これで、6日間連続で雨に降られることとなる。
いくらなんでも降りすぎだが、文句を言っても雨は止まないし、今日走るつもりのエリアで通行止めなどが発生していないことにむしろ感謝すべきであろう。
風呂から上がって部屋で寛いでいると、朝食が運ばれてくる。
これがまた夕食に劣らず望外の旨さで、腹痛直前のレベルまで飯を喰い続けたのであった。
R457を南に下り、K51で南蔵王高原を走る。
この道は緩いコーナーとアップダウンとで構成された、大好きな快走路だ。
空の雲に表情はなく、雨は相変わらず止みそうにもないが、それでも楽しく走り続けた。
山を出て突き当りを右折、R113/七ヶ宿街道を走り、更に右折してK13に入る。
この道は羽州街道の一部で、県境の金山峠を越えて山形県に入ると、実に雰囲気のいい狭隘屈曲路となる。
歴史の風情を楽しみながら山を下り、広々としたK268でR113へと戻った。
広域農道/ぶどうまつたけラインを南下。
この道も何度か走っているが、広域農道らしからぬ山峡のワインディングと、その先に伸びるストレートとの対比が印象的である。
初日に通ったR13からK2へと結び、白布温泉方面へと南下しているうちに、小降りだった雨が激しくなってきた。
裏磐梯エリアの旧有料道路群のうち、最もタフな羊腸路が続く、西吾妻スカイバレー。
雨の中、グリグリと上っていくうちに風が強まり霧も濃くなってきて、白布峠の向こう、福島県側に拡がっているはずの素晴らしい景色も何一つ見えない。
桧原湖畔をトレースし、K70/磐梯吾妻レークラインに入ると雨はますます強まって、アスファルトの轍には水が溜まっている状況である。
それでもなお走り続け、終盤のワインディングに差し掛かったところで、対向車線を激走する3台のクルマとすれ違った。
Uターンを切り、その3台を必死に追いかけて、「中津川渓谷レストハウス」にピット・イン。
クルマ仲間のM郎さん、Shimaさん、suite-spiralさんがそれぞれ、BMW ALPINA B3 GT3、ポルシェ・ボクスター・スパイダー、ポルシェ・911カレラS・カブリオレを駆って、前泊地の宮城県・気仙沼市からやってきてくれたのだ。
2泊3日のツーリングに出ているという彼らと昨晩、Zoomによるミーティングを開催。
侃々諤々脱線転覆紆余曲折を経た挙句、「じゃ、だいたい昼頃に裏磐梯のどこかで落ち合うってことで」とのテキトーな結論に至り、互いのGPSロケーションをシェアしながらここまで走ってきたのである。
レストハウスで白桃ソフトクリームを舐めきったらリスタート。
ここからは、4台でおもしろおかしく楽しく走るのだ。
停滞する前線の影響で、西日本では大雨による災害が拡大しているという。
ここ福島にも大雨警報が発令されており、屋根を開けて走ることなど夢のまた夢である。
が、そんなコンディションであっても、仲間とのドライビングはやはり楽しい。
雨を蹴散らして走る3台の後に続きレークラインを西に戻り、R459を経てK64/磐梯山ゴールドラインに突入。
この道は会津若松方面へのダウンヒル一辺倒だが、雨量と比較して路面の水量は少なく、レークラインよりも安心して走ることができる。
先行する911とスパイダーに引き離されぬよう、また後続のB3に追撃されぬよう、アクセルを開けて走った。
混雑する会津若松の市街地を抜け、K131/大内宿こぶしラインに入ると、辺りにクルマは1台もいなくなる。
ここまで務めてきたパイロットをShimaさんに譲り、コーナーの先へと逃げてゆくスパイダーのテールを追って、氷玉峠へのワインディングを2速で駆け上がった。
雨が降っていてもお構いなし、もう最高の楽しさである。
大内ダムの上で小休止してからリスタート、観光客の皆さんで混雑する大内宿の脇を通過して、宿のある湯野上温泉へと向かった。
Shimaさんが予約してくれた「湯季の郷 紫泉」にチェック・イン。
内湯と露天風呂とで汗を流し、部屋に戻って旅やクルマについて大いに語らった。
晩飯は牛肉の陶板焼や岩魚の唐揚げ、馬刺、鰈のムニエルなど、いずれも大変に旨い。
食後は再び風呂に入ったり、部屋で呑んだりしながら楽しい時間を過ごし、22時頃に就寝。
自身のイビキで皆に迷惑をかけたら申し訳ないな・・・と思う間もなく、直ちに爆睡した。
本日の走行距離は、274km。
走行時間は5時間10分、平均速度は55km/h。
平均燃費は、9.6km/lであった。