------
翌朝の稚内は、雨上がり。
雲は残っているものの、実に気持ちの良い晴れ空となった。
宿を出て市街地を抜け、宗谷湾を左手にR238をクルージング。
波はほとんどなく、海はたいへん穏やかだ。
そのまま海沿いを走り続け、宗谷岬に到着。
本土最北端に立つ間宮林蔵が見つめる先、青空の水平線には樺太が大きく横たわっていた。
ようやく乾いた幌を下げ、宗谷丘陵へと上がる。
その風景の中を走る素晴らしさは、やはり筆舌に尽くしがたい。
パーキングに小さな折りたたみの椅子を出し、宗谷のセイコーマートで仕入れたサンドイッチを喰う。
言うまでもなく、旨さは倍増だ。
昨日、稚内に留まって本当に良かったとつくづく思った。
そのままD889を南下、立ち並ぶウィンド・ジェネレータの間を縫って走り、丘陵地帯を快走。
突き当りのD1077を左折し、R238に出た。
広大な空の下、青いオホーツク海を眺めながらマイペースで走り続ける。
浜猿払から国道を離れ、村道のエサヌカ線へ。
文字通り360度の緑の平原に、地平線から地平線まで、1本のアスファルトが敷かれているだけの特異な場所だ。
走っても走っても景色が変わらない、まっすぐでまったいらな道。
何度来ても本当に凄いと思える、信じがたい景色であった。
中頓別のセイコーマートでホットシェフのおにぎりを調達し、D120に入った。
ここからが、道北爆走ドライビング・ルートである。
交通量はほぼ皆無、間に小さな町を挟みながら、原野や林の中を南へひたすら走るだけの行程なのだ。
まずはD120を30km走り、歌登の公園でおにぎりランチ。
引き続きD120→D49→D60と90km走って、下川のホクレンで給油。
D101が通行止めのためR239をリエゾンとして東に走り、道の駅「にしおこっぺ花夢」でソフトクリーム。
D137→D61→D137→D305で70km、丸瀬布に出て終了だ。
いやはや、マジであったまパーになる。
中頓別から丸瀬布まで、200km強。
走り放題のロング・ルートとして、これ以上のものを私は知らない。
楽しすぎて、死ぬかと思った（笑）。
時刻は15時半、空にはいつの間にか一面の雲に覆われている。
今日のドライビングはここまでとし、網走市郊外の宿へと向かうことにしたのだが、とはいえ、まだ100kmもある（笑）。
バイパスのようなR333を東に走り、R39を経由してD104を北東へ。
他にもクルマは走っているが極めていいペースであり、油断しているとプッシュされそうなレベルですらある。
網走湖の北端から狭い道を入り、農家民宿「ファームイン・アニマの里」に到着した。
今日の客は私独りとのことで、広いツイン・ベッドルームを使わせていただく。
風呂に入り、食堂で晩飯をいただいたが、これが滅法旨い。
旨いのだが、やはりイクラだけは喰えずに残してしまった（涙）。
部屋に戻って仕事をし、明日のルートを考える。
が、再び雨になるとの予報を見、考えるのをやめて寝ることにする。
今日もめちゃくちゃ楽しかったが、さすがに走りすぎたのか、少々首が痛い。
もちろん、一晩眠ればケロッと元気になるだろう。
本日の走行距離は、485km。
走行時間は7時間24分、燃費は12.3km/lであった。