前週、各地に甚大な被害をもたらした台風19号は、高速道路も通行止めに追いやりました。
出発の当日になっても、上信越自動車道は碓井軽井沢IC-佐久IC間が、中央自動車道は八王子JCT-大月ICがクローズとなったまま。
周辺の国道や県道も通行止めが相次ぎ、メインの迂回路とされている東名高速道路は、集中工事と迂回車両で大井松田IC付近を先頭に朝から晩まで大渋滞です。
で、我々が選んだのは、中部横断自動車道へのエスケイプ・ルート。
降りしきる雨の中、ShimaさんのALPINAロードスター、suite-spiralさんのRUF Rt12、および私のボクスターの3台は、上信越道を群馬県の下仁田ICまで走って一般道に出ます。
迂回する車両で明らかに交通量の多いR254を走って長野県に入り、佐久の市街地を抜けて佐久南ICから中部横断道を経由し、無事に上信越道へと復帰することができました。
1時間ほど余分にかかりましたが、道路状況も良好で渋滞することもなく、この状況下では望外の結果だったと言えるでしょう。
上信越道から長野自動車道へと雨が止んだガラガラのハイウェイを走り、松本ICでアウト。
岐阜県へと向かうR158はもともとクルマが多く、この日も車列に埋もれて淡々と距離を稼ぐだけだったのですが、幸いなことに安房峠越えの旧道が開通していたため、迷わず脱出!
荒れたコンクリート舗装に散乱する枝葉を蹴散らして、3台は連続する急カーブをぐりぐりと上っていきました。
長野-岐阜県境の安房峠には、心地よい風が吹き渡っています。
Shimaさんとsuite-spiralさんは、京都ナンバーのレンタカーでやってきたイスラエル人夫妻と楽しそうに話をしていました。
グランド・ツーリングですねぇ(笑)。
雨は降ったり止んだりして、2台のロードスターは屋根を開けることができません。
それでもドライビングは楽しく気持ちよく、R471から広域農道を経由してR41へとマイペース走行が続きます。
腹が減り、飛騨市古川町の「
そば処すごう」に立ち寄りますが、今日と明日は地元の「
飛騨新そば祭り」に出店するため休みだとのこと。
それではその祭りに行こう!ということになり、JR飛騨古川駅近くの会場へと走りました。
旨い新そばをスルスルッと手繰り、五平餅や飛騨牛コロッケを追加で腹に収めて大満足。
再び降り出した雨の中、最寄のガソリン・スタンドでハイオクを満たしてから更なる山越えに向かいます。
R360、天生峠越え。
1.5車線レベルの山道は、幾多のタイト・コーナーを経て標高を稼いでいきます。
先行車にも対向車にも遭うことなく、3台はひたすらストイックに雨のワインディングを走り続けました。
峠でのトイレ休憩中に雨は激しさを増し、めちゃくちゃな土砂降りの中を下っていくことになります。
路肩から溢れた雨水がアスファルトの上を川のように流れ、霧も相まって視界は非常に悪く、かなりの緊張を強いられます。
とは言え、モタモタしているとマジで落石や土砂崩れが起きるんじゃないかと思われ、なるべくペースを落とさずに必死で下っていきました。
拷問です(涙)。
何とか白川郷まで出ると、雨はようやく普通のレベルになりました。
ユネスコ世界遺産の合掌造り集落には見向きもせず(汗)、次の県境越えに挑みます。
「
白山白川郷ホワイトロード(旧・白山スーパー林道)」は、片道1,600円の山岳観光有料道路。
全長30km超、走りはもちろん、素晴らしい景色を楽しめるはずなのですが、引き続きの雨と霧とで何も見えません。
最高所のパーキングは標高1,450mもあり、早くも鮮やかな紅葉に覆われていたものの、雨が強くて車外に降りることもできずにそのままスルー(涙)。
石川県へと突入、周囲の急峻な山々から「臨時の滝」が幾筋も流れ落ちていく光景に畏れ慄きながら走り続け、ようやく山岳部を脱出。
R360沿い、suite-spiralさんお勧めの有名店「山法師」に立ち寄り、旨い大判焼きを頬張りながらようやく一息つくのでした。
「
赤穂谷温泉」は、小松市郊外の静かな一軒宿。
予約してくれたShimaさんでさえ「何県でしたっけ?」と真顔で訊くレベルの小さな温泉ですが、広々とした敷地に建つ重厚な造りの宿はなかなかの風格です。
露天風呂から上がって部屋でダラダラしていると、大阪からALPINA B3でmtmさんが、兵庫から993型ポルシェ・911カレラでGoさんが、道に迷いながらもそれぞれ到着。
料理旅館と呼べるレベルのたいへん旨い飯を喰い、風呂に浸かり、クルマ談義に花を咲かせるのでありました。
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翌朝は、待望の晴天!
