セブン-イレブンで買い入れたおにぎりを、道の駅「
フェニックス」の前で朝の海を眺めながら頬張りつつ、思い描いたルートをツーリングマップルで確認する。
今日は、海沿いの日南フェニックスロードをひたすら南下することにしている。
関東地方では叶わない沿岸部の快走は、グランド・ツーリングの楽しみのひとつなのだ。
R220は流れも良く、快晴の空に朝の風がたいへん気持ちいいのだが、濡れた幌を開けられないのが少しもどかしい。
途中、
鵜戸神宮に立ち寄る。
ここは予備知識ゼロで初めて訪れたのだが、青い空と海に朱塗りの門が良く映える、実に素晴らしい景観の神社である。
拝殿は最奥の洞窟の中にあり、また実にいい感じなのだ。
旅の無事を祈ってから運玉を買い入れ、断崖下の大岩に穿たれた穴に向かって投げたが、これがなかなか難しい。
隣にいた小学生ぐらいの女の子が一発で入れているのに、私は5つ投げてひとつも入れることができなかったのである(涙)。
駐車場に戻るとボクスターの屋根はすっかり乾いており、神宮を出たところで待望のルーフ・オープン。
晴天、20℃プラスの風を受けながら、超快適なオープン・エア・ドライビングが始まった。
フェニックスロードの続き、R448は道の駅「
なんごう」の先で災害通行止めとなっていたためにK439への迂回を余儀なくされるが、これもまた楽しいワインディングである。
国道へ復帰してひとやすみしていたら、トヨタ・アクアに乗る地元のおじさんが声を掛けてくれた。
独りで走っていると、人と話すことがとてもありがたく、また嬉しく感じるものだ。
「どこまでいくの」⇒まだ決めてませんが、とりあえず南へ走ります。
「ポルシェはいいねぇ」⇒はい、とてもいいクルマだと思いますよ!
「加速がすごいんだよね」⇒いや、私は屋根開けてのんびり走るだけですから・・・。
「この先おまわりに気をつけて」 ⇒は、はい(汗)。
R220と合流したR448は、鹿児島県/志布志の前後で市街地走行となる。
腹も減ってきたので、沿道の食堂「グルメハウス食彩館」でラーメン定食を喰った。
鹿児島ではやっぱり、ラーメン屋で大根の酢漬けが出てくる。
肝心のラーメンはとんこつスープとはいえ案の定博多系とは異なり、麺は中細でスープはあっさりとしていた。
同じ九州のラーメンでも場所によってずいぶん違うのだなと思いつつ、セットの餃子やご飯と共にスープを最後の一滴まで飲みきった。
はい、ごちそうさん!
R220と別れると、R448は本格的に走り放題のドライビング・ロードとなる。
断崖上、3速ワインディングの続く森を飛び出して、無人の白い砂浜で小休止。
内陸部に入ると道は登坂車線つきの快走路となり、ボクスターは豪快に走り続けた。
いやもう、マジであったまパーになるわ(笑)。
大隅半島を横断し、今度は錦江湾を左手に見ながらR269を北上する。
K68→R220と道は変わるものの、交通量は多く快走は望めないため、途中のファミリーマートでコーヒー・ブレイクを楽しみつつこの先を考える。
で、今日は明るいうちに宿へ入ろう・・・と思いつつ安宿を予約したのだが、そこへ至るには対岸・薩摩半島の最南端まで走らなければならないのだ(汗)。
北上に連れて近づく巨大な桜島は、黒い噴煙を東へと吐き出している。
灰をかぶることもなくオープンのままで桜島南岸のR224を走り、満車状態の
桜島フェリーに乗って鹿児島港へ向かった。
混雑する市街地を抜けて鹿児島ICから九州自動車道に乗り、そのまま指宿スカイラインに入る。
何度も走っているが、この道はワインディングが本当に楽しい。
交通量はほぼ皆無、曲がりくねっている道なのに、恐らく海沿いの国道よりもアベレージ・スピードは高いと思われる。
スカイラインを走りきると池田湖はちょうど夕暮れ時、その向こうに聳える開聞岳のシルエットがとてもきれいだ。
指宿方面へと走り、日没直後に宿へ到着した。
「
いやされの宿 田舎や」は素泊まり5,000円のコテージ・・・いや、シンプルなバンガローだ。
この宿を取った理由のひとつ、数分のところにある日帰りの「
たまて箱温泉」は、東シナ海を望む広大な露天風呂が超最高。
雲を染める残照が消え行く様を眺めつつ、のんびりと湯に浸かる。
近くの食堂で黒豚トンカツの定食を平らげてから、宿に戻った。
本日の走行距離は、343km。
走行時間は6時間41分、平均速度は53km/h。
平均燃費は、11.6km/lであった。