ガッラガラの常磐自動車道を淡々と北上、福島県に入り、曇り空のいわき中央ICから一般道に出ます。
街を離れ、人車の気配が感じられなくなったR399の急坂狭隘区間を、スポーツ・モードのボクスターが2速で駆け上がっていきます。
休憩のためにイグニッションを切ると辺りは静寂に支配され、聴こえてくるのは鳥の囀りのみ。
外気温は25℃ほどと涼やかで、正に別天地です。
いやもう、既にこの時点で、走りに来てよかったと思いました(笑)。
今日は、久しぶりに阿武隈高地を縦走します。
そのメイン・ルートはR399、一般には酷道として知られていますがとんでもない!
私にとっては素晴らしいロング・ドライビング・ロードであり、「第一級のB級国道」なのです。
急峻な峠越えもあれば林間のストレートもある、文字通り広狭混在で変化に富んだ、交通量僅少の山間路。
ひたすら走り続けているうちにトランス状態となってしまうので、注意が必要です(笑)。
しかしながら、そんなR399も改良工事が着々と進んでいるようです。
今回は、いわき市小川町と川内村との境を護っていたテクニカルな峠道が閉鎖されており、立派な2車線のバイパス・トンネルが開通していることに驚きました。
地元の方々にとって大変便利になったことは間違いありませんが、もう二度とあの峠道を走ることはできないのだと思うと、やはり少々残念です。
このようなケースは、枚挙に暇[いとま]がありません。
走れるうちに走っておかなければならないな・・・と、今日もまた強く思うのでした。
実りの秋へと向かう稲田を突っ切り、無人の山を抜けて、ボクスターはR399の北上を続けます。
空は相変わらず雲に覆われてはいるものの、幸いなことに雨が落ちてくる気配はありません。
極めて爽快に走っていくのですが、R288との重用区間を離れて葛尾村に入ると、路肩に線量計が設置されるようになります。
更にその先、浪江町との境には作業員の方の姿があり、その脇の立て看板には、徒歩やバイクでは通行できない旨の記載がありました。
ちなみに幌は下ろしたままでしたが、停車を求められることもなくそのまま通過しています。
少しずつ緊張しながらR114との重用区間を経て、再びR399に入ろうとしたところで、ボクスターの前に通行止めのフェンスが立ちはだかりました。
フェンスの向こうに続くR399をフォローしていくと、狭い峠道を経て里山に下り、その先は桜樹の間を縫って眺望豊かなピークへと続く、素晴らしい連続ヘアピン区間に出るのです。
アウディ・TTRSに乗られている
ていしあさんのBlogを前日に拝見し、もしかしたら走れるかな、と思ってやってきたのですが、原発事故から9年が経過してもまだ立ち入ることはできないんですね・・・。
往生際悪く、R114→K62と東から回り込んでみたり、更に迂回して北からR399でアプローチしてみたものの、いずれも有人のゲートに阻まれることとなりました。
解ってはいたものの、やはり現実は厳しい。
いつか通行止めが解除になったら絶対に走りに来ようと自身に誓い、このエリアを後にします。
沿道には、地域の皆さんが大切に育ててくれているのでしょう、キレイな花がたくさん咲いていました。
屈曲の峠道を越え、月舘町に入ったところで、今回のR399トレースは終了。
道はこのまま山形県へと続いているのですが、県境から先が災害のため半年間に渡り通行止めとなっていますので、日を改めて走りに行くこととしています。
気温も上がってきたのでK316からR115に出、沿道の「
まきばのジャージー」にピット・イン。
奮発してダブル・コーンを発注、定番のラムレーズンと季節限定・枝豆のアイスクリームを盛りつけてもらいました。
家族連れやカップルで賑わう店先から少し離れ、隅っこのベンチで手をベタベタにしながら、独りアイスクリームを舐める54歳。
お約束です(涙)。
続いて、昼飯処をGoogleでサーチ。
いつものように蕎麦などでも良かったのですが、夏バテ防止にガッツリ喰おうと考えて、伊達市郊外の住宅地にある食堂を見つけ出し、
NaviCon経由でカーナビにインプットしました。
が、その店に至るルートについてはカーナビの指示をガン無視し(笑)、山越えの舗装林道へ。
せっかくの2車線幅が、左右に生い茂る夏草で1.5車線ほどに狭められているワインディングをヒヤヒヤしながら走り抜け、K31を経て「食堂よしかわ」に到着しました。
これまた奮発して発注した特上ソースカツ丼を喰らい、5個170円のサービス餃子を平らげると、もはやギンギンの満腹感です(汗)。
味も量も言うことなし、私が退店するころには入店待ちのお客さんもいましたから、ここは地元の人気店なのでしょうね。
750-800gの超特大カツ定食なんてのもありますので、ドラ飯処のひとつとして、食いしん坊の貴兄にも強くお勧めする次第です(笑)。
宮城県境にほど近いところまでやってきましたので、午後はノーズを南に向けて走ります。
選んだのは、もうひとつの阿武隈高地縦走路であるR349。
前半は往路のR399よりも街に近く、マイペース走行は長続きしませんが、それでも流れ良く走ることのできる道です。
で、田村市まで走ったところで沿道に建つ「
聖石温泉」に立ち寄りました。
地元のおばあちゃんたちが談話に興じている休憩室の脇を通り、鉄分炸裂な赤茶色の湯が満たされた温泉にどっぷり。
湯温は温めでちょうどよく、窓からは涼しい風が入ってきて、とてもいい塩梅です。
いや~、最高ですねぇ。
空は、いつの間にか晴れ渡っています。
R349は小野の街を過ぎると交通量が激減し、R49との交点から先は、R399に劣らぬ素晴らしいカントリー&ワインディング・ロードとなります。
高めのギアでゆるゆると走らせていたボクスターに再び鞭を入れ、広狭相半ばする山間路での走りを存分に楽しみました。
K14との重用区間となる古殿の街ではスロー・ダウン、単独区間となり山の中へ入ればペース・アップ。
以降、2速⇔3速を不必要に切り替えながら、高いテンションを保ったままのドライビングを続けました。
いやもう、お腹いっぱいです(笑)。
矢祭町で普通の道路に戻ったR349を南へチンタラと走って茨城県に入り、K36で日立中央ICにアクセスして、空いている常磐道で自宅へと向かいました。
本日の走行距離は、723km。
走行時間は9時間36分、平均速度は77km/h。
平均燃費は、11.0km/lでした。
阿武隈高地のドライブは大好きで、何度も走りに出ていますが、今回のように「R399北上⇒R349南下」のルーティングは初めてかもしれません。
何と言っても走り応えがバツグンで、トランス状態一歩手前の素晴らしいドライビング・デイとなりました。
次回は伊達から小野町までのR349を周辺の山間県道に置き換え、更に茨城県の県道群&広域農道群と接続すれば、恐ろしいまでのロング・ワインディング・ルートが・・・いや、いかんいかん(汗)。