朝風呂⇒朝飯⇒チェック・アウト、急用で先に帰るmtmさんを見送って、4台でのドライブがスタートします。
R360を戻り、トンネルと橋とで構成されたR157を南下して福井県に入ります。
この先は大野の市街地となるためK26へと左折し、高原地帯を走って迂回しました。
続くR158で九頭竜湖へと上っていきますが、この道は交通量がとても多く、アタマを押さえられてチンタラ走行を余儀なくされる時間帯が多々。
それでも前が開くと、Rt12/ALPINAロードスター/911カレラ/ボクスターのオーダーで、山間のワインディング走行を楽しむことができました。
岐阜県に入る手前で、神戸に帰るGoさんは東海北陸自動車道に直結する新道へ、我々関東組の3台は誰もいない旧道へ。
県境の油坂峠を越えると道は急坂を駆け下るタイトなワインディングとなり、むしろ新道よりも速いんじゃないかぐらいのペースで、ハードなダウンヒルを堪能させていただきました。
K52を郡上八幡まで走り、R256沿道の道の駅「
和良」でブレイクです。
串団子などを頬張りつつ、帰宅の途に就くべく中央道/恵那ICを目指すShimaさんを見送りました。
残る2名は帰る気などさらさら無く、これからのルートや宿泊先をツーリングマップルとスマートフォンとで物色しまくります。
結果、愛知県の奥三河エリアに湧く湯谷温泉に宿を予約。
当然ながら高速道路などは使わずに、多少遠回りになっても楽しそうな道を選んで走り倒すことに決定しました。
川沿いのK86を南に走り、終点・飛騨金山のエネオスで両車ともハイオクを満タンにします。
650psのモンスター、Rt12はやはり大喰らいらしく、ボクスターの1.5倍から2倍近いペースでガソリンを消費していくようです。
とは言え、パワーはボクスター比で2.5倍!トルクに至っては3倍以上!!もありますから、ある意味、低燃費車だと言えるかもしれません(←言えないって)。
R41をのんびりと南下、白川口からK68に入り他車がいなくなったところでアクセル・オン。
トリッキーなコーナーが続く小さな峠をクリアして、田園風景の中を快走していきます。
続くR418は、恐らく初めて走るローカル国道。
一部狭隘区間もありますが、交通量ゼロに等しいロング・カントリー・ロードでした。
明智町では市街地ノロノロ走行を余儀なくされたものの、町はずれの交差点で我々以外のクルマはすべてR363で西へと流れ、ハイペース走行が復活します。
K11で愛知県に入り、矢作川を渡ってK19→R153と更に南へ走りました。
足助から分かれたR420はしばらく森の中を走り、徐々に東へと変針。
R473との重複区間では、4速⇔5速でのクルージングや3速レベルのダウンヒルなど、変化に富んだドライビングを楽しむことができました。
K32を経て、2速固定のハードなワインディング・K524/鳳来寺山パークウェイを走り切り、本日の投宿地である湯谷温泉に到着。
飛騨金山での給油から下道ばかりノン・ストップで150km、カーナビの想定所要時間を1時間以上も短縮できたその走りっぷりに、suite-spiralさんと二人して大笑いとなりました。
「
はづ別館」は、昭和レトロな雰囲気がたいへん好ましい、趣のある温泉旅館。
すぐ脇を流れる宇連川を眺めながら、掛け流しの茶色い湯が満たされた露天風呂にとっぷりと浸かりました。
夕食は近くの食堂で済ませましたが、翌日の朝食は鮎の干物や猪の味噌汁、たくさんの漬物が並んでとても旨い。
ごはんを3杯半も平らげてしまい、腹痛直前まで追い込まれてしまった次第です(涙)。
1泊朝食つきで税込6,750円、ホスピタリティも抜群で、言うことなしの宿でした。
フロント・サービスのコーヒーをゆっくり飲んでからチェック・アウト、私は新東名高速道路で直帰すべく浜松方面へと向かいましたが、suite-spiralさんは今日もまた山坂道を走り倒すとの由。
爆音を轟かせるブラッド・オレンジのRt12は、どこのワインディングを疾走していったのでしょうか(汗)。
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3日間の走行距離は、1,138km。
走行時間は18時間04分、平均速度は65km/h。
平均燃費は、11.1km/lでした。
今年も大いに楽しませていただきました、日本どまんなかミーティング。
往路は雨で屋根を開けることができませんでしたが、いくつもの山を越えるダイナミックなドライブを堪能することができました。
翌日は一般道のみで日本をほぼ横断する形となり、しかもその行程のほとんどがカントリー&ワインディング・ロード。
いずれも走り好きの貴兄にのみ、強くお勧めできるルーティングとなっております(笑)。
そして何よりも、遠く離れたクルマ仲間との再会は、やはりバーチャルでは得られない楽しさがありました。
幹事役のShimaさん、ご参加の皆さん、どうもありがとうございました。
また次回、どまんなかで会いましょう!